論理的には理解したが実践としては振り出しに戻った感 - 「トヨタのカタ」感想
- 作者: マイク・ローザー(Mike Rother),稲垣公夫
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2016/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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しばらく前に角さんのスライド「改善の型 コーチングの型」をみてからこれは内容を押さえておかねばと思っていました。近所の本屋に行ったら本書があったので購入しました。
著者のマイク・ローザーさんは、バリューストリームマップの解説本「トヨタ生産方式にもとづく「モノ」と「情報」の流れ図で現場の見方を変えよう!!」でした。なんだ同じ人か!という感じ。
カイゼンのカタについては、実は自分にとっては初めて知ることではありませんでした。僕の勤めていた会社がトヨタ生産方式を取り入れるべく全社活動していた時期があって、その時に来ていただいていたコンサルタント(トヨタグループの出身の方だったと思います)の指導方法や、目指すべき管理のあり方として説明されたことが、カイゼンのカタそのものでした。コーチングのカタも同様です。コンサルタントが我々に接する態度、また、コンサルタントから学んだことを職場に落とすときにリーダーが取るべき態度として指導されたのは、まさにコーチングのカタのスタイルでした。
トヨタは長年カイゼンのカタによる管理と育成を実践し続けている。その文化、共有された価値観と思考様式の元で、有名なツールや手法が効果を発揮している。
ここまで観察ができました。さあ、どうしましょうか、という話になります。目に見えるツールや手法をいただいてくるのは、それほどうまく行かないことは経験すみです。では、トヨタクローンになることを目指しますか?だとしたら、価値観や行動様式を変えなければならない。どうやって変える?カイゼンですこしずつ変えていきますか?それは正攻法ですが、たいへんな時間がかかるでしょう。価値観や行動様式を変えるというのは、短期的に自分を捨てるということです。その覚悟があるか。そういう問になってきます。こんなことは、社長にしか判断できない。であると同時に、すべての社員が同意しなければならない。それって現実的なのだろうか、という悲観的な思考が湧いてきました。
とりあえず、自分が影響できる範囲に対して、最善を尽くそう、それだけだ。と今思っています。