[]リーダーシップは学ぶことが出来ない(安田雪「ルフィと白ひげ 信頼される人の条件」)

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リーダーシップを身に着けることは「手段」ではなくて「目的」なんだと思います。

これを取り違えている内は、どうがんばってもリーダーにはなれない。



・リーダーシップを身につけて組織運営を上手くやりたい

・リーダーシップを身につけて人との関係を良くしたい



こう考える気持ちは良くわかりますが、リーダーシップを手段として人との関係において何かを達成しようとしても、何も達成できないと思います。なぜなら、人は意図を持って近づいてくる人が大嫌いだからです。特に、損得の意識を持って近づいてこられると嫌悪感すら感じます。



この本を読んで、何かしらのコツとかテクニックを身に着けようと思っても得るものは少ないと思います。この本が「これからの社会のリーダー像」とするのは漫画"One Piece"のルフィであり、彼のリーダーシップは彼の生き方・人への接し方そのものです。それを切り売りのティップスのように他人が学ぶことは出来ません。



ただし、"One Piece"の描くリーダーシップに共感し、自分もそうありたいと思うことは、本人に何かしらの変化を与えると思います。もしかしたら、リーダーとして覚醒するかもしれない。その素材として、One Pieceの登場人物は、リアリティを持ったリーダー像を体現しています。



このとき、リーダーシップを身に着けることは自己目的化しています。手段ではない。結局、リーダーシップを「手段」でなく「目的」と考える人は、意識が自分の中に向かうんだろうと思います。自分はどうありたいのか。何を求めるのか。何を感じるのか。



リーダーシップは、人が複数居て初めて成立するものだが、その本質は極めて個人的なものなのではないか?



そんなことを考えさせてくれる本でした。 面白いです。