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空飛ぶ教授のエコロジー日記

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2017-05-14 人間を理解するための教科書の構想

[]人間を理解するための教科書の構想

昨夜から屋久島に来ています。久しぶりに自分の時間が持てたので、この間少しずつ温めてきた教科書の構想を目次案にまとめてみました。これだけの内容を一人で書いていると数年かかるので、分担執筆するのが現実的です。

非常に幅広い内容を扱うことになりますが、『決断科学のすすめ 持続可能な未来に向けて社会をどうすれば変えられるか?』で書いたおかげで、全体をしっかり見通せるようになりました。分担で原稿を書いても、私が全体を見て編集すれば、首尾一貫した本になると思います。

この目次を見て、「読みたい」と思った方は、まず、『決断科学のすすめ 持続可能な未来に向けて社会をどうすれば変えられるか?』をご一読ください。7割くらいのテーマについては、この本ですでに基本的な内容を書いています(関連図書へのブックガイドも充実しています)。

『人間の行動と社会 持続可能な社会のための基礎知識』

第一部 人間の基本行動

  • 第1章 食事
  • 第2章 睡眠
  • 第3章 意思決定(直観と理性)
  • 第4章 恋愛と結婚
  • 第5章 仕事
  • 第6章 遊び
  • 第7章 学習
  • 第8章 人間の行動を規定する性格因子

第二部 人間の協力行動

  • 第9章 人間と他の動物の違い
  • 第10章 言語とコミュニケーション
  • 第11章 子育てと教育
  • 第12章 交易
  • 第13章 戦争
  • 第14章 災害の下での助け合い
  • 第15章 宗教
  • 第16章 科学

第三部 社会制度

  • 第17章 法律と国家
  • 第18章 警察と軍隊
  • 第19章 学校
  • 第20章 税と社会福祉
  • 第21章 都市計画
  • 第22章 貨幣と金融
  • 第23章 市場と企業
  • 第24章 選挙と民主主義
  • 第25章 社会制度の進歩
  • 第26章 条約と同盟−国家間の協力制度

第四部 グローバル化

  • 第27章 アフリカにおける人間の進化
  • 第28章 アフリカから世界へ
  • 第29章 農業のひろがり
  • 第30章 帝国の盛衰と文明の交流
  • 第31章 産業革命
  • 第32章 領土の分割と世界大戦
  • 第33章 長い平和と権利革命
  • 第34章 地球環境問題
  • 第35章 人口増加社会から人口減少社会へ

第五部 人間の多様性

  • 第36章 ヒトゲノムの多様化
  • 第37章 病気と健康
  • 第38章 性格の多様性
  • 第39章 価値観・道徳の多様性
  • 第40章 多様性を認め合う社会へ

今日はこれから屋久島学ソサエティの理事会に出て、午後の船で屋久島を離れます。父を亡くした母が不安をかかえているので、フィールドには出ずに福岡に戻ります。

2017-04-17 父の死

[]父の死

4月15日朝に父が永眠しました。3月に90歳のお祝いをしたばかりでした。朝8時少し前に妻が呼吸していないことに気付き、お医者さんが見えるまでの約20分間、心臓マッサージと人工呼吸を続けましたが、蘇生はかないませんでした。数日前から、嚥下能力がかなり低下していました。14日夜は私が夕食を担当し、6時ころから約4時間かけて、スプーンでヨーグルトとお茶(とろみをつけたもの)を口に入れましたが、数回飲み込むごとにむせて、痰と一緒に戻してしまいました。食事をやめてからもうがいと痰とりを1時間くらい続けました。翌朝、「おなかがすいたやろ」と声をかけたら、「すかんねぇ」という返事でした。その日は大阪出張だったので、「これから大阪に行ってくるけんね」というと、「ほう、忙しかねぇ」と手をふりながら答えましたが、これが最後に会話になりました。その日は往診のお医者さんに点滴をしていただいて、栄養はとれたはずです。夜戻ったときは寝ていました。その翌朝、息を引き取っていました。隣に寝ていた母が気付かず、呼び鈴も鳴らなかったので、ほぼ意識がないまま永眠したものと思われます。自宅で家族と一緒に最後を迎えたいと願っていましたが、その願いどおりの最期になりました。私が自宅にいるときに逝ってくれたことに感謝しています。退職後は庭仕事を楽しんでおり、14日にも苗を買ってきてほしいと言っていました。まだ生きたかったとは思いますが、最近は自分でトイレに行けず、食事にも苦労する状態だったので、ほっとしているかもしれません。最後まで精いっぱい生きた父を、ご苦労さまとねぎらいたいと思います。そして何よりも、この私に生をさずけてくれたことに、心から感謝します。15日夜にお通夜を、16日に葬儀を行いました。急な連絡にもかかわらず、多くの方が足を運んでくださいました。暖かい春の陽ざしの中での葬儀でした。お忙しい中をご参列いただいた方々にお礼もうしあげます。

2017-04-09 大学院生の論文改訂作業

[][]大学院生の論文改訂作業

今日は終日、大学院生の論文改訂作業に時間を使いました。しかし、T君の論文改訂作業は、イントロだけで時間がつきました。重要な先行研究でわかっていること、わかっていないこと、課題として指摘されていることが、きちんと整理できていなかったので、論文を読み込んで整理しました。この作業がなかなかできないんですね、最初のうちは。先行研究をレビューするトレーニングを、もうすこし工夫する必要を痛感します。今日中に完成とはいかなかったけど、結果は固まっているので、あとは考察を残すのみです。

