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2005-08-20 戦争と写真

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「写真はものの見方をどのように変えてきたか 第3部 [再生]」東京都写真美術館


全4部で写真の歴史を概観する写真展シリーズ「写真はものの見方をどのように変えてきたか」の第3部「再生」が東京都写真美術館で開催されている。


写真の誕生を概観する第1部、19世紀末から1930年代のモダニズムの時代を検証する第2部につづく第3部では日本の1930年代から1960年代における写真史の紆余曲折を12名の写真家の仕事で辿る。


鈴木佳子『写真の歴史入門 第3部「再生」』(とんぼの本、新潮社、2005/07)

時代区分からもわかるように、戦争と写真の関係を再考する内容でもある。報道写真はどのように国策に利用されていったのか、そうした流れのなかで個々の写真家は戦争とどのように向き合ったのか。


登場する写真家は、小石清(こいし・きよし, 1908-1957)、河野徹(こうの・とおる, 1907-1984)、木村伊兵衛(きむら・いへい, 1901-1974)、林忠彦(はやし・ただひこ, 1918-1990)、植田正治(うえだ・しょうじ, 1913-2000)、濱谷浩(はまや・ひろし, 1915-1999)、桑原甲子雄(くわばら・きねお, 1913- )、熊谷元一(くまがい・もといち, 1909- )、中村立行(なかむら・りっこう, 1912-1995)、大束元(おおつか・げん, 1912-1992)、福島菊次郎(ふくしま・きくじろう, 1921- )、東松照明(とうまつ・しょうめい, 1930- )。いずれも名だたる写真家である。


多川精一『戦争のグラフィズム——『FRONT』を創った人々』(平凡社ライブラリー、平凡社、2000/07)

写真だけが記録・伝達できる現実があり、そのような写真の機能ゆえに写真はときとして写真家の意図に反して「修正」されもする。この展覧会に出品されている写真のなかにも、プロパガンダのために「修正」を施されたものがある。どの写真のどこにそのような「修整」がなされたのか、という意識をもって写真に対峙することで、ある種の緊張感が生じる。商品広告の写真など、ディジタル技術の応用によって「修正された写真」を見慣れすぎてしまった現代の眼から見ても、それが「修正」であることに気づいたときには軽いショックを受けるのではないだろうか。それはおそらく、写真に施された修正そのものに対する驚きというよりは、そのような修正を施した修正者の意図への驚きである。


多川精一『焼跡のグラフィズム——『FRONT』から『週刊サンニュ-ス』へ』(平凡社新書、平凡社、2005/04)

もちろん、テーマは戦争だけではない。戦中戦後の生活風景、満州、沖縄、銀座、ヒロシマ、新宿(68年)といった街の様子、子供たち、ヌード、作家、民俗など、それぞれの写真家の作風をうかがわせる作品も多数展示されている。また、写真誌『NIPPON』『FRONT』ほかの現物もガラスケースにはいってではあるが出品されている。


会期は2005年09月11日まで。


⇒作品メモランダム > 2005/06/25

 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20050625

 第2部「創造」についてのメモランダム


⇒作品メモランダム > 2005/05/06

 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20050607

 第1部「誕生」についてのメモランダム


東京都写真美術館

 http://www.syabi.com/

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ブラッサイ——ポンピドゥーセンター・コレクション展」東京都写真美術館


2005年08月06日(土)〜09月25日(日)の会期で、ブラッサイ展が開催されている。


パリのポンピドゥーセンター(フランス国立近代美術館産業創造センター/ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター)は、 その超近代的な建築でパリ観光の名所のひとつとされていますが、膨大な近代・現代美術のコレクションによる秀逸な展覧会を開催する美術館としても知られています。 なかでも、フランスを代表する写真家ブラッサイの写真、素描、彫塑からなるコレクションは世界有数の作品数を誇り、2000年に開催された 「ブラッサイ」展は国内外で大きな成功を収めました。<ブラッサイ>ことジュラ・ハラースは、1899年現ルーマニアの都市ブラショブに生まれ、 のちにその名が転じて<ブラッサイ>と名乗るようになりました。画家を志した彼はハンガリーとドイツに学び、1924年ジャーナリストとしてパリに渡ります。 その後、アンドレ・ケルテスの手ほどきで写真を始め、夜更けの街や裏通りを練り歩きながらカフェやバーを巡り、 猥雑でありながらも人情味あふれる1930年代初頭のパリを描き出しました。こうして、1932年に発表された『夜のパリ』(序文ポール・モラン)は、各界から絶賛され、 一躍脚光を浴びたのです。今回、当館ではポンピドゥーセンターの企画協力を得た日本唯一の巡回展として、代表作「夜のパリ」「落書き」をはじめ、実験的な「ミノトール」誌での仕事や、ハーパース・バザー誌で発表された「昼のパリ」など193点の写真作品に加え、ベルリン時代とパリ時代の貴重な素描8点、彫塑作品33点の未発表作品を含む全234点を展示。20世紀の巨匠、ブラッサイの全貌に迫ります。

東京都写真美術館ウェブサイトより)


⇒Centre Pompidou(仏/英/西仏)

 http://www.cnac-gp.fr/Pompidou/Accueil.nsf/tunnel?OpenForm

 ポンピドゥー・センターのウェブサイト


岩波書店 > 『ブラッサイ写真集成』

 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0082180/top.html