Campaign_Otaku RSSフィード

2014-10-22

広大な劇場空間でコンパクトカーの良さを訴える唯一の場所

D

Smart(コンパクトカー)の売り文句は"どんな場所にもフィットする"。たとえ、こんな場所だって...。劇場広告として、これはかなり斬新。以前こんな渋いこともやっていた。

f:id:y_sequi:20141022221107j:image

2014-07-31

YouTubeのプレロールに出稿するなら専用の素材をつくるべし

f:id:y_sequi:20140731222238p:image

ブースターケーブルにつながれた犬。そのケーブルの片側をYouTubeの"SKIP AD"に繋ぐ...もしあなたがいつものように"SKIP AD"をクリックすれば犬は感電してしまう。あなたがクリックしないことによってこのプレロールADの広告主である広告代理店"Nail Communications"は50セントをYouTube(Google)に支払うことになる。そして同額を動物保護団体"ASPAC"に支払われる...が、彼らが伝えたいのはそんなことではない。

D

YouTubeのプレロールADは94%の確率で5秒の規定時間後僅かでクリックされる一方で、この素材は26%が長時間視聴した。彼らが主張しているのは、TVCM素材をそのままYouTubeに出稿するのではなく、メディア特性に応じて作られるべきだ!ということだ(そして"Nail Communications"ならそういう素材をつくりますよ)。

YouTubeのプレロールって広告嫌悪の象徴みたいな感じだし、安易にTV素材の流用するより、きっちり専用素材作った方が良いですね。

2014-04-16

IBMが1ヶ月で62種類のTVCMを作ってマスターズのTV放送で各1本ずつ集中的にオンエアするという驚きのメディア展開

f:id:y_sequi:20140416223544p:image

Bubba Watsonの優勝に沸いた先週末の「マスターズ」に熱中していたゴルフ狂やエグゼクティブたちは、今、IBMがとても気になる存在かもしれない。IBMは6年前から実施している"Smarter Planet"キャンペーンを「マスターズ」を機に、次期フェーズ"Made with IBM"へと移行させた。

データ社会はもはやコンセプトではなく、実際に動いていることをリアルなストーリーを通じて実証的に語るというのがその内容なんだけど、そのやり方がとても力強い。IBMはこのキャンペーンの為に、30秒・60秒織り交ぜて、62種類の異なるTVCMを制作。何でも"ゴルフトーナメント番組の場合、1本のCMを50回オンエアするよりも、50本作って1回ずつオンエアする方がいいよね。きっと、同じ人がずっと観ているから..."という雑談をしたのが「マスターズ」の1ヶ月前。そこから、3つの撮影クルーを5大陸20カ国に派遣し、クライアント、IBM社員、各産業分野のエキスパートなどにインタビューを行い、突貫で62本のTVCMを制作。そして、「マスターズ」最終日に集中的にオンエアした。

なのでアメリカのゴルフ狂やエグゼクティブは今、IBMの残像が頭から消えないかも知れない。

例えば、東芝による教育現場のサポートの裏にはIBMが...という日本取材のTVCM。

D

CM Play List

キャンペーンのコアになるメッセージ"より速く、より良く、より効果的に、クラウドで"というメッセージが集約されたのが、このレストランを舞台にしたIBM社員が語るCM。こんな目玉焼き1つにまで、生産・サプライチェーン・保存・調理などコンピューティング技術が隠されている。

D

この"Nanostrage"はとてもリズミカルで良い感じ。ナノ技術を使ってデータストレージの新しい方法を開発している、という内容で昨年話題になった "A Boy and His Atom"(一酸化炭素の分子を1コマずつ動かしてコマ撮りした作品)の素材も使用されている。

D

このプロジェクトを手掛けたのは、長年IBMのパートナーであるOgilvy & Mather。その舞台裏を語っている。

D

62本作って1回ずつ1つの番組でオンエアするなんて、たとえ思いついてもできないですよね。

2014-03-03

メディアの特性を活かしたメッセージの伝え方 from Brazil

f:id:y_sequi:20140303195546j:image

"1秒間に300平米の森林が地球上から消失している"といった語り口は問題の切迫感を高める為のよくある手法だけど、環境関連の非営利団体"OndAzul"(ブラジル)が企画した"Nature Snap Facts"は、更にメディア特性を上手く捉えた仕掛けだ。

