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2015-01-22

ベストセラー作家の最新作は時限爆弾装置付き

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かつて広告代理店で働いていた"James Patterson"は、今や世界で最も稼ぐベストセラー作家として有名。その最新作"Private Vegas"のプレオーダーが1月26日に開始するけど、それまで待てない気の早い熱狂的ファンの為に、2つの方法で作品を公開している。いずれも相当の速読能力が必要であり、加えて、1つの方法はかなりの財力も要求される。

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"The Self-Destructing Book"はその名の通り自爆本。書籍に24時間の時限爆弾装置がついているという想像を絶する本だ。しかも、その自爆本は1名に限り、294,038ドルで販売されている。この高額自爆本を購入すると以下の特典がある。

  • 非公開の場所へファーストクラスのフライトで移動。
  • ラグジュアリーホテルで2泊。
  • 豪華なリーディングスペースで24時間の読書と高級シャンパンを楽しむ。
  • 優秀な爆発物処理班を傍らに配置。
  • 金と皮製の双眼鏡で爆発の瞬間を見学(双眼鏡には作者のイニシャル刻印)。
  • James Pattersonとのディナー。
  • James Patterson"Alex Cross"シリーズ全作品のサイン本

因みにこの294,038ドルという不自然な金額は広告代理店の制作費だそうだ。

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そして、もう1つの方法はJamesPatterson.comでランダムに配布されるコードを手に入れた1,000人限定であり、専用のiOS Appを手に入れて読むことになるが、こちらも24時間の時限装置付き。読み始めてから24時間後、画面は自動消滅する。例えば殺人のシーンなら画面上に地が飛び散るといった演出も用意されているそうだ。

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24時間で読めそうにないので、続きが知りたくて書籍をオーダーするという作戦も面白いし、24時間で画面が消えるという映画っぽい演出も引き込まれそうです。James Pattersonはスリラー小説作家なので、作品にもフィットしています。

294,038ドルの高額本は1,000人を対象とした企画に目を向けさせる位置づけだと思うので、そういう意味では実際に売れなくても良いと考えてしまいますが...本当に広告代理店のギャラがかかっているなら、そういう訳には行かず、こちらも別の意味でスリリングです。

2014-10-17

デジタルサイネージに人格を付与する

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最近妙にユーモアに反応してしまうので、このSpriteがナイロビで展開中の"Bill"という名のBillboardなんかは完全にツボでございます。

"私の名前はBoard, James Board"とか...

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"Billboardって楽じゃ無いよ"とか...

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他多数のバリエーションあります。

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デジタルサイネージって画面が次々に切り替わる訳でライブ感をつくることはできる。そこに人格を付与するというのが面白い発想です。

2014-09-06

1970年代〜現代までのデジタルアートの動きを凝縮した The Barbican Digital Revolution

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欧州最大の文化施設"Barbican"(ロンドン)で"Digital Revolution"なるイベントが9月14日まで開催中だ。これは初期のビデオゲームやシンセサイザーミュージックやコンピューティングから直近のインタラクティブアートやウェアラブルテクノロジーまで幅広く網羅した展示イベントで、そのハイライトビデオがCraine.tvからリリースされた。

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懐かしの展示では、Commodore PETや Apple2、ATARI"PONG"、任天堂の歴代ゲーム機など、その他古のハードウェアが勢揃いしている。PSゲームとして一世風靡した"パラッパラッパー"の姿も写真に写っている。

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直近のインタラクティブ技術の展示コーナーは8つのセッションに分かれており、各セッションから1つの作品を紹介します。

Section.1:We Create

ユーザーがコンテンツプロデューサーになることをテーマとしたセクション。

Pinokio by Adam Ben-Dror(2012)

人の動きや周囲の環境を検知し、ランプを近づけたり、ランプのスウィッチをOn/Offしたり、その他様々な動きをするロボットランプ。人がペットをしつけるように、人によってランプの動き、付き合い方が変わるという趣向。

The Johnny Cash Project by Chris Milk(2010)

