冬期講習終了





・やっと冬期講習が終わる。結構真剣になって化学を勉強したかいもあって、すっかり判らなくなっていた子が少し判り始めてきた。ところで冬期講習が終わり。




・年明け早々ama2k46がアラザル八号の私の論を読んだらしく、「かなり残念」と云う評価を貰った。

評判がよいので、『アラザル:vol.8』に掲載されている山本浩生「《村上隆》=《ニッポン現代美術》と、「日本現代美術」」を読むが、かなり残念。面白く鋭い部分はある(日本の現代の美術は「公募展」系と「反芸術」系の、没交渉のふたつに分かれてしまっており、後者は前者のそれを「現代美術」とは見做していない、等)のだが、それを上回って、ウォーホルやデュシャンの評価を含めた議論の展開や、しばしば主張の典拠が明示されないことなどの杜撰さに、たびたび首を傾げる。村上隆は日本の現代美術の成り立ちそのものを変革してしまったので、それを掴み取るために、こちらも大づかみの議論をするのだという宣言はあるのだが、大づかみをするときほど細心の注意が必要なのではないか? 

http://d.hatena.ne.jp/ama2k46/20130106/p1


序章と云うこともあって、また大まかなエスキースと云う側面も多々あり、典拠がはっきりしない文が多いと云った指摘は、これから詳述していこうと思っている。また、括弧が多すぎる等、文章が洗練されていない部分が多いのは、これは時間がなく性急に書き下ろしたと云うのもあり、批判を甘受しなければならないことも多いだろう。
ただ、デュシャン・ケージ・ウォーホル等の位置づけに対して(私は村上隆はナショナルな側面を根にし過ぎているのに対し、彼らは其処に根を置いていない、と云うことが或る意味普遍的な拡がりを持っているのではないかと云うような主張をした)、かなり異論があると云うことなので、これは今後議論するに値する問題であると思う。

いずれにしても厳しき良き読者に評されることは有難いことであり、また、まだまだ全然頑張り足りないのだと云うことを思い知らされ、身が引き締まる思いである。当然ながら委縮せず、攻めの気持ちを忘れずに、九号以降も全力で書きたいと思っている。