峠越えペタッ記

 わけわからんタイトルと思われそうですね。ペダルを踏んだ記録=自転車日誌くらいの意味にとっていただければ。某有名ロードレーサーグランツール=3大自転車レースでのステージ優勝数知れず)のモジリでもあります。もっとも彼はスプリンターで山岳コースは苦手としておりましたが(まだ現役かな?)。

 さて今回の八峰村畑開き参加、同行者は5名。うち3名は車に同乗、1名は東京から高速バス。帰路は4名が車に同乗。わたしは仲間とは別に往復とも自転車を使いました。往路はJR高崎線新町駅まで輪行。そこから下仁田町南牧村→大上峠→佐久穂町羽黒下→小海駅前(約90km、7時間)。復路は松原湖高原→佐久市臼田→田口峠→南牧村→上尾(約160km、11時間)。
 群馬と長野の県境には峠道があまたあります。当初は未体験の余地(よじ)峠越えを目論んだりもしました。江戸時代ころまでは上信間の幹線道路。上信電鉄(長野県内に路線などないのに上信!)下仁田駅小海線羽黒下駅を結ぶ鉄道計画も大正時代にはあったらしい。もし実現していたなら、碓氷峠の軽井沢にかわるな街ができていたかもしれません。
 でも現在は廃路同然。車は通行止め、登山道に等しいことが調べてみてわかりました。自転車かついで藪こぎも厭わないマウンテンバイクの猛者ならならとにかく、下りでも自転車に乗って走れるような道路ではないみたい。断念!
 話がそれました。往路は小海へ一直線でしたが、帰路はあっちこっち寄り道しました。臼田では龍岡五稜郭跡と新海神社を初訪問。五稜郭は、函館とともに日本に2つしかない洋式風の城郭。☆型に造形された堀の一部が残っています。新海神社は、重要文化財の三重塔だけでなく、境内に林立する大木がみごとでした。幹まわり数メートルはザラ(杉が多い)。なかには7〜8mありそうなケヤキ(?)の巨木も何本か。まさに神木ですね。
 下仁田では、車で帰路についた仲間と合流して昼食。駅前通りにある創業75年の老舗(といっても見た目は単なる田舎の駅前食堂)「きよしや」でカツ丼をいただきました。この店の圧倒的一番人気は、天丼のツユみたいなソースをかけた一品。薄切り上州肉を何枚も重ね叩いて揚げたカツがドカーンと2枚のってます。これで値段は750円。お得感もてんこ盛り。
 行列に並んでから食べ終わるまで2時間以上かかりました。人気店みたいです。もともとは南牧村出身の友人から教えてもらった店。その後、自転車で下仁田を通るときは立ち寄ってみるのですが、いつも混んでいるので諦める。カツ丼にありつけたのは今回で2度目かな。
 小海から帰宅して1週間。峠越えで喘ぎ口呼吸したせいか喉ががらつく。下りでは強風乾燥されたせいか唇がガサガサ。膝の痛み。この3つが、いまも残る今回の自転車行の成果であります。物好きだね。
 ちなみに大上峠も田口峠も、山サイ(山岳サイクリスト)にとっては初心者コースみたいですよ。10%を超える勾配があっても。初心者以下の老いぼれジジイは、急坂が続けば自転車を降りて押し歩きしております。
 ※写真左は帰路田口峠にて。平野部ではとうに散った桜が、ここでは満開でした。右は田口峠から下った群馬県南牧村の急峻な段々畑。近くの山林では山藤の花が咲き誇っていました。山藤の増殖は山に人の手が入らず荒れたためでもあるとか。ところで南牧は「なんもく」と読みます。小海町のとなり長野県南牧村は「みなみまき」。