「ボーン・アルティメイタム」「ヘアスプレー」

たまには新しい映画を…と思い近所のゲオから借りてきました。

・「ボーン・アルティメイタム

ボーン・アルティメイタム [DVD]

ボーン・アルティメイタム [DVD]

手ブレ映像すぎて落ちつかねーよ!!と序盤は切れそうでしたが、後半は慣れました。ちゃんとかっこよさを堪能。「ユナイテッド93」「ボーン・スプレマシー」と見た中で一番手ブレのフラストレーションが少なかった。監督、実は進歩してますね?いや、私が慣れただけ? 全編に緊張感が漲り、「エンディングの歌が本編のハードさに比べ異様に軟派」なこと以外はとても楽しめる出来でした。
ちなみにDVDの監督コメンタリーもちょっと聴いてみましたが、「『グッドナイト&グッドラック』のデヴィッド・ストラザーンは最高だよね!」とか「『フレンチ・コネクション』大好きなんすよ〜」とか、嗜好が非常にお友達になれそうオーラ出てて嬉しくなりました。
ラスト、撃たれて水に落ちるボーンを見て「まさかこれで記憶喪失になって振り出しに戻るんじゃなかろうな」と心配したのはきっと私だけではないはず。

・「ヘアスプレー」

良いです!非常に良いです!可愛い!!
トラヴォルタ凄い!おばさんにしか見えない!
ウォーケン様凄い!お茶目!燕尾服似合う!変な扮装も似合う!!
ミシェル・ファイファー凄い!ミスコンシーンの若作りも意外にイケてる!!魔女!
…とコーフンしてしまうくらいゴキゲンな出来栄えでした。
60年代黒人音楽の魅力の再現という点では「ドリームガールズ」の数倍上(「ドリームガールズ」は…声張り上げてるだけで正直ただの最近のR&Bじゃん、ていう期待はずれだったからなあ)。
最近妙な方向に目覚めてきたジェームズ・マースデンのやたらに嬉しそうなダンスシーンもよかった。スタイルが良くてスーツが似合い、立ち姿がキレイです。あと、主人公の親友の彼氏役の黒人おにいさん(イライジャ・ケリー。役名「シーウィード=海藻」って…)の跳躍力はすごすぎ。+洋品店のピンキーさんがベン・スティラーの父ちゃんだったとは!
おまけ。007でブロフェルドが抱いてた白猫のさらにちんくしゃ版みたいな猫がラブリーすぎるので、1シーンのみの登場とはいえ猫好きは必見!

「用心棒」「椿三十郎」

NHK-BS2で黒澤作品一挙放送という涙がちょちょぎれるほど嬉しい企画をやってくれているので、ホクホク顔で堪能しております。
前回と今回は全黒澤作品中でも娯楽性においてトップクラスのこのシリーズ。

・「用心棒」

用心棒 [DVD]

用心棒 [DVD]

痺れるほどかっこいいド傑作。
偶に「椿三十郎の方がエンターテインメントしてて面白い」という評を見かけますが、騙し合いの頭脳戦、シーソーゲーム的面白さはこちらが上。本当に話がどう転がるかわからない!殺伐としたハードボイルドな雰囲気、立ち回りの凄み、主人公のクールさ、全てが最高。佐藤勝の音楽も「椿〜」がほんわかしたアレンジになっている分オリジナルの豪快でギラギラした格好良さが際立ちます。
脚本も圧倒的な出来ばえで、各キャラの立ち方、名台詞の数々はもとより伏線の張り方と回収の手際は鮮やかの一言。特に、単なる味わい系個性派キャラと思えた棺桶屋&亥之吉(加東大介のまゆ毛が…(T-T))が見事にラストの展開に絡んでくる構成は恐れ入りました。
三船敏郎もフェロモンでまくり、「この男は最強だ!」という有無を言わさぬオーラがむんむんです。ラストの十人斬りも圧巻ですが、特筆すべきは最初の殺陣、ちんぴら三人(弥七こと中谷一郎のヘアースタイルが…(T-T))をなで斬りにするシーン!身のこなしが正に神業。斬り終わってから刀を鞘に納めて立ち去るまでの一連の動作が、カット割りの妙と相まって鳥肌が立つほど素晴らしい。これは惚れるしかないでしょう。

・「椿三十郎

椿三十郎 [DVD]

椿三十郎 [DVD]

