Y日記

空飛ぶ教授のエコロジー日記

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2016-11-03 君の名は。

[]君の名は。

プノンペン行きの機内でついに見れた。ありがとう、全日空

物語についての事前の情報は、男の子と女の子の体が入れ替わるという設定からは想像もつなかい、人の思いの強さを描いた感動作だということだけ。空前の大ヒット作になっているにもかかわらず、情報があまり漏れ聞こえてこなかった。ネットを探せばネタバレ情報はあるのだろうけど、Facebooktwitterだけからは、シン・ゴジラのように具体的な情報が伝わってこなかった。

その理由がわかったよ。これは話の展開を人に教えたくない、実際に観て感動してほしい、そういう映画だ。話の展開を説明しても、この感動は決して伝わらない。

ずっとずっと遠くにいて、決してめぐりあうことがないはずの相手を、人はこんなにも強く思うことができるんだ。この映画を観た人は、その思いの強さに、涙を流すんだろうね。

そして、いつもそばにいると思っていた大切な人を失ってしまった喪失感、もしもういちど取り戻せるなら、どんなことでもしたいという、込み上げる思い。間違いなく、この映画の背景には、3.11の東北大震災によって、大切な人をなくした多くの市民への思いがあるだろう。

新海誠監督は、ジブリのアニメづくりのすばらしさを継承しながら、新しい作風でついに圧倒的な作品を作った。「星を追う子ども」ではジブリの後追いをしているように見えたけど、あの作品は新海監督にとってはある種の力試しだったのだろう。守・破・離、で言えば、「守」の段階だった。「言の葉の庭」で壁を「破」り、そして今回、ついに「離れた」。次の作品で、どんな世界を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。

日本のアニメ界に、新しい時代が来た。これからは、細田守監督と新海誠監督という二人の若き巨匠がさらなる高みをめざして、挑戦を続ける。ジブリが播いた種は、しっかりと育ったんだ。誰かが高い達成をすれば、必ずそれをこえる次世代が育つという事実に、大きな希望を感じる。

2016-08-22 Future Earth

[][]フューチャー・アースについての紹介記事

JBpressに以下の記事が公開されました。

地球の未来をかけた科学者たちの挑戦

「超学際」と社会のトランスフォーメーションに向けて

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47647

今回の記事は、Future Earthという新しい国際科学プログラムの背景とビジョンを紹介しています。とくに、Future Earthがめざす、自然科学と社会科学の統合、社会との連携、社会のトランスフォーメーション、という3つの目標とその背景について紹介しています。これらの目標を実現することは容易な課題ではありませんが、そのためのビジョンについて私見を書きました。

昨年4月から毎月2回書いてきた連載は、Future Earthのための新しい科学を作るという目標を念頭に置いたものです。この連絡も、あと2回でひとまず完結させ、連載記事に加筆して「決断科学のすすめ」という本をまとめます。来年3月刊行の予定です。ご期待ください。

2016-03-29 2016年度スケジュール

[]2016年度スケジュール

私の2016年度スケジュールは以下のサイトで公表されています。

上記のボックスの「スケジュール表」をクリックすると、このページに行けます。

また、昨年10月の伊都キャンパス移転後、私のウェブサイトのアドレスは以下に変更されています。

私の公式サイトを生態研のページの下位に置いたため、アドレスに"ecology/"が加わっています。

この公式サイトからリンクが貼られている「スケジュール」には、2015年度までのスケジュールしかありません。これは、伊都キャンパス移転後、私のデスクトップPCからウェブページの更新ができなくなっているためです。復旧のめどはたっていません。

2016-03-27 上橋菜穂子×齊藤慶輔

[]上橋菜穂子×齊藤慶輔

昨夜放送された達人スイッチインタビュー「上橋菜穂子×齊藤慶輔」。ファンタジー作家と猛禽専門の獣医という異質なキャリアの達人二人が見事に共鳴した対談は、圧巻でした。

