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2015-02-03

スーパーボール史上最高の視聴率の中、史上最高に気を滅入らせるCMがオンエアされる悲劇

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450万ドル(30秒)の超高額TVCM枠に投資し、オンエアされたこの60秒CM(なので料金は450万ドルの2倍またはそれに近い金額と予想される)にはこんな不名誉な見出しがつけられている。"This Is Probably The Most Depressing Super Bowl Ad"(恐らくスーパーボール史上最も気を滅入らせるCM)。出稿しない方が良かったのではないか...という悲惨な結末であり、こんな時に限ってスーパーボール史上最高視聴率49.7%を記録した。

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カワイイ少年が"僕ができないこと"として"自転車に乗れない、空を飛べない、旅行ができない、結婚ができない..."と語る。なぜなら、この少年は死んでいるからだ。これは米国の子供の死因No.1が"家"...風呂での溺死、異物を口に入れる、TVの下敷きになる...であることを伝えるCMであり、広告主は保険会社の"Nationwide Insurance"だ。

この事実はほとんど知られていないため、インパクトがあり、また注意喚起になると判断し、採用された表現のようだが完全に裏目に出た模様。Twitterの反応はすこぶる悪く、"Nationwide Insurance"があざといブランドとして見なされている。RwtweetやFavotite数も多い。

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最もRwtweetやFavotite数が多いのがこのTweet。"僕はケイティ・ペリーハーフタイムショーが観れない"と、CM演出を逆手に取った皮肉を食らわしている。

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1つ前のCMがNFLのCM"No More"。昨年、Ray Rice(レイブンズ)が起こしたDV事件に対する反省の気持ちを表す作品で、ピザ屋に電話するふりをして911に電話する、実録の緊急電話音声を活用している。これが好評だったたようで、その落差も大きすぎたのではないだろうか。

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約9億円を投じて、大きなダメージを得るという...担当者の胸中察するにあまりあります。

2015-02-02

スーパーボール2015 人気CM TOP10

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Patriotsの劇的な逆転勝利で終わったSuperBowl2015。CMランキングの方はSuperBowlらしいエンタテインメント作品だけではなく、近年のストーリーテリングの傾向通り、SadvertisingやFemvertisingがランキングしている。早速、発表されたばかりの"USA Today Ad Meter"の結果を見てみよう。

1.Budweiser, “Lost Dog”

昨年空前の大ヒットを記録した"Puppy Love"の続編。今回はあの子犬が迷子になり、親友の馬が助けに行くというわかりやすい続編の作り方だ。

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因みに昨年の"Puppy Love"。

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2.Always, “Like a Girl”

昨夏、超絶ヒットを記録したヴァイラルビデオ“Like a Girl”を30秒に再編集してオンエア。大人の女性や少年に"女の子らしく走って""女の子らしく投げて""女の子らしく喧嘩して"と要求すると、みんな同じように振る舞う。次いで女の子に同じ質問を投げかけると、全く違う、ありのままの自分を表現する動きをする。

このビデオが問題にしているのは"女の子らしい"というステレオタイプに大人がはめようとするあまり、彼女たちは萎縮し、やがて自分らしさを失ってしまう...というポイント。Always(生理用品)は、そういった部分に疑問を投げかけている。

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3. Fiat, “Blue Pill”

嫁の招きに応えるべく爺さんがバイアグラを飲もうとするが...。これぞSuperBowl CM。欧州車らしいムードもあって良いです。Fiatのランクインって初めてでは無いか?

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4. Microsoft, “Braylon”

Microsoftのテクノロジーが生まれながらにして両足に障害を持つ子供を救うというSadvertising。Microsoftの上位ランク入りも珍しいです。SuperBowlにおける、こういった涙の物語への人気の傾斜は時代の変化を感じずにいられません。

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5. Doritos, “Middle Seat”

トップ争い常連のDoritosが5位。勿論、この作品はユーザージェネレーテッド。自分の隣の席に人を座らせない奴は、当然報いを受ける。(Doritosという至福のスナックを子供に食べられてしまう)

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6. Dodge, “Wisdom”

"目を開けて、時々黙るんだ""文句を言うな""二の足を踏むな"...結構説教臭い内容。語っているのは皆100才以上の老人で、その経験から語っている。そして、Dodge創業100年の歴史から多くを学んでいる。これが6位...。

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7. Toyota, “My Bold Dad”

トヨタのTOP10もお初かも。父親の強さと優しさ...家族の価値を伝えるCM、最近多い。これまで散々個人主義を主張し、一家に一台から一人一台へと推進することで家族を崩壊させてきた自動車ブランドのこの手のメッセージには違和感感じずにはいられない。

