モナミは時間を終わらせる? Time waits for no one!なのだよ (カドカワ銀のさじシリーズ)
- 作者: はやみねかおる,カスヤナガト
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2014/12/02
- メディア: 単行本
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SFとしては、シリーズの中でこれがいちばんおもしろかったです。モナミがふたりいるのを解消しようとタイムリープをするたびに、さらに事態がしっちゃかめっちゃかになっていくさまが、とても愉快です。地球の終末レベルの危機が起きてはいますが、主人公のモナミの最大の関心事は学食の限定隠しメニューを食らうことですから、モナミ周辺はあまりシリアスにならず、混乱が拡大していくさまを気軽に眺めることができます。
そのかわり、転校生キャラがシリアスパートを担っています。ここの仕掛けはかなりエグいです。思い浮かんだ類作はろくでもない作品ばかりでした。
最終的な解決では、アレを都合よく使いすぎている感じはしますが、オチがモナミらしいので笑って本を閉じることができます。
ところで、銀のさじレーベルではずいぶん長いあいだ本が出ておらず、一部ではレーベルは終了したのではないかという噂も流れていました。杞憂だといいのですが、モナミは銀のさじも終わらせることにならないか、心配です(作中で「金の匙」なるアイテムが出てモナミにアレされたのがとても不吉に思えます)。