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2014-06-08 PonaXの出来がひどすぎてamazonのレビューが大荒れの件

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昨年の電王トーナメントで優勝したPonanzaがPonaXとして商品化された。定価13,824円と比較的高めの設定だったが、「高すぎやろw」という棚瀬さん(東大将棋の作者)のツッコミに対して「それだけの価値はありますよ」と自信満々の山本君(Ponanza作者)。


f:id:yaneurao:20140608034533p:image

https://twitter.com/issei_y/status/453474099461758977


ところが、発売後、PonaXがあまりにも出来がひどいのでアマゾンでのレビュー将棋ソフトとしてかつてないほど荒れ放題となっている。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JH47X2S/aaaaab0c-22/ref=nosim

※ PonaXがどうひどいのかについて、ここには書かない。具体的な内容はアマゾンのレビューを見ていただきたい。


ここでは長文になるのを避けて

・何故、作者が直接批判されるのか

・PonaXがどれくらい強いのか

の2つに絞って書く。


■ 何故、作者が直接批判されるのか


まず、PonaXが将棋ソフトとして機能面で不足している感は否めないが、バグまわりに関しては、修正パッチでなおるレベルだと私は思う。修正パッチリリースされる前から大騒ぎするほどのことではないと私は思う。


あと、思考エンジン部以外は山本君が書いているわけではないのに、バグなどについてエンジンの作者(山本君)にtwitterで問い合わせるのはどうなのかという気はする。


こうなってしまった経緯を考えるに、販促用のPV山本君が自ら「神の一手を体感せよ!」とか言っていたが、こういう販促のために作者(思考エンジン開発者)が前に出て宣伝をするような宣伝の仕方をするから、何かあったときに、それが作者由来の問題ではなくとも、すべて作者のほうにtwitterなどでクレームが来るなど、矢面に立たされるのではないかという気がする。


D


山本君は思考エンジン提供しただけで、また思考エンジン側に不都合はないことは明らかなのに、このような批判のされかたは全くもって理不尽だと私は思う。


マスターアップ前に商品クオリティを思考エンジンの作者としてチェックすべきだったなどという意見もあるが、この手の製作物ではスケジュール上、そういう機会が作者に与えられるとは限らないわけである。また、山本君は製品クオリティコントロールをする立場ではないし(そのへんはディレクター/プロデューサーとかの仕事)、例えば、機能面で不足していることがわかっていたとしても、それをディレクターに進言できる立場でもなかったんだろうなぁと思う。


あと、電王トーナメント/電王戦以降、将棋ソフト開発者プロ棋士と同系列に扱われることが多くなったが、将棋ソフト開発者なんてただのプログラマであって、本来テレビメディア露出することのほうがおかしいわけであるしかソフト名だけを出して、将棋ソフト開発者のほうにスポットライトを当てないのでは興業的に成り立たないためか、変に脚光を浴びるようになり、今回のPonaXの一件のように作者としてそれ相応のリスク(何かあったとき反動のきつさ)を背負うようになった。


芸能人タレント業ならいざしらず、一介のプログラマがこのようなリスクを背負うのは何か状況的におかしいのではないかと思うのだが、いまさら嘆いたところでどうにもならない。


■ PonaXがどれくらい強いのか


PonaXをインストール後、将棋からエンジン設定をすれば、将棋所で使えるらしい。


PonaX 非公式マニュアル

http://www.ne.jp/asahi/to/yuuhi/ponax_00.html


じゃあ、もう、PonaXの将棋所以下の糞みたいなGUIは要らないじゃんということで、「PonaX、最高です!値段は高いですが、それだけの価値はありますね!!」といきなりPonaX信者に豹変するのが私である


知らない人のために言っておくが、PonaXは2013年電王トーナメントPonanzaと同等である。つまり駒落ちは確かにひどく、2枚落ちだとPonaXが穴熊に囲いやすく、これではアマ10級ぐらいでも勝ててしまうだろう。(ニコ生で今年の3月芸人小籔千豊さん(アマ1級)が、Ponanzaに2枚落ちで勝っている。) この意味においては、10年以上前に発売された東大将棋であれ、これよりはマシだという意味はある。


私は駒落ちなんかどうでもいいので話を先に進める。


まず、思考エンジンであるが、32bitモードで動作している。64bitモードではないので、おそらく64bit版にコンパイルされたPonanzaと比べると10%ぐらい遅いと思う。おまけにx86用しかなく、SSEも使ってないのではないかと思う。普通は、64bit版のバイナリやSSE2/4が使える環境用なども用意して、64bit環境ならば64bit版が起動するようにするのだが、「そんな小細工しなくともPonanzaは最強!」みたいなことなのか64bit版などは用意されていない。まあ、実際最強なんだからいいじゃん。


次に、置換表(ハッシュ)設定は、小さめ(512MBぐらい)にすること。32bitモードからまり大きくすると確保に失敗する。確保に失敗していても停止するわけではない。このとき、そこはかとなく弱くなっているのだが、それでもBonanzaよりは強いようだ。置換表が確保できていない(?)のにBonanzaより強いというのが驚異的で、ちょっとしたミラクルであるのだが。(もしかしてFPGAでコンピュータ将棋、評価関数さえ軽量化すればBonanza以上の強さのものが作れるんじゃまいか…。)


それからHT(HyperThreading)、これは有効にしておいたほうが良い。有効にしているとタスクマネージャーで見るとCPU負荷率は50%になるが、この状態で正常。すべてのコアはきちんと動いているし、将棋所上のレスポンスも良くなるので(HTの余っているスレッドGUIを受け持つので)、お勧め


電王トーナメントときにやねうら王が秒読み時に9秒のところで指し手を送っているのにタイムアウトになっていて、これ何とかしないと…みたいな話を当時このブログに書いたが、あのあとaki.さんから「(別スレッドタイマー監視しているのであれば)HTをonにしているとそれは防げませんか?」と言われて、なるほどと思った。


ともかく、HTは有効にして、CPU負荷率50%。これが正常動作&お勧め設定。


さて、気になる勝率のほうであるが、Bonanza6にはほぼ負けなし。負けがなさすぎて、相当の試合数をやらないと正常なサンプルがとれない。100局しか試してないので具体的な数字を書くのは控える。もちろん勝率9割は優に超えている。


GPSfishに対しては勝率7割強。


いま開発版の最新のやねうら王は、先月の世界コンピュータ将棋選手権で優勝したAperyとやっても同等以上であると思うが(Aperyの3月度版には現バージョンは6割弱勝ち越し。Aperyは3月から5月の間でさほど改良はされてないと思う)、このやねうら王が勝率3割強。200局しかやっていないのであまり正確でもないと思うが、R150前後の差はあるのだろう。


この開発版のやねうら王は将棋倶楽部24自作の5万円PC(CPU = Core i7 4771)にてR3200を突破し、おそらくはR3300〜3350はあると思われるソフトである。これよりまだR150強いのだから、5万円PCであれ将棋倶楽部24にてR3450〜R3500クラスであるのは確実。個人的には、これだけ見ても値段ぐらいの価値はあると思うが、「R3000もR3500も棋力がR2000にも満たない人には変わらないジャン」みたいな人にはこの価値はわかってもらえないのかも。


ともかく、PonaX、5万円PCでR3500という価値のわかる人は買えばいいと思うよ。


■ 2014/6/13 22:00 追記


マイナビ、PonaXの回収・返金を発表

http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-771.html


amazonのマーケットプレイスでは一転してプレミア価格に!

loglog 2014/06/08 04:51 > 将棋ソフト開発者なんてただのプログラマであって、本来テレビやメディアに露出することのほうがおかしいわけである。
> 芸能人やタレント業ならいざしらず、一介のプログラマがこのようなリスクを背負うのは何か状況的におかしいのではないかと思うのだが、いまさら嘆いたところでどうにもならない。

これは将棋ソフト開発者に限らずとも言えることですよね。
どんな業種でも何か注目されるきっかけがあれば露出が(本人の意思によらず)起こり得ると思います。
その場合にリスクを背負うというデメリットはありますが、一方で認知される(有名人になる)ことによるメリットもありますよね。
メリットなんていらないから露出したくないという姿勢であったのであれば理解できますが、デメリットだけに注目して嘆いているというのはどうかと思います。

> あと、思考エンジン部以外は山本君が書いているわけではないのに、バグなどについてエンジンの作者(山本君)にtwitterで問い合わせるのはどうなのかという気はする。

問い合わせている人を擁護するわけではないですが、山本氏に問い合わせようと思うのは Ponanza = 山本氏という認知のされ方である以上、当然なように思います。
いや、「山本君は思考エンジンを提供しただけで、また思考エンジン側に不都合はないことは明らか」ではないと思います。
ソフトを買う一般の人が「思考部」とそれ以外を区別して考えられるでしょうか。
「山本氏は PonaX の開発者」だと思ってしまうのは自然ではないですかね。

> マスターアップ前に商品のクオリティを思考エンジンの作者としてチェックすべきだったなどという意見もあるが、
> (中略)
> それをディレクターに進言できる立場でもなかったんだろうなぁと思う。

この主張は同意です。私も開発・制作に関わる人間なのでこのあたりのやねさんの言い分には納得できます。
なので山本氏は思考部を開発しただけ、他の部分は山本氏の責任ではない、という前提で「作者としてチェックすべきだから、山本氏にも責任があるのは当然」という意見に対しては反感を覚えます。

> ともかく、PonaX、5万円PCでR3500という価値のわかる人は買えばいいと思うよ。
後半の内容も読みましたが、やねさんの結論は真理だと思います。

ただ、(PonaX、5万円PCでR3500という価値の分からない)一般的な将棋ソフトを求める一般人からすれば、GUIが使いづらいという時点で低い評価になるのは仕方ないと思います。
レビューにもありましたが、ソフトの強さだけを求める人には悪くない、というのは商品として世に出る将棋ソフトにとってはターゲットを絞り過ぎでしょう。

山本氏が悪いとは(やねさんの書いた理由で)思っていませんが、
PonaX というソフトの開発側に思うのは、そういう種類のソフトなら最初からそれを前面に押し出せば良かったのではとは思いました。
それをやらずに「PonaX、5万円PCでR3500という価値しかないソフト」に成り下がっている PonaX への Amazon の酷評レビューは妥当なように思います。

悪いのは、関係者(山本氏とか例えばやねさんとか)のレビューなしで製品化してソフトを世に出した
> (そのへんはディレクター/プロデューサーとかの仕事)
とかその辺の人達。目先の期日しか目を向けず将来性を無視する馬鹿な輩が悪い。

yaneuraoyaneurao 2014/06/08 16:18 ↑特に反論はないのですが、気になったのでひとつだけ。
> いや、「山本君は思考エンジンを提供しただけで、また思考エンジン側に不都合はないことは明らか」ではないと思います。

https://twitter.com/issei_y/status/471971914718523392
> 山本 一成@電王 ‏@issei_y 5月29日
> @shoaniwo ご連絡ありがとうございます。教えて頂いてありがとうございます。私自身は思考エンジンしか提供してない状態で、正直困り果ててます。

彼のtwitterはこのケースにおいて比較的オープンな情報に属すると思うので、これをもって「自明」と私は書きました。一般ユーザーが知っていることを前提に話を進めるわけではないですが、twitterで彼に問い合せているような人ならば比較的簡単に得られる情報ではあると思います。

HTHT 2014/06/08 16:42 >ともかく、HTは有効にして、CPU負荷率50%。これが正常動作&お勧め設定。
HTを有効にすると、PONANZAはともかく、他のソフトが弱くなってしまうのではありませんか?そうすると正確な実力関係が把握できなくなってしまうような気がするのですが。

り 2014/06/08 19:41 この記事の本題からは、ずれますが
> やねうら王が勝率3割強
コンピュータ将棋という世界に、そこまで強くなる余地がまだあったというのが驚きだし、その化け物じみた強さがもし「探索パラメタを根性の手調整」に起因するのものだったなら、もう意味が分かりません。

普通に想像すると、手で変えても全体のバランス絶対崩れるだろと思います。

yaneuraoyaneurao 2014/06/08 22:36 ↑*2 HT有効にしても、思考エンジンの思考スレッド数設定を物理コア数(論理コア数ではない!)にしておけば、自動的にロードバランスされる(各物理コアに思考スレッドが1スレッドずつ割当たる)ので、ほとんど弱くはなりません。これはどの思考エンジンでもそうです。
↑*1 やねうら王の評価関数は差分高速化しているものの、精度的にはBona6より少しいい程度(+R50程度?)なので、NDFの例からするとまだ+R300ぐらい伸びる余地はあるわけで、そう考えるとPonaXはまだ+R150ぐらいは伸びるのでしょう…。今年の電王トーナメントではそれくらい強くなったPonanzaが見られるのかも。

yaneuraoyaneurao 2014/06/09 06:07 ツイートに返信。
https://twitter.com/kazu_nanoha/status/475452889347813376
>かず@なのは ‏@kazu_nanoha 19 時間
>@yaneuraoh 独自Ponderが有効になっていて、Bona6にリソースが回ってない、なんてことはないでしょうか?

タスクマネージャーでCPU負荷見ても将棋所上でPonaXを動かした場合、ponderしてないようなのでそのへんは問題ないですね。

merom686merom686 2014/06/09 10:29 > PonaXは2013年の電王トーナメント版Ponanzaと同等である

http://www.4gamer.net/games/256/G025688/20140512034/
ここに「電王戦からさらに進化した最新バージョンが搭載されているとのこと」とありますが、
これは「第2回電王戦からさらに進化した第1回電王トーナメントバージョン」という意味なのでしょうか。

yaneuraoyaneurao 2014/06/10 07:14 ↑たぶんそういう意味なのでしょう。
参考)
https://twitter.com/issei_y/status/454683045245632512
> 山本 一成@電王 @issei_y
> @shogisoftsuki @anonaossan 電王戦バージョンですよ。csaサーバーとかは対応してません。

yasutako9yasutako9 2014/06/10 15:36 社交性のゲームであるビジネスで団体責任が問われるのは当たり前かと。それを踏まえて、監督、ネゴシエーションをするのは当たり前では?

chikatilochikatilo 2014/06/12 18:00 でももう少し待ったらPonanzaよりもっと強いやねうら王が発売されるんでしょう?

poppop 2014/06/12 19:06 作者は注目されたくない、露出したくないと思っているのですか?

mswarmswar 2014/06/13 10:58 なるほど、羽生将棋で羽生さん叩くような話だったわけですね。。。
(思考部分だけ提供してる人間が、販促にも使われる)

yaneuraoyaneurao 2014/06/13 13:49 ↑*3 やねうら王がPonaXに勝ち越せるようになったら考えます。(´ω`)
↑*2 思考エンジンの作者によるのでは。露出することがプラスになる人もいれば、何の得にもならないと考えている人もいるでしょうし。私は総合的にはプラスだと思っていますが、マイナスの側面も馬鹿にならないような…。

徘徊徘徊 2014/06/14 07:45 記事と関係ないのですが、Googleで「やねうらお」と検索しても
このHPが検索結果に反映されなくなっています。今流行りのGoogleの言葉狩りでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/06/15 15:23 ↑普通に1位に出ますけども…。cookieを削除するか、シークレットモードで試すか、検索結果URLに &pws=0 をつけるかしてニュートラルな状態で検索してみてください。

わからん人わからん人 2014/06/17 00:41 露出することのマイナスはやねさんほどわかってる人はいない気がする……。
電王戦のあれを経てやねさんが露出を総合的にプラスと思ってるのは意外でした。

yaneuraoyaneurao 2014/06/17 08:01 ↑私の場合、電王戦はいまのところ仕事上は何の影響もないですし(プラスの影響もマイナスの影響も)、電王戦を経て人脈が増えたメリットのほうが大きいです。逆に、仮に私が普通の会社員とかだったら、この手の炎上は仕事に支障が出て大変だったでしょうね…。普通の会社員だったなら私は電王戦、出てないと思いますし。

り 2014/06/21 03:42 将棋やボカロとは全く関係ありませんが、サッカー盛り上がっていますね。
人工知能の課題としてロボットにサッカーやらせるロボカップがあるんですが、人工知能に興味を持ち、コンピュータ将棋も作っちゃうやねうらおさんは、ロボットにサッカーやらせるとしたらどんなプログラムを作りますか

みたいな会話が盛り上がるのもワールドカップのシーズンだけだろうな

yaneuraoyaneurao 2014/06/21 12:50 ↑相手のプレイヤーあっての味方チームの作戦を最適制御するのは、麻雀の思考ルーチンのようになりますね。麻雀の思考ルーチンについて詳しいことはまたいずれ…。

ジャックジャック 2014/06/22 10:52 サキどり見ました。
やねうらさん真面目でしたね。

り 2014/06/25 00:27 wikipediaで「ロボカップ」のページのシミュレーションリーグ読むとかなり人工知能ぽいゲームみたいですが、やねうらおさんんも今後時間が作れたらこれに参加してみたいなあ

なんて気持ちもありますか?

