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◎本日の内容は極めて強い妄想性を含んでいます。
妄想に免疫のない方は、
お読みにならないことをお勧めいたします。
- 作者: 奥浩哉
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/08/19
- メディア: コミック
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ガンツについて
みなさんは週間ヤングジャンプに好評連載中の「GANTS ガンツ」という漫画をご存知だろうか。独特な世界観における奇妙なストーリーを魅力的なキャラクターたちが駆け抜ける様を美しいタッチで見事に描く秀作である。私は以前からこの作品のファンで、ずっと連載を追いかけ読みつづけている。
この作者の作画の特徴として、女性キャラクターを極めて美しく魅力的に(それは顔立ちという意味でも、肉体的描写という意味合いにおいても)描くというものがあり、掲載雑誌の読者層を考えればそのことも人気に大きく影響はしているのだろう。
しかし私はそのような部分に特に関心を持つわけでもなく(週間漫画雑誌の女性キャラクターの作画に強く惹かれる27歳の男性がどれほどいるというのだろうか)、純粋にその作品世界やストーリーの展開、キャラクターの人間性、それらから提示されるさまざまなメタファーに心を惹かれた。
私とその作品との関係性に変化が生じたのは、作品が単行本でいうと9巻か10巻に差し掛かったあたりだ。その変化は、登場する一人の女性キャラクーに起因する。非常に奇妙な話だが、私はその女性キャラクターにとても強く心を惹かれた。恋に落ちたのかもしれない。漫画作品のキャラクターにそこまで強く心を惹かれるのは、およそ小学生以来のことだと思う。
小島多恵について
そのキャラクターは、作品の中では「あまり器量が良いわけでもなく、ぱっとしない、(高校の)クラスの中では低い立場にいる女生徒」として描かれている。そして主人公の男子生徒は、思いがけないきっかけ(ほとんど悪ふざけのようなもの)から、その女性徒と関係を持つようになる。
前述のとおりこの作品の作者は女性の描写の技術がとても優れていて、ほとんどの女性キャラクターは有り得ないくらい美しく描かれている。そして比較の問題もあるのだろうが、小島多恵の「あまりかわくないさま」もとても上手く描けていると思う。
当然、主人公の男子生徒も小島多恵に対してはじめ抵抗を感じる。しかし様々な奇妙な偶然が重なり(もともと奇妙なストーリーの漫画なのだが)次第に小島多恵に心を開いていくようになる。
その変遷の様が私には非常にリアルに感じられ、深く共感するものがあった。それと連動するように、読者である私自身も強く小島多恵に惹かれるようになった。
そこにはおそらく、私が女性に求める理想のようなものが凝集されているのかもしれない。あるいは少年マンガのヒロインであるわけだから、それはおそらく多くの男性が女性に理想として求めるものの集約なのであろう。
そこで私は小島多恵が登場する巻を購入し、手近な友人などに読んでみるよう薦めてみた。ところがほとんどの友人は小島多恵に興味を示さなかった。私にはそれが理解できない。
何はともあれ、いかに理想の集約であろうと小島多恵はマンガのキャラクターであり実在はしないわけで、実際に恋愛の対象にしたり交際することはできない。どこかに小島多恵のような女性はいないものか・・・・