"OndAzul"が活用したのは写真や動画を友人に送信でき、受信者が閲覧できる時間を最長10秒まで設定でき、その後は受信者の端末からもサーバーからも完全に削除される"Snapchat"。何でも蓄積・共有されがちなネット社会において、その「はかなさ」をウリにしている人気サービスだ。

この"Snapchat"を使えば「アマゾンの熱帯雨林が10秒間に4km2破壊されている」「10秒間に140,000リットルの下水がグアナバラ湾に流れ込んでいる」といったメッセージ映像がより深く伝わる。

D

こういう視点でメディアを見るのはとても面白い。Vineの6秒とか、活用法が拡がるかもです。

2014-02-15

羽生結弦選手とパトリック・チャン選手、何が命運を分けたか?

f:id:y_sequi:20140215160008j:image

羽生結弦選手とパトリック・チャン選手の激闘は今日の早朝の出来事だけど、昼頃にはThe New York TimesのWebSiteに転倒したジャンプ、成功したジャンプを含めて何が命運を分けたのか、グラフィカルで分かり易い記事が掲載されていた。(記事原文“Hanyu Falls Twice, but Still Wins Gold”)

例えば羽生選手の冒頭の四回転サルコウの転倒について。上半身のバランスが崩れ、空中でタイミングを見失い、転倒。基礎点が10.50の所、7.50の得点に留まった。全ての減点の中で一番大きい減点3だ。

f:id:y_sequi:20140215145730p:image

f:id:y_sequi:20140215163822j:image

一方で、次の成功した四回転トーループについては10.30の基礎点の所、12.44を獲得。

f:id:y_sequi:20140215150812p:image

f:id:y_sequi:20140215154531j:image

そして最大の加点となったのが、三回転アクセルと三回転トーループのコンビネーション。13.86の基礎点の所、16.29を獲得。2.5点のプラス。四回転トーループと合わせて4.6点プラスで冒頭の失敗を補ってプラスを出している。

f:id:y_sequi:20140215160315p:image

f:id:y_sequi:20140215160558j:image

対してチャン選手の冒頭の四回転トーループと三回転サルコウのコンビネーション。1回目のジャンプの空中で加速し、その勢いで2回目のジャンプも成功。14.40の基礎点の所、17.40を獲得。これは最高の評価であり、3点もプラスされている。

f:id:y_sequi:20140215151738p:image

f:id:y_sequi:20140215151737j:image

一方で続く四回転トーループと三回転アクセルで大きく落としてしまう。四回転トーループはジャンプのタイミングが遅れ、着氷時に手をついてしまう。基礎点が8.50の所、5.93の得点に留まる。

f:id:y_sequi:20140215152413p:image

f:id:y_sequi:20140215155408j:image

三回転アクセルは跳ぶ瞬間のタイミングが狂ったために着氷時にステップアウトを余儀なくされ、氷に手をついてしまった。基礎点が10.30の所、8.73の得点に留まった。直前の四回転トーループと合わせて4点以上落としてしまう。ここで冒頭ジャンプの貯金を吐き出し、基礎点を基準に考えるとマイナスに転落。これが決定的であったかも知れない。

f:id:y_sequi:20140215160830j:image

基礎点を基準に加点・減点の動きの大きいジャンプだけを取り上げたけど、記事ではこんな感じで羽生・チャン両選手が飛んだ全てのジャンプについて解説していて、1つの演技の中で加点・減点が相当激しいことがわかります。これがTV中継であったら採点競技の複雑な部分がクリアになって、より深くフィギュアを楽しめると思います。「画像解析やKinectで自動化できるのでは」(石井さん)という意見も頂戴しました。なるほど。

それにしても、The New York Timesは既に新聞という衣は脱ぎ捨てているなぁと思いました。新聞社という業態の枠の中ではこういう発想って出ないように思います。