Google Chromeで参加できるWebプロジェクトシリーズ。今回はカントリー、ロック歌手ジョニー・キャッシュをフューチャー。参加者は自らMVの1コマを手書きでアレンジして貢献。参加者全員の作品がひとつになり一遍の映像が出来上がる。

Section.2:Creative Space

デジタルツールを使って空間表現の新たな見せ方を追求するセクション。

Gravity by Alfonso Cuaron(2013)

映画"Gravity"の一部のシーケンスに特化してVFX技術紹介。

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Section.3:Outside of Hollywood

デジタルストーリーテリングをテーマとしたセクション。

Dronestagram by James Bridle(2012)

Droneから撮影したInstagramの地球写真をアップし続けるというプロジェクト。現在でも継続中です。

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Section.4:Sound & Vision

テクノロジーで音楽体験の変化を追求するというセクション。

このブログでも何度か紹介したサウンドデザイナーのYuri Suzukiの作品が展示されており、Craine.tvでYuri Suzukiのインタビュー動画がアップされている。

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動画で紹介されていた"Ototo"。繋げば何でも楽器になる。

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スピーカーに話しかけると音楽に変換してくれる"Noise Machine"。

マジックで着彩すると音楽に変換してくれる"Colour Chaser"。

Section.5:State of Play

ジェスチャーコントロールやカメラ技術がテーマのセクション。

The Treachery of Sanctuary by Chris Milk(2012)

参加者が身体を使ってインタラクティブシャドウをコントロールし、鳥になって空を飛ぶ。

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Section.6:DevArt

CODEを使ったアート活動をテーマとするセクション(Googleサポート)。

Wishing Wall by Varvara Guljajeva & Mar Canet(2014)

マイクに向かって望みを語ると、その文字がスクリーンに映し出され、やがて蝶となって飛んでいく。何とも素敵な作品だ。

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Section.7:The Our Digital Futures

好奇心をささる体験的プロジェクトがテーマとするセクション。

THE BRAINWRITER by Not Impossible Foundatio(2014)

全身麻痺のアーティストが視線と脳のトラッキングでコミュニケーションできるようにする為に開発された。会場では来場者がTHE BRAINWRITERを使ってゲームをコントロールできるようになっている。

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Section.8:Indie Games Space

Petting Zoo by Minimaforms(2012)

インタラクティブ・ロボット・スネーク。ペットのように戯れ合う。

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ここに紹介したのはほんの一部であり、恐らく、相当な量の展示がされているのではないでしょうか。世界ツアーを期待したいです。

2014-06-26

カンヌライオンズ2014〜グランプリ以外の気になる作品

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カンヌライオンズ各部門のグランプリ作品やグランプリを争った作品を中心に紹介してきましたが、その他にも気になる作品がいくつかありました。

Reunion(Google Search)

1947年、パキスタンがインドから独立し、両国の間では戦争を繰り返してきましたが、独立の際に引き裂かれた家族・友情が多くありました。このフィルムではインドのある男の娘が父の誕生日プレゼントとして、少年時代の親友をGoogle Searchを駆使してパキスタンから探し出し、面会させるサプライズを実施しました。この映像の反響は大きく、両国でビザ手続きの緩和措置へと進展したようです。

これで思い出したのが、昨年Coca-Colaが実施した、インド・パキスタン両国に通信可能なベンダーを設置し、両国の人が協働でミッションをクリアするとCoca-Colaがもらえるという企画。賞狙いの為に両国を利用したと一部で非難されましたが、"Reunion"は実際に両国の間にある問題を捉えており、リアリティがあり、且つ美しいストーリーだと感じました。Ogilvy & Matherのセミナーで紹介されていたのですが、一際拍手が大きかったです。

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Simon the Ogre(Thomson)

人食い鬼のような風貌のSimon。Simonは優しい男だけど会社では冴えない感じでミスも多い。そんなSimonがThomson(旅行代理店)の旅に出て、家族と目一杯楽しむと、角はとれ、風貌がハンサムな男に...。シンプルで力強いストーリーだと思う。

