04-07-2007 (Wed) 楊徳昌ありき
■[映画][ロケ地]『恐怖分子(恐怖[イ分]子)』(楊徳昌)[C1986-56](DVD)
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楊徳昌(エドワード・ヤン)の死は、あまりにも突然だった。『牯嶺街少年殺人事件』[C1991-16]
を頂点に、徐々に下降線をたどってはいたが、そのうちにまた『恐怖分子』『牯嶺街少年殺人事件』レベルの傑作を撮ってくれるだろうと期待していた。残念である。あと3日がんばってくれれば成瀬巳喜男と命日が同じになったと思うと、それも少し残念である。
何か書くなら作品を観てから、と思っているうちに何日も経ってしまったが、ブログをチェックしていると、その死が報じられた7月1日以降、予想よりずっと多くの人が楊徳昌について書いていて、少し驚いている。
映画監督や俳優が亡くなると、まず追悼上映やDVD発売のことを考えてしまうのは、ある意味でははなはだ不謹慎である。しかしながら、映画監督にとっては、作品が多くの人に観られることが最も嬉しいことであるはずだ。それならば、「冥福」などというものが存在することを信じてもいないのに、「ご冥福をお祈りします」という決まり文句を並べるよりは、正直に追悼上映とDVD発売に期待を寄せたいと思う。私の望みは次の三つ。
もちろん全作品がDVD化されればそれに越したことはない。
私にとっての楊徳昌ベストは、3時間版を2回、4時間版を3回観た『牯嶺街少年殺人事件』である。しかしLDを出すのが面倒だし、あのただならぬ空気にふれることが今の気分にふさわしいような気もして、去年買ったままの“恐怖[イ分]子(恐怖分子)”の台湾版DVDを、チェックも兼ねて流し見した。この映画は、きちんと公開される前にLDが発売されて、思わず当時のうちのすごくちっちゃいテレビで観てしまったが、その後公開されて映画館で観た。これは映画館で初体験すべきだったと、ものすごく後悔した映画である。
構成的にも非常に凝った映画だが、なによりも、何かとんでもないことが起こりそうな不穏な空気、不安を煽るような気配に圧倒される。当時は特に意識されていなかったかもしれないが、今観ると、このころはまだ戒厳令下だったのだということに思い至ったりもする。少女の写真がパタパタと風に揺れるのが強く印象に残っていたけれど、ほかにもいろんなものが風に揺れていて、今回はカーテンが印象に残った。とにかく画面が暗い映画、と思っていたが、意外に明るいシーンも多い。女性のファッションなどを見ると、「80年代だなあ」という感じがするのが少し恥ずかしい。
それから『煙が目にしみる(Smoke Gets in your Eyes)』。侯孝賢の『百年恋歌』[C2005-20]を観たとき、もちろん『恐怖分子』のことを考えたわけだが、予告編の効果もあって、今ではすっかり「『百年恋歌』で流れる歌」になってしまった感がある(後半歌い上げモードなのであまり好きではなかったが、『百年恋歌』でかなり好感度アップした)。しかし今回観なおしてみたら、『恐怖分子』での使われ方もなかなかよい。
せっかくなので、繰り返し出てくるガスタンク(大台北瓦斯儲氣槽)のあった場所の写真を載せておく(ココにもあり)。2000年に取り壊されたということで、私が行った2001年にはもうなかった。ガスタンクのないこの場所は、楊徳昌のいない世界のようなものだ、と、とりあえず言っておくことにする。

http://www.cinemavera.com/essay.html
素晴しい作品が、このような状態にあるのは悲しい限りです。
そういうことだったんですね。でもそういうことなら、今がいちばん高く売れるチャンスだし、今売らなければ宝の持ち腐れになるでしょう。> 著作権持ってる会社の人、見てますか?
なんとかなってほしいものです。台湾版か香港版が出てくれれば、それでもいいんですが。