こちらも文句のつけようがない傑作。
ゴージャス感、全編を通しての愉しさは他の追随を許さない。「用心棒」は(小技を効かせつつも)"溜めて、爆発させる"カタルシスの醍醐味が身上なのに対し、こちら「椿〜」は息もつかせぬ見所の連打が特徴。見終わった後は異様にテンションが上がりまくり、夜なかなか寝付けませんでした(笑)。
個人的に大ヒットだったのは偉いおっさん三人衆(藤原釜足志村喬伊藤雄之助)ですね。いつものことですが。特に雄之助なんてね、クセモノだの狸だのと周囲の台詞で散々期待を煽っておいて満を持しての登場があのぬぼーとした馬面ですよ。「乗った人より馬は丸顔」とか、美味しすぎてもはや反則ですよ。そのくせ事態を穏便に収束させようと考えていた所とか好感度高すぎます。
用心棒から似たような役柄での続投となった喬&釜足は、なんとなく可哀想(喬のおっちゃんは「生きる」と「七人の侍」でかっこよすぎた反動かこのシリーズでは割と悲惨な感じの役回りです)。実際に悪事を働いているところが描かれていないのに、うろたえる所と成敗されるところだけ見せられるから不憫なんですかね。「用心棒」での二人の末路は結構陰惨な感じでしたが、今作の捕まってちびまるこちゃんのキャラよろしく顔に縦線入ったブルーっぷりは見もの。実に可愛い!
中でも全般にキュートさ最強だったのは釜足さん。しょっちゅうウロウロしてるところなんて「あんたは妻の初産を分娩室の外で待つ夫か!」と突っ込みを入れたくなるラブリーさです。あと、「寺に二階屋は無い!」と気づいた時の顔と「ひょわっ!」という謎の掛け声がイイです。マンガっぽすぎず真面目すぎずで絶妙の表現。まさに匠の技。こういういい味出せる俳優さんて昨今居ないのよね〜。

「荒野の一ドル銀貨」「生きる」

・「荒野の1ドル銀貨」
どっからどう見てもアメリカじゃねえだろうそこはと力の限りツッコミを入れたくなるマカロニ・ウエスタンの秀作。ごつごつした荒野とか全然無くてなんか空気が湿気っぽく、どっちかといえば「草原の1ドル銀貨」でした。それはともかくジュリアーノ・ジェンマがかっこいい。マカロニなので適当なつくりかと思いきや、意外にしっかりと工夫が凝らしてある脚本で楽しめます。個人的にジェンマ主演ものの中では「怒りの荒野」と双璧の面白さ。ただし、一部カメラさんが明らかに手前の俳優さんより背景の子ブタに気をとられているシーンがあるのはご愛嬌。

荒野の1ドル銀貨 スペシャル・エディション [DVD]

荒野の1ドル銀貨 スペシャル・エディション [DVD]

・「生きる」
伊藤雄之助宮口精二というマイヒーロー二人を堪能するために借りてきました。
雄之助いいねー雄之助。「プーサン」のヘタレ軟弱男も可愛さ満点でしたが、やはりこういう胡散臭ーい役をやらせると絶品ですな。この役柄、以前見たときは自らメフィストフェレスを以って任じる所が印象に残っていた所為かもっと悪辣な感じだと思ってたんですが、改めてみてみると意外といい人。志村喬演じる主人公に(一応善意から)人生の楽しみを教えてあげようとするんですな。実はこの映画前半の見所、伊藤雄之助の”歓楽街を遊び呆けて悪の道に引き込む「陽の負パワー」”対”志村喬のひたすら陰陰滅滅とした「陰の負パワー」”という、どっちに転んでもネガティブ極まりない凄い対決だったりします。結果は雄之助の度重なる堕落への誘惑攻撃にもめげず、チークタイムに落涙しながらゴンドラの唄を唄って周りをドン引きさせた志村喬の勝利。ちなみにこの時の雄之助の口半開きで「えー ('A`)」全開な表情がたまりません。
一方宮口精二総出演時間ものの1分、しかも台詞無しという扱いですが、強烈な存在感で引き込まれます。無言のあの眼差しがかっこいいんだー、これが。
ちなみに初見時は存在に気づいていなかった中村伸郎が最高でした。骨の髄まで嫌なおっさんであります(笑)。

生きる [DVD]

生きる [DVD]

先日腕時計を新調しました。
http://w-wired.com/f/detail/agdk067.html
[rakuten:asr:1027331:detail]
べ、べつにもえちゃんにつられて買ったわけじゃないからねっっ!


今まではデジタルとアナログが同居してるゴツめのやつだったのですが、そろそろ乙女モードに入らんとあかんやろうと思い立ち購入(←遅)。
おふぃすれでぃっぽさもアップです。何気に誕生日でもあったので自分へのプレゼントとして買いました。
くそう、今年こそプレゼントを買ってくれるナイスガイをみつけてやる…!


デジタル時計時代は時刻が秒単位でわかるため「電車が来るまでコンビニで立ち読み♪」とか言ってギリギリ狙いライフを満喫(時に玉砕)してましたが、新しい時計は細かい時刻がわかりづらいので自然と余裕を持った行動をとるようになりました(笑)。社会人として非常に正しいです( ̄ー ̄)b

またも訃報

リチャード・ウィドマークが亡くなったそうです…。
また好きな俳優が一人(´Д⊂)
ついこないだ「暗黒の恐怖」を見て惚れ直したばかりでした。

こちら、個人的に大変カコイイと思うウィドマークの写真。でかいから重いけど御覧下さい。
http://www.doctormacro.info/Images/Widmark,%20Richard/Annex/Annex%20-%20Widmark,%20Richard_05.jpg