FEARの商業戦略について

http://d.hatena.ne.jp/gginc/20071211/1197384901
お返事いただいたので、ざっと読みました。

FEAR社のルールブックは、単独では使えない?

FEARがゲーマーズフィールド他で、手厚いサポートを行っている、ということは、「サポートが必要ないルールブックをF.E.A.R.社が志向していない」ことを意味しません。


1.ゲーマーズフィールドの定期購読者で、各種サプリメントの購入者。
2.ゲーマーズフィールドは定期購読してないが、GF商品を含むサプリメントのユーザー
3.本屋で買えるサプリのユーザー
4.基本ルールブックのみ


おおざっぱに、こんな感じにプレイヤー層は分けられると思いますが、FEAR社は、これら4つ、それぞれに、気配りしてると思いますよ。

海外TRPGのような、ごついつくりの基本ルールブックに、これまたゴツいつくりの各クラス拡張サプリメント*4を売るという戦略を、F.E.A.Rは取らなかった。

他の日本TRPGがシャドウラン並に分厚い本を出す中、唯一FEAR社だけが薄いルールブックを出した、というなら、理解できますが、そうじゃないですよね。FEAR社は日本のTRPGの中では、別に薄くありません。
単に、製作コストと市場の大きさ、プレイヤーの嗜好の問題で、どこの会社も、分厚いルールブックなんか、そうそう出せない、という話でしょう。
あるいは、それがFEAR社の戦略だ、というのであれば、日本のTRPGは、全部、それと同じ戦略を採っていることになる。

F.E.A.R.社の製品を評価する際には、「よくできた大著の基本ルールブックを単位」とするよりも、「わかりやすさを重視したルールブック+版上げされるまでに細かく継続されたサポート」も含めて評価しなければならない。そうしなければ、他社のルールブックよりも多少見劣りするものになりやすい。しかしそれはあくまで商業戦略の違いから来るものであって、逆に他社のゲームは、サプリメントや雑誌サポートが極端に見劣りするとも言える。

逆もまた言えて、海外の、分厚い本を出してる会社が、雑誌、雑誌的なサポートをしてないか、というと、そんなことも全くない。WhitewolfだのDragonだのには、追加データが色々載っている。会誌やらウェブジンやらも数多い。


Dragon誌があり、雑誌並の速度で各種サプリを出しまくる(英語版)D&Dは、「よくできた大著の基本ルールブックを単位」としてるんでしょうか、それとも、「わかりやすさを重視したルールブック+版上げされるまでに細かく継続されたサポート」を単位としてるんでしょうか?
答えは、両方。その二つは別に矛盾するものじゃないのです。
そして日本の会社は、FEARも含め、全部やる余裕がまだない。そんだけでしょう。

データのモジュール化

 近年のF.E.A.R.製品のスキルは、まるでTCGのカタログのようにレイアウトされており、後でいくらでも追加データでバランス調整がきくように入念なモジュール化されている。

D20システムを始め、データのモジュール化は、アメリカのビッグゲームにおいても見られる傾向かと。FEAR社のクラス別スキルとD&DのFEATやスペルの概念がどう違うのかよくわかりません。
まぁこれは横道かも。

結論

a.「FEAR社のゲームは、ゲーマーズフィールド等の、サポートも含めて評価すべきである」
これは正しい。ただし、今日日、よっぽど一発屋のTRPGでもない限り、たいていのTRPGは、サポートされており、サポート込みで評価すべきである。
b.「FEAR社のゲームは、サポート抜きのルールブックだけでは成立しない」
これは正しくない。サポートが厚い、というのは、サポートがないと成り立たない、ということではない。少なくとも、他のTRPGに比べて成立しない、ということは証明されていない。
c.「一つ一つのゲームの消費期限が短い代わりに、細やかで充実したサポートを雑誌やサプリメントで次々と行う」
「細やかで充実したサポートを雑誌やサプリで次々と行う」ことは「消費期限が短いこと」とは無関係。


論理に飛躍が多く、逆や対偶を、きちんと調べたほうが良いかと思いました。