20-12-2008 (Sat) 金子信雄変装映画特集
■[パンダ]ぱんだ珈琲店

お昼前に阿佐ヶ谷へ。ラピュタ阿佐ヶ谷で整理券をもらってから、阿佐ケ谷駅の反対側にあるぱんだ珈琲店(公式ブログ)へ行く。
入口はこんな感じ。お店は2階なので控えめだが、よく見るとけっこうパンダがいっぱい。
ぱんだオムライス(左写真)とサンドイッチのランチを注文。ぱんだオムライスはかなりのインパクト。顔の部分にホワイトソースがどーんと載っていて重いのと、ケチャップがたっぷりなので、味はそんなにうまいものでもない。セットの飲み物は、+200円でぱんだオレ(右写真)に替えてもらう。ラテ・アートでパンダにするのかと思ったら、もっと安易な方法だったのでちょっとがっかりだが、最後までパンダを維持したまま飲むことができる点はよい。
■[映画]『博奕打ち 総長賭博』(山下耕作)[C1968-14]
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「山下耕作ノ世界」最終日、まず1本めは『博奕打ち 総長賭博』。DVDの前にVHSでももっていてけっこう観ているので、劇場でも何度も観ているつもりでいたら、なんと一回しか観たことがなかった。
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仁侠道至上主義者の鶴田浩二が、仁侠道という大義のため、やむを得ない行為だと思っていたものがただの人殺しにすぎないと悟り、仁侠道を捨てるまでの物語。鶴田浩二と若山富三郎と名和宏。冒頭近く、仮釈で出てきた若山富三郎が、出迎えに来た鶴田浩二と名和宏に言う。「これからも三人しっかり手を握ってやっていこうぜ」。それが合図であるかのように、だれも悪くないにもかかわらず、対立し、殺し合わなければならないところに追い込まれていく。
それに否応なく巻き込まれる妻や子分たち。桜町弘子、藤純子、三上真一郎。格別、鶴田浩二の妻役の桜町弘子がいい。三上真一郎は、『秋刀魚の味』[C1962-02]から6年も経っているのに、全然年を取ったように思われず、どこか幼さを残す若山富三郎の子分を好演。序盤、彼には幸福な結婚をさせてやりたいと鶴田浩二と桜町弘子が話すところで、早くも彼のその後の運命が暗示される。最後の最後に、破滅に向かって突き進むことの空しさを悟り、戦いの連鎖を断ち切ろうとするが、結局殺されて救いがない。
ヤクザ映画でいちばん好きなのは、男と男が語り合うシーン。この映画にはそのようなシーンがふんだんにある。その中心はもちろん、鶴田浩二と若山富三郎。やっぱりこのふたりは梁朝偉(トニー・レオン)と杜汶澤(チャップマン・トー)だと思う。杜汶澤じゃ、ちょっと迫力がないけどね。でもぜひリメイクしてほしいものである。
大きなスクリーンできちんと観たら、そのほかいろいろな気づきなどがあった。
- 若山富三郎が「俺もホモだ」と言うこと。いや、耳ではちゃんと「俺も本望だ」と聞こえるのだが、アタマでは「俺もホモだ」と聞こえるのだからしかたがない。
- 兄弟会の会合のシーンが3回くらいあり、毎回お茶とお菓子が出ていて、毎回違うお菓子で、それがけっこう長く映ること。お菓子に手をつけている人とつけていない人がいたり、けっこう芸が細かい。
- 三上真一郎と曽根晴美の仲良しぶりがかなり強調されていて、それが修善寺で三上真一郎が曽根晴美を刺すところにつながっていること。そのシーンで、三上真一郎の袂から、ヨーヨーがぽろりと落ちること。
- 同じく修善寺で若山富三郎が名和宏を襲うシーン。あまり詳細を憶えていなかったが、名和宏が車に乗ろうとすると、中に隠れていた若山富三郎がぬっと起き上がるところが超渋かった。
- いつもは悪者に踊らされる役が多い名和宏が、一見同じような役に見えて、実は違うかっこいい役。思っていたより重要な役どころだった。
- すっかり忘れていたが、終盤の舞台は修善寺と湯ヶ島。修善寺へ行ったばかりなので、なおさら感慨深かった。また行きたい。
この映画は、これまでも傑作だと思っていたが、若山富三郎にあまり興味がなかったので、それほど思い入れはなかった。しかし最近、若山富三郎がちょっとしたマイブームなので、今回はなるべく若山富三郎の視点に立って観るようにしたら、物語の構造がくっきりと浮かび上がってすごくよかった。先日選んだ「邦画オールタイムベストテン」(id:xiaogang:20081205#p1)に入れなかったのが激しく悔やまれる。
■[映画]『女渡世人 おたの申します』(山下耕作)[C1971-24]
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「山下耕作ノ世界」の2本めは、『女渡世人 おたの申します』。これは、山下耕作映画のなかで、『博奕打ち 総長賭博』[C1968-14]や『博奕打ち いのち札』[C1971-19]ほどではないにしろ、かなり評価の高い作品である。脚本の笠原和夫も絶賛していたので、以前、録画のDVD-Rで観てみたのだが、正直「それほどかなあ」と思った。スクリーンでちゃんと観て確かめたいというのが今回の目的である。
結果は、やはり「おまえたちほどじゃないよ」という感じである。いいんだけれど、なんか引っかかる。いいシーンもたくさんあるけれど、すんなり入り込めない。微妙さというか、繊細さが足りない感じである。
それにやはり、物語が情緒的すぎる。島田正吾の演技もけっこう情緒的だし、三益愛子は、目が見えないという設定もあってそれほど情緒的ではなかったけれど、「三益愛子で母物」っていうだけでもう…(いいという人は逆にそこがいいらしいが)。
『緋牡丹博徒』シリーズでは、いつも助っ人の男に罪をかぶらせてた藤純子が、今回は最後、健さんみたいに警官に引かれて行く。その点は新鮮だ。しかし、たぶん笠原和夫は藤純子に「女性ならでは」みたいなものを盛り込みたくて、母とか子とかのテーマをもってきている。その点がわたしの好みに合わない。逆に、藤純子が指をつめるシーンがあり、その場にいた男たちもみんなドン引きしていたが、やはり女の子に指をつめさせてはいけないと思う。男女同権だとかジェンダーフリーだとかそういう話以前に、美学的な問題として。少なくとも見せるものではない。
特記事項としては、いまひとつパッとしないけれど、三原葉子が出ている。




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