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2015-01-19

弱小ブランドの戦い方

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"Newcastle Brown Ale"はその名の通り英国にルーツを持つビアブランドであるが、現在のメイン市場は米国であり、BudweiserやCoorsといった巨額資本のブランドと戦っていかなければならない訳だけど、広告費の桁が違うことを鑑み、昨年からテレビなどの媒体費に大きな費用を割かず、コンテンツで勝負する方針に切り替えている。

2014年彼等が仕掛けたのは世界で最も高額なTVCM枠を誇り、Budweiserも毎回3-4本出稿するSuper Bowlとビール各社が愛国心を掻き立てるキャンペーンを展開する独立記念日のタイミング。Super Bowlでは"If We Made It"(もし私たちがSuper BowlのCM枠を手に入れたなら...)をコンセプトに、架空のCM検討プロセスYouTubeで展開した。最近のSuper Bowlでは本番前に本編を公開したり、ティザー篇を公開するので、その流れに乗って話題となった。(参照: メディアコストをコンテンツへシフトし、ビッグブランドと勝負)

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そしてSuper Bowl2015では昨年のように統一的なコンセプトで展開するのではなく、五月雨式にアンブッシュを展開していく模様で、第一弾は"Chores"。Super Bowlの名物キャンペーン"Doritos Crash the Super Bowl"のパロディとなっている。"Crash the Super Bowl"は広くCM作品を募集し、一般投票の末、上位3作品がSuper Bowlの放送枠でオンエアされ、翌日発表されるCMランキングの結果に応じて最高100万ドルのボーナスがあるという企画だけど、"Newcastle Brown Ale"がこのコンテストに応募するという設定だ。

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Doritosにはモザイクをかけつつ、"Newcastle Brown Ale"は断然目立っている。演出は"Crash the Super Bowl"は過去の入賞作品を踏襲している。

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第二弾"Bands of Brands"は女優のAubrey Plazaを起用。Super Bowlの30秒CM料金は450万ドルと高すぎて"Newcastle Brown Ale"だけでは手が出ないから、弱小ブランドがたくさん集まって出稿しようぜ! という企画で、その為にCM本編にバナー枠を設定するから、希望ブランドは連絡ちょうだい! とAubrey Plazaが呼びかけている。

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"シェアリングエコノミー"とか"フットボールはチームスポーツだ。広告だって同じだよ"といった決め台詞で締めくくっている。この"Bands of Brands"を発展させるのか、新展開があるのか...Super Bowl2015が開催される2月1日まで2週間で更なる展開が期待されます。

2014-05-31

僅か2.7秒の落下時間に起こるドラマ

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垂直に立ち上げられたトンネル。そのトンネルをMoto E(Motorola)が落下する。エアリアル視点で落下を捉える映像が印象的だ。落下のプロセスで傷つきにくい、水に強い、バッテリー寿命が長い...などの特徴がドラマチックに語られる。

Moto Eは、エントリー層向けスマートフォン($130)ということで、他のブランドのようにテクノロジーを訴求するのでは無く、見た目の良さを訴求するという方針でこのTVCMを制作したとのこと。(制作: Droga5)

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見応えのあるメイキング。狭いトンネルを障害物をギリギリ酒ながら真っ直ぐ落下することに相当の工夫がなされている感じ。

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落としてはいけない物が落ちる感覚って引きつけられる。そして、このクラフト感が素敵だ。

2012-06-28

君は100万人のフォロワーが欲しくないか?

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Twitterで100万人のフォロワーというのはセレブでない限り不可能に近い数字であり、人気者に憧れる人にとっては夢の数字だ。しかし、このTwitterichという企画に参加すれば、あなたも100万人フォロワーは夢では無い。@1MillionRicherなるTwitterアカウントをフォローすると、夢実現の可能性がある。

Martin Agencyに勤務する2人のクリエーターが考えたこの企画は至ってシンプル。@1MillionRicherのフォロワーが100万人に達した段階で抽選を行い、全フォロワーから1名にこのアカウントを譲り渡すという趣向だ。

企画者曰く、これは広告目的では無いし、フォロワーにスパムを送ったり、DMを送ったり決してしないと語っている。また、当選した人に対しても、スパム送信や広告として活用するなどの行為はしないように求める方針。当選者によるハンドルネームの変更はOKとのことだ。

現時点のフォロワー数は2,953とまだまだ先は長い。一気に到達できそうな数字では無いので、話題が持続するかどうかが鍵だと思うけど、著名人の応援などが無い限り難かしそうだ。

2012-06-26

Oreoの勇気ある行動とその結末

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最近「Diversity(多様性尊重)を大切にしている」と言う企業を多く目にする。しかし、それは社内の労働環境や宣伝・販売方針において差別しないという意味であって、例えば「同性愛婚問題」などについて直接言及することは無い。こういった問題は必ず賛否があり、一方を取れば、もう一方から「嵐のような非難や非買運動」を浴びる為、あまりにもビジネスリスクが大きすぎるからだ。しかし、OREOはそのリスクを敢えて引き受けることを決断した。

