勝間と自己啓発と心理学

勝間和代がいよいよバッシングされ始めた。
さすがに『結局、女はキレイが勝ち』という本を巨大な写真つきで
出したら、反発を買う。
だって、テレビに出ている姿を見たらルックスは普通以下だし。
カツマー以外の一般の人は反発を抱いて当然でしょう。
無意味に反発を買うようなことをする理由が分からない。
こんな本を出すことのデメリットのほうが多く、
効率性を今まで主張してきた人とは思えない非効率的な本である。
本を読んだこともない人も反発を抱いてそういうイメージを持ってしまう。このままでは結構まともだった他の本ももしかしたら、くだらなかったのではないかと世間は思う。
新しく出した本もどんなに内容が良くてもアンチによってけちょんけちょんにレビューされてしまうのではないか。
今まで効率性とかお金をもうけようとかでやってきたわけだけど、
この本はそんなの関係なくて、ただただ自己顕示欲の肥大を見せているだけ。ネイルサロンにたまに行くだけで美容などを語ってほしくない。
美容の本は藤原紀香とか吉田栄作の奥さんみたいな人だけが書くことができる。論より証拠である。
この本に勝算があったのだろうか。
あきらかに計算違い。
こんなコンサルタントに問題解決を任せるバカいねえよ。
とまで思ってしまう。
とはいえである。
最近は勝間の存在がうざいあまりに勝間の思想的なバックボーンである自己啓発まで否定されかねない状況にある。
ちょっと待った。
勝間がうざいからといって自己啓発まで否定しないでほしい。
自己啓発に罪はないのだから。
ただ、自己顕示欲の肥大とともに勝間が暴走しただけなのである。
そもそも、なぜ香山リカ斎藤環勝間和代を批判しているのか。
それは心理学VS自己啓発の代理戦争だからである。
心理学と自己啓発は真反対の思想を持っているので、香山リカと勝間は対立せざるを得ないのである。
ざっくりと言って心理学というのは親の育て方が子供の性格に影響を与えると主張している。
今の自分になったのは親のせいだというのが心理学の考え方である。
逆に、自己啓発では起こることはすべて自分のせいである。自分が変われば親も周囲も変わっていくという考え方である。
ということで、全然スタンスが違うのだ。
個人的なことを言えば、私はロストジェネレーションでなかなかちゃんとした仕事にありつけず、うつ病になってしまって、精神科に通院したことがある。
ところが、精神科医は私にSSRIを処方するだけだった。
とにかく眠くなる薬のせいで仕事に遅刻ばかりする私は
仕事がいやだ→うつ病→薬を飲む→眠い→遅刻→怒られる
→仕事がいやだ→うつ病
という無限ループに陥り、軽いうつ病だったのが本物のうつ病になってしまって自殺したいとばかり考えるようになった。
その私を救ってくれたのが自己啓発本とかスピリチュアルの本であった。
掃除をすれば心が晴れるよ。
本当だ。
過去なんて関係ないよ。未来の自分を思い浮かべてから今、ありたい自分を考えるんだよ。
過去に囚われなくなった。
いきなり、成功しようなんてダメだ。本当に小さい一歩でいいから踏み出してごらん。
こんな小さな一歩でいいのかな。よーし踏み出してみるぞ。
人を嫌っちゃダメだよ。人を嫌うことで自分のエネルギーをなくすことになるんだ。
そっか。できるだけ嫌わないようにするよ。
そんな風に自己啓発本と対話することで、なんとか人並に生きることができるようになった。
だから、自己啓発本には恩義があるし、本当に自己啓発本のおかげで救われることができたんだ。
自己啓発本は捨てたものじゃないと思う。
勝間本も捨てたもんじゃなかった。
勉強をして新しい知識を身につけて不況の中を生き延びるというのは
正しかったと思う。
これだけ不況が深刻化してしまうと香山リカのように本当の生き方とはとかそんな悠長なことを言ってられる時代じゃないと思う。
ただ、勝間の言うフォトリーディングにお金を掛けたりとかいう勉強法は本当に有効だとは思えない。
普通にパソコン教室に通って資格を取ったほうがいいと思う。
とはいえ、勝間の自転車に乗って通勤しているところとかガジェットにこだわるところは感心した。
勉強のためにここまでやるのか思ったし、求道者のようなその姿勢は素晴らしいと思った。
ところが、外見は美しくない人は仕事もできないとかそんなことを言い始めて、出す本も他のビジネス書を写しただけみたいなのになってきて、なんかダメになってしまった。
経営学の巨人、ドラッカーによると事業というのは強みを生かすことが大事だという。
明らかに勝間は外見という自分の弱みで勝負しようとしていると思う。
じゃなくて、勉強という強みがあるのだから、勝間は勉強だけしてろ。
他の人も勝間がムカつくからと言って全面的に否定するのではなくて、
功罪を考えろ。

勝間さん、努力で幸せになれますか

勝間さん、努力で幸せになれますか