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2015-02-02

スーパーボール2015 人気CM TOP10

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Patriotsの劇的な逆転勝利で終わったSuperBowl2015。CMランキングの方はSuperBowlらしいエンタテインメント作品だけではなく、近年のストーリーテリングの傾向通り、SadvertisingやFemvertisingがランキングしている。早速、発表されたばかりの"USA Today Ad Meter"の結果を見てみよう。

1.Budweiser, “Lost Dog”

昨年空前の大ヒットを記録した"Puppy Love"の続編。今回はあの子犬が迷子になり、親友の馬が助けに行くというわかりやすい続編の作り方だ。

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因みに昨年の"Puppy Love"。

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2.Always, “Like a Girl”

昨夏、超絶ヒットを記録したヴァイラルビデオ“Like a Girl”を30秒に再編集してオンエア。大人の女性や少年に"女の子らしく走って""女の子らしく投げて""女の子らしく喧嘩して"と要求すると、みんな同じように振る舞う。次いで女の子に同じ質問を投げかけると、全く違う、ありのままの自分を表現する動きをする。

このビデオが問題にしているのは"女の子らしい"というステレオタイプに大人がはめようとするあまり、彼女たちは萎縮し、やがて自分らしさを失ってしまう...というポイント。Always(生理用品)は、そういった部分に疑問を投げかけている。

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3. Fiat, “Blue Pill”

嫁の招きに応えるべく爺さんがバイアグラを飲もうとするが...。これぞSuperBowl CM。欧州車らしいムードもあって良いです。Fiatのランクインって初めてでは無いか?

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4. Microsoft, “Braylon”

Microsoftのテクノロジーが生まれながらにして両足に障害を持つ子供を救うというSadvertising。Microsoftの上位ランク入りも珍しいです。SuperBowlにおける、こういった涙の物語への人気の傾斜は時代の変化を感じずにいられません。

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5. Doritos, “Middle Seat”

トップ争い常連のDoritosが5位。勿論、この作品はユーザージェネレーテッド。自分の隣の席に人を座らせない奴は、当然報いを受ける。(Doritosという至福のスナックを子供に食べられてしまう)

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6. Dodge, “Wisdom”

"目を開けて、時々黙るんだ""文句を言うな""二の足を踏むな"...結構説教臭い内容。語っているのは皆100才以上の老人で、その経験から語っている。そして、Dodge創業100年の歴史から多くを学んでいる。これが6位...。

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7. Toyota, “My Bold Dad”

トヨタのTOP10もお初かも。父親の強さと優しさ...家族の価値を伝えるCM、最近多い。これまで散々個人主義を主張し、一家に一台から一人一台へと推進することで家族を崩壊させてきた自動車ブランドのこの手のメッセージには違和感感じずにはいられない。

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8. Coca-Cola, “Make It Happy

ソーシャルブリング(虐め)が横行する中、あるサーバー管理者が、Coca-Colaをサーバーに零すと、ネットワークにCoca-Colaが流れ、みんなをハッピーにするというCoca-Colaらしい社会問題へのコミットをプッシュする物語。

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9. Nissan, “With Dad”

レーサーとしてのキャリアか家族か...その狭間でもがく1人のレーサー。そして、後者を選択。

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10. Doritos, “When Pigs Fly”

豚が空を飛べばDoritosあげるよ!...という男の言葉にのって、豚を飛ばせるキッド。今年のDoritosはランキング的に低調でした。CMのクオリティというより、時代の要請が変わったという感じです。

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2014-10-13

Femvertising が大流行か?

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以前"女性ブランドにとってフェミニズム的ストーリーが流行?"や"女性に自信を持って生きることを呼びかける物語の重複"等のエントリーで"フェミニズム的ストーリーテリング"の流行について書いたけど、この趣向は女性をターゲットとするブランドに確かな効果をもたらすようだ。

女性のライフスタイル情報サイト"SheKnows"の"Femvertising"(フェミニズム広告)に関する調査(n=628)によると、52%の女性が広告に女性を応援する姿勢が見えるかどうかは購買行動に影響を与えると答え、43%がブランドを応援したい気持ちにさせると答えている。更に、25%が広告での女性の描き方が好きで無い場合は、その商品を使い続けないだろうと答えた。

また、92%が女性を勇気づける広告を少なくとも1つは知っており、その筆頭格が"Real Beauty"(Dove)。これは"あなたは自分が思っているよりも美しい"をテーマに昨年広告賞を多数受賞した作品だ。

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Doveは数年前からフォトショップを一切使わず、女性の本当の姿を描き始めて以降、セールスが25億ドルから40億ドルにジャンプアップした。

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Getty Imageの女性をテーマとしたコレクション"Lean In Collection"は2014年2月以降54%の伸びを見せている。

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Nikeは女性向けマーケティング強化の効果もあり、四半期ベースで15%の成長を記録した。

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その他、好意的なブランドは...