Phylogeny and biogeography of the genus Stevia (Asteraceae: Eupatorieae): An example of diversification in the Asteraceae in the new world, accepted・・論文アクセプトの連絡届きました。10年前まで精力を傾けていたステビアの仕事がようやく日の目を見ます。第一著者の副島さん、ありがとう。これで今年の論文は10報目。審査中の投稿論文が5報。私の手をはなれた投稿前原稿が3編。投稿目前で私の改訂待ちが4編。私が第一著者の原稿で、院生の論文優先のために、あと一息なのに投稿・再投稿できていないのが2編。さらに順番待ちの原稿が約10編。週に一つくらいのペースで片付けないと、次の仕事に取りかかれません。定年まであと3年なので、月ひとつのペースでは36編しか書けないんです。数だけではダメですが、書くべき成果が貯まっているので、やった仕事はきちんと世に出してから定年を迎えたいです。

2017-03-15 2017年度スケジュール

[]矢原徹一2017年度スケジュール表

2017年度スケジュール表へのリンクです。

事情あって、大学のウェブサイトの更新がいまできない状態なので、こちらのリンクをご活用ください。

2017-03-12 睡眠に関する本

[]睡眠に関する本

 「決断科学のすすめ」ではさまざまなテーマについて、以下の例のようなブックガイドをつけた。しかし、「睡眠」についてふれることができなかったので、ここで「睡眠」についてのブックガイドを書いて、補足しておこう。

 「決断科学のすすめ」において、急いで重要な決断をする必要がある場合、その場でとりあえずの決断を下したうえで、最終的な決断を一晩待つほうが良いと書いた。その理由は、時間をかけるほど判断材料が増えて、より冷静な決断ができることに加えて、一晩寝て睡眠を確保したあとのほうが、理性的判断力が高まるからだ。

 さて、睡眠については多くの本が出版されているが、下記の本が格段に優れている。

スタンフォード式最高の睡眠」で書かれている重要なポイントを以下に箇条書きにしておく。

  • 睡眠不足は判断力を低下させる。仕事の効率を高めるには、良質の睡眠を7時間程度確保する必要がある。
  • 7時間という長さだけでなく質を確保することが重要。睡眠の質は、入眠後約90分間のノンレム睡眠をいかに深くするかで決まる。
  • ノンレム睡眠を深くするには、皮膚の体温と深部体温の差を小さくする。その方法としては、入眠約90分前の入浴が効果的。すぐ寝る時は、シャワーかぬる風呂が良い。
  • 室温を適温にする。暑すぎても寒すぎてもいけない。適温には個人差がある。
  • 寝る時間を決めて、厳守する。
  • 夕食を抜いてはいけない。
  • 寝る前には脳に刺激を与えない。単調な仕事をして眠気を誘う。PC,スマホは禁物。退屈な本は良いが、刺激的な本はだめ。
  • 睡眠と覚醒は表裏一体。朝起きてから夜寝るまでの行動習慣が最高の睡眠を作り出す。
  • 朝起きたら、外に出て、太陽の光をあびる。これは慨日リズムを整え、体内バランスを覚醒モードに切り替えるうえで、とても大事。
  • 裸足、冷水での洗顔・手洗いも効果的。
  • 朝食を抜いてはいけない。よく噛んで食べることも重要。
  • 頭を使う仕事、重要な仕事を午前中にする。

以上はほぼすべて、私が実践していることだ。ただし、ときどき寝る前にスマホでメールなどをチェックすることがあるので、本書を読んで、この習慣はやめようと決めた。また、「朝起きたら、外に出て、太陽の光をあびる」ことは、最近さぼっていたので、早速今朝から再開した。

スタンフォード式最高の睡眠」では、これらのポイントの生物学的根拠が簡潔に説明されている。睡眠についての理解を深めたい方は、ぜひ一読されたい。

 著者は、スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の所長をつとめる、科学的な睡眠研究の第一人者である。最初に「根拠なき話は書かない」と断言されており、巻末には記述の根拠として、主要参考論文がリストされている。本書の記述は、私がある程度知っていて、生物学者として納得できる内容がほとんどだが、一部に私にとっても意外な知識が書かれている。それらの点については、根拠となる英文論文にあたって、確かめることができる。これはとても大事な点だ。日本語の本では、根拠となる引用文献がない本が多いが、そういう本の記述はあまり信用できないことが多い。

 以下の本は、アマゾンの「睡眠」ジャンルで現時点で4位であり、かなり読まれているようだが、信用できない記述が多く、お勧めできない。

  • ショーン・スティーブンソン:Sleep 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術 ダイヤモンド社

Chapter 7 腸内環境を整える、まで読んで、さらに読む必要なしと判断した。腸内環境についてはとくに関心があるので期待して読んだが、内容は根拠のないことばかりで、がっかりした。Sleepに書かれている内容で、根拠がある重要な点は、「スタンフォード式最高の睡眠」にすべて書かれているので、「スタンフォード式最高の睡眠」だけを読むほうが良い。