手を取り合うネコと人!にゃんだふる・ワールド!

突然ながら、犬と猫では、どちらが好みでしょうか?
姉 or 妹,巨乳 or 貧乳,先日の年上 or 年下に続く、新たな究極対至高のテーマがやって参りました。
[桐原いづみ][CLAMP][水谷フーカ] 中学生に戻りたい?年上の女性とお付き合い出来る幸せ!
前回同様、犬と猫どちらもそれぞれの良さを持っていると重々承知した上で、私は犬派でした


「でした」と言うのは、漫画を読んで行く中で、猫の魅力にも気付かされて来たからです。
決して幼少児に巨大な犬に踏まれたトラウマを思い出したからではありません。
ネコ漫画で直ぐに思い付くのは『ねこぱんち』(コンビニコミック)で、例えば、正直どうでもいいの漣さんの以下の感想があります。
ほんわかまったり・・・喋れるねこ・オードリーがんばってます 『江の島ワイキキ食堂』2巻
けれど、『ねこぱんち』のような専門雑誌でなくとも、ネコ漫画は各漫画雑誌から結構沢山挙げられると思います。


その多くのネコ漫画の中で、ネコと人間(飼い主)の関係性が面白いと感じました。
多くの場合、気まぐれ,好奇心旺盛,自由奔放とされるネコ達は、人間に常に寄り添っている訳ではない気がします。
しかし、まるで年季の入ったツンデレの如く、その裏にはネコと人間の確かな絆が見えるように思ったのです。
という訳で、今回は、ネコと人が手を取り合って過ごす日々を描いた作品を紹介します!

ネコと共にある世界:「ちょこっとヒメ」(カザマアヤミ

ちょこっとヒメ 7 (ガンガンコミックスONLINE)
まずは、ネコと共にある世界として、「ちょこっとヒメ」です。
今は亡き『月刊ガンガンWING』と現在も絶好調の『ガンガンONLINE』で連載されていた今作。
現在、カザマアヤミ先生は、『ガンガンJOKER』で「はつきあい」、『まんがタイムきららフォワード』で「せなかぐらし」を連載中です。
この二作品同様に、作者の初連載作品である今作でも、ニヤニヤ胸キュン赤面のラブコメは健在です。
しかし、今作で最も強く感じるのは、作者の動物(特にネコ)に対する海よりも広く山よりも高い愛情だと思います。


全7巻、物語から後書きに到るまで、人間達(時にカザマアヤミ先生ご本人)とネコ達の関係・日々を描く。
ネコ漫画なら当然の事なのかもしれませんが、ネコが登場しないページは皆無と言っても過言ではないはず。
ネコ大好き!
作中での各ネコや飼い主達は勿論、後書きの作者のネコに対するテンションも、ご覧の通り。
丸々4年間、作中で作者曰く「動物への愛が高じて偏ったかんじで表現」(第1巻後書き)を貫いた今作。
一読者として「未だ描き足りないのでは…?」と読了後に感じるくらい、溢れんばかりの愛情を感じる事が出来るでしょう。


そして、その愛情を確かに感じられる物の一つが、今作で描かれる“4つの視点”だと思います。
人間からネコへの視点ネコから人間への視点人間同士の視点ネコ同士の視点です。
例えば、以下の場面では、ヒメから見た兄ちゃん(1コマ目)と兄ちゃんから見たヒメ(2コマ目)が描かれています。
2つの視点
この異なる視点での描写は、「ちょこっとヒメ」内収録の読み切り作品や後の「なきむしステップ」でも見られます。
相手の視点で見た世界を想像して描けるのは、強い愛情を持って接している相手を、日々の生活の中でよく見ているからではないでしょうか?
人間の視点に縛られる事なく、ネコ達の視点も漫画として描き出せる所に、私は強くて優しい想いを感じて胸がホッコリします。

ネコを通して見る世界:「のりタマ」(オオツカマヒロ

のりタマ 1 (電撃コミックス)
次に、ネコを通して見る世界として、『電撃大王』連載の「のりタマ」です。
オオツカマヒロ先生のサークル:オタクビーム(現在休止中)を見聞きした事がある人は、少なくないと思います。
電撃大王』屈指の癒され作品である今作は、タイトルの通り、のりえ(無職)とタマ(ネコマタ)の猫の町での物語。


今作では人間:のりえとネコマタ:タマが、飼い主とペットとはまた違った関係を築いて行きます。
その中で特に感じるのが、タマの目線から見る世界が丁寧に描かれている事です。
分かりやすい例が、タマがカメラと出逢う話での以下の1ページ。
タマの視点で見える世界
同じく『電撃大王』で連載されている「よつばと」でも感じられる自分とは違った世界の見え方
その違った目線に気付く事で、日々の生活が新たな発見で色付いていく気がするのです。


