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2011年03月28日 「30歳の保健体育」シリーズ

いつだって初恋と青春?三十路よ、大志を抱け!

さてさて、昨夜のネットラジオの後半では、コミカライズ作品の話をしました。

その中で、数作品例を挙げ、幾つか特殊(?)なコミカライズのパターンも挙げました。

例えば、「とある科学の超電磁砲」(冬木基×鎌池和馬)は、原作スピンオフコミカライズです。

また、「かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜」(桂遊生丸×あかほりさとる)のように、コミカライズ,アニメ化,ラノベ化が同時に進行する作品もあります。


それでは、ハウツー本コミカライズはどうでしょうか?

「漫画で学ぶ〜」や「萌える〜」のように、漫画と共に学ぶ学習書やハウツー本は目にする機会も多いと思います。

しかし、今回紹介する「30歳の保健体育」シリーズは、文字通り“ハウツー本コミカライズ”です。


それだけでも興味深いですが、今シリーズは、4コマ誌も含めた合計3誌でテーマを分けて同時連載

そして、3作品ともラブコメとして非常に素晴らしく、ニヤニヤ悶絶しながら時に目から汗が流れる程。

という訳で、今回は、コミックスが発売したばかりの「30歳の保健体育」シリーズ3作品を紹介します!


30歳の保健体育」(井ノ本リカ子

30歳の保健体育(1) (IDコミックス REXコミックス)

まずは、『ComicREX』連載の「30歳の保健体育」です。

漫画担当は、一般漫画から成年漫画、更にはBL漫画まで多岐に渡って活躍中の井ノ本リカ子先生。

私は一般漫画と成年漫画を主に読んでおり、胸焼けしそうなくらい甘いラブ成分は今作でも健在です。

モモタノハナ」や「いなかの」よりはアダルティ、成年漫画よりは控え目な仕上がりとなっています。


率直に言うと、私は「30歳の保健体育」の原作に関する知識が皆無です。

そのため、今コミカライズシリーズが、どのくらい原作準拠なのかは分かりません。

しかし、今作は、井ノ本リカ子先生の新作として引っ掛かりなく読める程の完成度です。

一歩一歩

初々しいオトナのお付き合いの階段を、一歩一歩上って行く健人と蒼衣。

時折入ってくるハウツー要素も、展開に緩急を付けたり、コミカルな要素として働いたり。

第1巻で一つの大台を突破したと思うので、この先どんな展開がされていくのか純粋に楽しみです。


そして、もう一つ今作で強く感じるのが、主人公の指南役:クピドの可愛さです。

愛の天使達、この「30歳の保健体育」シリーズに共通して登場して、冴えない駄目駄目な主人公達をサポートします。

面白いのは、彼女達の主人公に対する態度が、3作品それぞれで違う所です。

クピドちゃんマジ天使!

この井ノ本リカ子先生版では、主人公はクピドと付き合えば良いのにとさえ思ってしまう可愛さを誇っています。

更に、時に年上の女性のような包容力や悪魔のような淫靡さも持っており、サポート役にはもったいない完璧さ。

加えて、ツンとデレを上手く使い分ける彼女を見ていると、クピドちゃんマジ天使と言わざるを得ません。


30歳の保健体育 ラブフラグ編」(冬凪れく

30歳の保健体育 ラブフラグ編 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

次に、『まんがぱれっとLite』で連載されていた「30歳の保健体育 ラブフラグ編」です。

“ラブフラグ”の言葉に「?」と疑問を抱く人もいると思います。実際、読む前の自分もそうでした。

しかし、読み進めて行くと、ラブフラグ編という言葉の的確さを思い知る事となります。


つまり、フラグバーゲンセール並に、意中の女性:ななみに対してフラグが乱立して行きます。

そのフラグ乱立っぷりは、主人公の正(ただし)が、自分に自身がない故に混乱して女性や世界を疑う程。

とは言っても、複数のヒロインにフラグが立ちまくる訳ではなく、一人の三十路と女性が安心のラブコメを織り成すのです。

どうしてこうなった…

そして、その正の疑心暗鬼が、今作のギャグの面白さに大きく貢献しているとも思います。

正ほどには酷くなくても、男性ならば、似たような疑心暗鬼や混乱を抱いた経験があるのではないでしょうか?