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#SochiProblems(Airbnb)

ソチ五輪の際、ホテルが酷いことになっていると話題になった。部屋が未完成、蛇口から茶色い水が出た...など、ジャーナリストがその現状を告発Tweetする中、空き部屋シェアサイト"Airbnb"がジャーナリストに"Airbnbだったら、もっとまともな宿泊を用意できるよ"といったリプライを展開した。どんなビジネスチャンスを逃さない視点が素晴らしい。

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Banana Republic(Airbnb)

ジャカルタのスラムの劣悪な現状と改善寄付を募るために、空き部屋シェアサイト"Airbnb"で1泊10ドルで宿泊者を募集し、収益金をスラムの改善に役立てた。ずっと住むのは嫌だけど、数泊なら話のネタにOKという人も多い...というインサイトが素晴らしい。

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Pass the Ball(Vodafone)

モバイルApp"Pass the Ball"を使った赤十字のドネーション企画。赤いボールが人から人へ飛んでいく。ボールを早く手放せば手放すほど寄付金は大きくなる。2週間で37万DLを記録し、20万ユーロが寄付された。何か"ハンカチ落とし"のような感じ。

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Removal Happens(Esteban Gergely)

弁護士事務所の離婚相談広告。一見、熱々カップルの結婚ビデオを制作し、そのYouTubeリンクを700名の見込み客に送信。再生すると"実はこの2人離婚しました"的メッセージが流れる。何と狡猾な手口!!

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The Social Swipe(Misereor)

手持ちのクレジットカードをビルボードにSWIPEして寄付するという面白い仕掛け。SWIPEがパンのカットになり、手首に締められたロープを切り落とす役割だったり...クレジットカードの動きと広範な社会問題がリンクし、ダイレクトに寄付できるのが素晴らしい。

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Phubbing(Macquarie Dictionary)

「スマートフォンに取り憑かれ、人の話を聴かない」を意味する新ワード"Phubbing"を開発。社会問題文脈で世の中の話題にし、自社の辞書に掲載。昨年も「史上最高のフットボールプレーヤー」「完璧なボール裁きをするプレイヤー」の意味として、Messiの文字を含む"In[messi]onate"という新語を開発するPepsiのキャンペーンがあったけど、社会問題文脈にのっている今年の方が良いです。

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Climate Name Change

1954年以来、米国では'World Meteorological Organization'がハリケーン・サンディやハリケーン・カトリーナのように人名をハリケーンにつけてきたけど、James InhofeやPaul Ryanなど、ブッシュ政権時代に気候変動を否定した共和党議員の名前をつけるべきだと提案。いや、そうすべきだ!!

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Incomplete Bios

上の"Climate Name Change"と同様の展開で、マニュフェストが気に入らない政治家のWikipediaを勝手に編集する企画。例えば、"子供の教育に関連する施策"がマニュフェストに記載されていない政治家がいるとすると、Wikipediaのプロフィールに「教育政策」という項目だけ作り、内容を白紙にすることで、政治家に考えの変化を促す。制作費ゼロ!

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Suntory HIBIKI Harmony Bar with HIBIKI Glass

こういう場所があれば素敵だな。

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2014-05-19

どんどん進化するDroneのパフォーマンス

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自律飛行のDroneで色々なパフォーマンスを仕掛ける"KMel Robotics"が"Flying Robot Rockstars"なる新・演奏パフォーマンスを披露したんだけど、クオリティが高すぎて驚き。特に、最後の米国国歌のロックバージョンは正に"ロックスター"といった感じだ。

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2年前の"James Bond Theme"でも驚愕したけど、進歩が素晴らしい。

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個人的には昨年のLEXUSのTVCMが気に入っています。虫のように群れをなして、自由自在に飛び回る姿が素晴らしい。

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"KMel Robotics"の手にかかれば、Droneはロックバンド並に踊って演奏できる訳で、そんなに遠く無い日にコンサートがあるかも知れません。