ジャックジャック 2014/06/27 23:10 2014年7月19日の電王戦リベンジマッチ 習甦VS菅井竜也さん 
どちらが勝つと予想しますか?

前にもツツカナVS船江恒平さんどちらが勝つと予想するか聞いたのですが
その時は、私の見立てでは船江五段、やや有利と言うところです。
と予想されてました。

今回はどちらが有利なんでしょう?
持ち時間8時間らしいです。

yaneuraoyaneurao 2014/06/27 23:47 ↑私は、菅井五段のほうが有利だと思いますね。習甦と菅井五段なら実力的には互角ぐらいなので、以前の(貸出時の)研究が生きるというのと、長時間になれば人間側有利でしょうから…。

り 2014/07/08 07:22 サイエンスzero
プロ棋士大苦戦! 進化する将棋コンピューター
2014年7月12日(土) [Eテレ] 昼0時30分〜
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp470.html

やねうらお氏の映像も流れるのかな?

Ta(ryTa(ry 2014/07/12 11:10 これ、見なあかんやつや。

名無し名無し 2014/07/19 01:13 「スタープログラマー」が活躍していた時代を思い出しました。
電波新聞社のソフトなんか、タイトルにプログラマーの名前がドーンと出てましたね。
そう思うと、将棋ソフトの世界は、プログラマーが表舞台に立てる(立たされる)商業的に未開の分野なのでしょうね…。

たまねぎ坊やたまねぎ坊や 2014/07/25 13:19 今年の2014電王トーナメントは見どころがいっぱいですね。
PONANZAの連覇やAperyの選手権とともに完全制覇、昨年調整不足で出なかったGPSの復活等、見どころがいっぱいですね。
やねさんも、そろそろ頂上とってください!
でもってソフト化もお待ちしてます。

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2014-04-20 ボカロ(作るところから)はじめました

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今日からボカロを始めることにした。もちろん、ボカロを作るところからだ。ボカロを含めて音源自作する。楽器(ハード)も自作する。

音楽理論自分で構築しなおす。自動作曲のためのプログラムも作る。そうして、やっと自分だけの音楽が完成する。とりあえず、目標はそこだ。


■ ボカロを作るとは?


初音ミク代表されるようなボーカロイドは、「あ」「い」「う」など、人間がそれぞれの文字を発声したものを録音しておき再生しているだけである。つながりが不自然なところは二文字、ときとして三文字つなげたファイルも持っている。ただそれだけである。私はそういうことをしたいわけではない。声を一から作るところからだ。


■ スーパーファミコンDSP


順序立てて話そう。


私は高校生ときアーケード麻雀移植のために音声合成の処理を書いたことがある。*1

このプログラムは実際には世に出なかったわけであるが、私はそれ以前から、音をプログラムすることに関して強い関心があった。


Falcomの『イース』の音源ドライバー中学とき夏休みを丸ごと潰して解析したのも音に対してすこぶる興味があったからだし*2、BM98を作ったことにしてもその延長線上にある。私はプログラム以上に音に対しての興味があった。


2004年ごろにソニーPS3の開発に際し、PS1/2のエミュレーションレイヤーの実装のための人員募集をしていた。そういう仕事は大好きなので、応募しようかと思ったのだが、その給料があまりにも安く、当時の自分給料の何分の一かになってしまうので、ずいぶん悩んだのだが、ついに応募はしなかった。ただ、そのときは応募も本気で考えていたので、小手調べにスーパーファミコンDSPソフトウェア実装してみた。


スーパーファミコンのサウンドを一度でも聴いたことがある人は、耳が腐ってでもいない限り、あれがとても特殊なサウンドであることがわかるだろう。ファミコンのそれとは一線を画する、そしてそのあとブームとなるFM音源とも異なる、骨太のサウンドである。実際、FM音源全盛期にスーパーファミコンゲーム移植しようとした会社が、FM音源パラメーターをどう調整してもスーパーファミコンっぽい音が出せなくてとても苦労したという話は枚挙にいとまがない。


要するに、スーパーファミコンDSP(サウンドチップ)とは当時の歴史のなかに本来、技術的に存在してはおかしいようなオーパーツのものなのである


何故こんなオーパーツがこの世に存在したのか。実は、このDSPはのちにソニー(SCEI)の社長にもなる久夛良木さんが手がけたものなのだ*3


f:id:yaneurao:20140420051801p:image


久夛良木さんレベルの超天才エンジニアの手がけたハード自分の手でエミュレーションレイヤーを実装してみて初めてその設計思想、素晴らしさが実感できるわけである。私はもちろん、久夛良木さんレベルのエンジニアではないが、しかし、プログラムを書く能力は人並み以上にあるから久夛良木さんのDSP自分の手でソフトウェアで再実装することが出来た。誰しも感動する小説に出会えたときには自分に文字を読む能力があり、そして小説の内容を理解できる能力が備わっていたことに感謝するだろう。それと同じ感動がそこにはあった。あのときだけは、自分プログラムを書く能力が備わっていたこと、そして、久夛良木さんの天才性の一部であれ、理解できたことに対して神様感謝してやまなかった。


スーパーファミコンDSPのどこがそんなに優れているのかについてざっと書いておく。本当は、この部分は本記事にはあまり関係がないのだが、ここを書いておかないと「やねうらおめ、また内容のない薄っぺらい記事を書きやがって!本当はスーファミDSPことなんか何も理解していないくせに!」などと勘ぐる輩が出てくるので、あえて書いておく。

※ 技術的な内容なので、興味のない人は読みとばしてください。


スーパーファミコンDSPの公称性能はこうなっている。*4


f:id:yaneurao:20140420051802p:image


上の説明は今ひとつわかりにくいが、DSPとは別に制御用のチップが載っている。6502を拡張した命令セットを持ち、音源ドライバーなどはここに配置する。この音源ドライバー結構いろいろなことが出来てしまうので、スーファミのサウンドはゲームメーカーによって音色がずいぶん違うと言われるゆえんである


・BRR圧縮された波形データ復元


事前にサンプリングした波形データ復元する機能PlayStationで使われている圧縮アルゴリズムと同一である*5


ADSR


ADSRは、Attack、Decay、Sustain、Releaseの頭文字で、FM音源に見られるようなエンベロープジェネレーターであるが、A,D,S,Rの値はそれぞれ4bit、3bit、5bit、3bitで指定する。(そのあと表引きして実際のA,D,S,Rの値が設定される) 併せて15bitだから16bitに収まっている。いまどきなら、それぞれの値を直接設定できるようにするところだろうが、当時はメモリもったいないのでこういう設計が好まれた。


ところが、このADSR機能を使わずに直接gain(≒ボリューム)を変更するモードもある。実のことを言うと大手メーカースーファミ用の音源ドライバーADSRモードではなく、こちらのモードを使ってあるものが多い(と思う)。自前の音源ドライバーADSRよりもっと細かな制御をしたほうが、サウンドに広がりが出てくるからである。なのでADSRはこのDSP代表的機能ではあるが、スーファミのサウンドの特徴ではないと私は考えている。


ガウス分布補間


指定した4点を曲線で補間する機能。実装的にはガウス分布テーブルを用いている(表引きしている)ので正確な補間ではないし、さら計算資源があるならスプライン補間したほうが歪みのないサウンドになるし、いまのPC用にソフトウェアで実装するならそうすべきところではあるのだが、良くも悪くもこの“歪み”自体スーファミらしいサウンドを形成していると思う。


ディレイ


ファミコンにはディレイがなかったのでこれは大きな進歩久夛良木さんの発言によると『ファミコンについてはサウンドトラック4本や音のディレイがないことから「そんなもんで音楽なんてやれませんよね」「普通の人はそれで感動するかというと、ぼくは感動しないと思う」「クリエイターがやりたいと思ってることがやれるかどうかというのがキー」』*6


リバーブ(次数8のFIRフィルタ付)


リバーブFIR(有限インパルス応答)フィルタ*7までつけてしまうのが恐ろしい。ここの「次数8」というのは、パラメーター(係数)が8個指定できるという意味FIRフィルタ自体デジタルフィルタとしては基本的ものなので説明は割愛


スーファミのサウンドまとめ


結局のところ、上記のような当時としてはかなり高機能な処理能力を備えたDSPと、このDSP制御チップ(ここに各ゲームメーカーが独自のサウンドドライバーを載せた)との組み合わせによりスーファミらしいサウンドがもたらされたわけである


■ オリジナルボカロを作るとは?


もうここまで説明すれば話は見えただろう。今回、ボカロ自作するわけであるが、まずそのためにスーファミDSPのようなソフトウェア実装のサウンドレイヤーを用意する。まあ、人間の肉声に近いサウンドが欲しいわけで、スーファミDSPよりは少し高機能ものにならざるを得ないが。また、ここは将来的にハードウェア化するかも知れないので、この部分はそのへんも見越しておく。


次に、このDSPに対してプログラムできる必要があるのだが、DSP制御用の命令セットを用意して、その命令によってプログラムすることにする。(将来的なハードウェア化を視野に入れているため)


あと、この自作ボカロライブで使うような用途を考えているため、この自作ボカロリアルタイムに歌わせることが出来るような楽器自体を作らなければならない。そのへんもすでに考えてある。


かなり早口な歌でも訓練次第ではリアルタイム演奏が可能である画期的楽器(音楽的なデバイス?)となる予定だ。


■ 音楽自動作曲とは?


ついでだからもう少し話を進めよう。コンピューターによるアルゴリズム作曲(自動作曲)についてである。この分野の近年の技術進歩めざましく、論文もたくさん出ているし、アルゴリズム作曲実用的になりつつあると思うのだが、私はそういう方向性でやりたいわけではないのだ。


作曲をやっている人にはわかると思うけど、どこかの段階で対位法とか勉強するわけだ。二声対位法、三声〜八声、厳格対位法模倣、二重対位法フーガetc…。そうするとその手の教科書には「禁則」(こういう進行は良くない)が延々と書いてある。和声に関しても、ある程度基礎が出来たのちに、いわゆる芸大和声(asin:4276102057)あたりから勉強するわけだが、「禁則」のオンパレードである。そして、興味深いことに本によって何が「禁則」であるかは定義が異なる。


じゃあ、そもそも「禁則」とは何なのか。

このように「禁則」とすることによって何が得られるのか。


結論的に言うと、その本を書いた人が想定している音楽(それは18世紀のものであったり、それ以前のものであったり、特定作曲家のものであったりするのだが)が得られるということである。この部分を理解していないと、やみくもに「禁則」だけ覚えることに終始してしまい、自分の作る曲の音楽的な可能性を狭めてしまう。


要するに「禁則」とは、曲の生成アルゴリズムが何かしらあるとしてそのためのルール集合の一部だと考えるとわかりやすいだろう。


例えば、モーツァルトの曲を分析し、そのルール集合が得られれば、そのルール集合からモーツァルトの曲っぽい曲が自動生成できるということだ。


しかし、自動生成と言っても、単にルール集合に書かれているルールを順番に適用していけばいいという単純なものではない。例えば、前の音符との次の音符との接続される形に良さの点数がつけられるとしたら、その点数を最大化したい。そして一曲通してその点数の合計が最大になるような曲にしたい。そうならないときは前の音符を消して、また別の音符に置き換えて…という作業を繰り返す必要がある。


実はこの部分はコンピューター将棋の探索と全く同じなのである。音符一つ(音符の高さ・音符の長さ)が将棋の指し手に相当し、音符を一つ置くことが将棋ではその指し手で局面を進めることを意味する。将棋で読みのなかで局面をいったりきたりするが、音符を足したり、消したりするのはそういう理由からである。そして、将棋であれば最終的な点数(将棋であれば最善応手列≒読み筋)の末端局面の評価値が最大になるような現局面での指し手を探すが、曲作りときも、最終的な点数が最大となるような音符の並びを探し出せば良いのである


まり自動作曲は実はルール集合さえ与えれば、コンピューター将棋の探索部によって解決できるのである


これは何も偶然の一致ではない。人間知的作業のほとんどは、何らかの点数を最大化するという、探索を伴う最大化問題に帰着されるので、作曲行為自体コンピューター将棋の探索の問題に還元されるのは何も不思議なことではないのだ。


■ 作曲のためのルール集合


では人間は何もしなくても曲が出来上がるのかと言うとそれは違う。作曲のためのルール集合自体人間が考えてやる必要がある。

ルール集合が同じであると似たような曲しか出来ないし、そこがまさに人間しか出来ない知的作業と言えるわけである


例えば、坂本龍一(織田信長に「さん」をつけないの同様、歴史レベルの偉人なので敬称をあえて略す)の作曲のための方法論として、自分が考えた作曲アルゴリズムに基づき、自分作曲機械だとみなしてそのアルゴリズムにより曲を生成し、その曲の良し悪しを音楽家坂本龍一が評価し、そして作曲アルゴリズム修正を行なうというフィードバックループにより作曲するという主旨のことが『坂本龍一音楽』(asin:4487801036)に書いてあったと思う。(うろ覚え)


坂本龍一が本当にそうやって作曲しているのかどうかは私は知らないが、そういう視点というのが面白いと思っていたし、この「自分作曲機械だとみなしてそのアルゴリズムにより曲を生成する」という部分は、私のプログラミング能力であればコンピューターに完全に肩代わりさせることが可能だ。


そうなってくると、「自分が考えた作曲アルゴリズム」が問題となる。従来のアルゴリズム作曲論文では、この部分が固定に近い形であったので、同じような曲しか作れなかった。自動生成される曲の完成度はともかく、私にはその部分が大いに不満であった。


私は特定ジャンル特定の種類の曲を大量に生成したいわけではないので、上記のようなフィードバックループをなるべく短い時間で回したいのである。そうすることにより短い時間自分作曲アルゴリズムが磨かれるわけである


そして、最終的にはこのループ自体を少しプログラム音楽に対して理解のある人であれば誰もが体験できるよう、自動作曲のためのプログラミングフレームワークとして公開したいわけである


■ まとめ


ということで、私の当面の目標は以下のような感じである。(何年かかるかは知らん)


ボカロ自作(そのために自分設計したDSPソフトウェア実装するところから)

音源自作(自分設計したDSPに対する制御プログラミングにより)

