小諸フードステージ

毎週水・金の昼、相生坂公園前に市内の飲食店が屋台を出す小諸フードステージ。

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今日は「手作り餃子の店 龍苑」「パスタとワインの店 暖」「レストラン車留夢」「蒸しぱん屋粉花」と贅沢に買い込みました!

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もっとも、肝脂肪と闘う私自身はあまり食べられないわけですが……

今日の麻婆

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脂質・糖質を押さえるべく、夜は麻婆豆腐を基本にしたのは船木誠勝の教え。もちろん丸美屋、というのは分かる人には分かる。今日はぶなしめじ、ニラ、ザーサイもぶっ込んでみました。そもそもこんな時間に食うなよ、というのは仕事の関係で仕方ないのだ

海老と亀

小諸駅前の中華料理店「夜来香(イエライシャン)」でランチのチリソース定食800円。辛いだけでなく適度に酸味も利いている。安定感のある、きわめて”正しい“街の中華屋さん。

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店内にはなぜか大きな亀もいるのである。

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日常の2時間サスペンス

義父が亡くなったのは深夜から未明にかけてのことらしい。
なかなか起きてこないのを不審に思った義母が部屋を覗いて、義父が横たわっているのを発見。パニクり救急車を呼んだ結果、「不審死」として警察が乗り込んでくる羽目となった。しかも頭部に傷を負っていたことから、県警の強行犯捜査係の出動である。
まずは侵入の形跡がないか確認。続いて第一容疑者である義母に入念な事情聴取。
一方で遺体を調べた結果、口中の溢血点の状態からほぼ即死であったろうと判断。おそらくはトイレに立ったかどうかした際、心臓発作を起こしたのだろうということになった。頭部の傷は倒れたときに家具で打ったものと判明。事件性はほぼ無し。
ただし、遺体のそばにストーブがあったため、死亡時刻の推定は困難に(これは何かのトリックか!?)。
担当刑事が高校教師だった義父の生徒であったり(直接の教え子だったかどうかは聞き漏らした、というか俺は現場に立ち会っていなくて、後で妻から聞いたのだが)、検視を行った医師が、義父が校長を務めていた学校の校医だったりと地方都市ならではのドラマもおまけについた。
さらには後日、死の直前に不審な金の出し入れがあったということで刑事が再訪し、義母が再びパニクることに(まあ、これは義父の入院中に病院の費用を賄うのと、万一の場合に口座が凍結されることに備えて、娘たちがこまめに引き出したり移したりをしていたからなのだが)。

見覚え聞き覚えがあるような言葉・シチュエーションの連続に、悲しみに暮れつつもどこか高まる我々夫婦。
いや、日常の思いもかけないところに2時間サスペンスのような事態が転がっているもんだなあ。昔、深夜に何か事件があったらしいコンビニの前で、目撃者らしき人に聞き込みしている女刑事を見て以来の驚きである。

あ、そうそう。捜査員の皆さんは現場検証の間、しばしば家のトイレを借りていたそうで。「現場を荒らすな!」とはさすがにならないんですね。

氷の予知夢

肺炎で3ヶ月ほど入院し、一時は生死の境も彷徨いながらようやく退院して療養生活を送っていた義父から一月半ほど前、SOSが入った。義母が4,5日留守にしていて、ろくにものも食べていないという。
普段からあれ買ってきてくれこれ持ってきてくれと、言うことを聞いているときりがない人なのだが、声の調子がかなり弱々しく、義母がいつ帰ってくるのかはっきりしなかったため(一応義妹に予定を知らせてきたそうなのだが、日付と曜日がバラバラで結局よく分からない)、とりあえず食べるものを見つくろって出かけていった。

着いてみると確かに衰弱著しく、起き上がるのもおぼつかないような状態。退院直後よりもむしろ弱っているくらいである。
さすがに義母とて食事を作り置いていったようだし、娘2人も退院以来、作り置きの料理を解凍すればいいだけにして冷凍庫に充分に入れてある。更には電話ひとつでコンビニの料理が宅配されるよう手配まで済ませているのだ。
もともと単身生活が長く、自宅でも義母とはほぼ家庭内別居のような状態だったため、最低限の食事は自分で案配できる人ではある。
それでも体力が衰えているのと、義母が退院してきても一切面倒は見ないと息巻くので(まあ我々も、ヘタに義母に手を出されるとかえって厄介だと思っていたのだが)、娘2人は一通りの用意を調えていたわけである。
にもかかわらずこのような状況に陥っているのは蓋を開けてみたら、何もしないはずの義母が極力義父に自分でやらせるべき日常のあれこれにやたらと手を出し口を出し、当人の生きる力を心身両面から殺いでしまったことによる。
娘2人も当初からこれを危惧して、義母を何度も諫めてきたのだが、一向に埒があかずここにまで至ってしまった。もはや一刻の猶予もならないと、娘2人に俺も加わって義母への直談判に及ぶことになるのだが、それはまた別の話である。


妻が料理の支度をしている間、俺が義父の相手をしていたのだが、おもむろに
「俺もいよいよあと2、3日だな」
と言い出した。以前からよく、死んだ母親が夢に出てきて自分を呼ぶ、もう長いことないなどと言ったりするので、まあいつもの調子だなと思いつつも、さすがに気が弱くなってはいるんだろうと
「どうしたんですか?」
と訊くと
「壮大な夢を見るんだ」
と言う。何だ「壮大な夢」って?
「『宇宙』とかですか?」
大雑把に訊いてみると
「そう。――科学者が人体を冷凍にして長期間保存してるんだな」
今度は何の話だ?
「――まあ、脈絡はないんだけどな」
「ああ、イメージがいろいろと」
「そう。歴史を遡っていくんだ」

妻が食事を持ってきて話は立ち消えになったんだが、後で妻に話すと、母親に呼ばれるとかよりよっぽど彼岸に近づいて、存在が宇宙に吸い込まれつつあるのか、でなければうたた寝しているときにでも、あんたがよく見てる『古代の宇宙人』みたいな番組が流れていたかのどちらかだろう、などと笑っていた。


4日後、義父は急逝した。
荼毘に付すまで3日ほど、義父の遺体はドライアイスで冷やされていた。

お義父さん。夢、微妙に当たりましたね。
今日、四十九日でしたよ。無事、上に行けそうですか?