ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

アフターレポ:ジェフユナイテッド千葉−川崎フロンターレ


フクアリの借りはフクアリで!混戦を極める上位戦線から振り落とされるな)


■ 勝ちきるサッカーができるチーム、それが本当の強豪への道
6月にフクアリで敗戦したナビスコ最終戦、今度はリーグ戦でジェフと対戦する。
川崎は京都戦から4‐2‐3‐1を採用することで、守備の立て直しを図ってきた。
私見ながら、この布陣は川崎の戦力的な不備を上手く補ったシステムだと思ったり。


ひとつは、DFが圧倒的に足りない。箕輪さんと佐原さんがレンタル移籍中なわけで
イガとテラコフがケガ、横山を3バックのセンターバックというのは確かに大変だ。
そこで山岸、村上の、それまで中盤の両サイドをそのままサイドバックに起用した。


もうひとつ、右サイドが勇介の手術のため、長期欠場のためレギュラー不在だった。
ナビスコ最終戦の千葉戦、交代枠で右サイドに入ったクロが得点を決めていたので
結果的にジュニ、ジュ、クロで3枚を形成し、ワントップ気味にテセが配置した形*1


ジュ加入から、川崎の中盤は非常にバリエーションの富んだ攻撃をするようになった。
この日の試合も千葉はロング1発という攻撃に対し、川崎はケンゴ、ジュを起点にして
長短のパスを駆使して攻め込む。先制点もケンゴのロングにテセが決めてくれたので。


んで、個人的にもサポ的にも話題になったのが、久々の無失点勝利を納めたことだ。
ケンゴのコメントで話してくれてたが、ロングに対して4枚で対応できたのがいい。
DF4枚にタニとケンゴがカバーして、6人でしっかり守る。タニもよく戻ってきたし。
終盤では山岸、村上の両サイドは攻撃参加せずにコントロールしながら守備に徹する。


何度か危ない部分は後半あったけれども、なんとか踏ん張れたのは大きな成果だろう。
自分は本当に強いチーム守り切る、勝ちきれるサッカーができるチームだと思う。
昨年の天皇杯での鹿島戦、今年5月の浦和戦、1点をしっかり守り切られて負けた。
川崎が今後もこうした勝ちきれる展開を作れるようになってくれば、本当の意味で
強いチームとして台頭できるのではないかと思った。強豪クラブへの道はまだ遠い。


次は新潟戦、平日開始でクラブのスタッフの方々もヤキモキしていたが、僕も後半から
でも駆けつけたいなぁ。鹿島と多摩川クラシコは行けない感じだし、なおさら行きたい。

*1:これは4‐3‐3で見れば、ジュがトップ下でジュニ、テセ、クロの3トップとも見える

読了:森博嗣 『ナ・バ・デア』

ナ・バ・テア (中公文庫)


■ 大人になってしまった「彼」と、子供のまま永遠を生きる「僕」が紡ぐ物語
スカイ・クロラ』シリーズ第1作、講演会の会場で売ってたので何冊か購入してた。
ネタバレを極力さけるために見終ってから読み始めて、現在もシリーズを読んでます。


物語は「キルドレ」の草薙と同じ基地の「普通の大人」のティーチャ―を中心に進む。
本編の描写を通じて、草薙にとって関心事は飛行機に乗ることにのみ傾けられている。
彼女がティーチャーに興味を抱くのも、基地の誰よりも飛行機を上手に乗りこなすから。
彼がどのように飛行機を乗りこなし、何を考えているのか、それを聞きたくて仕方ない。


作中、彼女は「散香」*1という戦闘機に乗り換えることでパフォーマンスをあげる。
機体から届いてからというもの、子供のように*2喜んで機体に触っている描写などを
見ると、彼女は、すぐにでも空を自由に飛びたい、ずっと飛んでいたいという思いが
伝わってくる。ここに「キルドレ」が持つ空への思いというのが率直に伝わってくる。


映画『スカイ・クロラ』でフーコから語られる、何故か娼館に訪れたという草薙の描写
もここで登場してくるので、映画の内容補足としても、最初から読んでいくべきだろう。

*1:映画『スカイ・クロラ』では、ユーイチをはじめとするクサナギが司令を務める基地で採用されているレシプロ式の戦闘機も「散香」である。

*2:もちろん彼女は「キルドレ」なので「子どもっぽい」というより正確に「子ども」なのである。