オタク・・・教養


先日、松本で建築設計事務所を開いている、所長やスタッフが集まって、お盆恒例のマージャン大会がありました。流石に、12時間耐久マージャンとなると、てんでに鼻歌を歌ったりしながらで無ければ乗り切れません。Kさんの十八番は、60年代歌謡曲・・・63年生まれの私も何故かノリノリ♪で、ついていけます。


そんな時、ある旋律が私の頭をよぎり、口ずさみました。

Kさん・・・「何だ、そのメチャクチャな曲は?」
私・・・・「ブラームスですよ。」
Fさん・・・「交響曲第1番!」
Fさんが、一緒に口ずさみ始めました。(ご機嫌です。もうすぐ聴牌でしょう。)


私たちは、間違いなく「建築オタク」です。しかし、Fさんの様に、只の「オタク」とは違う「教養」を身に付けていると、「建築」が「商売」にならずに、深みと社会性を帯びたものになるのでしょう。
この頃、松本市でも、若い世代の設計事務所が沢山できました。皆、「建築オタク」で、熱心に設計していますが、時折それが「商売」としか思えない時があります。


今の大学教育では教養を学ばない(教えない)・・・と耳にしますが・・・「○○オタク」と「○○商売」を促成栽培するのが、今の社会のニーズなのかも知れません。クラッシック音楽だけが教養ではありませんが、人々に長く愛されてきた音楽が人生を豊かにする事は確かです。Fさんの幅の広さと教養を垣間見て、Fさんのつくる、何処となく「品」のある建築に納得しました。


建築は現実社会に存在するのですから、社会=教養、無しには成り立ちません。決して「オタク」の世界では無いでしょう。
政治・社会・歴史・経済・数学・物理・化学・生物・文学・美術・音楽・料理・芸能・ファッション・・・
Kさんの60年代歌謡曲も、50年経った今となっては教養の域です。
・・・ところで、マージャンは、教養でしょうか?