24-02-2008 (Sun) 彌太郎三昧
■[映画]『彌太郎笠 前篇 後篇』(マキノ雅弘)[C1952-17]
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所用で渋谷に寄ってから有楽町へ。Meal MUJIで昼ごはんを食べて、今年初めてのフィルムセンターへ行く。始まってすでに2ヶ月近く、パート2に突入してやっと「生誕百年 映画監督 マキノ雅広」(公式)に行けた。
1本目は『彌太郎笠 前篇 後篇』(goo映画)。のちに錦ちゃん主演の『弥太郎笠』[C1960-37]としてリメイクされているもので、そちらは観ている。詳細は憶えていないが、マキノ流メロドラマとしてなかなかよくできていると思った記憶がある。実は昨日、今日の鑑賞に備えて錦ちゃん版を復習しようとしたのだが、実はうちにないということがわかってはげしくショックを受けた(知らなかったが『彌太郎笠 前篇 後篇』はあった)。気をとりなおして調べたところ、DVDが出ていたので早速注文。明日あたり届くと思うので、比較評価はまた週末にでも。
『彌太郎笠 前篇 後篇』は1952年の映画で、ストーリーはリメイク版とたぶんほとんど同じ。1952年といえば『次郎長三国志』[C1952-08]と同じ年だけれど、なるほどそういう感じの映画である。ここ数年、『次郎長三国志』シリーズ再評価の気運がものすごく高まっていて、わたしも嫌いではないけれど、正直言ってそれほどとも思わない。そのいちばんの理由は、展開がまだるっこしく、泣いたり感情を吐露したりするシーンがえんえんと続くから。この『彌太郎笠 前篇 後篇』も、まさしくそういう映画。だいいち長すぎる。お祭りの踊りや歌を書いた灯籠をうまく使って展開していくところなど、いまいちの出来で終わらせるには惜しいアイディアがたくさん詰まっていて、だからこそマキノもあとでリメイクしたんだろうなと思う。
主演は鶴田浩二。鶴田浩二に時代劇は似合わないとかねてから思っているのだが、やっぱり…。この時代、東宝系の時代劇に出ている鶴田浩二はばっちりメイクしていて、二枚目なだけに決まりすぎというか不自然というか、わたしのイメージでいうと「牛若丸」という感じである。それでまあ、それらしいきらびやかな衣装ならまだしも、股旅姿や浴衣にこのメイクはどう見てもヘン。観ていてはずかしい。『お茶漬の味』[C1952-06]のノンちゃんのノリでやれば、時代劇といえどもけっこうはまると思うのだが、どうにも湿っぽくていけません。
メロドラマとしての演出も、これまたまだるっこしい。やたらくるくる回ったりして、芝居っぽくてやりすぎ。立ち回りでもくるくる回っていて、鶴田浩二がくるくる回りながら横に移動し続け、キャメラもそれについて横に移動し続け、移動し終わったと思ったら立ち回りシーン終わり、みたいな感じ。これはこれでユニークでおもしろかった。
■[映画]『りゃんこの弥太郎』(マキノ雅弘)[C1955-26]
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BLESS COFFEEで急いでお茶を飲み、ふたたびフィルムセンターへ。2本目は『りゃんこの弥太郎』(goo映画)。りゃんこの弥太郎を演じるのは小泉博。さっきは鶴田浩二目当てと思しきばあさまたちを多数お見かけしたが、今回は行列に女性が皆無(一人を除く)。「小泉博の魅力がわからないなんて」と、なぜかJ先生憤慨。
鶴田浩二、中村錦之助と並べるといかにも地味な小泉博だが(だいいち名前が地味だ)、なかなかのはまり役。少なくとも鶴田浩二よりずっといい。これは1955年の映画で、キャスト的にはやはり『次郎長三国志』を思わせるが、かなりテンポもいいし、泣きも入らない軽快な進行で、安心して観られる。
ストーリーは『彌太郎笠 前篇 後篇』とは違っており、リメイクではない。しかし、やはりお祭りが出てきたりして共通点も多い。絹織物をめぐって桐生と足利が争っている話なので、『人のセックスを笑うな』(id:xiaogang:20080216#p1)に続いて桐生が舞台かと思ったが、その手前の川股宿というところが舞台だった。ストーリーだけみれば、どちらかといえば『彌太郎笠 前篇 後篇』のほうがおもしろいかもしれない。メロドラマとしての魅力は、やはりちょっと乏しい。ヒロインが水原真知子というのも地味すぎだが、誰かと思ったら大阪夫人だったのね。田中春男が悪代官に出世しているのが笑えた。