バンガロールに来ちゃったの(実録亞細亞とキネマと旅鴉) このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

23-01-2008 (Wed) 『秋津温泉』と『悲情城市』

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『日本映画と戦後の神話』読了。

日本映画と戦後の神話

日本映画と戦後の神話

2000年以降くらいにあちこちの媒体に書かれたものの寄せ集め。「日本映画と戦後の神話」に関する論考を集めたのかと思ったが、これは単に第一章のタイトルだった。やはりここがいちばんおもしろく、とりわけ、「敗戦の日」や玉音放送が、東アジアの映画でいかに描かれているかについて書かれた、書き下ろしの『敗戦の日』が興味深かった。在日韓国人の映画や韓流についての論考など、ほかにも興味深いところはある。それでも寄せ集め感は否めず、それよりも『敗戦の日』のテーマを深めた一冊の本が読みたいと思う。しかしながら、次に書かれる日本映画についての本は大島渚論だそうだ。買わんな、たぶん。

間違いはあいかわらず多い。初出での間違いをそのまま載せるのが心情(わざとです、p. 190参照)ですか? でもかなり書き直しているようなので、そこで新たに間違いを仕込んだんだろうな。『阿片戦争』では、原節子高峰秀子姉妹が香港へ行っちゃったり。編集者はいないのか、岩波書店なのに。

ひとつ興味深かったところ。

李香蘭とはいったい何者だったのだろうか。東アジアの映画研究に本格的に取り組みだして以来、わたしはいつもそれを考えてきた。といってもわたしは、彼女の男友だちが誰であったかといった低俗なゴシップには関心がない。わたしの心をそそるのは、あくまでも映画史のなかの李香蘭という存在である。(p. 52)

これって田村志津枝氏へのイヤミですか? わたしも批判的に書いたけれど(id:xiaogang:20071018#p1)、「低俗なゴシップ」とは思わなかったのだが。

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