Always(P&G) / LikeAGirl。"女の子らしい"というステレオタイプに大人がはめようとするあまり、彼女たちは萎縮し、やがて自分らしさを失ってしまう...というテーマ。

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Panten(P&G) / Not Sorry。直ぐに"Sorry"と言ってしまう女性。もっと堂々と自信を持てばいいんだよ、というアプローチ。

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その他 Hanes, Olay, COVER GIRL, Under Armer, Searsが好感を持たれている。

調査結果の一部を以下に列記します。

  • 51%が女性を応援する広告が好きであり、性差別の壁を壊すことに貢献していると考えている。ある働く子育て女性によると"最近の広告は消費者はバカ扱いしており、そんなブランドの商品を買う理由は無い。男であろうと女であろうと、そういったチープな広告はやめるべきだ"と考えている。
  • 5人に4人はより若い世代にとって女性の存在をポジティブに描くことが重要だと考えている。圧倒的多数がキャンペーンにおいて女性がどのように見られているのかが、少女たちが自信をもって生きていくことに役立つと考えている。あるミレニアル世代(25〜34才)のママは"過剰なフォトショップ加工をするのではなく、本当の女性の姿を見せて欲しい"と考えている。
  • 71%の女性は女性向けブランドの広告は女性をポジティブにする機会として活用する責任があると考えている。
  • 94%の女性は、女性をセックスシンボルとして描くことは性差別問題にとって危険であると考えている。あるジェネレーションX世代(30-50代)のママは"女性向け広告の多くは性的魅力を強調し、それが女性の美と尊厳を描くことに繋がるという考え方だけど、これからはより知的でエモーショナルな部分をそれに含めるようにすべきだ"と考えている。
  • 75%は女性の日常的な姿を描くことに好意的であり、ミレニアル世代の学生は"男女の間で交わされる言葉や会話も、より現実的なものにして欲しい。女性を物として扱ったり、人間らしく描かないことはやめて欲しい"と語っている。
  • 89%は性差別問題は人権問題であると考えている。

"SheKnows"という女性のライフスタイルメディアの調査なので、信憑性に若干の疑問はありますが、17才のMalala Yousafzaiさんがノーベル平和賞したこともあって、ジェンダー問題は益々クローズアップされそうだし、そうなると益々"Femvertising"が増えそうで、ストーリーの重複、交通渋滞が激しくなりそうです。

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2014-07-04

女性ブランドにとってフェミニズム的ストーリーが流行?

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競合商品との機能差が小さくなっている今、ブランドは共感を呼ぶ大きな物語を欲している訳ですが、女性ブランドにとってフェミニズム的な物語が注目を集めているというか、軽い渋滞を起こしているというか。

#LikeAGirl(Always/P&G)

大人の女性や少年に"女の子らしく走って""女の子らしく投げて""女の子らしく喧嘩して"と要求すると、みんな同じように振る舞う。次いで女の子に同じ質問を投げかけると、全く違う、ありのままの自分を表現する動きをする。

このビデオが問題にしているのは"女の子らしい"というステレオタイプに大人がはめようとするあまり、彼女たちは萎縮し、やがて自分らしさを失ってしまう...というポイント。Always(生理用品)は、そういった部分に疑問を投げかけている。誰もが共感できる話だ。

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Inspire Her Mind(Verizon)

サイエンス好きの女子がドリルを持つと"替わってもらいなさい!"と頭ごなしに言われる。4年生女子の66%はサイエンスや数学に興味があるのに、大学生でエンジニアリングを選考する女子は18%。最後のシーンであれほど好きだったサイエンスのイベント告知ポスターを全く気にもとめず、口紅を塗るシーンが印象的です。

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Not Sorry(Pantene)

すぐに"Sorry"と言ってしまう女性。"Sorry"なんて言う必要ないんだよ。

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Princess Machine(GoldieBlox)

人形遊びやままごとだけが女の子の遊びじゃない!

