第一回猿江恩賜公園
あまり公表はしていない、かつ、自分でこんなことを言うのもなんだが、私はかくれんぼ界ではそこそこ名の通った人間である。
そもそもかくれんぼ界という世界があること自体、そんなに知られていないのだが、それはかくれんぼがかくれんぼである所以であって、そんなに知られてしまっても困るわけであり、私も広く知らしめるつもりはないが、これから書く文章において、私がかくれんぼ界でそこそこ名の通った人間であるというバックグラウンドを示すことにより、文章に多少の説得力を持たせようという意図があり、こんな自慢を書いたわけである。
ちなみに、どのくらいかくれんぼ界で名が通っているかというと、現段階でのかくれんぼ全日本チャンピオンチームは私がかつて代表をつとめていた団体であり、チャンピオン獲得時、私は総合監督であった。えっへん。これで少しは私がかくれんぼに対して一家言ある人物であると言うことを納得していただけたであろうか。
といったところで、これから気の向いたときに、東京近郊の公園などを調査し、「大人のかくれんぼミシュラン」のようなものを作り上げようと考えている。今回はその第一回調査を行ったので、そのレポートを報告したいと思う。
第一回の調査は「猿江恩賜公園」の調査である。早速レポートに移りたい。
猿江恩賜公園は江東区に位置する。最寄り駅は錦糸町駅*1。駅を出て楽天地方面へ、さらに南の風俗街を抜けると、すぐに猿江恩賜公園である。歩みの遅い人間でも、駅から15分ほどで到着できる。歓楽街が近いというのも、2次会を重視するかくれんぼチームにとってはポイントではなかろうか。
公園の概要図である。今回は北地区を調査した。
公園北地区の大きさは、東西に約300メートル、南北に約400メートルである。テニスコートなど、関係者以外は立ち入れない地区もあるため、鬼を複数人にすれば、なんとかカバーできる大きさである。適正参加人数は20〜40人といったところだろう。公園と公園外の境界も比較的明確であるため、範囲設定も容易だと思わる。
さて、隠れやすさについて調査しよう。
ざっと見たところ、主な隠れ場所は中層ブッシュ、あるいは樹木がメインとなるだろう。
このような中層ブッシュは園内のいたるところに存在し、また、隠れ易さからも人気のポイントとなるだろう。ただし全方向からの安全性に長けているとは言いづらく、どうしても特定の方向からは丸見えになってしまう可能性が高い。そのため、鬼が複数人の場合には頃合を見てポイント移動が必要である。
樹木は上記のような高層木が多い箇所と、隠れやすい低〜中層木（下画像）が多い箇所と、エリアごとに種類が分かれるため、樹木に隠れようとする場合は、事前のエリア選択が鍵を握る。ただし低〜中層木のエリアは樹木密度が低いため、慎重な隠れ方が要求される。一方向に集中するあまり、頭隠して尻隠さずに陥りやすいため、特に初心者は要注意ポイントだ。
大人かくれんぼにとって大敵である子供密度は、この規模の公園では一般的な密度と言える。ただし、遊具周辺ではやはり子供密度が高いため、遊具周辺に隠れる場合は、なつかれたり、怪しまれたりしないような工夫が必要である。
全体的な人口密度も、この規模の公園としては一般的なレベルである。
猿江恩賜公園の特徴としては、周回路に距離表示がされており、ジョギングを楽しむランナーの数が多いことが挙げられる。この特徴を利用してランナーの変装をするのも手であろう。ただしずっと走り続ける必要があり、それなりに体力に自信のあるカクレンジャー以外にはオススメできないことは言うまでもない。
また、南地区には野球場があり、調査当日もユニフォームを着た草野球選手が歩いており、このあたりも変装のポイントとなる。
変装の更衣場所としてはトイレ程度しか用意されていない。綺麗さは一般的な公衆トイレレベルなので、あまり期待しないように。テニスコートもあるため、専用の更衣室も用意されていると思われるが、一般の利用者に貸し出してくれるのかは未確認。
トイレはシンメトリーで美しい構造。但し男子トイレ（小）は外から丸見えなので注意が必要だ。あと、トイレの標識は足が珍しいタイプのピクトさんであった。
公園の中央には広場があり、集合時も集まりやすい構造になっている。
見通しが良い分、鬼としては見落としがちなポイントだが、周辺のブッシュも細かく攻めたいポイントである。広場が広い分、2次会に花いちもんめなども気軽に催すことができ、チーム内の嫌われ者を探し出すのも容易だ。
といったところで、ざっと猿江恩賜公園のかくれんぼポイントを評価してきたが、駅から近く、また、都心型の公園にしては、比較的隠れポイントも多いため、初心者にも比較的オススメしやすいポイントと言えよう。ただし隠れポイントはブッシュや樹木がメインとなり、変装をしない場合はマンネリ化に陥りやすいと思われるため、幹事は二次会でのフォローも必要だ。
総合的な評価は★★★★（最高評価は★５つ）
このレポートが皆様のかくれんぼライフの一助となれば幸いです。
