週末の記録


この週末、東京では桜が満開だった。


土曜日は国立演芸場での落語会に出掛けるのに、竹橋で降りて皇居の周りを歩いて行った。写真は北の丸公園から千鳥ヶ淵方面を望んで。首都高の向こうに見える桜が、東京ならではって感じ。曇天だったのが残念。


日曜日は晴天。都知事選の投票を済ませてから上野公園へ。「桜まつり」が中止(ボンボリの点灯無し)のため昼間のうちにということか、例年を上回るものすごい人手。風があり桜吹雪も味わえた。写真右は可愛いパンダの肉まん。動物園入口には幾重にも列が出来ていた。

立川談笑 月例独演会


立川談笑「牛ほめ」
立川談笑茶の湯
 (中入)
立川談笑「花見の歌会」
 (4/9・国立演芸場


演芸場改装後、初の月例会。出囃子は「Sunshine of Your Love」。
挨拶の後、大地震数日前の前回の月例会で「原発息子」を演ってしまったことに触れる(笑)それから…当日何をしてたか聞いて回ると面白い、自分は上野動物園のペンギンとカンガルーの間に居たという話。しょぼくれてないで経済を回そう。小噺数個。今は「実話」の方が流行ってるからと自分の話、すべてうんこネタ。うんこの話でも「落語」の所作が楽しい。うんこがらみの話を幾つも振ってから本編へ。本人いわく「体調はいいけど変な感じなのが分かりますよね?」ライヴ感あってよかった。


「牛ほめ」では一部文句を忘れる(却って面白かった・笑)。ラストは、通常のサゲに対しておじさんが「屁じゃなく糞に困ってる」と言うと、与太が今後は牛の糞を掃除しにくると提案、それを資源にエネルギー開発事業を起こし、蔵前に大店を構えるというもの。
その与太の数十年後が、この日の「茶の湯」のご隠居。メインは前半の、隠居と定吉が「茶」でトリップするくだり。そういやこの噺にもうんこが出てくるなあと思ってたら、そこはカットされてた。
「花見の歌会」は初めて聴いた。この時期に花見の噺、桜が全然出てこなくてもやっぱり嬉しい。前回の「河内山宗俊」もそうだけど、最後にこういう、ワルやお侍さんなどの出てくるドスい感じの噺でシメるのっていい。

ザ・ライト エクソシストの真実


公開二日目、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて夕方の回。お客さん少ないだろうと甘く見てたら、前2列残した最後の2席しか空いておらずびっくり。



オカルト・ホラーといった類の映画じゃない。「気乗りのしない仕事だけど、変わり者の師匠に付いて経験重ねるうちに自らの資質が目覚め、成長し、最後には『お前は若い頃の私に似てる』と言われる(←出た!笑)」系の物語。でもってその仕事というのが「バチカン公認のエクソシスト」、師匠がアンソニー・ホプキンスなんだから面白い。
一言にまとめれば、主人公が「変化」する…神を信じるようになる物語でもある。悪魔憑きの描写含め、全篇実直な作りだけど、クライマックスでは感情的な音楽が「その時」を盛り上げる。
もっとも「エクソシスト」('73)の超有名シーン(ポスターのあれ)のパロディや、ホプキンスの「緑のゲロを吐くとでも思ったか?」というセリフなどメタっぽい部分もあり、適度に息が抜ける(笑)


エクソシスト」では、エクソシストと「悪魔」は互いの言葉を耳に入れないようにしてたけど、本作においては、悪魔祓いの儀式の要所は「対話」である。
悪魔の「名前」を知ることができれば「命令」によって消滅させることができる、というのが、私にはぴんと来ないけど、面白いなと思った。ホプキンス演じるルーカス神父が、家に居つく猫について「名前をつけても認識しない」と言うのは何か関係あるんだろうか(一方、「悪魔憑き」の少女は猫の名前にこだわる)


まずは心惹かれる「エクソシスト」の「養成学校」!の描写も、地味ながら楽しめる。
現代っ子」の主人公マイケルは、神学校のルームメイトがテレビゲームに興じる間(詳しくないからどんなゲームだか分からず)、メールで「神父にはならない」旨を学校側に通知する。ローマでの「エクソシスト養成講座」は現代的な教室で行われ、電源が落ちると「悪魔のしわざだ」と冗談が飛ぶのが面白い。神父たちが携帯電話を持ってるのが、すっとぼけたギャグになっている。
マイケルが行く先々でいちいち「アメリカ人」と言われるのも印象的だった。ローマでもマックの看板にひと安心する彼の姿に、「旅先でもマクドナルド」だった「偶然の旅行者」('88)を思い出す。


主人公の青年マイケルを演じるのはコリン・オドナヒューという新人さん、役には合ってたけど、私は次に見ても覚えてないだろう(笑)父親役がやたらイイ顔の男だな〜と思ってたら、ルドガー・ハウアーだった!久々で誰だか分からず。