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2014-11-05

広告賞のケーススタディビデオを讃える 「The Caseys 2014」

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Cannes, CLIO, One Showといった国際的な広告賞で必要なのは何か?...クリエイティビティ溢れるプロジェクトとそのプロジェクトをプレゼンする為のクリエイティビティ溢れるケーススタディビデオだ。突如広告界に舞い降りた"The Caseys 2014"なるアワードは、ケーススタディビデオを讃えるイベントであり、"The Caseys 2014"は以下6部門で構成されている。

1.Best Use of Making-Of Footage(メイキング映像の活用)

2.Most Innovative Use of a Single Tweet(1Tweetの使い回し)

3.Most Impressive-Looking Numbers(数字の強調)

4.Best Use of British(イギリス人起用...ハイレベルな英語アクセントは400兆インプレッションを生み出す)

5.Most Emotion(感情的な演出)

6.Best Use of Agency Posing Real People(エージェンシー職員を一般人に見せかけ起用)

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仕掛けたのは" Rethink Communications"。確かにケーススタディビデオの作り方次第で評価が変わると言われており、完全に賞の本質とずれている所を揶揄している訳ですが...最後のトロフィはやり過ぎですね。

2014-11-01

広告業界トレンドを揶揄し続けるJohn St.~今回はReactvertising

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広告業界には目まぐるしく変化するトレンドがあり、一般的なトレンド同様にそれを主導する人、大多数の追いかける人、数少ない揶揄する人が存在する。John St.(中堅エージェンシー/カナダ)はその数少ない揶揄する側である。彼等が今回揶揄しているのは"Real-time Advertising"というトレンドだ。これはスーパーボール2013で試合中に予期せぬ停電が起こって試合が38分間中断した時にOreoが素早く繰り出したTweetが発端と言われている。

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このTweetは瞬く間に数万RT稼ぎ、以降こういったビッグイベントやニュースにおいて、多くのブランドがデザイナーコピーライターを機動的に稼働させ、Real-timeでレスポンスするというケースが多発した。

そして、John St.によると、既存の"Real-time Advertising"のスピード感はまだ十分ではなく、その先を行くサービスを提供する"Reactvertising"なるセクションを立ち上げたとのこと。そのセクションは2800人の"スピードライター"を新規雇用し、世の中の出来事に対して素早く対応。権利者へのアプルーバル作業も強引な手法を使いつつも秒速でこなし、従業員の思考・リアクションスピードを鍛える社内トレーニング制度も導入している。24/7稼働のニュースラボを持ち、例えば、香港のデモが"傘革命"と名づけられれば素早く傘を売り込み、iCloudからセレブのセックス写真が流出すれば横漏れしない生理用品を素早く売り込む。トイレでのアクティビティに連動して素早く商品や薬品をレコメンドするシステムや寝ている間もリアクションできるシステムなども開発中とのこと。

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更に、R&D,Mobile,TVの3つの分野における"Reactvertising"のビジョンを語るビデオまでリリースされている。

R&Dでは、"死に対して如何にReal-timeでリアクションするかが重要だ"と。その為に、死までのカウントダウン時計を開発しているとのこと...。

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Mobileでは、Big Dataを使ってあなたがどう行動すべきか、Real-timeで教えてくれるサービスを提供するが、それに注意を奪われ交通事故に遭うこともある。

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伝統的なTVというメディアの中に如何に反射的スピードを取り入れるか? がテーマ。

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いつもながらのユーモア。ここまで広告業界トレンド揶揄しつつも、Strategy誌の"Digital Agency of the Year"や"Cannes Lions Bronze"とか広告賞はがっちり獲るというのが素敵な会社です。John St.は過去にも業界トレンド揶揄する数々のビデオをリリースしている。例えば、"罪も無い人々をギョッとさせるドッキリビデオ・トレンド"について。

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ヴァイラルビデオ・ブームの中、クリックファーム的サービスの立ち上げを発表。実際、その後、中国やバングラデシュでクリックファームの存在が発覚したのは周知の事実。

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動画共有サイトの視聴も簡単に稼ぐ為に、何でもかんでも"猫"をキャスティングする風潮を揶揄し、Catvertisingセクションの立ち上げを発表。

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全てにおいて、広告業界人には刺さる内容です。

2014-10-31

Doveの対抗軸を意識した広告展開で炎上するVictoria's Secret

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広告や雑誌グラビア、映像で女性モデルのイメージをフォトショップ加工することは、以前は"悪"ではなかったが、今、それはハッキリとバッシングの対象になっているようだ。

セクシー路線を直走る下着ブランド"Victoria's Secret"が新ブラジャーの広告コピー"The Perfect 'Body'"が原因となり、大炎上している。"そのPerfectはフォトショップ加工によるものだろ!侮辱しやがって"というバッシングだ。UKでは、Victoria's Secretの無責任なマーケティングに対して謝罪要求する署名が10,000通以上集まっている。

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これに対してVictoria's Secretは"Perfect Fit. Perfect comfort. Perfectly soft."といった"つけ心地"を示唆したコピーだと反撃しているが、火の手は収まりそうに無い。

"Femvertising が大流行か?"というエントリで紹介したように、女性メディアによる調査結果によると"94%の女性は、女性をセックスシンボルとして描くことは性差別問題にとって危険である"と考えており、それがハッキリと表面化したようだ。同時にDoveが主張する一切のフォトショップ加工を行わず、ありのままの女性の姿を描く"Real Beauty"が如何に女性のマインドを捉えているかが浮き彫りになっている。

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こうやって見ると、Victoria's Secretのビジュアルは明らかにDoveを意識して制作されているように思う。Femvertisingが流行する中、その対抗軸になるというのはプレゼンスを明快にする1つの方法ですが、Victoria's Secretにとってはフェミニズム意識がここまで深く浸透しているとは想定外だったのではないでしょうか。

2014-10-13

Femvertising が大流行か?

