水嶋ヒロの処女作にポプラ社小説大賞

高額賞金2千万円で知られる第5回ポプラ社小説大賞に、俳優の水嶋ヒロさん(26)が書いた「KAGEROU」が選ばれたことが1日までに分かった。同日午後、東京都内で受賞作発表会が行われる。水嶋さんは「仮面ライダーカブト」の主人公役で人気を集め、映画「BECK」などに出演。昨年2月に歌手の絢香さん(22)と結婚。今年9月に「小説などの執筆活動に専念したい」と申し出て、所属事務所を退社した。

 作家に転向するといわれていた水嶋ヒロの最初の小説に賞金2000万円のポプラ社小説大賞。しかし、こういうデビューの仕方が幸福かどうか、わからない。ポプラ社小説大賞は第1回以来、久々の大賞ということだが、第1回大賞を『削除ボーイズ0326』で受賞した方波見大志氏も、その後、あまり活躍が目立たないし、商売上手のポプラ社のプロモーション企画としての性格が際立つ賞のように見えてしまう。2000万円は賞金というより、契約料というか、アドバンスみたいにも見えてしまうし...。実体があろうがなかろうが、「売らんかな」の仕掛けに見えてしまって、これでは、水嶋ヒロもかわいそうな感じがする。自分で、その道を選んだのかもしれないが...。賞を授賞する出版社が出版まで手がけるのだとしたら、インサイダー取引みたいなもんだもんなあ。こんなベタベタなマーケティングでも、売る仕組みとしては成功してしまうんだろうか。本を読んでみないと評価はできないけど。
【追記】
 水嶋ヒロが記者会見。

今年9月に所属事務所を退社した俳優の水嶋ヒロ(26)が1日、本名・齋藤智裕名義で執筆した処女作『KAGEROU』が『第5回ポプラ社小説大賞』の大賞を受賞し、都内で行われた発表会に出席した。作家として鮮烈なデビューを飾り、主演映画の初日舞台あいさつ以来、約2か月ぶりの公の場となった水嶋は「このような栄誉ある賞をいただき恐縮しております。大賞をいただけた現実に身震いしている。純粋に作品を評価してもらい嬉しく思う」と感慨深げに語り、今回の退社による一連の騒動についても謝罪した。なお水嶋が賞金2000万円を辞退していたことも明らかになった。

 「2000万円辞退」という“美談”付きの展開に。しかし、やっぱり、あざとい感じがするなあ。もっと普通に売り出せばいいのに。賞はあとから付いてくるものだし、村上春樹芥川賞をとっていないみたいに、小説の世界は賞だけじゃないし。
ポプラ社小説大賞のページ
 http://www.poplar.co.jp/taishou/index.html
★第1回大賞受賞作

削除ボーイズ0326 (ポプラ文庫)

削除ボーイズ0326 (ポプラ文庫)