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やぶしらず雑録 YabuDK Note このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2012/03/02 (Fri)

大鹿靖明『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』

メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

 福島第一原発事故に関する本はいろいろと出ているが、何となく気が向かずに(どうも「商機を逃すな」的な本のように思えて)読む気がしなかったのだが、ブログなどでの評判も良かったので、読んでみた。ともあれ圧倒的な迫力で、一気に読んでしまった(そして憂鬱になった)。幅広く関係者に取材し、そこから浮かび上がってきた事故の様相は、タイトルの通り、まさにメルトダウン。それは福島第一原発が物理的にメルトダウンしただけではなく、東電経産省原子力安全・保安院原子力安全委員会、そして金融界、政界などエスタブリッシュメントメルトダウンをしていることをレポートしている。

ベスト&ブライテスト〈上〉栄光と興奮に憑かれて (Nigensha Simultaneous World Issues) 次々と知らない事実が出てくるところはもちろん、当時のニュースなどで断片的に知っている事実が原発事故の文脈の中に位置づけられ、その意味が明白になるところがなかなか刺激的だった。しかし、これを読んでいると、日本の「ベスト・アンド・ブライテスト」たちの荒廃ぶりに暗澹たる気持ちになる。結局のところ、あれだけの惨事が引き起こし、いまも災危を振りまきながら、エリートたちが誰も傷ついていない。経産省の幹部は割増退職金をもらって勇退し、原子力安全委員会斑目委員長にしても、東京電力の勝俣会長にしても、今もその座にある。すごいなあ。1年経って、みんな事故のことは忘れると期待しているのだろうか。

 震災から半年ぐらい経った頃、民主党の某議員が、菅首相でなかったら、日本は崩壊していたと言っていたが、この本を読むと、そうかもしれないと思う。性格や言動に難点がありながらも、菅首相の意志と行動が事故への対応を動かしたところがある。この本でも感じるが、東電経産省原発のプロといわれている人たちに任せておいたら、どうなっていたかを考えるほうがはるかに恐ろしい(少なくとも首相には当事者意識があった)。昨年の3月11日に、第一に福島第1原発の所長が現場派の吉田所長であったこと、第二に菅首相であったことは不幸中の幸いだったと、この本を読んでいると思う。安部首相だったら、福田首相だったら、麻生首相だったら、鳩山首相だったら...と考えると、ちょっと恐ろしい。所長が現場派の人でなかったら、これはもっと恐ろしい。

 それと、この本を読んでいると、『官報複合体』ではないが、官僚や大企業が報道を誘導していく姿も出てくる。『日本中枢の崩壊』『官報複合体』と連なる本ともいえそう。あ、みんな講談社か。

日本中枢の崩壊 官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪

東京スカイツリーが完成して、ついに竣工式

高さ634メートルの世界一の高さを誇るタワー、「東京スカイツリー」が、3年8か月に及ぶ工事を終えて無事に完成し、2日、竣工式が行われました。東京・墨田区の「東京スカイツリー」は、地上デジタル放送の電波を発信する電波塔として平成20年7月に建設が始まり、先月までの3年8か月にわたって、総工費およそ650億円をかけて工事が進められてきました。

東京スカイツリーで竣工式 NHKニュース

 東京スカイツリーが竣工式。このところ、地震が多いから、あの方角に、高層建造物というと、ついレトロな写真で見る浅草・凌雲閣を連想してしまう。明治・大正期の浅草のシンボルで、関東大震災で半壊した、あれ。我ながら、縁起でもない連想だなあ。

ウィキペディアで「凌雲閣」をみると => wikipedia:凌雲閣

 で、スカイツリーは地上波デジタル放送を発信する電波塔でもあるわけだけど、となると、受信アンテナは調整する必要があるのだろうか。その点について、NHKは...

新タワー(東京スカイツリー)からの地上デジタル放送は、2011年7月のアナログ放送終了・地上デジタル放送 への完全移行から少なくとも1年以上の期間の後に開始する予定です。また、新タワーへの移転に際し、地上 デジタル放送の受信アンテナ方向調整は基本的に不要と想定しています。早めのUHFアンテナ設置をお願い します。

NHK東京タワーの放送エリア(めやす)」 => http://bit.ly/wO6hV5

 「基本的に不要と想定」とのこと。この「基本的に」と「想定」が何だか不安だなあ。たぶん大丈夫なんだろうけど...。

アフガニスタンで、米軍は基地の中でも安全ではない? またも米兵射殺事件

アフガニスタン南部カンダハル州にある軍基地で1日、米兵2人が射殺される事件があった。容疑者3人のうち2人はアフガン軍兵士とみられ、国際治安支援部隊(ISAF)の兵士によって殺害された。西側とアフガンの当局者が明らかにした。(略)アフガンでは、軍関連施設での内部犯行が2007年5月から今年1月までに42件発生し、ISAF関係者約70人が殺害されている。

アフガン基地でまた米兵2人殺害、コーラン焼却で内部襲撃続く | Reuters

 先日、アフガニスタン内務省で、米軍将校が射殺される事件があったが、またも基地で米兵が射殺される。もともとは米軍基地でのコーラン焼却事件がきっかけ。米軍としては自ら、文明の対決というか、宗教戦争的状況をつくってしまった。しかし、米軍をはじめとした国際治安支援部隊は軍の関連施設内で70人も殺されているのか。もはや誰が敵なのか、わからない状態だなあ。

★アフガン内務省で米兵2人射殺 デモとの関連は不明:日本経済新聞 => http://s.nikkei.com/zZHVfK

文明の衝突

文明の衝突

松下電器を再建した山下俊彦氏が死去

松下電器産業、現在のパナソニックの3代目の社長で、就任当時、末席に近い取締役からの大抜てきで話題となった山下俊彦元社長が、先月28日、亡くなっていたことが分かりました。92歳でした。山下元社長は、当時の大阪市立泉尾工業学校を卒業したあと、昭和13年に松下電器に入り、昭和52年、創業家以外で初めて社長に就任しました。

松下電器 山下俊彦元社長死去 NHKニュース

 いまはパナソニックになった松下電器産業で、創業家以外から選ばれた初めての社長。役員序列を飛び越えた大抜擢人事で、当時体操で有名だった山下選手のワザの名前をとって「山下跳び」といわれた。ただ、それほど異例の人事をとったのは実はそのとき松下電器が危機的状況にあったから。山下社長は松下の経営を立て直した。それも松下幸之助という偉大な創業経営者がいるなかでの大改革だったのだから、ものすごい経営者だった。その経緯は『ぼくでも社長が務まった』に詳しい。この本、山下氏の半生記だが、トップクラスの経営の教科書だと思う。パナソニックはいま、再び経営的に難しい状況にあるが、新たな山下さんが求められているのだろうなあ。

ぼくでも社長が務まった

ぼくでも社長が務まった

 ※ 絶版になっているようだが、絶版にするには惜しい本。経営者自らが書いたベスト経営書のひとつ