梅棹忠夫(聞き手・小山修三)『梅棹忠夫 語る』

梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ)

梅棹忠夫 語る (日経プレミアシリーズ)

 2008年に梅棹忠夫の米寿を記念したシンポジウム開催の際に「体調に不安があるので、まえもって私(小山)が聞き取りをして、梅棹さんが来られない場合は、それを読み上げるという次善の策」として行われたインタビューの記録。梅棹の生涯をたどりながら、学問、インテリ道批判から知的生産の技術、情報産業論まで語る面白い本だった。既に高齢で体調も万全ではなかったと思われ、梅棹氏の答えは簡潔だが、それでも、やはり面白い。この本を読んでいるうちに、『文明の生態史観』や『情報産業論』を読み返してみたくなった。梅棹は学者というよりも思想家と話も出てくるが、たしかに梅棹忠夫は思想家であり、ビジョナリーであったと思う。
 目次で内容をみると...

第1章 君、それ自分で確かめたか?
第2章 文章は誰が読んでもわかるように書く−−記録と記憶の技術(1)
第3章 メモ/スケッチと写真を使い分ける−−記録と記憶の技術(2)
第4章 情報は分類せずに配列せよ−−記録と記憶の技術(3)
第5章 空想こそ学問の原点
第6章 学問とは最高の道楽である
第7章 知識人のマナー
第8章 できない人間ほど権威をかざす
第9章 生きることは挫折の連続である
エピローグ つねに道なつものにあこがれてきた

 第1章のタイトルからも、わかるように梅棹忠夫は実地調査の人だった。引用よりも現場を重んじる。書籍からではなく、現象から本質をつかみ、理論化した。しかし、新渡戸稲造の『武士道』を読んだことがないというのは本当だろうか。このあたり、反インテリ道の人として冗談を言っているような気もして、よくわからないんだが、そのあたりのヤンチャさも含めて梅棹忠夫という感じがする。で、面白かったところを抜書きすると...

続きを読む

菅首相、「国会答弁は2つでOK」発言の柳田法相を更迭へ。......と思ったら、事態は混沌、続報は一転...

菅直人首相は19日、国会を軽視する発言が問題視されていた柳田稔法相を更迭する方針を固めた。首相ら政権首脳部は当初、柳田氏を擁護する姿勢を見せていたが、このままでは政府・与党が今臨時国会の最重要課題に位置付けている平成22年度補正予算の成立が危ういと判断した。民主党幹部は同日、柳田氏更迭に伴う国会運営に関して野党と協議を開始した。後任の法相には小川敏夫法務副大臣らの名前が浮上している。

 何だか、大臣切りが相次いだ安倍内閣麻生内閣を思わせる展開になってきたなあ。2006年9月発足の安倍内閣では、06年12月に佐田行革担当相が辞任、07年に入り、5月に松岡農相が自殺、7月に久間防衛相、8月に赤城農水相がそれぞれ辞任。失言やら政治資金問題やら。福田内閣は大臣はもったが、本人が1年足らずで辞任。08年9月発足の麻生内閣は、9月に早くも中山国交相、翌09年2月に中川財務相、6月に鳩山邦夫総務相が辞任。これも失言やら酩酊やら...。そして政権交代鳩山由紀夫内閣では、藤井財務相が体調不良で、福島瑞穂消費・少子化担当相が普天間問題をめぐり罷免。今回、辞任となれば、安部・麻生パターンか。21世紀に入り、日本は壊れてきたなあ。新しい時代への産みの苦しみだろうか。
【追記】
 朝は「法相更迭」かと思ったら、その後、否定情報も出て、各社の情報はバラバラ。メディアも更迭を早打ちするグループと否定に走るグループの二つに。党内、幹部に両方の意見があるということだろうけど、夜にはこんな報道が...

国会軽視とも取れる発言をした柳田法相について、民主党・岡田幹事長は20日、辞任する必要はないとの考えを示した。22日に参議院に提出される柳田法相への問責決議案には野党各党が賛成し、可決される見通し。これについて岡田幹事長は、柳田法相が続投することで野党側が審議を拒否した場合、国会の会期を延長してでも今年度補正予算案を成立させる考えを示した。

 幹事長の発言だからなあ。しかし、この右往左往ぶりも安部・麻生両政権と似ているなあ。
【追記の追記】
 気がついたら、こんなニュースが流れていた。

菅直人首相は20日夕、首相公邸で仙谷由人官房長官と約1時間半会談し、国会軽視と取れる発言をした柳田稔法相に対する野党の罷免要求に応じない方針を確認した。これに関し、民主党岡田克也幹事長は同日、自民党が22日に参院に提出する法相の問責決議案が可決された場合、2010年度補正予算案の自然成立を担保するため、12月3日までの今国会会期を延長する意向を示した。

 結局、主戦論かあ。全共闘世代っぽいなあ。闘争精神だけは旺盛。メンツにこだわる。それも大切かもしれないけど、大局観をもって先のことを考えているかどうかはわからない。どうも目先の闘争に、すぐ燃えてしまうような気がするんだけど、この世代に対する偏見だろうか。
【追記の追記の追記】
 「更迭へ」報道のフォローだろうか、こんなニュースも...

菅直人首相は20日、国会軽視発言をした柳田稔法相の進退について、自民党が問責決議案を提出する前に判断する方針を固めた。関係者によると、柳田氏は一時辞意を漏らしたが、民主党幹部の説得で現時点では続投する意向を示している。首相は今国会閉会後に柳田氏を交代させる選択肢も排除せず慎重に検討を進めている。

 どこかで、記者に「辞める...」とポロッと言っちゃったのかなあ。と思わせる記事。

名古屋グランパスがJリーグ初優勝。ストイコビッチの眼もウルッと...

名古屋にとって待ちわびた瞬間が訪れると、楢崎は増川と抱き合い、玉田はあふれる涙をこらえ切れなかった。ストイコビッチ監督は目に涙をため「名古屋は2番目のふるさと。名古屋の歴史の一部になれた」と万感の表情だった。(中略)1993、94年にプレーしたイングランド代表のリネカー、95-96年に指揮を執ったベンゲル監督(現アーセナル監督)ら、世界的な名選手、指揮官でも王座に届かなかった。ストイコビッチ監督の「日本でナンバーワンになれた」との言葉には、さまざまな思いが詰まっていた。

 名古屋が悲願の優勝を果たす。監督がストイコビッチで、選手に闘莉王、玉田、楢崎と、好きな人たちが揃っているだけに、良かった、良かった。テレビを見ていたら、歓喜の輪の中に、トヨタ豊田章男社長らしき人の姿も。これで、このところ厳しい話題が多いトヨタも勢いがつくんだろうか。