2016.4.20. 運搬車導入 筑水キャニコムBH41

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運搬車 [[筑水キャニコム]] BH41
ついにというか人力に限界を感じ、効率化を図るべく導入
たいがいの農家はこういった運搬車を持っているらしい。
積載量400kgと軽トラ並み
自重は約200kg
クローラ式なので降雨後の泥濘地など軽トラでは登れない所もグイグイ進みます。


いつも50〜100キロ前後の荷を載せる
かさばるものなので必然的に重心が上にいく。
なので200キロ積載クラスだと簡単に横転するがこいつは大丈夫
サイズは大き目だが立ち乗り出来るので安定度を考えるとこれくらいになると思う。
今まで全て人力に頼っていたので文明開化の鐘が鳴るような衝撃を受ける。
軽トラから先の搬出作業が大分楽になると思う。[[]]
立ち乗り可能という事で試しに乗ってみたがこれはやっぱり説明書通り
路面条件のいい平地に限る方がいいかも。

このくらいの傾斜(20度前後)ではさすがに立ち乗りは無理。
またこぶし大の石がごろつく整備されていない作業道ではガタガタ過ぎて乗れたものではなく上り坂は勿論バランスを崩し前側が浮く。
一方下りの坂道は少々路面条件が悪くともバランス的には大丈夫だった。
但し200キロ前後載せた場合は下りでケツが浮く。
なので立ち乗りステップに体重をかけ要所要所で押さえこめる。
また横方向に横転しそうな場合でもステップの端に体重をかけ持ちこたえる事も出来る。
乗るだけでは無いステップの使いやすさに満足している。
(ハンドルだけでは抑え込めない事も多々ある為)
デザインも良く各種操作部も非常に丁寧に作り込まれている。
しかし改良して欲しい箇所がある。
ハンドル中央部の赤い樹脂カバーであるが早速初日に太枝に引っかかりバリバリっと取れた。
固定方法が樹脂のピンだけなので引っかかった瞬間飛んでいった。山中では引っかかる所が至る所にあるので出来れば金属製でガッシリと固定して欲しい。(もしくは金属カバーに)
同種の運搬車の中では最も高いがさすが各部が良く出来ている。
荷台幅 長さは同クラスでは一般的なサイズ
荷台の縦横方向に拡張するスライド機構があるがこれはうたい文句通りにスッスとスライド出来ない。
そんな頻繁に使う機能では無いが結構固着しやすいので結局力任せに引っ張ったりどついたりとなる。
グリースをベットリ塗っておけばマシとは思うが。
クローラ接地長と幅が広く安定度が高い。
接地長740mm
クローラ外幅675mm
クローラ幅180mm
特にクローラ幅が狭いと横転しやすいが筑水キャニコムのこれは1番広い。
カワシマ製(ヤンマーはOEM)オーレック製(メーカーに問い合わせ電話した時の営業所対応の質から一気に興醒め→価格もサービスも人も安いと判断)とも数値を比べたが上記3種のサイズが
いずれも筑水がトップ
100キロに満たない荷重でも段積みで重心が上に来るとクローラ幅が一般的な62センチ程度では簡単に横転する。
勿論水平が確保出来ている道では問題無いが実際の山中では前後左右に傾いているのが常なのでそうなる。
道を整備するか段積みを控えるかすればいいのであるがそうもいかない事も多いのも事実。
谷側に横転したら悲惨な救出劇を1人でしなければいけない。
その点この機種は同種の中では最も安心感がある。
前述の立ち乗り機能であるがあまりこだわらない方が他機種など選択肢は多い。
自分の場合は移動距離が長く路面条件は様々。
限られた畑の範囲というのでは無く山全体が作業エリア
端から端まで数キロはゆうにある。
狭い林の中や急斜面などその道中に色んな障害物がある
載せる重量は普段は50キロ前後で年に数ヶ月ほどは200ー300キロを積む(除草剤散布時や肥料まき)
なので最大公約数でこの機種に選定となった。
立ち乗りを考えなければカワシマ製のEC95シリーズが運搬車の見本のようで気に入っていた。
これもクローラ幅 長さ共に申し分無い。
立ち乗りにこだわらなければこれがベスト。
車と同じように2台体制というように出来ればいいけども運搬車はそうも行かない。
でもこの機種は満足度は非常に高いと思う。
余談だが筑水キャニコムは関西の古参の農家や山師には何故か知名度は低い。
爺さん「それどこのメーカー?」
自分 「筑水キャニコムっていうメーカーです」
爺さん「チクスイ?‥‥知らねえな。」
てな会話をこの1ヶ月で3回した。
この会話の相手は3人ともホンダの力丸を愛用しているみたい。
彼等の言うには力丸は重心が低く倒れにくいと。
うたい文句が本当かどうかは知らないが‥‥。

5月の連休前後は新芽の時期でとにかく荷物が多い。
切った枝をすぐに水に浸ける必要があるのでポリタンク2個 バケツ タライ等まるでチンドン屋
朝から夕方まで作業する為午前中切った枝を束ねて浸けておくタライが必要でこの時期は難儀する。
人力でしていた時は川まで歩いて浸けに下りてまた登るという往復1時間近い苦行を強いられたのでそれを思えば極楽。

