米S&Pが、日本国債の長期格付けをAAマイナスに引き下げ。中国、サウジと同じレートに
米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、日本国債の長期格付けを従来の「AA」から「AAマイナス」に1段階引き下げたと発表した。財政の悪化懸念を理由に挙げた。同社による日本国債の格下げは2002年4月以来8年9カ月ぶり。
米国の格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債の格付けを引き下げ。格付けが下がるのはショックだが、それでは、AAマイナスに、どんな国があるのか。NHKのニュースによると、中国、サウジアラビア、クウェートと同じ格付けだという。こう聞くと、日本も落ちたりとはいえ、まだ良いところにいるではないか、と思えたりする。
もう少し広げて、他の国はどうなのか、S&Pのウェブサイトで調べてみた。今回のアジアカップで日本が対戦した国々をみてみると、1次リーグでは、ヨルダンがBBBマイナス、シリアはS&Pの格付けがなく、サウジは上記のようにAAマイナスで日本と一緒。準々決勝のカタールはAA(負けた...)。準決勝の韓国はAプラス(勝った!)。韓国はもっと改善しているかと思った。ただ、ワンノッチ(1段階)差だから、あと一つ韓国が上がるか、日本が下がれば、同格*1。で、決勝で当たるオーストラリアはAAA(恐れ入りました)。
基本的に欧米先進国はAAAが多い。ただ、EUでみると、財政の問題児とされるPIIGSは、ポルトガルがAマイナス、アイルランドがA、イタリアがAプラス、ギリシャがBBプラス、スペインがAA。格下げされた身から言うと、スペイン、甘いんじゃないの、とツッコミを入れたくなるが、日本の財政がそれほど、ひどいということか。
優等生組だと、アジアはシンガポールがAAA。欧米は、ドイツ、スイス、スウェーデン、フィンランド、カナダのAAAはみなさん、堅実ですから、と納得なんだが、米国、英国、フランスのAAAは経済と財政は別か、とか思ってしまう。意外なところでは、香港もAAA(債券の発行体に対する格付けなので「香港」もあり)。台湾はAAマイナスだった。日本と同じ。イスラエルもAAマイナスだった。格付けリストも眺めていると面白い。
しかし、こうした格付けについて我が国首相は...
菅直人首相は27日夜、米国の格付け会社が日本国債の長期格付けを「AA」から「AAマイナス」に引き下げたことについて「そういうことに疎いので、ちょっと改めてにしてください」と述べた。
「そういうことには疎い」...。社長が格付けについて知らないと言っているのと同じ...。企業の格付けの場合、経営者も評価対象に入っていたと思うが、国の場合も同じだろうか。だとすると...
★S&Pの発表資料:日本のソブリン格付けを「AA-」に格下げ、アウトルックは「安定的」
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★S&Pの公的部門格付け:ソブリン(国債)国別格付けリスト(50音順)
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