ボカロライブ演奏できるような楽器自作

アルゴリズム作曲とそのフレームワーク作成


■ あとがき


何故突然こんなことを思ったのかと言うと、電王戦が終わったので友達に借りてる漫画を読んでいたわけである。その友達とは電王トーナメントエントリーときにやねうら王の開発者としてもう一人名前が挙がっていたと思うが、彼である。彼は、いつも私をその気にさせる。やねうら王も彼がいたから作ろうという気になったわけである。だから、やねうら王のエントリーとき共同開発者として彼の名前を入れておいた。


今回、彼が持ってきた漫画は『ナッちゃん東京編 1―下町鉄工所奮闘記』 (asin:4088597001)という漫画で、下町の鉄工所で働く女の子(?)の物語である。この女の子ちょっとした天才で、創意工夫によって無理難題を解決していくわけであるが、これを見ていたら昔のことを思い出したわけだ。


私は小学生の段階ですでに仕事としてやっていける程度にはプログラミング能力があったわけであるが、大学卒業するころにはプログラミング自体に少し嫌気が刺しており、これを職業にするとプログラミングのことが嫌いになってしまうと考えて、プログラミングとは全く違う分野(製図設計)の仕事に就いたわけである。正直に言えば当時は自分プログラミングが出来ること自体が、本当に忌々しいと思っていたし、「こんな神がかったプログラミング能力とか要らねえんだよ!俺は、刺身たんぽぽを乗せるような頭の使わない仕事がしたいんだよ!」と考えていた。


ところが、モノづくりの現場で働くうちに、創意工夫して製品を作る(さらに、それをお客様に届け、喜んでもらう)ということの素晴らしさを知ったわけである。『ナッちゃん東京編 1―下町鉄工所奮闘記』を読んでいると、そんな当時の自分を思い出してしまった。そうだ、何でも工夫すれば作れるんだ。俺には、神がかったプログラミング能力があるんだしな!と思ったわけだ。


※ このブログの愛読者ならば、「神がかった」とか書いてあっても「また今日やねうらお節、全開だな」ぐらいに理解してもらえるはずなのであるが、そうでない人に言っておくと、「神がかった」というのは、ある種の冗談であり誇張表現の一種である。本気で自分プログラムを「神がかった」などと思っている人がいたら、それは相当な大馬鹿野郎である


そして、そのとき音楽コンピューター将棋との関係気づき、点と点が一本の線でつながったわけだ。これは、もうボカロを(作るところから)やるしかないなと。


ちなみに、私の作曲経験だが、自分の作った曲が商用ゲームに使われたことがある。まあ、自分プロデューサーだったんだから自分の曲使おうが何を使おうが自由なんだけども。商用ゲームに使われたらプロだという定義だとしたら、私はプロ作曲家である。おお、これはなんか凄くずるい感じがするな!


プロ作曲家になりたい人は、自分で商用ゲームでもプロデュースすればいいんだよ!」などとテキトーなことを言ってこの記事を終りにしたい。

羊 2014/04/20 05:47 びっくるねっとの頃からやねさんの音に関する記事を読んでました。私もボカロエンジンを作ってみたいと思っていましたので、とても楽しみにしています。

yaneuraoyaneurao 2014/04/20 05:57 ↑ボカロエンジンを作ってみたい?むしろ、私と一緒に作ればいいんじゃまいか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/20 09:21 ちょっとコメントを整理(削除)した上で書いてあった内容に返信。

> 「何を点に結び付けるか」がぼやける作曲・編曲

例えば、並達8度・並達5度を減点だとか、声部が跳躍したあとはそれと反対側に進まないと減点するだとか、メジャー和音に対しての3rdのdoublingを減点するだとかそういう局所的な話です。どれくらい減点するかは、他の楽譜をもとにパラメーターを調整することもボナメソで十分可能です。

また、自動作曲により完成された曲の点数を自動的につけるという話ではありません。そこは人間が判断すべきところです。ですので曲が量産されることもないです。

あと、自動作曲のためのルールセットは、プロの作曲家が無意識にやっているようなことをルール化しなくてはならないわけで、そのためにはプロの作曲家と同等以上の音楽的センスおよび言語化能力が必要になりますね。

> 声優や歌手、作曲家・編曲家の方々が、だれも路頭に迷わないような配慮も極力した方が良いでしょう。

菅野よう子や上松範康レベルの天才作曲家が出てきたからと言って他の作曲家が廃業になるわけでもなく、初音ミクのような機械の歌い手(?)が出てきたからと言って他の人間の歌手が不要になったわけでもなく、まあ、音楽業界に関してはそのへんは柔軟に受け入れる土壌があると思いますけどね。

パオパオ 2014/04/20 09:25 ああ、ついに無敵のミクさんが駆逐される時が来るのか・・w
いや非常に楽しみです。やねさんの別次元のアプローチで
どんなボカロ(エンジン)が出来るのか。数年後ですか。長いのう・・

yaneuraoyaneurao 2014/04/20 09:31 ↑ 人工的な合成なので、どうやったところで肉声サンプリングには敵いません。VA音源(物理モデル音源)が生音に勝てないのと同じ理屈で。しかし、そこはそうでも、どれほど下手に人工的に合成された声であれ、一つの楽器と思えばいいのかなと。一時期、小室哲哉がその楽曲でデジタルフィルタでわざとロボットの声のように加工するのを多用していたと思いますが、あれも声ではなく声を一つの楽器かのように扱っていたのかなと、私は思うのです。

り 2014/04/20 11:55 めっちゃ期待。

ときメモ2のEVSでヒロインがプレイヤーの入力した主人公の名前をコンピュータの作成した合成音声で呼びかけてくれるやつがあってめっちゃドキドキしたんですけど、そういう方向にも進んでいきますかね?

作曲か・・・作曲か・・・ 2014/04/20 14:43 >>例えば、モーツァルトの曲を分析し、そのルール集合が得られれば、そのルール集合からはモーツァルトの曲っぽい曲が自動生成できるということだ。

モーツァルトの曲を1フレーズ取り出せば認識できるぐらいの分類器が必要なんでしょうか?なんか、色々な曲を同様の技法で解析すると、作曲家のパクリが疑惑が出て来そうで怖いですね(「?のブーメラン」と「DANZEN!ふたりはプリキュア」、ルールの一致率が80%を超えたからパクリ認定とか)

taratara 2014/04/20 16:38 やねうらさん、はじめまして。
いつも興味深く拝読させていただいております。

今回の記事、音楽の自動作成と将棋が同じスキームだという話、非常に興味深かったです。
素人質問なのですが、将棋の場合、膨大な量のプロの対局棋譜を入力し、それをもとに評価関数の精度を高めるということをされるかと思いますが、作曲においても、同様に大量の楽譜を入力することにより、どのような旋律、リズム、ハーモニーが心地よい組み合わせか、といった評価関数を作り上げるということも考えておられるのでしょうか。

名無し名無し 2014/04/20 17:08 今回のエントリは全く難しく、理解できなかったので質問させてください。
1. 「声を一から作る」とは、初音ミクのように、本職の声優や歌手からのサンプリングではなく、モデル無しでコンピュータに発声させてしまうのでしょうか?
2. 「つながりが不自然なところは〜」は、辞書ファイルやアドホックな調声無しに全てソフトウェアで行うのでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/20 17:47 ↑*4 私がやろうとしている音声合成だとロボット風のボイスになると思うので聞いていてもドキドキはしないと思うんですが(笑)
↑*2 ですです。
↑*3 ↑*2が参考になるかと思います。ルール自体は将棋の3駒関係みたいに汎用的な特徴でもいいんです。例えばkey = Cのときに「ソ」の音のあとどこの音に遷移するかをマルコフモデルのようなもので調べて、自動作曲に活かすというアプローチが何十年も前からありますが、「ある音符からある音符への遷移」というのを一つの特徴因子としたり、あるいは「隣り合う声部に対してどのインターバルであるか」などを特徴因子として用いることが出来ます。それらに対して、モーツァルトの曲を食わせてボナメソでそれぞれの特徴因子の点数を算出することによって将棋ソフトで言うところの評価関数のようなものが得られます。
↑*1
> モデル無しでコンピュータに発声
ですです。
> 「つながりが不自然なところは〜」は、辞書ファイル
人工的に合成しているので(つまり、「あ」から「い」のように次の音へも滑らかに遷移できます)、つながり自体が不自然になる問題はあまりないですね。発声そのものが人間の肉声からかけ離れている可能性はあっても。また、本格的にやるのならば辞書的なものは必要だと思いますが、辞書を個人で用意するのは大変なので、そのへんは他のオープンソースのプロジェクトに依存してもいいかなと思ってます。

亜亜亜亜亜亜 2014/04/20 18:25 さすが、天才やねうらお!(歴史レベルの偉人なので敬称をあえて略す)
常人とは、発想が違いますね。
自動作曲が、将棋と同じく探索で実現するとは、目から竜王の鱗です。

私は音楽に関しては、全然詳しくないのですが、以前フリーゲームソフトを作った際には、自動作曲ソフトには随分とお世話になりました。
ただ、作れる曲の範囲に限界がありましたので、神がかった凄いソフトを期待しています。
もっとも、私は音楽に対して理解のある人ではないので、使いこなせないかもしれません。

近い将来、やねうら王を市販化し、解説自動生成したセリフをボカロが喋って、局面に応じた自動作曲BGMが流れることを期待しておりますw

みぞみぞ 2014/04/20 19:40 大変面白いです。ただ、楽曲の場合、将棋と違って、近傍のみを入力とする関数にはならないので、そこがかなり異なるアプローチになるとは思います。
つまり、しばらく前のフレーズを繰り返すようで少し変えたものをおくことが、独特の感興を催させるので、それを一般化したアルゴリズムからどう生み出すかは、難題ではないでしょうか。単にn次マルコフでなんとかなるとは思いがたいです。
私は自動ストーリーテリングに趣味的に関心がありますが、自動作曲にも共通する課題があります。「かみまみた」みたいな反復ネタを、それ専用の機能を組み込むことなく実現するには、という観点で。
現時点での私の見解は、巨視的な構成情報を生成し、そこから再帰的にディテールの作り込みをすることです。ストーリーの場合、最終的に描写、叙述等はそれぞれ特殊なジェネレータが必要ですが、楽曲の場合も、葉ノードでは幾つかのパターンを持たざるを得ないといけないと思います。さもなくば自動作曲にありがちなメリハリのなさに陥る気がします。

みぞみぞ 2014/04/20 19:53 補足です。巨視的な構成情報と言うと、なんかAA'BAみたいなナイーブなものを想起させますが、そういうものばかりではありません。もう少し細かい、小説で言えば詳細プロット、楽曲なら、いわゆる構造分析の成果物のようなものを想定しています。

yaneuraoyaneurao 2014/04/21 00:25
> 前のフレーズを繰り返すようで少し変えたものをおくことが、独特の感興を催させる

よく音楽をわかってはりますね。なら、少し専門的なことを書きます。

まず、前フレーズの模倣〜逸脱はある程度機械的に認識が可能です。例えば、5度上で模倣、もしくは、フレーズの最後の部分をわずかに付け足してあるかだとか、前の音符に対する音の高さの上昇・下降の列が一つ前のフレーズと一致するかなどは機械的に判定できます。(例:「ドレミミレ」と「ミファララソ」は一つ前の音符と比べていくとどちらも「↑・↑・→(変化なし)・↓」の順番になっているので一致します。)

機械的に構造を判定できる以上、それを特徴因子として用いることが出来るので、これらに対して点数付けが可能です。

> 巨視的な構成情報と言うと、なんかAA'BAみたいなナイーブなものを想起させますが

例えば、コード進行においてIV M7→V7→IIIm→VImのような王道進行があるとして、サビのところだけV7のあとに#V dim7とか挿入してpassing diminishっぽい感じにすることを考えてみます。

ところが、この#V dim7が曲の冒頭に出現したっきりで、そのあとただの王道進行になっていたら興ざめですね。すなわち、こういう盛り上がるような要素(借用和音のIII7とか、サブドミナントマイナーのIVm7とか)を出して、そのあとに盛り上がる要素が出てきていないことに対してマイナスの点数がついていればこういう曲の構成上の失敗は防ぐことが出来ます。

これは、実際にボナメソでターゲットとする楽譜を食わせてみればすぐに適切な点数がつきます。

このように適切な特徴因子を考えるのが人間の仕事(あるいは、この自動作曲フレームワークを作る人の仕事)であり、そのあと、ターゲットとする楽譜を食わせてそれらの特徴因子の点数を適切なところに持っていくとターゲットの曲のエッセンスの似た曲が生成できます。

あるいは、ボナメソを使わなくとも、人間の判断で、禁則に関しては点数として手で−∞(マイナス∞)にしておきます。そうするとその禁則パターンは自動作曲される曲には決して含まれることはないです。

UTHENAUTHENA 2014/04/21 02:06 ナッちゃんとか懐かしいですねー
連載当時はソレを目的に読んでた事もありましたw

音楽系はノイズの周波数テーブル作ってMMLで音階が出せるようにしたことくらいしかないチープDIYプログラマですが、それでもこの展開はワクワクしますね!

これ、完成したら販売とかされるのでしょうか?
ちょっと触ってみたいかも・・・

おおかみおおかみ 2014/04/21 08:26 ニコ動にはボカロ関連のおかげで、学会のチャンネルが有ったりしますんで、「SIGMUS」音楽情報処理学会で検索すると、過去の講演や発表が、ボカロや名大のとか出てきます

タカハシタカハシ 2014/04/21 09:12 アルゴリズミックに作曲者別・ジャンル別の特徴量を取り出すことができれば、例えばバッハの楽典では禁則になってしまう複雑な和声や和声進行であふれている曲も容易に再現して作ることができそうですね。(バッハ自身も禁則を犯してる例もありますが)

近現代の音楽、ラヴェルやドビュッシー、あるいはアニメではらき☆すた「もってけ!セーラーふく」やあずまんが大王「空耳ケーキ」など(古い)、そういう雰囲気の曲を同じフレーズを使わず人間が0から分析して作るのは大変そうですし。
これができれば、ネット将棋でソフト打ちがダメなように、将来作曲コンクールでアルゴリズム作曲は応募禁止になるかも知れませんね。

古典的な規則と近現代の規則をどう混在化させて点数化するのか、メロディーに加えてドラムやベースラインをどう評価するかといったことにも興味があります。いずれにせよとても楽しみです。

yaneuraoyaneurao 2014/04/21 09:30 ↑*3 完成して、こなれてきたら商品化できるといいかと思ってますが、まだ先の話です…。
↑*2 おお、情報ありがとうございます。
↑*1 > 古典的な規則と近現代の規則をどう混在化させて点数化するのか
点数化は、ボナメソでやるので、要するに、ルールセットのなかからユーザーは自分が使いたいルールを選択して、自分の好みの曲のMIDIファイルをソフトに食わせると、その自分が選択したルールそれぞれに対して点数をつけてくれるので、その点数が最大化されるような曲が自動生成されます。要するに、食わせたMIDIファイルと雰囲気の似た曲が自動的に作られます。

仮に古典的な規則をルールとしてユーザーが選んでも、食わせたMIDIが近代の曲であれば、それらのルールを守っていないものが多いわけで、そのルールを守らないことによるペナルティはゼロに近い値になります。つまりは、そのルールは無いも等しいと。

やなやな 2014/04/21 12:39 面白いお話ですね。

ちなみにボカロがいまだ人間っぽく聞こえないのは、同音意義語のイントネーション違い(強弱、周波数、音の切り方)とかの認識が不十分で、単に五十音をなぞっているからだと思うんですが、そういうのもアナウンサーなどの音声ファイルと対照する言語データを十分量用意すれば、これも教化学習で改善できるのでは、などと思ったんですけどどんなもんでしょ。

MtCedarMtCedar 2014/04/21 13:35 アナウンサーっぽいイントネーションで歌うボカロを想像して吹いてしまいました。
ボカロにするなら、やはり学習データとして歌を使うべきではないでしょうか。

TT 2014/04/21 13:50 ボカロというよりCeVIOっぽいですね。

数学の天才数学の天才 2014/04/21 20:07 自動作曲と言うとwolfram alfaを思い出します。
http://tones.wolfram.com/

ChiharuChiharu 2014/04/21 22:06 なんだかおもしろそうなことが始まっていますね。よそで記事にもなっているようで。応援しています!
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1404/21/news141.html

kanokekanoke 2014/04/21 23:30 また面白そうなことをはじめましたねー。いろいろなものの自動化は本当にわくわくします。
創作活動が自動化できたら、これほど面白いことはないでしょうね。楽しみにしてます!