6/25はNYCで「ゲイ・プライド・パレード」が開催される日であり、実際、50万人を超える参加者らがニューヨーク州での同性婚合法化から1年を華やかに祝った。

このゲイにとっての記念すべき日にOREOはそのFacebookページ(269万ファン)に「レインボーカラー(=ゲイのシンボル)のOREO」の写真をポストした。この写真には“June 25”“Pride.”というワードが並び、“Proudly support love!” というコメントが添えられた。

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結果、14,800Share+87,000Like!を記録する一方、“I'm never eating Oreos again. This is just disgusting.”(二度とOREOなんか食べない。反吐が出る) “Unliking page and the rest of the ‘kraft’ family products... i will not support a company with these views” (このページを含む全てのKraft Foodsのブランドの「いいね!」を解除する。こういう考えのブランドは支持しません)というような激しい反発のコメントも見られた。

「企業は市民と共に社会の構成員である」等と言われているものの、商売へのインパクトを気にするあまり、こういった形でアイデンティティを明らかにすることが現実的に不可能な中、今回のOREOの思い切った行動には個人的に素晴らしいと思います。

※ちなみに、このポストは既にFacebookページから削除されている。

2011-11-21

世にも奇妙なエージェンシーの名前 TOP30

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あなたが今日、エージェンシーを立ち上げるとして何と名づけるだけろうか? 風変わりなものが多い子供の名前同様、かなりのひねりを効かせるに違いない。しかし、ひねりすぎると逆に奇妙な名前になってしまうのが怖いところだ。そんな少々残念なことになってしまったかもしれない社名トップ30を紹介します。

30.Steak

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「ステーキ」。欧州のサーチエンジン関連企業に勤めていたメンバーが、クライアントに新しいデジタルマーケティングの機会を提供する為に立ち上げ企業。「私たちのミッションは、レア、ミディアム、ウェルダンです。」とホームページに記されているんだけど、意味不明だ。

29.Creature

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「(想像上の)生物」。クライアントの課題は2つとして同じモノは無く、その度に「姿を変える」ということを意図されて命名された。

28.Lean Mean Fighting Machine

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「バキバキに贅肉のない憎たらしい戦闘マシーン」。凄いナルシズムだ。

27.High Heels & Bananas

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「ハイヒールとバナナ」。「洗練されていながら面白いネーミング」を思考した結果、「洗練=ハイヒール」+「面白い=バナナ」となったようです。

26.The Chopping Block

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「ブロックをたたき割る」。マンハッタンの「Meat Packing地区」でネーミングのブレストをしていた際に思いついた名前で、「Meat=肉」から「Chopper=肉切り包丁」に発展した模様。違う場所でプレストすれば違う結果になったということですね。クリエーティブは環境に左右されますね。

25.Naked

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「裸」。21世紀、ブランドは生活者に対して「裸」状態であり、イメージという「ガウン」で覆おうとしても無駄。だったら「裸のつきあい」しましょ!というのが彼らの提案方針のようです。これは頷ける。

24.Captains of Industry

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「産業界のキャプテン」。“The Power Of Dreams”のような響きがあるということで気に入ったようですが、立ち上げたばかりで随分大きく出ましたね。

23.The Glue Society

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「社会の接着剤」。社会とクライアントを結びつけるとの意味か、あるいは個々がバラバラになった社会を互いに結びつけるとの意味か? 不明です。

22.Farm

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「農場」。取れたての野菜のようにフレッシュなアイデアを提供するという意味。

21.Adam & Eve

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「アダムとイブ」。異なる才能を掛け合わせて驚くべきことを創造する、という意味が込められている。若干エロティックに感じるのは聖書の理解が不足しているからでしょうか。

20.Elephants & Ants

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「象と蟻」。クライアントの規模の大小に関わらず一生懸命やりますよ!という意志を表現しているようだ。

19.Victors & Spoils

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「勝利者と戦利品」。クラウドソーシングエージェンシーの同社は、自分たちだけで無くクライアントや市場をも勝利者にし、みんなでその戦利品を分かち合うことをポリシーとしているようだ。「ビジネスは戦争だ」という解釈なんですね。

18.David & Goliath

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「デビッドとゴリアテ」。デビットは創業者の名。ゴリアテは旧約聖書に登場するペリシテ人の巨人戦士で、羊飼いの少年ダビデが投石器で放った石によって死んだんだけど、「弱小な者が強大な者を打ち負かす」喩えとしてよく使われる。

要するに、規模が小さくても、強者に勝つ為のインテリジェンスとクリエイティビティを備えているということなんだけど、この使い方だと「ただ大きいだけの会社」という意味になるのでは。

17.For Office Use Only

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「オフィスユースのみ」。会社のWebSiteにどんな要素を書き込むべきか考えている時に、個人的なWebSiteは別で持っているので、会社のポートフォリオだけを記すべきだ!と思い至った時に降りてきたネーミング。「仕事以外のつまらないことは何も相談しないで!」と言っているようにも感じる。

