平日の記録


小田急百貨店新宿店の、リニューアルした地下2階を一回り。
まず目を惹いたのは、ルビアンのクロワッサンにヴィタメールのクーベルチュールショコラを挟んだ記念の一品。美味しくないわけなかった。
「東日本初出店」とあったビスキュイテリエ ブルトンヌでは、「小田急百貨店限定」の「キャラメル・ポム」と「グリオット・ピスターシュ」を購入。持ち運んでも崩れにくいし常温で保存できるし有難い。食べても勿論美味しかった。


店舗限定のチョコメニュー。
外苑前の1号店の長蛇の列を横目に何度か通り過ぎたシェイクシャックの、国際フォーラムにオープンした3号店にて、有楽町をイメージしたというアイスクリーム「Yurakucho Edition」。チョコレートカスタードに黒ごまペーストやピーナツバターが入ったもので、かなりくどい。でも嬉しい(笑)
ルミネ新宿のca ca oでは、この店舗だけの扱いのエクレアを購入。季節もののモンブランは、濃ゆいチョコレートの奥に栗の粉っぽさを感じる。

何者



TLに流れて来た通り、確かにまずは「Twitter映画」だった。最初に出てくるTwitterの画面がTLじゃなくプロフィールと他者同士のやりとりって、利用していない人にはその意味するところが分からないもの。それにしても手が滑ってお気に入り登録しちゃわないかはらはらした(笑)「普通」ならただのミスだけど、それじゃ済まない状況のようだから。
Twitterについては「分かる」とはいえ、私が大学に入った頃に生まれた世代の話だし、私は就活らしきものをしていないし、となればTwitterの使い方だって私と彼らじゃ違うはずだし、分からないことだらけではある。でも十分、多分、作り手の伝えたいことは受け取ったつもりだ。


(以下「ネタバレ」あり)


この映画は、「就活」「SNS」においてしか起こらない事を描きながら、そこじゃなくても起こる事を描いている。あらゆるところに「分かりやすく」表れている。拓人(佐藤健)が、光太郎(菅田将暉)の内定祝いの帰りのタクシーの中で「お前に内定が出ない理由が俺には分からない、嫌味じゃなく」と言われて「ありがとう」とスマホを握りしめた手の力をふっと抜くカットなど、こんな場面でなんて私もぬるいなあ!と思いながら、涙が滲んでしまった。
拓人が光に満ちた「外」に出て行くラストシーンには、ポスターでは六人が均等な大きさで並んでいるけれど、まごうことなく彼が「主役」なのだと改めて思った。佐藤健の演技はよかった。冒頭の回想シーンでの、サワ先輩(山田孝之)の号令による「悲しんで」「怒って」などの「演技の練習」において、拓人は「絵に描いたような」表情は作らない。演じる佐藤健ではなく、これは「拓人」による「演技」なんだろう、と考えた。


隆良(岡田将生)の一言が「謎解きのダメ押し」となりミステリーものよろしく「あの時々」が繰り返されるのに、そもそも光太郎の登場時のセリフから想定の範囲内だし、大袈裟すぎないか?と思っていたら、やがてそれが、拓人の頭の中で「演劇」になってゆく。これは彼が「やっぱり演劇が好き」なことを表している。
ここで面白いのは、六人のうち瑞月(有村架純)だけが舞台上に居ないということだ。自分をも舞台に立たせる拓人にとっても(「ラストシーン」の背中の丸み、あれこそ彼が見た彼自身なのだろう)、彼女は「操れない」存在なのだと思う。だから光太郎の言葉では手が緩む程度だったのが、彼女が「自分を見ている」ことに心を貫かれ、その言葉に崩れ落ちるのだ。


加えてこの映画は、文学者が社会に生きる辛苦を描いているようにも見えた。文学者の、「文学者としてなんて生きられない」と考える「半身」が主人公なのだと。「私」を題材にする拓人は、「現実」に即して「もう一人の僕」が出てくる脚本を書くし(思えばこの物語の粗方はここではっきりと「見えて」いる)、光太郎のライブに瑞月と出掛けた後のやりとりを演劇として想像あるいは回想するし、就職試験の「この話の続きを考えて」という問いには(「私」事ではないから)答えられない。
対して「就活が上手い」光太郎は(吉田秋生の「お勉強が得意」を思い出す言い回しだ)、歌の歌詞なんかも、きっと上手く「作って」るんだろうな、と考えた。