名無し名無し 2014/04/22 03:02 将棋から音楽に飛ぶとは想像を超えていましたが、経歴からすると自然でしたか。

ところで「ボカロ」/「ボーカロイド」はヤマハさんの商標のはずなのでここは「ヤネウロイド」とか立ち上げるのはどうでしょうか。

yaneuraoyaneurao 2014/04/22 04:31 ↑*3 おおお!! ねとらぼの記事に!!!
↑*2 CeVIO、初めて知りました。面白そうなソフトですね。
↑*1 そ、、そうか。いい名前考えておかないと…。

【お知らせ】本記事と関係の無いコメントは削除します。将棋関係の話題は該当する記事にコメントお願いします。

一ファン一ファン 2014/04/22 11:59 ボカロPデビューと思いきや、発声を含めて0からのスタートと知り「さすがやねうらおさん」と思いました。
音声はロボット的になるのではないかとありましたが、クラフトワークや、最近ならPafumeのように、オートチューンっぽいものを使ってロボ声風を使う楽曲はたくさんありますし、あとはヤマハのボカロ作成で苦労する「発声」のつながりが自然に再現できれば、化け物ソフトの完成ではないかなと期待しています。
将棋もそうですけど、こちらも期待できるものができたら、どこぞかで販売してほしいですね。
今からワクワクしています。がんばってください!

アルゴリズミックコンポーザアルゴリズミックコンポーザ 2014/04/23 14:36 このエントリー、大変興味深く、そして感動して読ませていただきましたが、お尋ねしたいことが溢れて止まりませんのでもしご回答いただければとても嬉しく思います。


まず、なぜボカロなのでしょうか?

歌が作りたいのか、音楽が作りたいのか、どちらでしょう?
声のフォルマントに魅せられて、声を楽器として使い音楽を作りたいのでしょうか?
それとも歌詞のある曲(=歌)を作りたいのでしょうか?

もし歌が作りたいということならば、歌詞はどう自動生成されるおつもりですか?
叙情的な歌詞を生成するのは難しそうですよね。
バロウズよろしくインターネットの海からカット・アップ手法を使ったりするのでしょうか?

また、「楽譜」に関してはエントリーの方法が素晴らしく面白そうで、なおかつ良いものができそうな予感がしますが、「音色」はどうされるのでしょう?
DSPも自作すると決められているのなら、ある程度は考えていらっしゃると思うのですが。
例えば「かっこいいフィルターの開閉方法」だとか「金属的だが温かみも持つスネア」だとかの音色はどう生成しようとお考えですか?

もしくは「とにかくボカロを作る、自動生成されたメロディーで歌を歌わせる」ということが目的で、DSPはボカロ専用として設計し、伴奏・編曲・ミックス等に関しては今回のプロジェクトには含まれていないのでしょうか?


矢継ぎ早に申し訳ありません。興味が尽きないのです。

.Lag.Lag 2014/04/24 03:15 先生と呼ばせて頂きます。二匹の黒猫の逸話で抱腹絶倒して以来の、先生のファンです。

本記事中の、禁則に関する説明にハッとさせられました。ちょうど先日、録画していた題名のない音楽会を見た後だったからです。大友良英氏をお招きしてのノイズ・ミュージックについての特集でした。その番組中で、司会の佐渡氏と大友氏は次のようなことを仰っていました。

大友氏「自分たちが音楽と思ってきいていたものと違う体験が出てくると人ってノイズっていうクセが・・・」
佐渡氏「僕がオーケストラでやってるのとはある種、違う、時代的には。どこかで、何かやっぱり共通項、それはもう人と人がこの自然の中で生きてて、何かがやっぱり失われずあるような気がしてしかたがないですよ・・・」
大友氏「だれかにとっては、尊いものかもしれない、というものの考え方だと思うんですけどね」
佐渡氏「音楽って自分探しみたいなところがあるじゃないですか・・・」
大友氏「こういう音楽に関わりだした時に何が音楽で何が音楽じゃないのか、何をノイズって思うんだろうっていっつも考えてたんですけど、本当に身もふたもないこと言っちゃえば、人それぞれなんですけど、その人の生き方とか、社会性とかと凄く関係があると思っていて、音楽ってもしかしたら、自分がこの社会に所属しているっていうアイデンティティの一つとしてこの音楽がすきだって、いってるようなきがするんです」

本記事で導入されたルールセットという概念は、一種のプロトコルなのかなと思いました。同じアイデンティティを持っている者同士だということを確認するための。

民族音楽という言葉には、Wikiの説明によると、ヨーロッパ側から見た周縁の者たちの音楽という意味が元々あったそうです。逆に言えば、その民族固有の音楽がある、ということではないでしょうか。この考え方は、民族音楽のWikiページによれば、音楽人類学者のジョン・ブラッキングやアラン・メリアムらによって、すでに広められたものであるそうです。一方、ろう者の方々は一般的な音楽を排除する傾向があった、とする研究結果もあるそうで、これをうけて、「あらゆる民族が音楽を持っている」という信念に反対する者もいる、という主張もWikiページにはあります。しかし、これは、大友氏の言葉を借りれば、未体験をノイズとみなした、ということであって、必ずしもあらゆる民族が音楽をもっているという信念が否定されるものではないのではと私は思います。音楽というものを、音抜きで定義しなければいけなくなるかもしれませんが。

民族音楽については、教授もスコラの中で興味深いことを仰っていました。
http://www.commmons.com/schola/schola11.html

私個人的な妄想では、先生のフレームワークは商業の域を軽く飛び出し、「統計やるならR、音楽やるなら●●だよ」と言われる日がくるような気がしております。先生がフレームワークを完成される日を心待ちにしつつ、応援しております。

申し訳ありません、あと1つだけ書かせて下さい。私は藤原伊織の文章が好きです。でも、もう藤原伊織の書く新しい文に触れる機会は失われてしまいました。そこで思ったのですが、先生のフレームワークを用いれば、私が書いた平々凡々たる文章をあの独特のリズムをもった散文に変換してしまうことが可能にはならないでしょうか?そうなれば、たとえば、日記を書く事がとても楽しみになりそうです。そんな未来の日記帳のようなものを、キングジ●あたりが製品化してくれないかなと、思いました。

散文失礼致しました。本当に応援しております。\(^o^)/

yaneuraoyaneurao 2014/04/24 07:29
> 一種のプロトコルなのかなと思いました。同じアイデンティティを持っている者同士だということを確認するための。

そうですね、プロトコルですね。grooveなんかも伝達できますね。この種の伝達によって体験や感覚を共有できるんですね。そのプロトコルをサポートしていない人にとってはその音楽はコミュニケーションエラーになり、ノイズに聴こえるわけですね。

> 私が書いた平々凡々たる文章をあの独特のリズムをもった散文に変換してしまうことが可能にはならないでしょうか?

文章の変換や物語の自動生成なんかも音楽の自動生成と手法は同じでいけると私は考えてます。しかし、綺麗な文を生成しようと思いますと、大規模なシソーラスのような意味データベースが必要になるので個人でやるのはなかなか現実的ではないような気も…。

フ〜フ〜 2014/04/24 19:41 やねうらおさん、お疲れ様です。
ブログも大変面白くてずっと拝見してました。
そう言えば、ツツカナの一丸さんも趣味の一つがDTMと書かれてましたよ。
お二人のDTM対談とかあれば面白い〜。

でも、将棋にも興味を失って欲しくない。
やねうらおファンからのお願いでした。

むずでょむずでょ 2014/05/01 20:15 洋楽と邦楽の良いところを混ぜ合わせてしまって
単語が崩壊するのを妄想するぜ☆ おはhelloタークとか☆

男性ボーカルが なめらかに女声になったり 若者になったり
年寄りになったりして 同一人物性とかもなくなったりして
あのCMの すばらしい歌は誰が歌ってるのかと話題になったあとで
ヤネウロイドであることが ニュースでばらされるところまで
妄想した☆ww

かにかに 2014/05/10 19:57 こんにちは。いつも楽しく拝見させて頂いてます。
やねうら王の今後も楽しみにしてますが、ボカロも面白そうですね。

色々ネットを徘徊していたところ、ニコニコ動画で似たジャンルで興味深いPがいらっしゃるのをみつけました http://www.nicovideo.jp/watch/sm22489726 
ライブ音源ってのはハード的にはこんなイメージなんでしょうか。

ぴーぴー 2014/05/19 21:58 >プロの作曲家になりたい人は、自分で商用ゲームでもプロデュースすればいいんだよ!
こんな単純なことに今まで気がつかなかったなんて!
ちょっとunityでゲーム作ってきます!というか入れてなかったんでまずDLから!
でも落としてる間暇なんで漫画でも読みながら待ちますけどたぶん漫画に夢中になってDLしてることなんて忘れて漫画読み終わったらとっとと寝ます!

名無し名無し 2014/05/26 10:06 エントリ違いかもですが、総務省がやねさんを募集してるそうです。

お役所始まったな! 総務省が通称「変な人」事業をスタート
来たれ、野望ある変人たち!
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1405/23/news058.html

ボカロの研究費を総務省からいただく、てのも悪くないかと。
最大 300万円までらしいですけど。

yaneuraoyaneurao 2014/05/26 10:52 ↑私がやろうとしているボカロとか自動作曲はアイデア自体が新しいのではなく、実装手段が新しいだけなので…どうなんでしょうかね…(´ω`)

2014-04-18 将棋における適切なハンディのつけかた

[] 将棋における適切なハンディのつけかた  将棋における適切なハンディのつけかたを含むブックマーク  将棋における適切なハンディのつけかたのブックマークコメント


※ 今日は、前回記事で書ききれなかった残り半分について書きます


【前回記事】

将棋における駒落ちルールとその考察

http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20140414#p1


コンピューター将棋 vs 人間」という対局において、どんな手合いが適切なのか。コンピューター将棋の近年の進歩めざましく、10万円未満で買えるような家庭用PCであっても、互角以上に戦える人間というのは将棋人口のうちの一握りであり、もう最後の砦(プロ棋士、あるいはそのなかでもトップレベルのプロ棋士)しか残されていないのが実状である


将棋ソフトのほうも、「人間の大局観」をプログラムするのが難しいと言われていた時代はとっくに過ぎ去っており、Bonanza代表されるような三駒関係という精度の低い評価関数(※)であっても、PC演算能力に任せて先を読めば(きちんと探索すれば)、トップレベルの人間の指し手に匹敵することがわかってきた。

※ GPS将棋など丁寧に作りこまれた評価関数に比べて局面評価の精度が低いと言う意味Bonanzaのfv.binがきちんと学習されていないのが悪いという話ではなく、三駒関係自体学習能力の問題。


おまけに近年、Bonanzaメソッドより大きなブレイクスルーがあった。(と私は思っている) Bonanzaメソッドでは棋譜にあまり出現しない特徴はゼロになってしまう。(機械学習で言うところのL1/L2正則化の影響) これをうまく式変形して回避する。このアイデア自体は以前から将棋ソフト開発者のなかでは密かに行われていたことなであるが、それをもう少しきちんとやったのがNDFである*1 まあ、このへんはいろいろ工夫の余地があるが、ともかく、第二のブレイクスルーにより、Bonanza6からR500以上、上がりそうな気配がある。


こうなってくると、数年後にスマフォ名人を超えるというのは、もはや夢物語でも何でもない。


からと言って、いくら太刀打ちできないからと言って、コンピュータースペックを落としてまで戦って欲しくないというのが将棋ファンの気持ちとしてある。


10年もしないうちに、炊飯ジャーに搭載されているマイコンですら名人に勝ち越すことも十分に考えられるが、炊飯ジャーに負ける名人将棋ファンは見たいだろうか?私は見たくない。


からPCスペック制限を課して、ソフトをわざと弱くしてそれで勝負するのではなく、可能な限り高いスペックPCによる最高の指し手、人間側も序盤は藤井先生、中盤は羽生先生、終盤は谷川先生のように、バトンタッチするなり合議するなりして、最高の指し手を指せる環境を作り、最高の指し手と最高の指し手がぶつかり合うところを将棋ファンは見たいのではないかと思う。


今回の電王戦で、森下先生は盤駒があればヒューマンエラーが減るので人間勝率は上がると(今回出場した5ソフトにも勝てるとも)おっしゃった。将棋最後ミスをしたほうが負けやすいという性質があるので、ヒューマンエラーをなくすのは特に重要である。ただ、森下先生の「盤駒があればヒューマンエラーが減る」に対しては、そこに居合わせた他のプロ棋士先生ですら懐疑的であったので、おそらく「盤駒を使ってもいいです」と言われても使うのは森下先生だけとなるのではないかと私は思う。


それでも、森下先生の「盤駒を使えば」発言の背景は私にはなんとなく理解できる。森下先生矢倉大家である矢倉は相当深くまで研究できるし、わずかなリードを少しずつ広げていく技術要求される将棋であるからミスさえ出なければコンピューターの下手くそな序盤を早い段階で咎めてそのまま優位を拡大できそうな戦型である一般論としてはコンピューター将棋はねじり合いは得意なので長い中盤戦にすると人間のほうが不利だと言われているが、森下先生の指す矢倉にはそんな一般論は通用しないのではないかという期待もある。


また、ヒューマンエラーをなくす目的であるならば、「待った」がありでもいいと思う。私があるプロ棋士先生に聞いたところ「1手だけ戻しても手遅れであることが多い」らしいので、1回の「待った」で10手まで戻してもいいこととし、1局のなかで3回まで「待った」をしてもいいというルール人間勝率がどれくらい上がるのかというのは興味深いところである


まだ、平手の勝負でプロ棋士将棋ソフトとの格付けが済んでいないのに何故ハンディのことをこんなタイミングで出すのかと言うと、さきほどのNDFのもたらすブレイクスルーが一つ目にある。(今年の年末には上位のソフトは去年よりさらにR100〜150ぐらい上がるかも知れない) 二つ目として、今回の電王戦で五位の習甦ですら、現時点でもうタイトルホルダーぐらいの実力があるという現実がある。


菅井五段の発言から統計的コンピューター将棋の実力と電王戦を考えてみる。(karonikki らくがき手帖)

http://d.hatena.ne.jp/sanjy/20140320/p1

>「習甦」の実力は全棋士163人のうち、6〜24番目ぐらいに相当するだろうと推測される


から、「五局の勝敗だけではなんとも言えない」などと悠長なことを言っていると来年か再来年にはトッププロですらトップソフトに対して勝率2,3割の時代が来かねない。


暗算名人電卓と真っ向から計算勝負で競っても仕方がないの同様に、コンピューター将棋ともそろそろ適切な手合割を設定しなければならない時期に差し掛かっているのである


その一つが駒落ちでの勝負である


私がひとつ前の記事で私が書いた通り、将棋の駒落ちというのは、公式戦で指されないのであまり研究がなされていない。(戦前には公式戦で指されていたようなのだが) 木村義雄十四世名人の『将棋大観』に載っている香落ち戦は上手・下手ともに指し回しがいかにも古臭い現代の、トッププロ同士が香落ち戦をやるとどうなるのか(もしかして必勝定跡が発見されるのではないか、定跡の整備がさらに進むのではないか)など、将棋ファンとしてはとても興味のあるところだ。