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女性ブランドにとって分かり易いのはやはりジェンダー問題ですね(4つ目のCMは玩具ブランドですが)。但し、似たストーリーの取り合いになると、差が小さくなってチカラとしては弱くなる可能性もありそうで悩ましい所です。

2013-03-17

何があった、Old Spice? 狼マーケディレクターが1週間でクビに。

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Old Spice Man(Isaiah Mustafa)の大ヒット以来、数々の奇妙なキャラクターを繰り出してきたOld Spiceの最新キャラクターはMr. Wolfdog。Old Spice担当のマーケティング部長に就任したという設定。その就任発表ビデオの冒頭部分にはP&Gのヘッドオフィスが映っている。

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Mr.Wolfdogの首に装着されたモジュレーターにより人とのコミュニケーションを可能にしているようだ。

彼の発言によると「Old Spiceが新発売する"Wild Collection"のマーケティング担当ディレクターに相応しいワイルドな奴を探してた所、彼に行き当たった」ようで、その期待に対して「私は必ず期待に応えてプロジェクトを成功に導き、ただの野生動物ではないことを証明する」と答えている。更に「マーケティングを完全に理解してるから選ばれた」「部下との付き合い方がやっかいで、出世の為には彼らを蹴落とさなければならないこともある」とステレオタイプな米国ビジネスマン気質を語っている。

最後はTwitterTumblrの告知で締めくくり。

ちなみに、WolfdogはスーパーボールのCMにもこっそり登場していました。

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最初の仕事は「美人秘書募集」のビデオをリリース。

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Google Hangoutで面接まで実施している。Wolfdogとライブで会話できる!

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この面接に先駆けて、面接の極意を伝授するインタラクティブサイトをオープン。Wolfdogから "tell me about yourself"みたいな良くある質問が投げかけられる。また、「目」の動きを認識する技術を使用し、目をそらすと「ツッコミ」が入る仕掛けになっているようだ。また、WebCamにつないでいないと、「そんなコンピュータ水の中に投げ込んじまえ!」と罵詈雑言を浴びせられる。

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その他にも、例の如く馬鹿馬鹿しいビデオを連発。

“Football Players”

フットボールを100%知り尽くす者として、プロのプレーヤーたちに契約の極意を伝授しております。時より「よだれ」を垂らすのが気になる。

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"How to Operate Computers"

ノートPCよりも昔の大きなデスクトップを使うハチャメチャなコンピュータオペレーション。

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"How to Value Your Employees"

部下の評価方法。かなりショッキングです。

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そして、衝撃のクビ宣言。

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予定通りのクビなのでしょうか。それとも動物保護団体あたりからクレームが入ったのでしょうか。結果としては全てのビデオの視聴合計が400万、ソーシャルメディアで新たに3万人のファン獲得したようです。

2010-12-06

世界エイズデーで考えるチャリティマインド

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Bono率いる非営利団体REDが、12/1の世界エイズデーにタイミングを合わせ、グローバルブランドと手を組んだ大規模なキャンペーンを開始した。キャンペーンのテーマは“The Aids Free Generation is Due in 2015.”。つまり、2015年までに過去30年で最初のエイズに全く感染しない世代を生みだそう、というもの。ちなみに、昨年は全世界で50万人のエイズ感染ベイビーが誕生したとのこと。このキャンペーンに賛同し、コラボしている企業は、Dell, Emporio Armani, Solange Azagury, Apple, Amex, Converse, Nike, Starbucks など蒼々たる顔ぶれだ。

Converseは、Damien Hirstデザインの限定モデルを、Starbucksは限定クリスマスアイテムを販売し、収益金の一部を寄付するプログラムを展開している。また、Starbucks.com/shareでクリスマスソングのビデオ視聴をすると5セント寄付されるというプログラムもある。更に、Nikeは昨年から実施している“Lace Up Save Lives”を継続して展開している。

こういったチャリティの話題を目にするといつも思うのが「日本とのギャップ」。日本ではここまで企業もセレブも積極的ではないし、30年以上の長寿チャリティ番組で毎年10億円前後を集めている日本テレビの「愛は地球を救う」でさえも出演者にギャラが支払われているというのを耳にしたことがある。個人的な感覚でいうと、もし米国で似たような番組があったとして、セレブがギャラをもらっていたら凄い波紋を呼ぶと思う。でも、日本テレビが番組の合間にCMを流して利益を上げているのだから、ギャラを要求するのも筋が通っているとも言える。日本でも草の根的にNPOなんかがコツコツと頑張っていると思うんだけど、そこにセレブとか企業とか大きなチカラが加わりづらく、チャリティマインドが普及しづらい環境にあるのが「海外とのギャップ」を感じる一因でしょうか。勿論、StarbucksやNikeだってチャリティ=ビジネスツールと見なしていると思うし、セレブだって売名目的があるとは思うけど、日本の方がより拝金主義的な感じがするし、日本は和を重んじ、米国は個人主義というステレオタイプは幻想だと思う。