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xenothの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008-03-12

イマジナリーボードの意図と問題意識

http://d.hatena.ne.jp/accelerator/20080305/p1

こちらの日記でid:ggincさんにコメントをいただいたので、お返事など。

長くなったので、一部分ずつ。

 それとですね、以前コメントさせていただいた時もそうだったんですが……どうも私が文章を書いている意図自体を“一貫して”誤解されているようなんですよね。私の方からいくら記事やコメントなどで「いや、違うんですよ、そこで言いたかったのはね……」といくら補足しても、その根本の問題意識を理解していただけないまま批判されても、取り上げようがないな、とは感じています。たぶん、何か私を敵対するステークホルダー利害関係者〕と誤解されている向きがあるんじゃないかと思います。

「意図」と「問題意識」ですか。

えーと、TRPGを、上達可能、学術研究可能な文化として定義することで、一般的な認知を広め、それをもって、TRPGを活性化し、よりよいTRPGライフを皆のために、ということで良いでしょうか?


もうちょっと具体的に言うと。

今、現在、TRPGという遊びについて、TRPGを知らない人にしっかりと説明することが難しい。

例えば「ラノベ系超能力高校生」みたいなテクスチャと、「TRPGの本質」みたいなものを切り離して、理解してもらうという程度のことも結構大変です。TRPGという趣味に、なんで、十年も二十年もかけるのか、というのをどう説明したらわかってもらえるか。

「ごっこ遊び? 超能力? 高校生? それってオタク臭くてつまんなそー」と言われたら、どうするか?


「TRPGは奥が深くてすごいんだぜ」ということを、きちんと誰にでも説明できるような枠組みをしっかり作り、それによって、より多くの人にTRPGを理解してもらい、共感してもらい、遊んでもらえるようにしよう、と。

ggincさんは、そういうことを目指しているのだと理解しています。


ちなみに、これらの意図については、私は全く賛成で、反対するところはありません。それらが達成されることは、TRPGにとって良いことでしょう。

私の読解が正しいとすると、ggincさんの意図については全く否定するつもりはなく、むしろ大賛成です。


私が懸念および批判しているのは、

1.客観的に中立なTRPG評価の枠を作ることは難しい。

2.通常は好みが人それぞれなのは問題ないので、色々な偏った評価枠があっていい。

3.ただし、一般社会に啓蒙しようとする場合、歪んだ評価枠は、多くの被害を起こす。

ということです。


わかりやすい具体例を挙げるなら「TRPGを初めてプレイする人にシステム選択眼をもってもらうにはどうすればいいか?」という議論の中で「SRSは2d6で進行管理があるからダメだね」と言い放つあたりですね。

そういう偏見で、啓蒙の枠組みを作られたら、大変に危険だ。


もうちょっと広い例では、TRPGと上達可能性の問題があります。

「面白さを深め続けるために、上達可能性があることが望ましい」それは確かです。

一方で、「〈遊戯〉を中心にゲームを構成してしまうと、そういうサイクルがうまくできなくなって、ゲームが腐っちゃう」みたいに、「上達可能性のないものは腐る」とする場合、様々な問題が起きうる。

「上達可能性がないものは腐る」というのは、結果的に「ggincさんが上達可能性を見つけられなかったものは腐る」ということに直結します。

その過程で、本当は奥が深くて面白いゲームなんだけど、ggincさんが「このゲームは長く遊べない。すぐ腐る」と片づけてしまい、それが、啓蒙用の枠組みに組み込まれたら……。


さてさてggincさんからすれば、私が指摘してる部分は些末な二次的な問題に見えるかもしれませんが、私の問題意識からすると、それは大きな問題なのです。


もちろん、これは、私の誤解かもしれません。というか誤解はあるでしょう。

とはいえ、私がggincさんの問題意識を理解してないように見えるのと同程度には、ggincさんも私の危機感を理解されていないかもしれない、ということだけ、ご理解いただければと思います。

ggincgginc 2008/03/12 17:03  うーん、まあ、やっぱり買いかぶりすぎなんだと思います(笑)。そこまで読み込んでくださって、ありがとうございます。

 私は、できればxenothさんみたいな人に、別の説得的なモデルを構築するなり、個別システム研究から引き出されたモデルなりを考察していただけると、私は目的をソロプレイで達成せずにすみ、大変助かるんですよね。これこそ〈役割分担〉で行きたいとずっと思っていることなのです。

 色んな“使える仮説”を(個別システムの検討から初めてもいいと思います)、高橋以外の人間が説得的に提示できることが、私が今やってる作業の一番大きな“批判”になると、個人的には思います。

 ともあれ、私風情が一人で淡々とやっている、誰も注目なんてしないんじゃないかということを、ここまで影響力として評価していただけると、なんだか気恥ずかしいですね。たぶん「問題意識」として理解できないのは、私自身の影響力評価の部分そのものなんだと思います。あるといわれるなら、それなりの責任について考えていかなければならないのかもしれませんね。

 xenothさんの私に対する批評は、他の方も『気まぐれTRPGニュース』などを読んで、私の考察とあわせ、バランスよく公正に理解してくださっているはずです。今後も何か私に至らない点がありましたら、ばんばん指摘してくださって結構です。私は私で、誰から見てもダメだと思えるところについては、時間をかけながらマイペースで修正させていただきますので(そんないっぺんにはできない。無能ですから(笑))、今後ともどうぞよろしくお願いします。

ggincgginc 2008/03/12 17:06  あ、ちなみにこのエントリの前半部分の話で、だいぶxenothさんとの距離が縮まったと感じています。ありがたいことです。

xenothxenoth 2008/03/13 00:55 苦言かつ応援ではありますが。

ggincさんは、TRPGを文化にすることを目指し、また、TRPGに関する評論を学術研究のレベルにまですることを目指しているのだと認識しております。

であるならば、自覚してください。
今、現在、日本で、発表されている中では、ggincさんのTRPGに関する評論は、この分野において最先端にあるものの一つです。
最先端にあるものとして、今後、いつでもどこでも取り上げられる可能性があります。
学問として、あるいは、学問を目指して提示するからには、それに伴う責任があるのです。

新分野の論文を書く時、Citationが、まだ少ないからといって、おざなりに書いて良いものではありませんよね。むしろ、新ジャンルを切り開く論文であるからこそ、学問的に誠実である必要があります。

「個人の随筆」ではなくて、評論、しかも、学術研究を目指すことを前提の評論というのは、それくらいの重みがある、と、私は理解しています。

であるのなら、単なる思いつきではなく、データを集めた検証を。検証前なら、反証可能性を前提とした、検証方法の提案とそのありうる結果に対する思考実験を。仮説に対しては謙虚に。事実に対しては貪欲に。議論や新事実の中で、変化をためらわず、現在の自分のスタンスを常に明確に。

以上、研究者であるggincさんには釈迦に説法でしょうが、是非、それを目指して欲しいということです。

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