俗・ひらがなのあまがみ

ファミ通コミッククリアにて連載中の「あまがみっ!SS+ plus」。
今回は第2話の感想を述べる。


今回は少々苦言(主に3つ)を呈する。


あらすじのよーなもの
夏。純一が梨穂子にご飯を作ってあげることになり…?


「あまがみっ!SS+ plus」はタイトルが示す通り、
アマガミSS+ plus」のパロディ成分が多い。
それはアニメ・ゲームなどいたるところからネタを拾っていた、
前作の「あまがみっ!」に比べ、アニメからのネタがかなりの比重を占めている。
…となると、一つの問題が生じる。
「『アマガミSS+ plus』を視聴していないと、面白さが半減してしまう」こと。
第1話を拝読したときにも感じたことなのだが、
基本、話の流れはアニメのモノを元にして、ネタやギャグを挟めて展開している。
もしアニメを視聴しているならば、「ここでこうきたか!」と笑えるはずだが、
視聴していないならばその面白味はないだろう。
今回、SS+の桜井梨穂子編を視聴していなかった私からすれば、
そのあたりの面白味はなく、可笑しさが半減していたような気がする。


また、前述したように、前作の「あまがみっ!」は
ゲーム・アニメに関わらず、いろんなところからネタを拝借していた。
(場合によっては某掲示板から…など)
話の流れも、キャラクターも、一切原作無視のフリーダム。
その“自由さ”というのは「あまがみっ!」の良さだったと認識している。
ところが「SS+ plus」と名前を冠し、
アニメ「アマガミSS+ plus」のパロディというカタにハマってしまっている。
話の流れもSS+であるし、ネタの拝借もアニメがほとんど…。
ネタやギャグなどのテンションはいつもと変わらないが、
話の流れには“自由さ”がなくなってしまっているように思われる。
以前のような“自由さ”が、「SS+」のパロディというカタにハマることで
これから先、失われていくのではないかと懸念している。
もちろん「こうでなくはいけない」というのもカタにハマった考えなのだろうが…。


もう一つ。これは個人的な感情、好みの問題。
「あまがみっ!」に「恋愛感情は不要」だと思うのです。
恋愛SLGの漫画なのに、主人公とヒロインが全然恋愛展開に陥らず、
何かあっても主人公を貶める展開になる…まさに恋愛とは言い難いギャグ漫画。
これが私の「あまがみっ!」の認識であった。
(前作のラストで黒沢と付き合うオチになったのはあくまで「ギャグ」だと思ってる)
今回、ギャグ展開ではあったものの、少々恋愛感情が見える描写があった。
またもや、カタにハマった見方かもしれないけれど、
ギャグ漫画ならギャグ漫画らしく、そして今までのスタンスと変わらず
「橘純一」を笑いものにし、貶めることを徹底してほしいと思ってしまった。
今までの「あまがみっ!」において徹底されていた描写。
それこそ、橘純一を人間と思っていないような描写。
時折、嫌悪感さえ抱いてしまうような描写。
それが少し今回の話では薄れているようにも感じられたため、少し疑問に思った。
もし仮に恋愛描写が「あまがみっ!」に絡むならば…それは無意味なものに感じられる。
というのも、今まで「アマガミ」の恋愛描写は
コミカルにも、シリアスにも、いろんな漫画で描かれた。
ここで「あまがみっ!」が恋愛描写を描いたところで、陳腐なものになるだろう。
「あまがみっ!」には他の漫画にはない、徹底したギャグ漫画路線を突っ走って欲しい。
そうでなければ「あまがみっ!」の意味がないとすら私は思っている。


今回の話を端的に振り返るならば、
やはり元ネタとなるSS+の桜井梨穂子編を視聴していないことが響いたのか、
それほど面白味は感じられなかった。
原因としては上記のモノが考えられるだろう。
次回以降、どうなるのか楽しみに待つ。


第1話
第3話