16.Walrus

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「セイウチ(海象)」。WebSiteを見る限り、かなりの動物好きのようです。

15.Mother

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16の候補を調査にかけて、最もポジティブな意見の多い“Mother”に決定した。他に'Wallet'(財布)'Meager'(無味乾燥) 'Clogs'(木靴・ゴヅゴツした感じ)が候補として上がっていた。エージェンシーらしいネーミング法だけど、比較された他のアイデアが良くないような気がする。

14.Mistress

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「めかけ」。これは仕事のスタンスを表している。指定代理店になってクライアントと密接に関係を築きながら仕事するようなことをせず、一貫して、元気のなくなったブランドを再活性化するようなプロジェクトに取り組むようだ。強気だな。

13.G&M Plumbing

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“G&M”=Glenn Miller and Mickey Taylor(創業者)、“Plumbing”=配管工事。エージェンシーたるもの配管工のように、最初は短い長さから始め、それをどんどん伸ばしていくような価値(=クライアントの価値を時間をかけて高める)を持たなければならないとの発想。単純に、水道工事屋と間違われないか心配です。

12.Moosylvania

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Bullwinkle J. Moose”なるアニメキャラクターの架空の家。よっぽど、このキャラが好きなんですね。

11.The Barbarian Group

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「野蛮人」。強くて負けそうに無いから。“ Civilization”なるゲームの最新バージョンでも「野蛮人」はメチャ強いよ! とおっしゃっています。

10.Omelet

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「オムレツ」。クライアント、プレス、友人、ファミリー...全ての人が共感できる名前にしたかった。そして、「オムレツこそ朝食の王様だ!」とおっしゃっています。斬新な発想ですね。

9.Big Kitty Labs

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「大きな猫の研究所」。ビジネスキャンプのようなハードな労働環境をイメージ的に和らげる為に採用。創業者の妻が愛する雌猫がモデル。本業の姿が影も形も見えないネーミングです。

8.Hello Viking

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「こんにちはバイキング」。創業メンバーの3人がミュージシャンで、スカンジナビア文化が好きなことから“Viking”を選び、会話のきっかけとしての“Hello”と結びつけた。しかし実際は、このエージェンシーの所在地がミネアポリスであることから、NFLの“Minnesota Vikings”から引用したのではないかと予想します。

7.High Wide & Handsome

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「高くて、広くて、ハンサムな」。1881年11月に成長する8th Street(マンハッタン)の摩天楼を捉えてBucks County Gazette(新聞)が表現した言葉。その後、オートレース界でアグレッシブなドライビングスタイルを表す言葉として使われた。「機知に富み、絶え間なく、包括的にタスクに対してアプローチする」彼らの姿勢を表している。しかし、「ハンサムな○○です」と自己紹介しづらいな。

6.Barton F. Graf 9000

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Barton F. Graf 9000とは、創業者であるGerry Grafの父とDoomなるビデオゲームで使われるピストル“BFG9000”にちなんで名づけられた。ピストルとは随分暴力的なイメージですね。

5.Kids Love Jetlag

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「時差ボケが好きな子供たち」。ソーシャルメディア中毒の20数人の若者で構成されている会社らしいんだけど、かなり思い切ったネーミングですね。海外出張が多いハードな労働環境でも余裕で耐えられそうです。

4.Pocket Hercules

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「ポケットヘラクレス」。組織として小さくても大きな力を持っていることを示唆しているんだけど、どうしても「ポケットモンスター」を思い出す。

3.StrawberryFrog

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「イチゴ色の蛙」。マジソンアベニュー(広告代理店のメッカ)の恐竜のように巨大な広告代理店ではなく、小さくても確実に効果を生み出す存在であるとの意図が込められている。どうして「イチゴ」なんでしょうか。

2.72andsunny

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「72と良い日当たり」。楽天的な性格、L.A(本社所在地)の温暖な気候を表している。「太陽とシスコムーン」みたいでアーティストっぽい。“Sunny”って響きがいいですが72が不明です。72番地とかでは無さそうです。

1.Wexley School for Girls

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「Wexley女子修道院(女子校)」。みんなで名前を考えていた時に電話帳を開くと“Wesley”という名が飛び込んできて、誰かがそれを“Wexley”と聞き間違えて大声で叫んだのがきっかけ。更に、その流れで“School for Girls”も出てきたらしい。この組み合わせが極めて奇妙であるとの自覚は本人にもあるらしく、実際、調査によると多くの人が否定的であったという。創業者の1人によると、それでも採用に踏み切ったのは「先端技術を持ち、積極的にリスクをとるクライアント群との出会いに役立つからだ」(ほんと?)とのこと。そして、最後に「真に気に入った名前を採用すべきだ。意味なんてどうでもいいじゃないか」と締めくくっている。そう思えないとこの名前は採用できないでしょうね。新しい人に会う度に意味を問われるでしょう。

(参照:ADWEEK)