ラブコメとギャグを同時に摂取でき、その駄目さに共感も出来るという所が、今作の更なる安心感に繋がると感じます。


また、今作は一巻完結という事もあり、正とななみの恋愛を絡めた成長譚としても読めるはずです。

コミカライズシリーズの中で、以下の拙更新にも通じるくらい、正とななみは最も人間臭くて駄目なように思えます。

[水上悟志][緑のルーペ][やまむらはじめ] 残念だから人間らしい!憎めないカッコ悪い奴等!

二人向き合って

その二人が、恋愛を通じて、自分自身や他人と向き合って行く姿は微笑ましくさえあります。

描き下ろしのエピローグや作者あとがきの真摯な想いは、読んでいて不覚にも心がホッコリ。

作品タイトル,ラブコメ,ギャグという要素から、リアルからは果てしなく遠く感じられそうですが、実は一番リアルなのは今作な気がしました。


30歳の保健体育 恋のステップアップ編」(三宅大志

30歳の保健体育 恋のステップアップ編(1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

最後は、『まんが4コマKINGSぱれっと』で連載中の「30歳の保健体育 恋のステップアップ編」です。

ラブフラグ編の的確さ同様、今作の“恋のステップアップ”という言葉も、非常に的確に今作を表現しています。

また、上記二作品と異なる所が二点あり、それによって最もラブコメに特化していると感じるのです。


1つ目の違いは、主人公だけでなく、ヒロインの心情も描かれるという事。

上記2作品では、心情やモノローグが描かれるのは男性側だけで、女性側の内面は伏せられています。

対して今作は、山田君と田中さん双方の心情が描かれ、互いの葛藤や願望が見えるのです。

君は誰とキスをする?

恋愛において、イチャイチャというのは二人がいて初めて成り立つ物だと思います。

しかし、互いが互いを想い合うだけでも十二分にラブがコメり出す事が、今作ではよくよく分かります。

同時に、その分、読んでいる自分自身へ返って来る反動も大きいというラブコメ諸刃の剣ではありますが!


2つ目の違いは、作品スタート時に、既にお付き合いが始まっているという事。

カップルになるまでの片思いから始まるのではなく、両想いの好感度が高い状態から物語は幕を開けます。

一線だって越えたいのと読み手が思ってしまうくらい、二人は良い恋愛をしています。

田中さん激マブ!!!

更に素晴らしい事として、ヒロインの田中さんの可愛さが留まる所を知りません

不幸体質で、小動物を彷彿とさせると思えば、時に大胆に頑張ってみたりと、とにかく山田君ラブ。

一方の山田君も田中さんの事を大切に思い、彼女を大好きなので、二人で幸せになって欲しいと、敗北感と共に強く願ってしまうのでした。

正直に言えば、コミカライズを実際に読んでみるまで、色物感を拭い切れなかった自分がいました。

けれど、今コミカライズシリーズは、3作品ともニヤニヤ胸キュン赤面咆哮が止まらない素晴らしいラブコメです。

同じ原作から、テーマを設定して、3つの異なるラブコメを読めるというのも素晴らしいと思います。


そして、今作を通じて、自分次第でいつだって初恋と青春を過ごす事が出来るのではと思いました。

30歳の保健体育」というタイトル通り、主人公は全員三十路という中々に生々しい初期設定です。

しかし、主人公・ヒロイン達を見ていると、年齢を感じさせないくらいオトナの青春を謳歌しているように感じます。


趣味や恋愛など、人によって青春を代表するモノは変わるでしょう。

そして、青春という言葉は、基本的に学生生活と結び付けて考えられる物だと思います。

でも、自分の想いや行動によって、青春は創り出す事が出来るのかもしれません。

ラブコメ成分だけでなく、そういった勇気を受け取る事も出来た希望に満ちた作品達でした。


ちなみに、唯一最大の問題点を挙げるなら、三冊同時に読むと精神的ダメージが計り知れない事です。

読了後に妄想ならまだしも、冷静に自分の境遇や現状を振り返ると、目から汗が流れかねません。

それだけラブコメとして優秀とも言える訳ですが、ラブコメの過剰摂取にはご注意を?

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