武富士軍団 さらに増殖中

注意

 武富士は他の大手に比較して、長期借入、短期借入等少額ですが、邦銀ではなく外銀からの借入で、ここが他の大手と大きく違うところです。このため、支払猶予を受けられず、貸し剥がしにあっているようです。今後社債償還もあり、早期の回収が必要です(追補)
 武富士は最近判決が出ても、3ヵ月後に支払を延ばしてくれるように言ってきます。4月に400万円の社債償還があるため、それを乗り切るため、償還源資を確保しようと必死のようです。有力経済紙週刊ダイヤモンド武富士の今後にかなり否定的な観方をしており、回収を急いだ方がよさそうです。(10.8.18)

支配人は既に40人超、さらに増やす勢い

 武富士の最新の登記が手元にないのだが、武富士の支配人は現在40人。武富士は有人店舗の統廃合を進めているが、そこで生じた余剰人員を全て支配人に回しているという。要するに、さらに増強中ということだ。武富士の従業員数は2415名(3月11日現在)だから、さらに増員の余地は十分ある。かつてのSFCGが思い起こされる。

大量の支配人の意味するもの

 この大量の支配人の活用法だが、まずは過払金訴訟に向けると思うが、次に貸金訴訟に振り向けてくるだろう。武富士は今は残元金に利息付で支払ってくるが、訴訟になっているのに、半年後、1年後という支払時期を提示してくる。半年、1年は死んだふりをし、それを過ぎれば一転攻勢をかけてくるのではないか。そうすると、早ければ今年10月、遅くとも来年4月には、その動きが出てくるかもしれない。かつてのSFCGが、支配人登録を進め、将来利息について絶対譲らず、給料差押を進めてきたことを思い起こさせる
 将来利息の請求についても容易には引き下がらないはずだ。武富士の財務が改善すればどうなるか。財務キャッシュ・フローを見ると、09年4月1日から12月末までの3四半期間に、短期借入金は8億円増、長期借入金は1460億円減、社債200億円減だ。確かに武富士は、過払金で判決を取られても、支払の猶予を求めてくるし、猶予期限の再度延長を求めてくることも少なくない。本社ビル売却を迫られている。
 長期借入金の返済がひと段落すれば、キャッシュも回るようになる。しかし黒字倒産ということもあり得ない訳ではない。

アイフル、プロミスとの違い

 アイフルとプロミスも財務状況は厳しい。二社の共通点は、借りるお金は超低金利、貸すお金は高金利というサラ金黄金時代に、M&Aを進めた点にある。アイフルは自社で不動産ローンを拡充したほか、ライフを買収しクレジット部門、ビジネクストを通じ商工ローンに進出した。さらにワイド、トライト等の地方のサラ金も買収し従来事業の拡大も図った。プロミスは、買収した3会社を統合しぷらっとを立ち上げ、ハイリスク顧客に29.2%で貸付け、ミドルリスク顧客に自社から25%前後で貸付け、ローリスク顧客にはアットローンから貸し付けるという、金利フルライン戦略を建てた。当然そのための経費は巨額の借金で賄わざるをえない。それでも、低利で借り入れ、高利で貸し付けるビジネスモデルが健在なうちは余裕で返済もできたはずだった。ところが平成18年1月にグレイゾーン金利を否定する最高裁判決が出て、また貸金業法改正でグレイゾーン金利も廃止と決まり、潮目が完全に変わることになった。
 武富士が、この間どうしていたか、というと、既存客の掘り起こしという、いかにも武富士らしい泥臭い営業を続けていた。このため過払顧客を増産することになったが、他方それほどの借入はせずに済んだ。

武富士の次に続くもの

 プロミスは、リストラを通じて有人店舗を全廃にするというが、そこでの余剰人員も武富士同様支配人に回される可能性があるのではないか。