愛について語ろう                               7対10 男をトリコにする魔法の比率

以下はNHKスペシャル09年1月11日放送「男と女 科学が読み解く男女の秘密」の要約だ。再放送は1月14日水曜日午前0時55分〜午前1時44分(13日の深夜)NHK総合である。

男はくびれに惹かれて恋愛

 ある米国の学者の研究によると、ウェストとヒップの比率が7:10になっていると男はそれに惹かれるという。要はくびれに男は惹かれるというのだ。男性にも太めの女性が好き、細めの女性が好きといった好みがあるが、太め好きの男性も7:10の比率のくびれに一番惹かれるという。W70H100といったところか。ミロのビーナス等様々な文明社会の女性画、女性像でも、この比率が保たれているという。
 これは生物学的にも証明されるという。女性の場合、出産適齢期になるとくびれがこの比率になるため、男性がこれに発情することで種が保たれてきたと思われるのである。

女は相手の誠実さで判断

 女性は男性を好きだと思うとき、脳の帯状海のうち記憶を司る部分が活発に働く。これは、これまでの自分の記憶を総動員して、この目前の男性が責任を持って自分を大切にしてくれる男性かどうかを判断するからだ。これも生物学的に説明可能だ。人間の子供は他の動物に比べて未成熟な状態で出生される。そのため女性は育児にかかりきりにならざるを得ずず、男性にこの間食料を集めてきてもらわなければならない。そのため、男性を見て、責任をもって養ってくれるかどうかを、過去の記憶と照らし合わせながら判断するというのだ。

恋愛の期限は4年

 恋愛状態のときに恋愛相手を見ると、脳の一部が活発になり、ドーパミンが放出されるが、こういった脳の働きも恋愛関係になってから4年ほどでなくなってしまう。国連統計でも4年が離婚のピークのようだ。長すぎた春が結婚から遠ざけるのも、3、4年で恋愛が破綻するのもこうしたことが理由らしい。逆に3,4年は恋愛感情があるため、喧嘩しても相手を必要とする気持ちが強くなり、別れにくい。
 これも人類の生物学的特徴から生ずるらしい。狩猟時代の出産周期がちょうど4年ほどらしい。4年経つと子どもも手もかからなくなってくる。人類は未開時代は4年経つと男は女の元を去り、女は別の男を見つけるというライフスタイルだったらしい。

離婚は男性の会話能力、感情読み取り能力のなさが原因

 妻はどうしても一日のあれこれした問題を夫に聞いてもらいたい。夫は解決すべき問題には耳を傾けるが、そうでない問題については耳を傾けない。これが夫婦不和の原因の一つである。これも人類の古代の生活習慣が影響している。男は狩猟が役割。仲間と一緒に狩りをする時も、無駄な口はきかない。獲物をとるために有用なことしか口にしない。ところが女性は違う。女性は村に残され、女性同士で井戸端会議を続けるのが日常で、会話能力がないと生きていけないからだ。
 夫婦不和の原因のもう一つは、男性が女性の感情を読み取れないことだ。被験者にある人物が怒っている時の顔写真、泣いている時の顔写真を見せる実験をすると、女は直感でその写真の人物の感情を読み取れるが、男性には読み取れない。これもコミュニケーション能力の違いから来ている。しかし女性からすると、なんでこの人は私の気持ちが分からないのだろう、ということになる。男性も相手の感情を読み取る訓練をすべきであろうが、女性も男性に期待しすぎないことだ。眼は口ほどにものを言い、という諺があるが、男性には通じないのである。

離婚する夫婦かどうかは15分で分かる

 専門家が、夫婦に日ごろ相手に不満に思うことを語らせると、長くても15分間もあれば離婚する夫婦かおおよそ分かるという。たとえば一方のAが相手Bを非難すると、Bは反論する、それに対してAが見下した態度をとる。こうしたコミュニケーションをする夫婦は喧嘩が絶えないことになる。例えば次のような感じだ。
A:君はカードを使いすぎるよ。今月はどのくらい使ったんだ。高額な請求が来て僕が慌てて支払ったことが何回あったと思う。あんなこと二度とごめんだ(攻撃)。
B:それだけ生活が大変なのよ。あなたこそ分かっていないわ(防御)。
A:いいや、僕は基本的なことを言ってるんだよ。専門家にカウンセリングしてもらったらどうだ。そうすれば君も変わるだろう(見下し)。
 専門家はAは、相手に不満を言う際に攻撃的な言い方はしてはいけないと言う。だからAは「今月また高額な請求書が来ないか不安なんだ」といった言い方をすべきだという。

喧嘩するときは女性のほうが冷静

 喧嘩するときの男女の脈拍数を図ったとして、両方の喧嘩前の脈拍数が70だとする。喧嘩が進むと男の脈拍数はどんどん上がり100を超える。しかし女性の脈拍数は70のまま。これも古代の人類の狩猟生活から来ている。男性の場合、狩猟の際、戦闘モードになる。一度獲物と相対したら、相手を逃がさないよう、緊張を解かないでいる必要がある。男性の場合、夫婦喧嘩でもこれと同じ心理状態になる。そして話を打ち切るのは男性のほうが多い。心拍数が100を超えた状態をいつまでも維持するのは困難だからだ。喧嘩を打ち切ろうとするのは防御反応なのである。だから女性も、なぜこの人はいつも最後まで話し合おうとしないのか、と思わないことだ。これが男性の自然な防御反応だと思えば許せるのではないか。

夫婦が長続きする秘訣

 夫婦が長続きする秘訣は、夫が妻の話をよく聴くことだという。女性は私の話を聞いてほしいと思っている。男性は、それを聞いていても、混ぜっ返したり、話の腰を折ったり、話題を転換しようとしないことだという。男の精神構造からすると、無理があるかもしれないが、辛抱が必要なみたいだ。