オリックス、パウエルの登録を申請

オリックスが、前巨人のパウエル投手を巡るソフトバンクとの二重契約問題で、同投手の自署が入った統一契約書の写しをパ・リーグに送付し、支配下選手登録の申請手続きを行ったと発表。ソフトバンクは既に提出済み。パ・リーグは30日に両球団から事情を聴取し、統一契約書は両球団とも有効と判断した上で、現状では選手登録の申請は両球団とも受理できないとしている。オリックスは球団幹部が対応を協議し、「契約書の有効性が認められた以上、野球協約に即した手続きを踏むべき」との考えから、登録申請手続きに踏み切った。

ソフトバンクは方向転換を示唆

ソフトバンクの竹内孝規球団常務取締役兼最高執行責任者(COO)は今後の対応について、「一両日のうちに方向性を定め、遅くとも週明けには球団としての提案を取りまとめたい」と説明。オリックスが持つ契約書については「オリックスとパウエルの双方が契約の意思を持って署名したコピーであるならば、法的解釈として日付の早い方が優先されるのは当然」と述べ、同投手が契約に合意していた場合は「我々も方向転換を含めて考えなければならない」と話した。また、ソフトバンクLos Angeles DodgersのD.J.ホールトン投手(Dennis Sean Houlton/1979-08-12/193cm/101kg/右右/米国出身)の獲得を発表したが、竹内常務兼COOは「パウエルを諦めるということでは全くない」と、パウエル獲得断念を完全否定している。

根來泰周コミッショナー代行は環境不備を指摘

根來泰周コミッショナー代行は二重契約問題を引き起こした一因として「国際化時代に英語やスペイン語など各国の書類がないのはおかしい」と、統一契約書に関する環境の不備を指摘。両球団の契約はパ・リーグがともに有効と判断したが、「両方が有効ということはあり得ない。どういう状況でサインしたのか、本人に聞いて、どちらが優先かを決めてやらないといけない」と話し、パウエル側の事情聴取の必要性も訴えた。また、同代行は「詳しく報告を受けている訳ではない」と明確な判断は避けた上で、二重契約が意図的なものであればパウエルを野球協約の83条で定められている不適格選手として扱う私案も打開策の一つとして提示した。