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2015-02-05

未来の音楽シーンを変えるかも知れない、即興で人とセッションするロボット

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Mason Bretan(Georgia Tech/PhD)の研究テーマは"Robotic Musicianship"。その直近の成果によると、ロボットは即興で人間とセッションできる。Masonがドラムやギター、キーボードでWhat I Say(Miles Davis)を演奏し始めると、まず小さい方のロボット"Shimi"が音を分析し、もう一方の"Shimon"が特別なアルゴリズムを使って即興でコード進行をつくり、演奏するという流れだ。

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開いた口が塞がらない位、凄いです。近い将来、有名ミュージシャンがロボットと共にツアーを回るようなことが起こりそうだし、バック演奏の人たちの職が危機に晒されることもあるかも知れません。

2014-12-31

ホーキング博士の新コミュニケーションシステムをIntelが開発

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Intelがホーキング博士のために"ACAT"(Assistive Context Aware Toolkit)なる新型コミュニケーション・システムを開発した。当初は顔認識や視線追跡技術を活用する見込みだったが、うまくいがず、最終的にはスマートフォンで使われている文字認識アルゴリズムによって、ホーキング博士の意図を単語単位で予測して選択できる機能などが活用されているとのこと。以前に比べ、文字入力速度は2倍、作業効率は10倍に向上したようだ。因みにホーキング博士は以前AMD搭載PCを使っていたが97年からIntel搭載PCを使用している。

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ホーキング博士と同様の病(ALS)に侵されている人は全世界で300万人と言われているが"ACAT"はオープンソースのソフトウェアを利用しているので、彼らに合わせた応用が可能だ。

Cannes LionsでIntelがスポンサーしている講演で紹介されていた"Project Daniel"も同様にテクノロジーのチカラで障害を持っている人を助けるアイデアであり、スーダン内戦により、腕を失った人たちに3Dプリンティングの義手を提供するプロジェクトだ。

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困難のある人を助けるというのは胸打たれるものです。

2014-10-29

MIT Media Lab 美しいニューロゴタイプ

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MIT Media Labが25周年で初めて正式なロゴマークを発表したのが2011年。ある一定のアルゴリズムにより変形するロゴマークで、その数約4万通りものパターンを誇る。

Media Labで働く教授やスタッフ、生徒各々が独自のロゴマークを持つことを可能とするという斬新な仕掛けだったが、そのロゴマークをあっさり捨て、新しいロゴマークを発表した。

モノトーンの新しいロゴは統一的なグリッドの中で文字が構成されている。

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そして、ロゴになる。

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24あるセクションは全てグリッドを基本として表現される。

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基本のアルファベットも変型版も記号も全てがグリッドを基本とする。

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Director's Fellow Program, re-think food...などのプロジェクトではこういう使い方もある。

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色んな場所、色んなツールに展開。

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昔ならロゴは長く守り続ける存在だったけど、たった4年でロゴを変えるというのが今っぽい。こちらの方がフォルムが美しく個人的には好きです。

(via Pentagram)

2014-09-17

女性用下着ラインの新機軸

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この女性用下着広告に登場する6人の女性はプロのモデルではない。Tech系ベンチャーの女性CEO(または創業者)だ。これはアパレルブランド"Dear Kate"の下着ライン"Ada Collection"の広告であり、"Ada"とはアルゴリズムを発明した"Ada Lovelace"に因んだネーミングである。よってTech系の女性CEOをモデルとして起用した訳だ。

"Dear Kate"の創業者であるJulie Sygielは"彼女たちの知性によって、それが下着のように見えない"と語っている。それは、この広告のもう1つの主張であり、何ら搾取的なイメージ無しに女性の強さや女性らしさを描くことで、性差別への強い抵抗を表現している。

各々のCEOをフィーチャーした広告には、"女性が世の中をより良くする"という自信に満ち溢れた彼女たちの信念の言葉が記されている。

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この広告に対し、ソーシャルメディアでは賛否が分かれている。

"性差別への戦い方はこうではない。逆よ"

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"こうやって服を脱がない限り、あなたたちに何らチカラは与えられない"

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"大好きよ、この広告。むしろこの広告は強い女性の中にある女らしさを引き出している"

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"この広告、好き。大胆で、力強くて、美しい女性たち"