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以前"女性ブランドにとってフェミニズム的ストーリーが流行?"や"女性に自信を持って生きることを呼びかける物語の重複"等のエントリーで"フェミニズム的ストーリーテリング"の流行について書いたけど、この趣向は女性をターゲットとするブランドに確かな効果をもたらすようだ。

女性のライフスタイル情報サイト"SheKnows"の"Femvertising"(フェミニズム広告)に関する調査(n=628)によると、52%の女性が広告に女性を応援する姿勢が見えるかどうかは購買行動に影響を与えると答え、43%がブランドを応援したい気持ちにさせると答えている。更に、25%が広告での女性の描き方が好きで無い場合は、その商品を使い続けないだろうと答えた。

また、92%が女性を勇気づける広告を少なくとも1つは知っており、その筆頭格が"Real Beauty"(Dove)。これは"あなたは自分が思っているよりも美しい"をテーマに昨年広告賞を多数受賞した作品だ。

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Doveは数年前からフォトショップを一切使わず、女性の本当の姿を描き始めて以降、セールスが25億ドルから40億ドルにジャンプアップした。

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Getty Imageの女性をテーマとしたコレクション"Lean In Collection"は2014年2月以降54%の伸びを見せている。

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Nikeは女性向けマーケティング強化の効果もあり、四半期ベースで15%の成長を記録した。

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その他、好意的なブランドは...

Always(P&G) / LikeAGirl。"女の子らしい"というステレオタイプに大人がはめようとするあまり、彼女たちは萎縮し、やがて自分らしさを失ってしまう...というテーマ。

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Panten(P&G) / Not Sorry。直ぐに"Sorry"と言ってしまう女性。もっと堂々と自信を持てばいいんだよ、というアプローチ。

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その他 Hanes, Olay, COVER GIRL, Under Armer, Searsが好感を持たれている。

調査結果の一部を以下に列記します。

  • 51%が女性を応援する広告が好きであり、性差別の壁を壊すことに貢献していると考えている。ある働く子育て女性によると"最近の広告は消費者はバカ扱いしており、そんなブランドの商品を買う理由は無い。男であろうと女であろうと、そういったチープな広告はやめるべきだ"と考えている。
  • 5人に4人はより若い世代にとって女性の存在をポジティブに描くことが重要だと考えている。圧倒的多数がキャンペーンにおいて女性がどのように見られているのかが、少女たちが自信をもって生きていくことに役立つと考えている。あるミレニアル世代(25〜34才)のママは"過剰なフォトショップ加工をするのではなく、本当の女性の姿を見せて欲しい"と考えている。
  • 71%の女性は女性向けブランドの広告は女性をポジティブにする機会として活用する責任があると考えている。
  • 94%の女性は、女性をセックスシンボルとして描くことは性差別問題にとって危険であると考えている。あるジェネレーションX世代(30-50代)のママは"女性向け広告の多くは性的魅力を強調し、それが女性の美と尊厳を描くことに繋がるという考え方だけど、これからはより知的でエモーショナルな部分をそれに含めるようにすべきだ"と考えている。
  • 75%は女性の日常的な姿を描くことに好意的であり、ミレニアル世代の学生は"男女の間で交わされる言葉や会話も、より現実的なものにして欲しい。女性を物として扱ったり、人間らしく描かないことはやめて欲しい"と語っている。
  • 89%は性差別問題は人権問題であると考えている。

"SheKnows"という女性のライフスタイルメディアの調査なので、信憑性に若干の疑問はありますが、17才のMalala Yousafzaiさんがノーベル平和賞したこともあって、ジェンダー問題は益々クローズアップされそうだし、そうなると益々"Femvertising"が増えそうで、ストーリーの重複、交通渋滞が激しくなりそうです。

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2014-10-10

聳え立つ高層ビルの屋外ビジョンをハック

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各地の高層ビルのTOP OF TOPを制覇する"ON THE ROOFS"(Vitaliy Raskalov + Vadim Makhorov / ロシア)が香港の高層ビル屋上の屋外ビジョンエリアに侵入&ハックし、"What's up, Hong Kong?"というメッセージとハッキングの模様を撮影した映像を流した。また、ビデオで使用されている空撮はDroneで撮影されている。

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ビルのセキュリティもですが、屋外ビジョンのセキュリティもかなり甘い。こんな所まで昇ってくることを想定していないのでしょうか。世界のメガシティの主要な屋外ビジョンを同時ハックするような世界同時多発広告テロ的なことも簡単にできそうな気がする。