THIN LIZZY: VAGABONDS OF THE WESTERN WORLD

12月22日に出るTHIN LIZZYの『Decca』期の3枚のアルバム『THIN LIZZY』『SHADES OF A BLUE ORPHANAGE』『VAGABONDS OF THE WESTERN WORLD』日本盤CDで歌詞監修と対訳をやっています。
『VAGABONDS OF THE WESTERN WORLD』は公式歌詞カードがあるから良いのですが、ボーナス・トラックには歌詞がないし、初期2作は歌詞カードがありません。よってネットにある歌詞からパクったり詩集『SONGS FOR WHILE I'M AWAY』を参考にして、さらに自分で聞き取って、フィル・ライノットが意図していたものに近づけるように努力しました。
その中で最も頭を悩ませたのが「Sitamoia」歌詞でした。「シタモアイア・シタモアイア・シタモアイア・ギリガナリガ♪」の「ギリガナリガ」の部分はTHIN LIZZYファンの間で諸説乱れていて、ネット上の歌詞サイトとかだと「Gidda gadda aga」とかテキトウな聞き取りがされているのですが、今回の日本盤では「Cine gan airgead-a」説をとっています。ケルト語でCineはrace・tribe、ganはwithout、airgeadはmoney・silverの意味。最後にオマケで-aを付けて、「富を持たざる部族」としています。発音は「キネガナギダ」でしょうか。
その他、「The Rocker」のI get my records at the Rock On stallのRock Onがロンドンのカムデンにあったレコード屋だとか、そういう事実を踏まえて訳しています。
正直日本盤CDの歌詞対訳の中にはどっかの変な自称バイリンガルがやった、本当に酷いものがあるのは知っていますが、この3枚ではそれなりにきちんとしたものが出来たのではないかと思います。
ただしCDブックレットの英文ライナーノーツの訳は僕ではないので、どうなっているのか知りません。