あと、現状、将棋の駒落ちは結構アバウトな手合いしかない。香落ちの次が角落ちなのだが、いくらなんでも差がありすぎだ。また、香落ちより小さいハンディをつける手段がない。そもそも、香落ちがどれくらいのハンディなのか今ひとつ知られていない。


そこで、まず、香落ちがどれくらいのハンディなのであるかをここで説明する。


香落ちは本来は二級差と言われている。レーティングで言うところのR200程度の差だということだ。ところが、アマチュアで2級の差がある級位者同士で対戦した場合、香落ちだとほとんどハンディにならないのが実状である。香落ちを咎めるのは級位者には非常に難しいし、級位者は、振り飛車にすれば相手(居飛車側)から角を成られたときに取れるはずの香がすでにいないので、むしろ上手(うわて)が有利なんじゃないかとぐらいに上手(うわて)も下手(したて)も思っている。


もちろん、プロの間では違う。2009年に『将棋世界』のなかでプロ同士の香落ち戦が実現したことがある。結果として4戦とも下手が勝ったが、必勝手順を見つけるには至らなかった。


プロの香落ち(LogicalInSpace)

http://blog.goo.ne.jp/mathshogi/e/02ef758ceedc62a9dee93c276cb1bf70

f:id:yaneurao:20140418013611p:image


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私は電王戦第五局の終局後の記者会見ときに、「(ソフトから見て)勝率8割というのは、もしこの8割がコンスタントに続くのであれば、これは香落ちの手合いではないか」と発言した。これが大変失礼な発言ではないか、「プロ馬鹿にするな」と言うことで、私への批判が絶えないわけであるが、一言だけ言わせてもらうと、例えば、片上理事ブログ(前回記事で紹介した記事)のなかに、次のような記述がある。


駒落ちあれこれ(daichan's opinion)

http://shogi-daichan.seesaa.net/article/43347155.html

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片上理事は、香落ちは「(実力互角の)プロ同士で勝率7割前後(と予想する)」のだそうだ。これからすると、平手で勝率7割という差があるもの同士ならば香落ちがちょうどいい手合いということになる。


まり、私が「本当に勝率8割だとしたらそれは香落ちの手合い」と言ったが、そのとき片上理事は、「なんだと?プロをナメやがって!」と内心思われていたのではなく、「本当に勝率8割なら、それは香落ちなんてもんじゃないな。香落ちは勝率7割のときの手合いだろう。」と内心思われていたのではないだろうか。


まあ、そんな香落ちではあるが、それでもプロが香落ち戦を本気で研究をすれば必勝手順(必勝の局面までの手順)が見つかるかも知れないので、であるなら、平手でやったとき勝率9割ぐらいの実力差でないと上手は勝てないことになる。


そこで、香落ちより小さなハンディをつける手段必要となるわけだ。この部分が、将棋では従来、あまり新しいルールが提案される機会はなかった。そもそもプロ棋戦は平手のみであるから、いままで新しいルールなど必要なかった。


また、将棋ソフトは、駒落ちに対してすこぶる弱い。これは駒落ち棋譜が少ないので駒落ち棋譜から評価関数パラメーターの学習をさせていないことも理由にある。あのPonanzaですら、二枚落ちの上手(うわて)をもって穴熊に囲い、自滅してしまう。


なので、ソフト開発者としては出来ることな駒落ち以外の方法で香落ちより小さなハンディをつけたい。


そこで私が提案するのは、チェスの「後手1手待ち」ルールである。これは、先手が初期局面で二手指し、そのあと後手が一手指す(あとは、先手、後手、普通に一手ずつ指す)というルールである。「後手1手待ち」はお手軽に導入でき、ソフトの評価関数が暴発しないギリギリのところではないかと思う。


ちなみに、森下先生に「後手1手待ち」ルールでの先手の最善手が何だと思うかを尋ねてみたら「26歩〜25歩ではないですか」とのことだった。


また、後手1手待ちルールは、もう少し大きなハンディにするために後手n手待ちルール拡張することが出来る。この場合、76歩〜33角成で相手の玉を取れてしまうとおかしいので、この後手が待っている間は先手は駒を1〜5段目には進めない、などの条件が必要となる。


森下先生に1〜5段目に駒が進めない「後手1手待ち」ルールでの先手の最善手について尋ねてみたところ「76歩,26歩ではないですか」とのことだった。

また、「後手1手待ち」がどれくらいのハンディかを尋ねてみたら、「香落ちよりは小さいハンディでしょうね」とのことだった。


しかし「後手1手待ちルール」のような特殊な(従来の将棋にはない)ルール採用されるためには、このルールが周知されている必要がある。そこで、HEROZの林社長に「後手n手待ち」でのハンディ将棋ウォーズに採用しませんか(いまならタダです!)と提案したところ、興味は持ってもらえたようだ。(「将棋ウォーズ」に採用されるかどうかはわかりませんが、100万人以上が遊んでいる将棋アプリ採用されたらインパクトは絶大。)


また、序盤の1手の価値がどれくらいなのかというのはあまりデータがないが、Ponanzaで初手で長考させると先手+70点ぐらいという話があったので、1手の価値はそれくらいだと思う。序盤の3手の価値が210点(※歩=100点、一歩得=200点なので、序盤の3手の価値≒1歩得)というのはだいたい感覚的なもの合致すると思う。(2手得する代わりに横歩を取らせるような戦法がやや損ながらギリギリ成り立つので)


あと、GPS将棋によると香落ちは+100〜+200点だそうな。(読みが深くなってくるともっと点差が開くのかも知れない)


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https://twitter.com/shogi_pineapple/status/456466001094131713/photo/1


とりあえず、私が提示できるデータはすべて示したし、言いたいことはすべて書いた。これでこのブログでの将棋関連の記事はいったん終わりとしたい。

読んでくださっている将棋ファンの方々、関係者の方々、いままでありがとうございました。


明日からこのブログボカロブログになります。(←本気)


[2014/4/22 5:30] 追記。


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https://twitter.com/itumon/status/457536790811787264


うおー!!itumon先生にそんなことを言ってもらえるだなんて!!

将棋の記事も定期的に書きますので、今後ともよろしくお願い致します。

nnsnns 2014/04/18 02:12 今のやねうら王は旧verに9割勝てるとのことですがNDFの方法を採用して強くなってるのですか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/18 02:22 ↑まだ私は評価関数には以前のものからほとんど手をつけてないです。(入玉関係だけ手で少し調整しましたが) NDFの方法自体もまだいろいろ改善の余地がある(と私は考えている)ので、NDFとはちょっと異なるアプローチを取りたいと考えています。あと、出来れば人間の棋譜を用いずに学習させたいと思っているので…成功するかどうかはわかりませんが。

将棋将棋 2014/04/18 02:37 私はプロがボコボコにされようとも一切の制限なしのガチンコ勝負がみたい。

yaneuraoyaneurao 2014/04/18 02:40 ↑今回のソフト事前貸し出しはそんなに有利には作用していないので、実質的にはガチンコ勝負だったのでは…。

将棋将棋 2014/04/18 03:04 そうですね。来年以降もということです。
公式戦ルールで戦うからこそ面白いのであって、ハンデ戦でプロが勝とうが負けようが感動はないと思ってます。

AA 2014/04/18 04:03 説明わかりやすかったです。
興味深い案だと思いました。
個人的には、森下さんの提案する盤駒使用のものと、持ち時間に差をつけたものが見たいですね。
以前から、コンピュータの持ち時間が人間と同じっていうことに疑問を抱いてました。
極端な話、1秒将棋はコンピュータならできますが、人間だと無理です。
なので、人間とコンピュータで持ち時間5倍くらい差を付けて対局するのもいいんじゃないかと思いました。
森下さんの案は、人間とコンピュータがより公平に戦えるようにするもの、そしてこの持ち時間に差をつける案は、適切なハンデについてですかね。

yaneuraoyaneurao 2014/04/18 04:08 ↑持ち時間に差をつけるとPCのスペックダウンと同義なのでそれはどうなのかという気はします。森下先生の案は時間に差はつけないで、人間が間違いにくい程度の時間(1手15分)で戦いたいということのようです。

名無し名無し 2014/04/18 04:45 面白く見れるのが一番ですから、持ち時間はソフト側をできるだけ削って、人間の切れてからの1手の分を伸ばしたほうがいいと思います。
極論私はソフトは1手1秒で指して欲しいです。

一電王戦ファン一電王戦ファン 2014/04/18 07:50 将棋は故森田さんのスーパーファミコンソフトにも負ける私ですので、興味深く拝見いたしました。
ガチンコについては、うちの父(アマ二段程度)でも強いソフトを買ってきて遊んでもらおうと思っても、強すぎてつまらないと放置してしまいます。
誰しもがそうではないと思いますが、くしくもサトシンさんが改変やねうら王のときに本音で話した「強くなっているんですよ」という言葉を聞いたとき、プロであっても強いソフトとはやりたくないのかなと思いました。
ガチンコ勝負では、豊島七段がいろんなものを捨てて研究をし、一〇〇〇局未満も指したうえでCPUを困らせる事態にさせた(水平線効果かな)ようなので、100局未満程度指しても強いソフトには太刀打ちできないでしょう。
盤駒有の森下先生案は終盤で疲れ果ててしまうのは目に見えるので、切れ負けにするか二日制にしないとだめかな。
共存共栄のあるべき姿は最終的にはCPUが盤駒の代わりに棋士の傍らにいて差し手を考えさせる電王戦タッグトーナメントのような方法か、研究用に使うのがベターなのでしょうね。
人間がベストで挑めるようにするのであれば、公式戦とし、賞金も竜王戦並にし、他のビッグタイトル並にしないとむつかしいと思います。
話がまとまりませんが、もはやCPUガチンコ勝負はスペックダウン程度か、二日制くらいしかなさそうな気がします。
最後に、まさかのやねさんボカロPデビュー(すでに投稿しているかもしれませんが)に期待しつつ、今年の電王戦参加に向けて頑張ってください。

jinjin 2014/04/18 08:47 ぜひ構想中構築中のやねうら王2014で
電王トーナメントで優勝してください!!
それで電王戦で先手になったら68玉→59玉でプロにハンデをつけてあげてくださいw
(NDFはなんで出なかったんだろう?)

通りすがり通りすがり 2014/04/18 09:47 この記事を読んで、陣屋事件を思い出しました。
昔は、公式戦でも駒落ちが考えられてたんですね。

惑星惑星 2014/04/18 10:22 これはおもしろいですね! 前に書かれてたスマホ対人間戦は正直つまらないなと思いましたが、このn手待ち対決はすごくみたいと思いました。
別のところで、コンピューター側は過去の棋譜を大量に使い、なんでもアリで不公平では?、という話を見ましたが、n手待ちはうまくハンディをつけられるのではと思います。

がーすーがーすー 2014/04/18 13:33 私は、人間vsコンピュータに限ってですが、「待ったOK」のハンデはいかがかと考えております。シューティングゲームで「3回やられたらゲームオーバー」っていうのと似たようなものだと思います。(プロ棋士vsコンピュータの電王戦ではプロのメンツがあるので、当面は非現実的だと思いますが。)

<新やねうら王を詰ましたら50万円 or 1万円>という企画を妄想してブログに書きました。
http://fairymate.blog92.fc2.com/blog-entry-129.html
○○分切れ負けで、待ったなしで詰ましたら50万円、何回待ったしてでも詰ましたら1万円、という企画です。

「詰ましたら」なので入玉しただけでは勝てないのも、ちょっとした工夫のつもり。
「待ったの回数制限」や「詰ますまでの時間制限」で、割と柔軟な調整ができるような気がしております。

「待った厳禁」は将棋の根本をなすモラル的なルールのようにも思えます。
しかし、コンピュータが強くなり、今やプロ棋士すら盤駒使用で長時間検討というアイデアも出すくらいですから、アマチュア向けの企画では発想の転換もありだと思います。

ちなみに新やねうら王とアマ強豪とが15分切れ負け・待った無制限でやったら、どんな結果になるとやねさんは思われますか?私は、見た目よりも実は相当難しいと思っているんですが。

新やねうら王が見られず、早くも禁断症状が出ています。
ぜひ近い将来、表舞台で見られることを楽しみにしております。

ai5ai5 2014/04/18 14:43 明日から平常運転ですか。
たまにでいいんで、将棋の事も書いてください。

星つむぎ星つむぎ 2014/04/18 14:53 記事内で言及されている、『将棋世界』誌「指し込み二番勝負」の企画について少しコメントします。

(09年2月号)佐藤康―村田顕 香落ち村田勝ち 平手佐藤康勝ち
(09年3月号)深浦―糸谷 香落ち糸谷勝ち 平手糸谷勝ち
(09年4月号)渡辺明―豊島 香落ち豊島勝ち 平手渡辺勝ち

当初の企画はここまでの予定だったはずですが、
更に引き継がれ、駒落ち上手の名手が登場したのが次号でした。

(09年5月号)木村―稲葉 香落ち稲葉勝ち 平手木村勝ち

ここまでの結果は、言及されている通りなのです。
ただ、その後も企画は続行されました。

香落ち上手は、基本的に振り飛車で戦う必要がありますが、
ここまでのトップ棋士陣営4名は、全員、基本的に居飛車党です。
ということで、この後に振り飛車党から2名が登場しました。

(09年6月号)久保―金井 香落ち久保勝ち 角落ち金井勝ち
(09年7月号)鈴木大―西川和 香落ち鈴木勝ち 角落ち鈴木勝ち

香落ち2局を、いずれも上手が勝利しています。
鈴木八段は「香も角も勝つ」と言い、実際に角落ちでも勝利を挙げました。

これで結果は、上手番から見ると、このようになりました。
平手=●○○○、香落ち=●●●●○○、角落ち=●○

「香落ちがどれくらい大きなハンデなのか」を考える上で、
ヒントにはなる情報だと思います。

yaneuraoyaneurao 2014/04/18 15:22 ↑*3 > 新やねうら王とアマ強豪とが15分切れ負け・待った無制限でやったら
いやー、それは相当負けると思いますよ。新やねうら王が旧やねうら王に大きく勝ち越すのは、旧やねうら王が入玉を狙わないからで、新やねうら王の入玉対策はまだまだなので…。
↑*2 はい、(従来通り)たまには将棋の記事も書きます。
↑*1 超・超・超・素晴らしい情報ですね!!いやー、こういうコメントがいただけるなら、この記事書いて良かったと思えます。

AA 2014/04/18 15:41 分かりにくいコメント失礼しました。
森下案は盤駒使用で時間は統一、そして持ち時間に差を付ける案は私の個人的なハンデ案という意味でしたが、両方森下案みたいにとれる書き方をしてしまいましたね。
コンピュータ持ち時間減少がスペックダウン同様大きな棋力ダウンになってしまうなら、確かにいまいちかもしれませんね。

ouou 2014/04/18 16:31 PVと記者会見のせいで連盟との関係がおかしくなってしまったようにも見えますが、
やねさんにはソフト開発を続けて頂きたいです。
新技術を使った最強ソフトはもちろん、駒落ちや入玉までも強いソフトを見てみたいですし、
従来には無い適正なハンデ戦という考えも興味深いです。

