実録 亞細亞とキネマと旅鴉 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

31-03-2007 (Sat) 映画でロケ地めぐり

[]『映画館の恋(劇場前)』(洪尚秀)[C2005-48] 『映画館の恋(劇場前)』(洪尚秀)[C2005-48]を含むブックマーク 『映画館の恋(劇場前)』(洪尚秀)[C2005-48]のブックマークコメント

二週続けて渋谷、二週続けてシアター・イメージフォーラム。またも11時45分という半端な時間に始るので、その前に昼ごはんを食べる。途中までは「スタバあたりでいいか」と思っていたのに、整理券をもらうころにはおなかペコペコで、やはり大戸屋へ行っておなかいっぱい食べる。整理券は1時間以上前にもらったので、滅多に出会わない1番と2番。

観た映画は、洪尚秀(ホン・サンス)監督の『映画館の恋』(公式/goo映画/映画生活)。最新作ではなく、『浜辺の女』[C2006-05]の前の映画で、韓国アートフィルム・ショーケース(KAFS)の最後の一本。洪尚秀といえば男の映画というイメージだが(格闘技系という意味ではない)、観客はおばさん〜おばあさんが多かった。洪尚秀といえども韓流なのか?

映画館の恋』(この邦題は違うと思うぞ)は、映画映画ユニークな使われ方をしている映画。主要な登場人物は、映画監督志望のドンス(金相慶(キム・サンギョン))と女優のヨンシル(厳智苑(オム・ジウォン))。ドンスが映画映画の主人公と自分を重ねていること、ヨンシルが映画映画ヒロインを演じた女優であること、ドンスがロケ地を訪ねたときにヨンシルと知り合うことなどから、現実映画をなぞるように進行していくのがひとつのおもしろい点。もうひとつおもしろいのは、ドンスとヨンシルが似たような立場に置かれているところ。ドンスは映画映画監督の後輩であり、その映画はヨンシルのデビュー作。その監督末期ガンに冒されているのだが、ドンスもヨンシルも監督との間にわだかまりがあり、長いこと会っていない。二人とも、お見舞いに行ったり監督のための同窓会に出席したりすることはためらいながら、回顧上映されているその映画をまず観に行く。そういうところが人とその作品との複雑な関係を表していると思うし、二人がどうして監督と疎遠になったのかがよくわからないところもおもしろい。その一部は彼らの言葉として語られるが、男女のかけひきの中で、あるいは自分自身をも演じている女優言葉として語られる内容は、どこまでが本当なのかよくわからない。二人が知り合って映画映画をなぞっていく過程と、二人が結局同窓会へ行き、監督のお見舞いにも行ってしまうのとが絡み合いながら進行していくところが絶妙である。

男女の駆け引きも危うい人間関係も洪尚秀映画にはおなじみのものだが、今回は少しアレンジが違うという印象を受ける。これまでに観た洪尚秀映画ヒロインはだいたい私の嫌いなタイプだったが、今回の厳智苑はけっこうよかったし、ドンスを演じる金相慶もわりと好きな俳優なので、私自身の視点もこれまでとは微妙に違っているせいもあるかもしれない。

ところで、ロケ地めぐりの出てくる映画というのは初めてではないだろうか(いや、なんかあったような気もするんだけれど思い出せない)。友人の車で送ってもらう途中、ロケ地を見つけたドンスが突然降りてしまうところなど、とても共感してしまった。

[]『羊をめぐる冒険(上)(下)』(村上春樹)[B500-上][B500-下] 『羊をめぐる冒険(上)(下)』(村上春樹)[B500-上][B500-下]を含むブックマーク 『羊をめぐる冒険(上)(下)』(村上春樹)[B500-上][B500-下]のブックマークコメント

先生美容院へ行っているあいだに、エクセルシオールカフェ(公式)にて『羊をめぐる冒険読了

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

『長いお別れ』(asin:4150704511)と『ロング・グッドバイ』(asin:4152088001)を読んだついでに(id:xiaogang:20070324#p3参照)、村上春樹版『長いお別れ』であるこの本も読み返してみた。もう何度も読んでいるので、今回気づいたことを少しだけ。

まず、上巻の本文2ページ目。いきなりのけぞる一文が。

誰かが言っているように、手間さえ惜しまなければ大抵のことはわかるものなのだ。(上-p. 10)

「誰か」って、フィリップ・マーロウじゃないか、もう。誰でも納得できるあたりまえの内容なので、今まで気がつかなかった。

私がこの小説村上春樹版『長いお別れ』だと思ったのは、主に後半以降の「僕」と「鼠」の関係についてだけれど、『長いお別れ』と対応する部分はほかにもたくさんあった。たとえばアイリーン・ウェイドがホテルのバーに入ってきたときの周囲の反応と「彼女」がレストランで耳を出したときの周囲の反応とか、リンダ・ローリングの家の描写と「先生」の家の描写とか、エイモスと「先生」の運転手、ハーラン・ポッターと「先生」、ロジャー・ウェイドとアルコール中毒の共同経営者などだ。

もうひとつ気づいたことは、『羊をめぐる冒険』もまた満洲関連小説だということ。それに気がつくと、やはり気になるのは『ねじまき鳥クロニクル』(asin:4101001413/asin:4101001421/asin:410100143X)との関連である。『ダンス・ダンス・ダンス』(asin:4062749041/asin:406274905X)が『羊をめぐる冒険』の続篇なので、どうしても『羊をめぐる冒険』→『ダンス・ダンス・ダンス』→『ねじまき鳥クロニクル』という順番でみてしまうが、『ダンス・ダンス・ダンス』を抜いてみると、意外につながりがあるように思う。『羊をめぐる冒険』は『ねじまき鳥クロニクル』の雛型であるといえるのではないか。

ところで上巻p. 88にある「左右不対称」というのはなんでしょう?(Googleで「不対称」を検索すると、9140件ヒットする。)

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