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下着とアルゴリズムという不思議な組み合わせ、女性CEOの起用、性差別への抵抗...これでもかという程に話題の種を詰め込み、大胆に独自のポジショニングを築いた感じ。賛否はあるけどそんなに悪い種類の論争でもないし、存在感獲得という面では良い方向に向いているのではないか。

2014-07-28

広告業界に急増する「ストーリーテラー」という肩書き

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去年・今年とカンヌライオンズで語られまくった"ストーリーテリング"について興味深い記事が"Creative Review"に掲載されていた。

Stefan Sagmeister(Sagmeister & Walsh/パートナー)は最近、クリエーティブ界隈で自らを「ストーリーテラー」と名乗る流行を「糞だ」と激しく切り捨てている。それは"Camp festival in Calgary"(9/8-9)を主催するFITCのインタビューでのことであり、かなり挑発的な感じだ。※"Camp festival in Calgary"(テクノロジーアート、デザインのイベント)のそのプロモーションとして大袈裟に言っているように思うが...結構茶番多いので)

このビデオがポストされたVimeoのコメント欄には、特に「小説家や脚本家のみがストーリーテラーだ」とのSagmeisterの発言に対する否定的コメントが書き込まれている。

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コメントの主張としては、ストーリーテリングはそんな狭い範囲のことではない、とのこと。一方、Sagmeisterの主張はストーリーテリングが広告・マーケティング業界が商売をしやすくするためにねつ造されたトレンドに過ぎないということだ。今年のカンヌライオンズの多くのセッションでストーリーテリングは語られていた。まるで驚くべき発見であるかのように。でも、これは昔からあったことで、言葉を変えただけなんだ、と。

恐らく業界リーダーの何人かはストーリーテリングというトレンドを求めている。Mainardo De Nardis (OMD)によると「ストーリーテリングはコンテンツをクリエーションし、様々なプラットフォームを通じて適正なユーザーに配信するキャパシティである。それは二年前に"インテグレーテッド"と呼んでいなかったか?」

そして、こう付け加えている。「ストーリーテリングなしでは私たちは30秒スポット提案の時代に戻ってしまう。それは、私たちがより良いエンゲージメントのために求めていることではない。」

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カンヌライオンズで今年話題になったジャン・クロード・ヴァンダムの印象的な語りから始まるVolvo Truck"Epic Split"。これなんて、伝説のキャンペーン"Solvite"と同じじゃないか?

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ストーリーテリングは過去の偉大なキャンペーンにとっても心臓部でもある。このVWの"Snow Plow"がストーリーを語っていないとしたら何だ?

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BBHのLevi'sのキャンペーンなんて、製品固有の特徴をうまくストーリーに昇華させている。

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今や私たちにはより長い尺でブランドやユーザー、コミュニティについて語ることができる。

※Stella Artois(ビアブランド)がウィンブルドンテニスを支える人や技術を紹介するビデオシリーズを展開。これは、決勝当日、優勝トロフィに勝者の名前を刻むためだけにポーランドから車と船で遠路はるばるやってくる職人の物語)

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タブレットのような新しくパワフルなツールを使ってストーリーを語ることができる。

ストーリーテリングは広告業界にとって普遍的なものであるが、だからといって私たちはストーリーテラーではない。

冒頭のフィルムでSagmeisterは自分自身をストーリーテラーと名乗るクリエーターを"ローラーコースターデザイナー(自分たちを飾ることばかりする奴ら)"として揶揄している。広告業界はより複雑になるコミュニケーションの中で自分たちの役割を探している。データギークやアルゴリズムには提供できない自分たちのポジションをつくりたくて、ストーリーテラーに飛びついているだけだ...と語っている。

勿論、担当しているブランドや企業を力強いストーリーと共に語り、生活者の意識をポジティブにすることは相変わらず素晴らしい。しかし、私たちは今やたくさんのストーリーテリングの方法を知っているし、新たな発明的に語るのはおかしくないか?

(via Creative Review)

業界の流行語をつくり、権威を与え、エージェンシーやクリエーターに武器を授ける...というのはカンヌライオンズの役割だし、クリエーターが「ストーリーテラー」と呼びたい気持ちも分からないでもない。ファッション業界が流行の色や柄をつくって、生活者を巻き込んでいく手法とそう変わらないのではないかと思います。