ヘッドロックヘッドロック 2014/04/18 19:52 >「盤駒があればヒューマンエラーが減る」に対しては、そこに居合わせた他のプロ棋士の先生ですら懐疑的であったので

会見を見た限りでは他のプロの方々が懐疑的だった様子は伺えませんでしたが、会見後に何かお話などされたのですかね。
懐疑的というよりは、プロのメンツ的に『盤駒の使用を許可される』というルールを受け入れ難いのかと思いました。
藤井先生は盤駒(のようなもの)を使用すれば有利と言ってますね。 https://www.youtube.com/watch?v=y7N9kZwxSUk

森下先生の盤駒使用に関する発言にはもうひとつポイントがあって、それは事前のソフト貸出が不要だと言っていることでしょう。 http://news.mynavi.jp/articles/2014/04/13/denou3/002.html
今回プロ側唯一の勝者である豊島七段も事前貸出がなかったら勝つのは難しかったでしょうから、それでも5戦全勝はほぼ間違いないという森下先生提案のルールでの対局は実現が非常に期待されます。
ただ次の電王戦に森下ルールが採用されるべきかというのはまた別問題で、電王戦特別イベントみたいな形で対局し、その内容・結果次第でしょうか。

森下ルールや後手n手待ち、「待った」ありなどのルールは、純粋にゲームの勝敗という面では非常に興味深いですが、
プロのメンツあるいは将棋連盟の思惑、興行としての成否、将棋ファンの見たいもの、などといった様々な観点が絡みあうと実現は難しいかもしれませんね。

ボカロには現状興味は無いですが、将棋に興味を持ったのはやねうらおブログが切っ掛けなので、また興味を持てるような面白い記事が書かれるものと期待しています。

Hajime_ItuakiHajime_Ituaki 2014/04/18 19:56 駒落ちのいいところはプロを引っ張り出さなくてもまだまだ検証と改良の
余地があるとこだと思うけど、注目度的な意味でどうなのかってのあるから、
電王戦のエキシビジョンとしてアマ強豪と駒落ち戦やってくれないかなと思ってます。
「ソフトは事前研究なぞられない限り駒落ちだろうが無敵」みたいな幻想
持ってる奴も増えてるし、現状認識のためにも。

学習用棋譜不足の現状で駒落ち対応の評価関数作るとしたら
どんな感じになりますかね…。

でたまでたま 2014/04/18 20:33 炊飯ジャーじゃなくても。。。マイコンを仕込んだ電王手くんなら名人が負けてもいいかな。(それ以前に、そこまでしてCOMと勝負する必要があるとは思いませんが。)

ABCABC 2014/04/18 23:29 >>香落ちは「(実力互角の)プロ同士で勝率7割前後(と予想する)」のだそうだ。これからすると、平手で勝率7割という差があるもの同士ならば香落ちがちょうどいい手合いということになる。


このような、一見正しそうで実は全く論理的ではない文章が全体の信頼性を落としている

yaneuraoyaneurao 2014/04/18 23:39 ↑*4 > 会見を見た限りでは他のプロの方々が懐疑的だった様子は伺えませんでしたが、会見後に何かお話などされたのですかね。
はい。会見後に打ち上げがありましたので。(朝の5時ごろまで…)
↑*3 > 学習用棋譜不足の現状で駒落ち対応の評価関数作るとしたら
結局、Bonanza型の評価関数はパラメーターが多いので学習棋譜が大量に要るというのが問題で、もっとパラメーターの少ない評価関数であればそこそこうまくいきますね。激指とか新東大将棋とか駒落ちそこそこうまいですしね。
↑*1 > 一見正しそうで実は全く論理的ではない
そこはレーティングの計算モデルからすれば正しいんです。平手で勝率7割 = R147差がある。互角の相手で香落ちだと下手の勝率7割=R147差のハンディが生まれる。ゆえに、平手で勝率7割=R147差=香落ちで互角。

ピンピン 2014/04/18 23:54 お疲れ様でした。様々な事がありましたが、少なくとも今回の記事は
深い将棋の知識とコンピュータの知識に裏付けされたとても面白いものに見えました。
将棋大観から始まる過去の歴史に対する考察から、ハード・ソフトの進化に始まる未来の将棋ソフトの性能比較や予測まで
興味深く読みました。周囲の理解を得て環境が許されるのならば、また将棋ソフトに関する考察や開発は続けて頂きたいとは思っています。

星つむぎさんのコメントに対する補足として、棋譜から見た観点を加えておきます。
持ち時間が1時間、切れたら1分という公式戦に比べるとかなりの早指しとはいえ、今年はNHK杯で活躍された西川四段に、5年前の鈴木大介八段は角落ちでどうやって勝ったのか。
http://www.geocities.jp/syoginosato/contentu419.htmに詳しい手順と考察が載っていました。
鈴木大介八段、初手△62金!
相手が実戦派の振り飛車党である事を研究で知った鈴木八段は、振り飛車に対して序盤の研究と構造力による抑え込みの将棋を挑んだようです。
また、相手に居飛車にされたら損になる可能性が高い初手62金でしたが、相手は居飛車にはしてこないだろうとも思っていたそうです。
結果は、膠着状態に持ち込んだ鈴木八段が西川四段の指し過ぎを咎めて勝ち。以下に棋譜もありました。
検索したら、でーたべーすに上記の指し込み2番勝負の棋譜はすべてのってますね。
http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display6&kid=66731
この構図、何に似てるかといえば、米長VSボンクラーズ戦の2手目△62玉と良く似ている事が分かります。
つまり、単純にぶつかって戦ったら戦力差や実力差を覆すのは難しいが、相手の戦法や癖を(例えば振り飛車にしてくる事を)研究で知った上ならば、
構造力と序盤の研究で差が縮まる可能性があるという事です。
2手目△62玉がわざと角道を開けず、角落ちの形と類似点が多くなるのは、この方針にのっとって指されている部分もあるからでしょう。
先崎学VS木村一基で「10秒将棋で、交互に角を落とす10番勝負」というのも過去にありましたが、
1手のミスが将棋では大きく勝敗を左右する、という側面を10秒将棋が大きく出してしまうので先崎先生から見ての3勝7敗となりました。
入玉をちらつかされた金銀4枚+中段玉に先崎先生がミスして負けた形は、米長VSボンクラーズ戦の形と大変似ています。
http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display6&kid=13117
ただこの10番勝負の成績は、人間で早指しだとミスが多くなりすぎて対戦成績に幅が出るという事が一番の原因で、戦い方や研究の部分が成績に占める割合は少ないと思います。
盤駒があればヒューマンエラーが減るから勝ちやすくなるという事には、他のプロ棋士と同じく非常に懐疑的です。
序盤に作戦勝ちになりやすい確かな研究があり、かつ中終盤のミスが多いという一部の棋士にしか有効ではなく、その効果も期待ほどではないはず。
戦形選択を慎重に行わないと、菅井習甦戦のようにソフトに読み負ける可能性の方が遥かに高いと思います。ただ、ビジュアル的な問題はクリアする方法は今思いつきました。

グーグルグラス(先日ちょっとだけアメリカのみ一般販売された)の様なウェアラブル端末で将棋盤の映像を操作、映像は外部出力で視聴者にも見れるようにするという形ならば
近未来SF的ビジュアルでかっこいいと思います。どうでしょうか?そういえば田中寅彦九段が似たアイデアを既に出されていたか。
やねうらおさんの知識からは、ウェアラブル端末での将棋盤操作の実現の可能性はどれぐらいあると思われますか?出来れば教えて下さい。
全体として、強さや勝率とは何か、その差を埋めるにはいかなる戦い方や条件が良いのか、という事を複数の視点や試案から考える良記事でした。
このような実際のデータや数値の部分に沿って考えられた考察記事ならば是非また読みたいと思いました。

yaneuraoyaneurao 2014/04/19 00:06 ↑詳しい補足ありがとうございます。62金はとても興味深いですね。
> やねうらおさんの知識からは、ウェアラブル端末での将棋盤操作の実現の可能性はどれぐらいあると思われますか?出来れば教えて下さい。

視線が捕捉できるウェアラブルであれば将棋盤操作ぐらい簡単でしょう。Google GlassはAndroidプラットフォームですから、手がうごかないような方でも、2,3年後にはGoogle Glassを用いて将棋ウォーズに参戦できたりするようになるのでは。

ピンピン 2014/04/19 01:02 Sonyにスポンサーになっていただいているのですから、使うウェアラブル端末はSmart Eyeglassじゃないといけませんでしたw
電王戦仕様に試作品を改造して、将棋盤操作を可能にしてもらえれば、Sonyの大きな広告にもなるし、勝敗はともかく電王戦の意義にも合うし
森下先生はメガネかけてるしでピッタリなんですが・・・来年の電王戦に間に合うよう1年で制作可能かというと難しいか。回答ありがとうございました。

YaktioriYaktiori 2014/04/19 06:46 個人的には盤駒を導入して欲しいです。
プロが弱いとは思いませんがプロが何を考えているかの一助になると思うのでビジュアル的に美味しいかなと思いました。
思考ゲームですのでやっぱ思考が見たいデス。デス。

anonymousanonymous 2014/04/19 13:32 「初手ココセ」(COMの初手を人間が指定できる)というハンデはいかがでしょうか?

人間側としては、穏便な戦型誘導ですませるもよし、アンチCOM戦略の奇手を指定するもよし。COM開発者側としては、「オールラウンドに強い平手ソフトを作る」という方針で開発していさえすれば、ハンデ戦用の特殊処理を手間暇かけて作る必要は無し。

AA 2014/04/19 16:03 ↑ こっちが先手番の場合、飛車先の歩をついて、相手に角頭の歩をつかせると、かなり大きなハンデになっちゃうかも

yaneuraoyaneurao 2014/04/19 16:16 GIGAZINEで紹介されていたのでメモ。
http://gigazine.net/news/20140418-headline/

り 2014/04/19 19:40 NDF革命は興味深いですね。
人間の脳味噌の中でも駒の相対関係みたいような「意味が重要な」ものを自動的に認識して、カーネル法やSVMみたいな事しているのでしょうかね?

yaneuraoyaneurao 2014/04/19 21:39 ↑人間は出現頻度が乏しくとも、パラメーターがゼロにいかないような弾力性のある学習機構なのでは。

軒下王軒下王 2014/04/19 23:41 やねさんの、「プロ棋士は評価関数の馬鹿でかいソフト」って着眼は才能感じるなあ。

将棋おもしろい将棋おもしろい 2014/04/21 10:42 今回の記事も楽しく読ませて頂きました。

数回前の記事で「事前貸出は棋士に多大な研究を強いる悪ルール」みたいな内容に目からうろこだったのですが、今回記事の対局ルールと相反する内容に読めます。これはどうお考えでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/22 04:59 ↑ソフトの事前貸し出しがあると、そのソフトについて練習対局しないわけにはいかなくて(そのソフトの苦手な定跡を探したりしなくてはならなくて)、電王戦が終わった次の日からは役にたたない部分が多いかという意味で、事前貸し出しは棋士への負担が大きいと書きました。

それに対して、例えば香落ちであれば、香落ちの試合自体は戦前には公式戦でも指されていたものですし、香落ちの研究や棋譜自体は将棋界の財産となっていくと思いますし、また香落ちの定跡の研究の過程で学ぶものが大きいようですので(『将棋世界』で香落ちで対局したプロ棋士の感想によると)、事前貸し出しで特定のソフトに対する研究をするよりはよっぽど健全なのかなと思うのです。

後手n手待ちのほうはよくわかりませんが、そこから一手損角換りのような思想というか、戦法が編み出されるかも知れませんので、香落ちの研究程度には平手の将棋への寄与があると思うんです。

cobiくんのmamacobiくんのmama 2014/05/03 13:46 こっそり書いてしまうと、やねうら王さんの対局姿(スーツ)は凄く凛々しかった、と周りのママ友達と話していました。また将棋の記事書いて下さい〜、みんなで楽しみにしています。以上、記念カキコでした。(何の?)

 2014/05/06 13:02 稲庭流のハンデと言うのも面白いかも知れませんね。「初手からN手目まで、歩を動かせない(ただし、取れる駒がある時は、その限りでない)」
2手までなら、普通の振り飛車になりそうですし、6手とか8手とかでも美濃に囲えるので意外と弱い縛りなんでしょうか?

LogicalInSpaceLogicalInSpace 2014/05/07 09:38 開発者の方に、5年前の「香落ちの記事」を取り扱って頂き、ありがとうございます。
これからも、ブログを拝見させて頂きます。

yaneuraoyaneurao 2014/05/07 13:10 ↑私にとってあの記事は、とても意味のあるな情報でした。将棋世界のような雑誌は古くなると誰も読まなく(読めなく)なりますが、そういう記事をインターネット上で検索エンジンから到達可能にしておくことに一定の意義があるように感じました。貴重な情報を提供いただいていることに感謝致します。

coachycoachy 2014/05/17 21:12 >yaneurao
>持ち時間に差をつけるとPCのスペックダウンと同義なので

「スペック」というのは問題の難しさが端的に表れる言葉なのではないでしょうか。
「コンピュータのスペック」と「人間のスペック」が同じように定義できるものなのかどうか。

人間はどうしても調子が一定ではないので、パフォーマンスを落とさない工夫や、落ちた時に立て直すなどしないと「最大スペック」にはなりません。

例えば、プロ棋士の長考は「迷いを吹っ切る」という心理的安定(=最大スペックに近づける)のためのものが多く、これはコンピュータにとっては全く必要の無い時間の浪費と言えるでしょう。
(理想の持ち時間は、何回でも長考できるよう10時間以上必要な気がします)

「コンピュータと同じ持ち時間」というのは、思考時間としては対等でも、上記の分だけ人間をスペックダウンさせる事に他なりません。
人間のスペックダウンは「対人ルールではそうなっているから」というだけの理由で、いとも簡単にまかり通ってしまうわけです。
森下先生の継ぎ盤案もそうですね。

だからと言って、コンピュータのスペックをダウンさせる事には疑問を持つ人も多いでしょう。
むしろ、人間のスペックを最大化する事にまずは議論を尽くすべきだと思います。

ああああああ 2014/06/06 10:42 ご存知かもしれませんが、サイエンスライターの鹿野司さんのブログで少しだけやねうら王の話がでてました
http://blog.blwisdom.com/shikano/201404/article_3.html

yaneuraoyaneurao 2014/06/08 04:07 ↑紹介、ありがとうございます。あとでこのブログで言及するかも。

takataka 2014/06/20 21:51 後手1手待ちの場合、先手36歩35歩を決められるほうが後手嫌な気がします。

5の段は駄目ってことにすべきですかね。

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2014-04-14 将棋における駒落ちのルールとその考察

[] 将棋における駒落ちルールとその考察  将棋における駒落ちのルールとその考察を含むブックマーク  将棋における駒落ちのルールとその考察のブックマークコメント


※ 一昨日の電王戦第五局の終了後の記者会見でうまく話せなかったことをここにきちんとまとめなおしておきます。一度に書ききれないので今回は半分ぐらいをまず書きます。


以前、羽生さんが「打ち歩詰め禁じ手でなければ、将棋は先手必勝(なのではないか)」と発言して波紋を呼んだことは将棋ファンなら誰でも知っているだろう。もちろん、羽生さんが打ち歩詰めが有りのルールにおいて先手勝ちの変化を見つけているというわけではないと思う。将棋の変化はそこまで狭くない。羽生先生の思考過程は、おそらくこうだ。