また、そのネコ目線は考え方にも現れ、ハッとさせられたのがネコの集会でのワンシーン。
のりえは、たまにネコ達が集まった理由を尋ねるのですが、たまはキョトンとした顔で答えます。
集まるのに理由なんていらない
確かに、大人になるに連れ、何かしら理由がないと集まれない事がどんどん多くなって行きます。
羨ましさや寂しさを感じる反面、当然の事ながら、私達はネコと同じようにはなれません。
しかし、ネコとは違う理を持つ私達だからこそ、理由を持って集まった一回一回を大切にしたいと思うのです。

ネコ的妹と過ごす世界:「アマガミ」(東雲太郎×エンターブレイン

ヤングアニマル あいらんど 2011年 4/5号 [雑誌]
最後に、ネコ的妹と過ごす世界として、「アマガミ precious diary」の美也編です。
東雲太郎先生は、『ヤングアニマル』でも、「キミキス」に続いて「アマガミ」でも素晴らしいコミカライズを連載中。
その増刊『ヤングアニマルあいらんど』でも、毎号特別編が掲載されています。
最新号では、全国1億2000万人のにぃに待望の美也編です!


今回の表紙イラストでも描かれている通り、美也の可愛いポイントの一つはネコっぽさだと思います。
気まぐれマイペースで、橘さん(にぃに)に全身で懐く様子は、まさにネコ!
「にししし」と笑って目を輝かせ、にぃにで遊んでいる美也の姿を見ているだけで、微笑ましい気持ちになれます。。
ムッとする
それでいて、自分の知らないにぃにの一面を知ってショックを受けたり、不安や寂しさがどんどん加速していったり。
はたまた、他の女子とにぃにが仲良くしているのを見て、ヤキモチを焼く事もあるという完璧具合!


でも、それは「好き」という想いに加えて、信頼の証でもあると思うのです。
知りたい事があれば、素直になって聞いてみれば良くて、互いに誠実な態度で話す事も出来る。
ムッとする
そして、安心したら、またいつもの調子で思う存分甘えれば良い。
大好きなにぃにの幸せを願い、一人ホッと胸を撫で下ろす美也を見ていると、寂しいような嬉しいような。
ネコと飼い主同様、兄とネコ的妹の強い絆を感じられるハートフルな特別編、素晴らしい物でした!



冒頭で、ネコと飼い主の関係について、極簡単に私的なイメージを書きました。
しかし、これらの作品を読んで強く感じる事の一つが、ネコと飼い主の関係性の多様さです。
私達人間と同じように、ネコ達も一匹一匹、違った個性や特徴を持っていると気付きます。
そして、一人一人異なる飼い主と一匹一匹異なるネコの関係性は、無限大と言っても過言ではないと思うのです。


「ネコたま」の帯では、以下のように書かれています。

笑ったり、
悩んだり、
怒ったり、
ビックリしたり。
でも ぜんぶ
楽しいのは
ふたりだから。
この中で“ふたり”という言葉が、のりえとタマの関係を色濃く表しているように感じます。
タマは、のりえにとって同居人や相棒のような存在になっているのではないかと。
違った視点を持つ“ふたり”はぶつかる事もあるけれど、そんな二人だからこそ、互いの日常を彩る良きパートナーになれるのだと思います。


また、「ちょこっとヒメ」のラストでは、ネコと人間が言葉や種の壁を超えて“あたたかな世界”で繋がっていると語っています。
その関係は、時に自分の世界を彩ってくれる掛け替えのない存在であり、時に自分の世界その物にもなると兄ちゃん達は言うのです。
この力強く優しい“世界”という関係は、たとえ人間同士でも辿り着けるか分からない最上級の幸せではないでしょうか?


人間の言葉に当て嵌めて考えようとすると、ネコと人間の関係性はあまりに多くの可能性があって、表現が難しい。
そして、この無限の可能性を秘めた関係は、ネコと人間だけでなく、他の動物と人間にも言える事かもしれません。
ただ、今回は、ネコ漫画をキッカケに種を超えた豊かな関係性に気付けたので、ネコと人間の関係性を通じてネコ漫画紹介をしてみました。



最後に、ネコに関する余談を一つ。
私が常々思っている事の一つに、ゴルゴ31さんがネコっぽいという事があります。
●今回紹介した美也大好き
●「〜じゃんね」と言う三河弁のネコっぽさ(個人の感覚です)
Twitterのアイコンもネコ耳
ゴルゴ31 on Twitter
ゴルカムでもネコっぽい?(タチとネコ的な意味で)
実際のお二人の関係は、ちょこっとヒメ」で言う所の千鳥(カム)と颯子(ゴル)な気もしますが、ゴルゴ31さんの正体は猫耳17歳(と4XXX日)スナイパーだと信じています!