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8. Coca-Cola, “Make It Happy

ソーシャルブリング(虐め)が横行する中、あるサーバー管理者が、Coca-Colaをサーバーに零すと、ネットワークにCoca-Colaが流れ、みんなをハッピーにするというCoca-Colaらしい社会問題へのコミットをプッシュする物語。

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9. Nissan, “With Dad”

レーサーとしてのキャリアか家族か...その狭間でもがく1人のレーサー。そして、後者を選択。

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10. Doritos, “When Pigs Fly”

豚が空を飛べばDoritosあげるよ!...という男の言葉にのって、豚を飛ばせるキッド。今年のDoritosはランキング的に低調でした。CMのクオリティというより、時代の要請が変わったという感じです。

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2015-01-30

私たちはなぜユニコーンを見ることができないのか?

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イエティ,人魚,つちのこ,龍...いずれも伝説の生き物とされている。そして、その仲間の1つ"ユニコーン"の秘密が公開された...。

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天地創造の時代、ノアの方舟に乗せた2頭のユニコーンが共に雄だったという話。これは欧州の放送局"CANAL+"のCM。"物語をつくるのが大好きなんだ"...という"ドラマのCANAL+"を発信する狙いだ。(よって勿論作り話)

このシリーズ、過去にも面白い作品があり、個人的には"Closet"が面白かった。

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2015-01-28

今年のSuper Bowlでも長尺で盛り上げて短尺に誘導し、再び長尺で盛り上げるBud Light

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"Super Bowl 2015"1週間前ということで、30秒450万ドルというTVCM出稿料金の元を最大限とろうと、各スポンサーブランドがティザーや本編のリリースを開始している。本番までに"ひとやま"つくって、本番及び本番後の動画共有サイトの視聴を最大限盛り上げるというのはここ数年で定着した戦略だ。

その1週前に発表したブランドの1つに"Bud Light"がある。彼らの今年の作品は"Coin"。何も知らずバーに入った男がバーテンダーの勧めで、店を出て所定の場所に行くと、そこは懐かしのアーケードゲーム"Pac-Man"のリアルサイズバージョンの会場だった...というストーリー。そして、大型のコインを入れるとゲームがスタートし、自らがパックマンになって走れ回り、見事にクリア。

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所謂、リアリティCMってやつだ。このTVCMは金曜日の"The Tonight Show With Jimmy Fallon"で発表されたんだけど、90秒の長尺。この一発を起点にSuper Bowl当日まで盛り上げることで、Super Bowlの視聴を最大化。そして、当日は30秒バージョンがオンエアされるため、全編観たい人は90秒を求めてYouTubeにやってくるという仕掛け。また、このラッキーボーイがテレビ番組などに出演し、Bud LightのCMプロモーションに一役買うことになる。

Bud Lightは昨年もリアリティCMで大成功を収めた。リアリティTV全盛時代だからだろうか。但し、Super Bowl全体を見ると、このタイプはほとんど見ない。

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去年もバーに訪れた男が女に声をかけられ、リムジンに乗って、Reggie WattsのDJプレイを楽しみ、Minka Kellyにスタイリングしてもらい、ビルのエレベータで山羊使いに遭遇し、Schwarzeneggerとピンポンし、パーティが始まる...次々に起こるサプライズの連続は今年と同じコンセプトだ。

"Super Bowl 2015"に二匹目のドジョウはいるのでしょうか。

2015-01-23

SuperBowlのティザーでGIFデータをばらまく

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昨年のSuperBowlでメガヒットを記録したBudweiserのTVCM"Puppy Love"。心温まる子犬と馬の友情物語だ。ここ数年SuperBowlでは犬猫を中心とした動物をキャスティングし、好感度を獲得する傾向が強いが、これはその中で最も成功した作品と言える。YouTubeで既に5,500万回以上視聴されている。

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そしてSuperBowl2015ではその続編"Lost Dog"が公開される予定で、そのティザーとしてGIFとJPEGデータが公開された。"Lost Dog"だけにいずれも物悲しさ全開だ。

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SuperBowlスポンサーは1週間程度前から本編あるいは予告編をオンラインで公開し、SuperBowl当日までに一旦話題を作って、SuperBowlをきっかけに一気にマジョリティ層に広げていく戦略が定着しているが、そのためにGIFデータを公開するという作戦は、お初ではないか。"Lost Dog"だけに、迷子の犬を探すWebチラシ的イメージだろうか。本編楽しみです。

※追記:そして本編がリリースされた。

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