好評だったようで、視聴者のアンコールを受けて、4月9日に再放送されることになりました。

http://www4.nhk.or.jp/switch-int/x/2016-04-09/21/6861/2037108/

ファンタジーの好きな人にも、野生生物の好きな人にも勧められる名番組です。ぜひご覧ください。

上橋菜穂子さんは、綾瀬はるか主演で放送中の「精霊の守り人」をはじめ、「守り人」シリーズで有名なファンタジー作家。しかし一方で、アボリジニの文化人類学的研究で文学博士の学位を取得したキャリアの持ち主でもあります。高校の文化祭で自ら脚本を書いた演劇を同級生の片桐はいりと共演したとか、調査で棲みこんだアボリジニの村でカンガルーを解体して尻尾まで食べたなど、一見ふつうのおばさんに見える上橋さんの口から、驚きのエピソードが次々に語られます。

上橋さんがファンタジー小説を書いているのは、人間世界の関係と自然界の関係の両方を俯瞰した物語を紡ぎたいからだそうです。上橋さんの本棚に、「共進化の生態学―生物間相互作用が織りなす多様性」(文一総合出版、私も著者のひとり)が並んでいたのは、嬉しかった。もしかすると、私が書いた「赤の女王」の解説を読んでくれたかもしれません。本を書くと、思わぬ人とつながりができるのです。

齊藤慶輔さんは、知る人ぞ知る、猛禽類専門の獣医。知らない人は、猛禽類医学研究所のウェブサイト(http://www.irbj.net/)をぜひチェックしてください。

大学の獣医学部で扱う動物と言えば、牛馬に代表される家畜が主で、最近ではペット動物であるイヌ・ネコも少し扱うところがありますが、猛禽類医学なんてどこでも教えてくれません。齊藤さんは、この未知の領域のパイオニア。猛禽類は鋭い爪をもつハンターであり、扱いをひとつ間違えれば医師は大けがをします。インタビューで語られる、怪我をした猛禽類をおとなしくさせる技には、達人ならではの凄みがあります。そして、治療が成功して野生にもどった鳥のことはあまり覚えていないが、救えなかった鳥のことは克明に覚えている、その悔しさがなくなれば医師ではない、自分はよくがんばったなどとは絶対に考えないと語る齊藤さん。自分に厳しい人ですね。尊敬します。

交通事故や鉛中毒などの問題に対して、現実的な解決策を提案して状況をすこしずつ改善している実績も語られました。バードストライクについては、憤りを胸におさめて、風力の利用と鳥との共存の道をすこしでも早く実現するために知恵をしぼろうとしている姿勢に、胸を打たれました。批判をすることよりも、状況を変えることを優先する現実主義の改革者ですね。

スイッチインタビューの前半は上橋さんが聞き役、齊藤さんが話す側。齊藤さんが、圧倒的なキャリアと生きざまを語り、まさに猛禽のようなりりしさを見せたあとで、今度は齊藤さんが聞き役にまわり、上橋さんがにこやかに答えるのですが、やがて上橋さんも実は「猛禽」であることが明らかになります。この展開はぞくぞくしましたね。

「精霊の守り人」のヒロインは、女用心棒のバルサ(NHKドラマでは、綾瀬はるかがその抜群の身体能力を発揮してかっこよく演じています)。バルサは精霊の卵を宿し、帝から命を狙われる王子チャグムを助けてくれと妃に頼まれます。このエピソードについて齊藤さんは、人間には助けを求められたときに半歩先に出て助ける人と、求めを断る人がいる、バルサは助けなくても良いチャグムを助けた、それはなぜかと上橋さんに尋ねました。

上橋さんによれば、バルサは自分の理想なのだと。自分は半歩先に出て助ける人をかっこいいと思う。そのように生きる人を描きたい。自分が描く主人公は、齊藤さんみたいですね、と語る上橋さんの表情には、にこやかさの中に凄みがありました。

2016-01-16 オールラウンド型7大学シンポジウム2016

[]博士課程教育リーディングプログラム オールラウンド型7大学シンポジウム2016

昨日開催されたシンポジウム参加中に書いたツイートを転載します。

パネルディスカッションを、「学生をおいてきぼりにした大人の議論だなぁ」、と思いながら聞いていましたが、最後に会場の名古屋大院生から「まるで学生が商品のような議論だ」「学生を(特定の人材養成の枠組みに)あてはめるのではなく、未知の可能性に学生を開いていくのが中心」だというまっすぐな発言があり、心が晴れました。

私も、学生と一緒に未来を作っていくという初心を忘れないようにしなければ。