打ち歩詰め」は数ある将棋ルールにおいて長年淘汰されなかった重要ルールである。長年淘汰されなかったからにはそれなりの理由、何らかの必然性があるはずである。それは、「打ち歩詰め」というルールなしでは、ゲームとして成立しない何かがあるのではないか。「打ち歩詰め」をなくしてみても、将棋ゲーム性はそこまで変わらない(別にゲームとして成立しなくなるほど簡単なゲームにはならない) しかしそれなのに「打ち歩詰めルール必要だと言うのであれば、それはゲームとしての崩壊しか、理由が考えられない。だから、「打ち歩詰め」がないと「先手必勝」になってしまう。

※ この思考過程を裏付けるような羽生先生の発言もあったと思う。


さて、駒落ちルールについてもこの考え方を適用してみよう。


将棋の駒落ちでは上手(うわて)が先手となる。駒を落とすのはハンディをつけるためである。上手は強いわけであるしかし、その強いほうが何故先手なのか?これは誰しもが疑問に思うことであるしかし、この答えを知る人はいないだろう。興味深いことに、さきほどの考え方を適用するとこの“答え”を導くことが出来るのだ。このことは私が20年ぐらい前に将棋勉強しようと思って駒落ちの本を読んだとき発見したものだ。後述する。


まず、将棋の駒落ちのルールはいつ決まったのかということについて、歴史的な経緯を書いておこう。


将棋ファンであれば、常識であるが、駒落ち書籍としての古典木村義雄十四世名人の『将棋大観』(昭和3年発刊)であろう。木村先生は、同型角換腰掛銀の「木村定跡」でも有名である。この先生は定跡を研究することに関して卓越した才能をお持ちだったのだろう。


将棋大観』は、最古の将棋定跡書である大橋宗英の『将棋歩式』や天野宗歩の『将棋精選』(どちらも江戸時代のもの)を下敷きとして、それを木村先生が改良されたものとなっている。つまり駒落ちルールはすでに江戸時代にはあったということになる。江戸時代に指された棋譜としては駒落ちで上手が後手の棋譜が残っていたと思うが(うろ覚え)、上の『将棋歩式』『将棋精選』のどちらも駒落ちの上手が先手となっている。


まり、『(駒落ちの)上手が先手』というルールは長年淘汰されなかったルールであるということになる。


別の角度からも書いておく。


大山十五世名人が、30年ぐらい前に「将棋の駒落ちというのはこれと言ったルール公式に決まっているわけではなく、昔からのやり方でやっている(ので変えても良い)」という主旨の発言をされていたと思う。(うろ覚え)


また、中原先生はかつてNHK杯テレビ将棋トーナメントで、「角落ちや飛車落ちより、私は金落ちのほうが嫌ですけどね」という発言をされていた。「金落ち」という場合、二枚の金を落とすわけではなく(金二枚のほうが角一枚や飛車一枚より勝るというのは将棋常識なので)、金を一枚だけ落とす話をされているわけである。金落ちが角落ちや飛車落ちより指しにくいのかどうかはプロ棋士の間でも意見がわかれると思うが、その感性中原先生らしいと思うのは私だけだろうか。ともかく、「金落ち」のような変則的な手合割について、中原先生が考えておられたことがあるというのは大変に興味深い。


さて、ここで最初の話に戻して、では「何故、駒落ちは上手が先手なのか」について私が20年前に得た“答え”を書いておこう。


最も完成された定跡は二枚落ちの定跡である。これは二枚落ちより多く落とすとハンディが大きすぎて将棋にならないのであまり研究されておらず(実際、従来の定跡書に載っている四枚落ち、六枚落ちの定跡は、激指などで検討するともっと良い手が見つかる)、また、角落ち・飛車落ちなど二枚落ちより小さいハンディの手合いについては変化が膨大になるため定跡としての完成度も低くなってしまう。


であるから、二枚落ちの「二歩突っ切り」「銀多伝」が最も完成された定跡なのである。この両者は江戸時代にはすでにあったとされている。

まり、「上手が先手」というルールは、これらの定跡の完成のために必要であったと考えられる。


説明が長くなるので、ここでは二歩突っ切りにだけ焦点を当てよう。


将棋ファンなら誰もが知っているであろうが、二歩突っ切り戦法とは、次図の形に組む。その戦法の名前の通り、3・4筋の二つの歩を5段目まで進めてある。この形に組むのが急所で、これにより、上手の左辺の駒を釘付けにできる。3一の銀を4二にあがるとその途端に3四歩と突かれてしまうので上手は左銀を2二に上がらざるを得なく、実質的に上手の左銀を無能化できる。


f:id:yaneurao:20140414131054p:image


上手は右の金を守り駒に使うとしたら、攻め駒は右の銀の1枚だけである。左銀が自由になれば、攻めの駒が2枚になるが、二歩突っ切り戦法はこれをさせないわけである。つまり普通に戦うときに比べると上手の戦力は半分しかない。それゆえ、二歩突っ切りで戦うなら、上手は角・飛がなく、左銀・左金が使えないので実質的に4枚落ちか6枚落ちに相当するハンディとなる。大変に優秀な戦法であるわけだ。


二歩突っ切りをするためには、下手(したて)は、4五歩を早く決めないといけない。これを早く決めないと上手に逆に4四歩して角道を遮断されてしまい、左銀が楽になってしまう。(4二銀〜4三銀と使えるようになってしまう) これは即、作戦の失敗を意味する。上手の左銀の活用が決まり、上手の戦力が倍増してしまうのであるから。これでは下手勝てない。[次図]


f:id:yaneurao:20140414131055p:image


そう考えると、下手の4手目の4六歩も必然である。ここで4六歩を間に合わせておかないと次に4五歩が突けない。そうすると上手に先に4四歩と突かれてしまい、上図の失敗図の局面になってしまう。


f:id:yaneurao:20140414131056p:image


まり、この4六歩〜4五歩が間に合うことによって、二歩突っ切り戦法の成立が約束されているわけである。また、この4手目の4六歩、6手目の4五歩が必然手(他の手に変えると上手が4四歩で角道を遮断する手が間に合ってしまう)であることが、二歩突っ切り戦法を完成度の高い定跡としているわけである


裏をかえせば、

・上手が先手であっても二歩突っ切りという大変優秀な戦法が成立する

・上手が先手であることによって二歩突っ切りの4手目・6手目を必然手とできる

ということである


このあともいろいろ必然手が出てくるのだが専門的になりすぎるのでここでは割愛する。ともかく、必然手の連続という綱渡りのような手順ではあるが、いや、綱渡りのような手順であるからこそ、二歩突っ切り戦法という大変に優秀な戦法がギリギリのところで成立すること自体が「上手が先手」というルール正当性示唆していると私は考えたのである


それが「何故、駒落ちは上手が先手なのか」に対して私が20年前に導き出した答えであった。これは私独自の考え方なのだと思っていたが、驚くべきことに私が得た結論と全く同じことを書いてあるブログがあった。


駒落ちあれこれ(daichan's opinion)

http://shogi-daichan.seesaa.net/article/43347155.html

f:id:yaneurao:20140414131057p:image


上記の記事の記述だけではこのブログ主の思考プロセスまでは読み取れないだろうが、ここまで読んできた読者になら、上記ブログ主は私と全く同じ(?)思考プロセスを経たであろうことが容易に想像がつくだろう。


私は上記の記事を昔に読んだときに、「ああ、世の中には私と同じ考え方をできる天才がいるんだな」と世間の広さを知ったわけである。あっ。うちのブログの愛読者なら私が自分のことを「天才」だと書いているのはいもの冗談だとわかるだろうが、わからない人のために一言申し上げておくと、だいたいにして自分のことを「天才」などと自分で言っちゃうような人は(本気でそんなことを自分で思っているなら)頭のおかしい人であって、決して天才ではないからな。


まあ、それはそれとして、その当時に上のブログを読んだとき「このdaichanとはどこの天才だよ!」と私は思っていたのだが、今回、私が本記事を書くために発掘してきてよくよく読みなおしてみたら、この天才は、なんと日本将棋連盟の片上理事である。私は片上理事にこの電王戦では非常にお世話になったのだが、まさかこの記事が片上理事の記事であったということに、正直何かしら運命づけられたものを感じずにはいられない。


さて、ここまでで「(駒落ちの)上手が先手」であることの理由は十分に伝わったと思う。

また、駒落ちの手合いには歴史的に見て必然性はないので別に他の手合い、他のハンディのつけかたがあってもいいであろうこともご理解いただけたと思う。


明日の記事では、今後の電王戦(あるのかどうかは知らない)や将棋における適切なハンディのつけかた、従来の将棋にはない新しいハンディの形式についての考察森下先生に直接お聞いた話などを交えながら書く。お楽しみに!

凡人凡人 2014/04/14 14:04 とても面白い記事でした。
明日の記事も楽しみにしています!
そして、出来れば今後も将棋に関わっていただきたいです。
こんな天才を失うのはとても惜しいです。
風当たりは強いかもしれませんが、応援しています。

将棋将棋 2014/04/14 14:23 関係ない話ですが、ニコニコ超会議に電王戦4ソフトが出るのにやねうら王が出ないのは何でですか!?
仕事が忙しいので辞退されたのかな?まさかハブられたのではないでしょうね?
ちょっとガッカリしてるんです。

yaneuraoyaneurao 2014/04/14 14:33 ↑*1 昨日の記事の追記を参考にどうぞ。

将棋ファン将棋ファン 2014/04/14 15:03 なるほど、と思わせる興味深い考察ですね。
まとめて書いていただき将棋に対する真摯な姿勢を感じ取ることができました。
森下九段との柔軟思考対話の話も楽しみにしています。

40代40代 2014/04/14 15:37 ド素人の考えですが、第4回電王戦やねうら王は
例えば先手の場合、初手から必ず ▲1六歩▲1五歩▲1四歩で
歩をタダでやるようなハンデバージョンで出場というのはどうでしょう。
実績を作るという意味で。

20代20代 2014/04/14 15:46 やねうらおさんをひふみんと対談させるとどうなるんだみたいなコメント多かったけど、森下9段のが噛み合う気もしてきた。

yaneuraoyaneurao 2014/04/14 15:48 ↑*2 それは香落ち以上のハンディでしょうから、全然勝負にならないと思いますよ…。

ILKILK 2014/04/14 19:20 面白い考察でした。
やねうらおさんの将棋の知識・思念は、今後の将棋会にとって絶対にプラスに働くと思います。
今後も是非とも将棋に関わり続けてください。

30代30代 2014/04/14 21:23 素人ですが、駒落ち以外のハンデで思いつくのは、開始時点でいくつかの自駒を成駒あるいは手駒にする、ですね。

話は変わりますが、次回電王戦が開催される場合には、持ち時間に特別ルールがあってもいいのではないかと思いました。
プロ棋士側はトイレ休憩が必要な分+30〜60分、将棋ソフト側はバグに備えて+30〜60分(バグが発生しなかった場合は追加時間なし)など。

今回の電王戦は豪華な会場での対局ということで、トイレまでの往復に時間がかかっていたようですし、
その都度和服の着付けを直したりもあったかと思うので、持ち時間としてはプロ棋士側が若干不利だったのではないかと想像します。
それとも、PCへの指し手入力は開発者が行うということで、開発者の離席中に手が進みPCへの入力が遅れるということもあったのでしょうか?
次回は電王手くんが相手の指し手を読み取るなどして、PCへの指し手入力が自動で行われるようになるといいですね。

tachuppetachuppe 2014/04/14 22:09 もっ、もすかして

やねうらお さんって

つのだじろう さんっ

ですか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/14 22:14 ↑*2 > 開始時点でいくつかの自駒を成駒あるいは手駒にする
それはめちゃくちゃ大きなハンディなので、プロ棋士レベルの人がやれば下手(ハンディをもらった側)が必勝です。いまは、香落ちより小さな(細かな)ハンディが必要なのです。

↑*1 (´ω`)?

観戦者n号観戦者n号 2014/04/14 22:47 > うちのブログの愛読者なら私が自分のことを「天才」だと書いているのはいつもの冗談だとわかるだろうが、
> だいたいにして自分のことを「天才」などと自分で言っちゃうような人は頭のおかしい人であって、

今回の電王戦で「凄いんだけど空気が全く読めない」というキャラが出回ってますよ…
で、駒落ちが「どれだけ有利か」を定性的に論じることは今のところ出来ないわけで。
「これくらい有利だという学者が過去にいたよ!!」てくらいかな。

というところまで考えて読めというのはもう無理なんじゃないでしょうか。
結構有名になっちゃったから。

yaneuraoyaneurao 2014/04/14 22:55 ↑ > で、駒落ちが「どれだけ有利か」を定性的に論じることは今のところ出来ないわけで。

それについては明日の記事で書きます。

yaneuraoyaneurao 2014/04/14 22:57 【お知らせ】コメント欄に実在するプロ棋士の名前等で書き込まないでください。(ご本人様でいらっしゃるなら構わないのですが) 質問の内容がどうであれ、削除せざるを得ないのです。よろしくお願いします。

やれやれやれやれ 2014/04/15 05:19 二歩突っ切りは上手にも対策というか紛れを誘う手が多いと思い込んでいたので有力な戦法ではないと思い込んでました(恥
最近は駒落ちでも平手感覚で指す方が多いので、駒落ち定跡にスポットを当ててみるのは面白いですね。
まさかプロ相手にソフト側が駒を落とすなんて考えてはいないでしょうけどwww

bbbbbbbbbbbb 2014/04/15 06:40 先後の勝率差問題と、ハンデ戦の問題について、前に個人的に考えていて思いついた案があります。
「今まで通りの初期配置で、プラス駒台に歩をn枚追加してスタートする。」というものです。

先手0枚 後手1枚だと、今度は後手有利になってしまうというなら、
先手1枚 後手2枚とか、先手2枚 後手3枚とかで調整し、勝率差をなくすわけです。

ハンデ戦の場合は、初期持ち歩の量を実力差に応じて調整することとします。

囲碁の場合、コミや置石という数量的な変化で、質の変化の少ないまま、こういった調整をしていますが、
将棋の場合、これまで、劇的な質の変化なくして勝率調整やハンデ戦を行うことはできなかった。
だが、この方法なら、質的な変化を最小限にとどめつつ、先後の勝率調整や、
ハンデ戦を行えるのではなかろうか、と考えてみたのですが、どうでしょうか。

亜亜亜亜亜亜 2014/04/15 17:40 ↓この発言に、個人的にツボりましたw

>だいたいにして自分のことを「天才」などと自分で言っちゃうような人は(本気でそんなことを自分で思っているなら)頭のおかしい人であって、決して天才ではないからな。

つまり、冗談で言ったのだから、自分は頭がおかしい人ではなく、本当に天才だとw
だから、実質的には本気で天才だと言っている自分は頭のおかしい人であって、決して天才ではない。
結局、天才ではないと主張していることになって、自分は頭のおかしい人ではない。
だから、実際には天才・・・という無限ループw

ai5ai5 2014/04/15 20:35 現状のルールでは大部分の棋士がコンピュータより弱いので、
何かハンデをつけるべきだという主張ですか?

