The General's Daughter/Nelson Demille
- 作者: Nelson DeMille
- 出版社/メーカー: Grand Central Publishing
- 発売日: 1993/11/01
- メディア: マスマーケット
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易しさ★★★
陸軍基地で女性士官が異常な殺され方で死んだ。しかも彼女は基地司令官の娘であった。事件を捜査していくうちに、主人公が明らかにしていったものとは…。
軍隊の中の捜査官という設定が十分にストーリーに生かされています。軍という厳格な秩序社会の中で階級も手順も無視して行動している(ように見える)主人公は痛快ですし、実際は階級や手順の遵守を計算に入れてきちんと振舞っている描写も冴えてます。
もちろん、煮ても焼いても食えないキャラと人を食った言動でふてぶてしくうろつく女たらし中年もしっかり健在です。この人物設定ですでに満点でもいいくらい。
ときどき暴走するこの男に振り回されながら読者視点を引き受ける女性パートナーの存在は『The Charm School』にも似ていますが、こっちは昔付き合っていた仲でもあるせいか乾いた皮肉が絶妙です。やっぱこの辺の良さは映画だと消えちゃうから…。
誰がどんなウソをついているのかが一つずつ暴かれていくなかで真実がうっすらと見えてきます。主要なパートでもある関係者への地道な聞き込みがちっとも退屈ではないので決して長くは感じませんでした。
捜査の結末はややあっけないものでしたが、ラストシーンは好きな終わり方です。
もっとも、せっかくの続編が続編じゃないんですけどね!