スズメガの訪花行動をビデオ撮影

今日から、圃場にハマカンゾウ24株とF1雑種(ハマカンゾウ×キスゲ)12株を、6×6の格子に並べて、ポリネータの訪花行動の観察を行なう。
岐阜大のKさんが、学生2名とともに、業務用のハイビジョンカメラや、専用モニターを車に積んで、応援にかけつけてくれた。昨夜の予備実験では、彼の技術のおかげで、スズメガの訪花行動をビデオ映像におさめることができた。暗がりの中では、スズメガが花にやってきても、肉眼ではどの株に訪問しているかの判別が難しい。しかし、業務用のハイビジョンカメラを使うと、肉眼よりもはるかに明るい映像が得られる。その結果、スズメガが、どの花からどの花に、どのように移動しているかが、しっかりと確認できた。
昨夜の観察結果では、スズメガはF1の花を選択的に訪問していた。予想どおりである。F1の花には匂いがあるので、スズメガを誘引するうえでは、有利だと予想している。一方、昼間のポリネータに関しては、ハマカンゾウもF1も、大差ないのではないかと予想している。ハマカンゾウの花もF1の花も、蜜の量に違いがあるわけではないので、チョウやハナバチの採餌行動としては、両者のこちらかを選択する理由はないはずだ。
ところが、予備実験を始めてみると、F1の花は、ハマカンゾウよりも開き方が弱いので、予想とちがって、アゲハ類の訪花頻度は低下するかもしれないという思いがよぎった。しかし、ナミアゲハがハマカンゾウだけでなく、F1にも開花したので、やはり、誘引力に違いはないのだろう。送粉の効率は違うかもしれない。
これから月末まで、圃場実験を続ける。
屋久島調査チームが乗った船は、鹿児島港を出港したころだ。今回は、屋久島調査はお休み。屋久島にも行きたいのだが・・・。体が二つほしい。