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馬上行動 山田冬樹の部屋

2016-06-12

旧レイク(株式会社エル)から新レイク(元GEキャピタルコンシューマーローン)への契約切替主張で、新生フィナンシャルの過払金激減のおそれ

00:47

「新旧レイク」で検索すると私のページが出てくるんですね。

責任を感じたので、新旧レイクに対する対抗策を示します。

私の考えでは、いくら信義則を主張しても勝てません。

資産譲渡契約の解釈も含め、細部を争うことが必要です。

新旧レイク主張に対抗するには次の点がポイントになります。

1.契約上の地位の承継があった筈

 平成10年11月2日に、資産譲渡契約が発効(クロージング)したが、

 旧レイクとの契約からから新レイクとの契約に切り替わる前に、

 旧レイクの基本契約に基づき貸付がなされている。

2.債務の非承継条項〜被告の誤訳

 翻訳は被告代理人が本訴訟のために行ったもので、当時存在したものではない。

 表題を債務の非承継と訳するのは意訳

 (そもそも英米契約の場合、表題は契約の内容・解釈に影響しない)

 本文には「Lossesを引き受けない」とあるだけで、lossは損失であって債務ではない。

 ※英米法辞典の該当箇所を書証として提出

3.切替契約申込書

 顧客は基本契約書の書き換えを行っただけで、この書面には署名押印していない。

 ※基本契約書さえ切り替えさせれば、こんな申込書に署名させる必要ないですよね。

 「これにサインしたかもしれないが、内容を理解できなかった」なんてありもしないことを自白しないこと。

4.新レイクは、資産譲渡契約後20年近く旧レイクの過払金を支払ってきた。

5.免責登記

 実際に債務が承継されていれば、

 免責登記でこの効果を否定できません。

 資産譲渡契約の文提申立は不可欠です。

(2017.2.12加筆)

 新生フィナンシャルの古い取引の過払金が問題になる場合、通常論点となるのは「参考データ」を含めて過払金を計算するかどうかだった。しかし、同社は現在「旧レイクの債務を新レイクは承継していない。」という主張を一部でしている。これが新生フィナンシャルに対する過払金返還請求訴訟に巨大なインパクトを与えかねないのである。

 順を追って話そう。

 平成10年当時、レイクは創業社長浜田武雄の放漫経営で本業の金融業は黒字だったが、多大な負債を負い、メインバンクの三井信託銀行が浜田を追い出し、自行から役員を送り込み、再建策を練っていた。それに目をつけたのが米国大企業ゼネラル・エレクトリックだった。同社は子会社のGEキャピタルコンシューマーローンにレイクの事業を丸ごと引き継ぎがせ、当時日本で日の出の勢いだった消費者金融業に参入したのである。

レイクがGEに営業譲渡を行ったのが平成10年7月。レイクは営業譲渡に際し、レイクからエルに社名を改め、代わってGEがレイクに社名を変更した。その結果事業を譲渡したのがレイクなら、事業を譲り受けたのもレイクということになったのである。ややこしいので、以下、譲渡側のレイクを旧レイク、譲受側のレイクを新レイクと呼ぶことにしよう。

 営業譲渡実効日=クロージング日は同年11月2日であるが、その前の同年10月から、新レイクは旧レイクの顧客について契約の切替を進めている。新レイクは契約切替後に発生した過払金についてしか返還義務を負っていないと主張している。この主張が通ると、平成元年に始まった取引の場合、500万円の過払金が2,300万円くらいに激減してしまうのである。

 新生フィナンシャルの主張の骨子は次のとおりである。

  • 新レイクは旧レイクの一部の資産を購入しただけで、営業を譲り受けることはしていない。新レイクは旧レイクの債権すら譲渡を受けておらず、まして過払金債務を承継していない。
  • 新レイクは、旧レイクの顧客への貸付、顧客からの弁済の受領を旧レイクの代理人として行っていただけである。
  • 新レイクは旧レイクの顧客について、新レイクとの契約に切り替えを促すことで、旧レイクの顧客は新レイクの顧客になっていった。
  • 新レイクは旧レイク顧客から契約切り替えをするときに「契約切替申込書」に署名押印をさせているが、ここには旧レイクが新レイクに「営業用資産の譲渡にともない、私の株式会社エルからの借入を株式会社レイクからの借入に切り替えることに同意します。」との書面に署名してもらっている。
  • 新レイクは旧レイクから資産譲渡を受けるについて免責登記も受けている。

 新生フィナンシャルは、この訴訟では「資産譲渡契約書」の英文と和訳をセットで出してくるが、全文ではなく、1.1条、2.1条、11.3条だけが抜粋してある。和訳をみると、譲渡対象には貸付債権は含まれず、引受対象債務には過払金債務は含まれないとある。11.3条の表題が「債務の非承継」とあり、その本文には「新会社はその関連会社は、以下のいかなる債務も引き受けない。」とあり、「(b)レイクが法律、条令、規則、行政指導(利息制限法の定める制限額を超える金額ついて…利息の支払いを有効に受けるための貸金業法上の要件を含む)を順守しなかったことから新会社…に生ずる過失」とあるのだ。

 そのため、こうした証拠を見て、裁判官も「これだけ証拠があるなら、債務承継がないとしか言いようがない。」と判断してしまうのである。

 この訴訟を担当しているのがオメルベニー・アンド・マイヤー法律事務所。この法律事務所の本部はニューヨークにあるが、金融関係では全米きってのトップクラスの事務所である。馬鹿高い報酬をとるが、それに見合うサービスを提供してきた。消費者金融は最高裁で争われるようなケースでは、大金を払ってこの事務所の日本事務所に依頼することが多く、実際画期的な判決も生み出してきた。この事務所がついに動き出したのである。

 現在新生フィナンシャルが目指しているのは、かつてニューヨークメロン銀行(アエルの債権の信託譲渡を受けた)が使った訴訟戦略をなぞっている(この弁護を担当したのはアンダーソン毛利である)。同銀行はアンダーソン毛利を使って、多数の訴訟を起こし、負けそうになると和解をし、勝てそうな案件は徹底的に勝訴判決を取りに行くという物量戦術で大量の勝訴判決を取得。訴訟ではその大量の勝訴判決を証拠に出し、相手方を圧倒し、ついに勝訴判例の大勢を作り上げてしまった。新生フィナンシャルもこの物量戦術を見習って、仕掛けているのである。

 ただ、この訴訟にも勝機はあると思っている。一つは資産譲渡契約書の翻訳の正確性を争うこと、もう一つは原告が契約切替申込書に署名をしていないのではないことの主張である。

この問題で相談したい方は法律事務所ホームワンにお問い合わせください。「レイクのことでブログを見た」と言っていただければ結構です。

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