The Poet/Michael Connelly

The Poet

The Poet

面白さ★★★★★
易しさ★★★★

同じ単発ものの『Blood Work』もFBIですが、向こうは「元」FBIでただの一般人なのに対してこちらはバリバリの現役が登場。敵の犯行が全米規模なので捜査もあちこち旅して忙しいのです。それでもやっぱりひねってきて、主人公は新聞記者の設定、兄の死をきっかけに捜査に同行することに。

まあ読んだら、ちょっと捜査に穴があったりいやな目にあったりするんですけど、最後はもうどんでん返し入れてくれます。少し入れすぎです。
主人公サイドの家族の話は重々しくてさすがという感じで読んだのですが、悪役のほうがとっかかりのないただの悪役といった風でここだけ残念。読み終わってからどんでん返しにやられたーと思いながらもそれ以上ではなかったのは、たぶんこの主人公と悪役に対比とか共通する苦悩とかそういったものがなかったからだと思います。
いや、他のコナリー作品読んじゃうと要求水準が上がってしまうからなので面白いのは間違いなしです。


ボッシュシリーズにも本作の主人公が出てきますので、あっち視点から見ると『A Darkness More Than Night』を読む前までにこれと『Blood Work』を読んでおけば大丈夫。ただボッシュシリーズでの扱われ方が、より一層女々しい男な感じですが。