しかし問題は早くも突如としてやってきた。
1日の作業が終わり軽トラまであと数メートルという所でエンスト
エンジンはクラッチを繋ぐとすぐにエンスト
どうやらベルトのプーリーに枝がぐるっと巻き付いている。
本来ベルトがかかるプーリー溝にぐるっと枝が巻き付いてる。
その為ベルトが半分脱線しかかっている。
おまけにプーリーカバーと外れたベルトが干渉しガッチリ噛んでいる。
現場では工具も無くどうにもならないので渾身の力で軽トラに乗せた。
翌日自分で修理をするがこのプーリーカバーがネジを外しても外れない。
どうやって付けたんだ?と思案するが謎は解けず。
知恵の輪状態になっている。引いても押しても形状からどう見ても外れそうに無い。
ネジを外した際にグラついたカバーとベルトの間にスペースが出来 何とか手でプーリーを回し枝を引っ張り出す事に成功した。

カバーにはボルトが2本見えそれを外すがそれだけではグラついても外れる事が無い。
カバーの中に見えるプーリーに枝やら石が噛み込む。
するとベルトが脱線するがカバーがある為にそのカバーと接触しかんでしまう。

しかしこのプーリーカバー 今度ベルト交換する時は本当にどうやって外すんだろうか?
課題を残したままではあるが無事枝は除去出来 ベルトも回る事が出来たので修理完了。
もし山奥でなっていたらと思うと‥‥。
もう少し簡単に外せるようにして欲しい。
でもこういった農機具は使われる所が過酷なだけにトラブルはつきもの。
なので自分でメンテする事も考え整備性の良い物を選ぶのが賢明だろうな。
複雑に何でも小さく詰め込んだものは整備性が悪。
これはいい方なのかどうか分からんが一つ勉強になった。

◯その後のトラブル

動くのには支障は無いが外装の樹脂部品が破損した。
後部下側のフェンダー(赤色の大きな樹脂部品)が割れた。
恐らく急斜面を下りた際に接触したと思う。

至る所に引っかかる枝などがある為に今後また引きちぎりそうで怖い。
やっぱり外装に樹脂部品を使うのはあまり良く無いなと実感。
無骨でもいいのでやっぱり金属が1番だと思う。

トラブルその2

またプーリーに枝が巻き込み
これで2回目
これが起きると全く動かなくなる。
その場に工具が無ければどうにもならないトラブルで途方に暮れるしか無い類のもの。
今回は工具を積んでいなかったので山のてっぺんでに放置して帰るしかなかった。
後日救出予定だが。
しかしこのプーリーへの巻き込みはどうにもならないのか?
確かに至る所に枝は落ちているがそれらにビビっていては仕事にならない。
巻き込んでも対処しやすい構造にしてほしい。
外すと余計に巻き込みやすいからやっぱりカバーの脱着を楽にしてほしい。
他メーカーのは見た事は無いが多かれ少なかれ同じ問題を抱えていると思う。
特に枝ものが多い畑では起こりやすい。

トラブル その3

走行中に排ガスではない妙な匂いがしてきた。
数分後こら変だと荷台を上げて中を覗くとベルトがまたもや脱線。
今回は中間のテンションプーリーから半分脱線した状態で走行してしまっていた。
プーリーのフチがベルトを削り数ミリではあるが溝を掘るくらい削れていた。
原因は分からんが多分枝かなんかで脱線したと思われる。
すぐ交換するほどではないが寿命がだいぶん短くなった事は確かだ。

結構ベルトトラブルが連続している。

トラブルその4
荷台拡張のレバー基部が樹脂製でポッキリ折れた。今まで金属製と思っていたがなんと樹脂製。
結構ここは力もかかるとこなので何故に樹脂なのかは疑問が残る。
しかも2回も折れた。
スレスレのところを通る事も多い為に出っ張ったこの部品が引っかかってポッキリ折れる。
農協経由で部品だけ買ったがそれにしても高い。
今度折れたら金属製の汎用のレバーに交換する予定。
何度も折れて腹が立ってくる。
市販の汎用のM6用のカムレバーの方が全然良い。


総じてこの機種は使い勝手はいいが樹脂部品が多い事からその破損も多い。致命傷にはならないが放っておくのも気がひけるのでやっぱり修理することになる。経年劣化でも破損しやすくなる事を思えば他と比べて修理代はかかる。
特に紫外線による影響は顕著で樹脂部品はパリパリに脆くなる。
このメーカーはデザイン重視で差別化を図ろうとして外装に樹脂部品を多用しているが破損しやすい事も事実だ。
しかも部品代がエゲツなく高い。
年数が経てばたつほどこの点は痛い。
使い勝手が良いだけに惜しい。
農作業は無骨で良いので使い勝手はそのままに耐久性に重きを置いて頂けるとありがたい。
贅沢な悩みなんだろうか。