タルセバの臨床試験始まる
日本で膵臓がんに対する新たな薬の臨床試験(治験)が始まったそうです。
中外製薬は、上皮細胞成長因子受容体阻害剤「タルセバ」(一般名エルロチニブ)の、ゲムシタビンと併用で進行性、転移性膵がんを対象にしたフェーズ2臨床試験をこのほど開始したことを明らかにした。・・・
タルセバは上皮成長因子受容体阻害剤というイレッサと似た系統の内服抗がん剤であり、アメリカで行われた第3相試験では、ジェムザールと併用するとジェムザールだけを使った場合に比べて1年生存率を7%押し上げ、生存期間中央値を0.5ヶ月伸ばしたそうです(参考記事1・2)。
参加資格など臨床試験の詳細は財団法人日本医薬情報センター臨床試験データベースで調べることができます。
この薬が膵臓がんに対するあらたな選択肢の一つとなり、また、これからは日本でも膵臓がんに対するさまざまな薬や治療法の研究が行われるようになることを期待しています。
追記(6/20)カナダでのジェムザール+タルセバ併用試験の結果を6月21日にまとめました。
一年間ありがとうございました
この1年間(記事を書いたのは実質的に半年ですが)、膵臓がんに関する明るい話題を海外を中心にできるかぎり調べて発信してきました。お蔭様で3万回を超えるページビューとなり、一定の支持が得られたのではないかと思っています。来年は個人的に多忙になってしまうのですが、これからも長いおつきあいをよろしくお願いいたします。
皆様よいお年をお迎えください。
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