東芝 フォードにハイブリッド車基幹部品供給

新聞報道から

 東芝が米国内にモーター製造の新工場を建設し、フォード向けにハイブリッド車用の駆動用モーターを大量供給する。東芝は、電車・エレベーターなどの産業機械用モーターで培った技術があり、これを駆動用モーターに転用する。
 東芝は、自動車関連事業を成長分野と位置づけ、新型リチウムイオン電池をホンダ二輪車向けに供給、VWとも納入に向けた交渉を行っている。
 日立もGM向けにハイブリッド車用モーター、電池を供給する予定で、こうした動きはさらに広がりそうだ。

自動車会社のセットメーカー化

 自動車会社は、基幹部品は社内で作るのが基本で、典型的な垂直統合で生産を行っていたが、急速に水平分業体制が広がりつつある。しかし、ハイブリッド車の開発で遅れをとっているフォード、GMにとって、開発のための時間はない。となると外部から調達しようということになる。さすがにエンジンまでの調達は考えていないようだが、駆動用モーターと言えばハイブリッド車にとって基幹部品であり、ひと昔前には基幹部品を自動車会社が外注するということなど考えられなかった。
 電気自動車となると、基本的には電池とモーターさえあれば走るのであるから、自動車企業は電池メーカー、モーターメーカーに部品供給を求めることになるだろう。国際的水平分業は、さらに進んでいく可能性がある。

英が財政緊縮

英の危機的財政

 欧州で財政リスクを抱えている国として、PIIGSが一般にあげられるのが普通だが、最近はSTUPIDという言葉も言われている、スペイン(S)、トルコ(T)、ポルトガル(P)、イタリア(I)、ドバイ(D)の5カ国である。
 イギリスというと経済の優等生のイメージが強いが、そうでもない。スペインに負けず劣らず、ひどい住宅バブルを抱えている。またイギリスは金融業が国の産業の中心だったが、RBS、HSBCバークレーズと、大手銀行がともに不良資産の消却が遅れており、満身創痍だ。頼みのBPも油井事故の件で、オバマに脅されて200億ドルの補償用基金を作らされた。財政赤字のGDP比率が10.1%という体たらくである。対外的にも大幅な債務超過の状態にあり、先般の総選挙でも、財政再建が争点になっていた。

英国の財政緊縮策

 英国の財政緊縮先は次の通り。
子ども手当の3年間停止
公務員の賃上げの2年間ストップ
毎年300億ポンド(約4兆円)の歳出を削減。
付加価値税を17.5%から、20%に増額

他の欧州諸国でも財政削減

 他の欧州諸国でも公務員削減が大きな柱となっている。フランス、ポルトガルは退職者2人につき1人しか雇わないことにしている。しかしスペインは退職者10人につき1人しか雇わない。しかし労組の抵抗も激しいだろうし、どの程度削減が進むかはわからない。削減が進めば景気も落ちるだろうし、削減をしなければ欧州から援助を受けられなくなる。