鈴木康夫鈴木康夫 2014/04/15 22:27 片上理事と同じ考えだと思ったら、記事で触れられてました。
私は打歩詰のルールは将棋の奥深さを担保するために残っていると考えます。
飛角歩の不成や二段目の香の不成の方が成るよりも良い可能性が残ります。
実戦でもごく稀に実現し、詰将棋の重要なテーマとなっています。

YakitoriYakitori 2014/04/16 02:26 人間はアップグレードは得意ですけどダウングレードは苦手です。
コマ落ちやルールの下方修正なんかはダウングレードになってしまうので非常に問題になりますよね。
それと、打ち歩詰めができたら、これまでの常識を覆しますから、範囲は大きくなりますけど考え方としては瞬間的なダウングレードじゃないでしょうか。
慣れればもう戻れなくなりそうですが、定石の幾つかは使えなくなるでしょう。

初心者ですが初心者ですが 2014/04/16 05:09 打ち歩詰め禁止って「一兵卒が突然現れて大将の首をとるみたいな卑怯な真似はダメ」
と権力者が自分がそうならないようにと後付で加えたルールだと勝手に妄想して思っていました。
プロ同士の棋戦だと打ち歩詰めになる場合たまにありますよね。

YOSIYOSI 2014/04/16 12:26 打ち歩詰めのルールは、すばらしい詰め将棋作品のためにあるに決まってますよ。詰め将棋ファンには常識です。

kokada_jnetkokada_jnet 2014/04/16 23:28 打歩詰め禁止の件ですが。
持ち駒使用なしだった原将棋が、持ち駒使用ありの現在将棋に変化した際。「至極簡単に、王手がかかる、打歩の王手」は、ゲームの興をそぐものとして、当初、忌避された可能性があると思います。(私が子供の頃、指していた縁台将棋では、「打歩の王手は駄目だよ」というルールが、確か、ありました。初心者は無意味な打歩の王手をかけがちですので、初心者レベルでは、有効なルールだと思います。)
その後の、現在将棋の、上位者たちの実戦をへるうち、「打歩の王手は認めるが、打歩詰めは禁止」とするのが、「シンプルでかつゲームの興趣が深い」ものとして、生き残ったのではないでしょうか。
ですので、打歩詰め禁止と、先手必勝の有無とを関連づけるのは。論理のレベルが違っている気がします。

名無し名無し 2014/04/17 19:47 > yaneuraoyaneurao 2014/04/14 22:55
> ↑ > で、駒落ちが「どれだけ有利か」を定性的に論じることは今のところ出来ないわけで。
>
> それについては明日の記事で書きます。

明日がくるのを楽しみに待って3日が過ぎました。

mmtmmt 2014/04/17 22:04 やねうら先生質問です!
将棋の神が入玉を目指し、将棋の神が入玉を防いだ場合、入玉出来ますでしょうか?
考え出すと夜も寝られへんのです。
根拠レスアンサーで結構です。

yaneuraoyaneurao 2014/04/18 01:57 ↑* 2 す、、すみません。いまアップしました。いままでの疲労がどっと出たのか、ここ数日間、1日16時間ぐらい寝てました。(´ω`)
↑*1 私、将棋の結論は(神様同士が対局したなら)、相入玉での引き分けはないかと思うんですよね。必勝手順を回避するために入玉するのは意外と楽で、片方の入玉が確定するなら、もう片方も入玉しないとバランスが取れませんので入玉することになると思うのですが、それで引き分けというのが意外とありそうな。ソフトはいま入玉は苦手ですが、今後、入玉がうまいソフトが出てきたら、10%〜20%の試合は入玉模様になると思いますよ。

mmtmmt 2014/04/18 08:52 最後にお返事もらえて良かった。
近い捉え方で嬉しいです。
ただ、相入玉後、双方の強大な戦力によって
長手数の戦闘がなされた後、決着というのが
完全解かも知れないと思っています。

ちとしはちとしは 2014/04/27 20:26  ハッキリ言って、その二枚落ち定跡、これっぽっちも優秀だと思いません。完敗しか経験ないですので。その点、二枚落ち革命は勝ちましたので、よほど優秀かと。

yaneuraoyaneurao 2014/04/28 10:08 ↑新・駒落ち革命の二枚落ち定跡が従来のものより優秀なのは後発なので当たり前かと。あと、二歩突っ切りでもアマ二段ぐらいの棋力であればプロ相手に8割以上勝ち越すかと思います。私はニ歩突っ切りでプロとの指導対局(7局ぐらい経験あり)で負けたことはないので。

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2014-04-13 第三回電王戦が終わりました

[] 第三回電王戦が終わりました  第三回電王戦が終わりましたを含むブックマーク  第三回電王戦が終わりましたのブックマークコメント


Ponanzaの対局が終わるまで、私は隣の部屋でCSAの山田さん、瀧澤会長アマ強豪の古作さん、量子将棋の人とかHEROZの林社長など超豪華メンバーと局面検討していたのだが、終局するころには、私は暑くて眠くて人がいっぱいで立って移動できないので水なくて脱水症状ぎみになってて、記者会見自分が何しゃべったかもよくわからない状態だった。眼球が痛いし、目の焦点合わないし、手の震えは止まらないし、頭くらくらした。


まあ、なんにしても電王戦、無事終わって本当に良かった。


電王トーナメントから電王戦本番まで私は当日にやねうら王がフリーズする夢を見て不安で眠れない日が続いたせいか、体重がずいぶん減ったのだが、電王戦もようやく無事終わったことだし、「これは電王戦ダイエットだったのだ」とでも思うことにしよう。いまは終わったばかりで、なかなかそんな気持ちの切り替えも難しいが…。


関係者の皆さん、将棋ファンの皆様、お疲れ様でした。


[2014/4/13 9:00] 追記。

コメント欄> 電王戦エンディング佐藤六段と将棋をしているシーンがあってグっときたのですが、あれはいつ撮影されたものだったのでしょうか。


3月1日佐藤紳哉六段宅に訪問させていただいたときのものです。二枚落ちでの指導対局で、私は二歩突っ切り戦法を採用し、完勝しました。局後、佐藤紳哉六段からは「(下手には)一手の悪手もなかった」とおっしゃっていただきました。それは私にとって今回の電王戦関連のイベントのなかで一番素敵な思い出です。この思い出に支えられ私は本日までやってこれました。佐藤紳哉先生、本当にありがとうございます


[2014/4/13 9:30] 追記。

コメント欄 > MVPの件ですが、やねさんには習甦の受賞はどのように感じたのでしょうか?


習甦の開発者竹内さんは立ち居振る舞いが立派でしたし、また、本電王戦での習甦の指し手には美しさのようなものを感じましたので、視聴者投票による受賞は順当かなと私は思います


[2014/4/13 21:00] 追記。

> ニコニコ超会議3で、豊島七段&YSS vs ponanza×ツツカナ×習甦、というイベントがありますが、ここにやねうら王の名前がないのはどういう事情があるのでしょう?


わかりません。まあ、旧やねうら王には深刻なバグがいくつもありますし(その局面図は私のほうからお送りして、日本将棋連盟のほうでも確認いただいてます)、そういうのがイベントの進行の妨げになるのではないかと心配で私はまた寝られない日々が続くことになります(笑)、そういう意味ではやねうら王が参加しないのは、私としては願ったり叶ったりなところでもあるのです。


[2014/4/13 21:05] 追記。

> 次回電王トーナメントには出場されるのでしょうか?


いまは自分でもよくわかりません。気持ちの整理がついてからまた考えます


[2014/4/13 21:15] 追記。

> まさに抱腹絶倒!でも根っからの正直者というのが、聞いている全員に伝わったと思いますよ。


あの会見の私の発言は、長い長いと言われていたようなのでどれくらい長いのかと思って、書き起こしを読み返してみました。


第3回電王戦終了後の記者会見(書き起こし)(将棋パイナップル2.0)

http://shogi-pineapple.com/wp/?p=239


確かに長いし、あの場で言うべきことでもないような感じの話ですが、しかし私が言いたかったことは1/100も言えてないですね。


山岡明日もう一度このブログに来て下さい。あの会見の100倍密度の濃い内容の記事を用意してお待ちしてますよ。」


[2014/4/14 8:30] 追記。

> 最新バージョンのやねうら王なら160人くらいいるプロ棋士のレベルでは上から何位くらいの位置にあると思いますか?


3月時点の新やねうら王からさらに改良が進みまして、旧やねうら王に対しては9割以上勝ち越すようになりました。旧やねうら王が仮にあるプロ棋士レベルにあるとして、あるプロ棋士に対して9割以上勝ち越すプロ棋士が一体何人いるのかという観点で考えてみる(この考え方は、ボンクラーズ伊藤さんによるもの)と、どのへんに位置しているかはわかるかと思います。(長い持ち時間になると多少人間有利になるようですが)


[2014/4/14 13:30] 追記。

> 過日50万円を何か自己営利以外で使うみたいな内容が


やねうら王を将棋倶楽部24に参戦させるためのプログラムおよび公式サイトでその対局中の読み筋・盤面などが表示されるシステムの開発をうちの会社社員に手伝ってもらったんですけど、その支払いがもうすでに50万円近くなんですけども…><

ITOITO 2014/04/13 07:46 お疲れさまでした。会見でアクセル全開だったのはそういう事情があったのですね。

電王戦のエンディングに佐藤六段と将棋をしているシーンがあってグっときたのですが、あれはいつ撮影されたものだったのでしょうか。

くまさんくまさん 2014/04/13 09:06 第三回将棋電王戦お疲れ様でした。

やねさんの最後の会見の様子は、電王トーナメントで寝不足だった時の会見と同じ雰囲気を感じていたので、体調不良を心配しておりました。

MVPの件ですが、やねさんには習甦の受賞はどのように感じたのでしょうか?

チャモアンチャモアン 2014/04/13 09:26 将棋会館で最終局だと、少し狭過ぎるのかもしれませんね。
第4回があれば、最終局は広い会場だといいですね。
大変お疲れ様でした。

開発者のMVPでは一応投票しておきました。やはり初参加で入賞は素晴らしいし、アマに根強い人気のノーマル四間飛車での勝利は励みになります。短期間で強い新バージョンを生み出せるのも凄いです。
しゅうそのMVPは去年に比べて目に見える成長があったので、そこが評価されたのだと思います。

最後ですし、できれば佐藤六段と和解して欲しかったです。
(佐藤六段から何かやねうら王さんに言ってもらいたかった)

記者会見のお話は『長過ぎる』とのコメントが多かったですが、
面白い内容でした。この記事で理由が分かって納得。

第4回はどうなんでしょうか?
タイトルホルダーが3人だけで、今回の日程だと電王戦とタイトル戦が結構かぶっているのでプロ棋士側の人選は難しいと思います。
電王トーナメントは開催が決まっているようでしたので、次はポナンザと並んで優勝候補と思いますので賞金目指して頑張って下さい。

一電王戦ファン一電王戦ファン 2014/04/13 10:23 やねうらおさん、お疲れ様でした。
エルグランド投票はやねさんに入れましたが、推定50万人が見ている中では死に票でした。
ニコニコではいまだに何やら言っているコメントもありましたが、やねさんにとっては一番未熟なバージョンのソフトの貸し出しや、ひと騒動で心身ともに疲れ果てたかと思います。
少し気分転換してから、世界将棋選手権なり電王戦トーナメントで頭角を現してほしいと思います。
ぜひ、次回はぽ何座相手に圧勝するソフトを開発してください(プレッシャー大きすぎかな)。

tttt 2014/04/13 12:46 電王戦参加を決められたのは去年の8月頃ですか?
相当濃い9ヵ月だったのではないでしょうか。
ほんとにお疲れ様でした。

たくたく 2014/04/13 13:52 本当にお疲れさまでした!
見応えのある対局をありがとうございました!
また、やねうら王との対局を見たいです。
今後の活躍にさらに期待しております!
本当にありがとうございました。

名前名前 2014/04/13 15:56 ニコニコ超会議3(http://www.chokaigi.jp/2014/booth/cho_igoshogi.html)で、豊島七段&YSS vs ponanza×ツツカナ×習甦、というイベントがありますが、ここにやねうら王の名前がないのはどういう事情があるのでしょう?

やねうら王が、森下九段の提案したルール(持ち時間3時間、切れたら1手15分、盤駒使用)でもプロ棋士を圧倒出来るようなソフトに成長することを願っています。

田酒田酒 2014/04/13 16:13 お疲れ様でした!
面白い将棋をありがとうございます!

一ファン一ファン 2014/04/13 17:40 ↑↑ そういえば、書いてないですね。
好意的に見れば、バグ潜在のやねうら王は支障をきたす恐れがあるからやねさんが自主的に取り下げたか、運営からそういわれたのかと思いますが、伊藤さんの裁判のように露骨に将棋連盟なりが横やりを入れてきたのかと勘繰りたくもなりますね。
そういうところのケアがドワンゴには決定的に欠落している、若者の会社ということなのでしょうね。
やねうら王2014を出すと、何やらよくわからないレギュレーションとやらで出場禁止でしょうし、2013は病弱な妹ですから屋根さんの看病が必要ですからね。

大阪人大阪人 2014/04/13 18:58 次回電王トーナメントには出場されるのでしょうか?
あれだけ叩かれて嫌気がさしてるかとは思いますが、今回のような突貫工事ではなく、「これが”伝説のプログラマー”のしょうぎそふとか!」と思えるようなソフトでぜひとも出場していただい。

aa 2014/04/13 19:42 電王戦、お疲れさまでした。
会見で目が虚ろに見えたのは本当だったんですね(汗

ゆっくりと休んでください。

観戦者n号観戦者n号 2014/04/13 19:43 お疲れ様でした!

七千夜叉七千夜叉 2014/04/13 20:09 やねうらおさんの「文章」のファンです。そういう人はあんまりいないと思うので告白しておきますw

たまねぎ坊やたまねぎ坊や 2014/04/13 20:30 やねさん、お疲れ様でした。
去年とはうって変わって、明るい集合会見で良かったです。
やねさんの会見は子どもたちの寝室の横でイヤホンを通して聞いていましたので、笑いを押しころすのに必死でした。まさに抱腹絶倒!でも根っからの正直者というのが、聞いている全員に伝わったと思いますよ。

ポナンザの不敗伝説は続いてますが、次の電王トーナメントでやねうら王2014が破ってくれるのを期待してます!次もポナンザが電王だとつまんないですからね(あっ、ポナンザはその前に世界選手権があるんでしたね。じゃあ二次予選から20戦近く対局するので全勝は無理ですね(笑))

namaenamae 2014/04/13 21:49 ブログ楽しく拝見しています。
電王トーナメントぜひ出てください。ポナ、ツツカナの上位を崩せるのは未知の強豪しかいないと思います。やねうら王2014に期待します。
あとコンピュータ将棋も一応「将棋」なので、強い人の発言は傾聴されると思います。ぜひ一位をとって第4回電王戦大将となって、たくさんインタビュー枠、ページ枠をもらって下さい。

やれやれやれやれ 2014/04/13 22:37 >佐藤紳哉先生、本当にありがとうございます。
その言葉を公式の場で発言して欲しかったなと思います。いっぱいいっぱいだったのは理解出来ましたがw

記者会見での言葉もやっと理解出来ましたが、あの場では「相手がプロでも香落ちで互角じゃね?」と誤解しちゃいそうです。
悪気がないのは十分わかりました。やねさんがプログラマとして素晴らしいこともわかりました。それだけに、人間関係のうじゃうじゃに巻き込まれない方がいいと思うのですが。

将棋ファン将棋ファン 2014/04/13 23:02 磯崎さんの将棋観、棋士観、電王戦観を一度まとめて書いておくといいですね。そうすれば誤解されることが少なくなるはずです。
あと森下九段と話し合ってみるのも面白いんじゃないかな(笑)。

低級者低級者 2014/04/13 23:35 お疲れ様です。
ハンデの話ですが、まだ時期尚早かと思います。
ですが会長も色々背負いながらもソフトの方が上だとはっきり認めざるを得なくなった時には
棋士側には挑戦者としてソフトにハンデマッチを挑んでほしいですね。
やねさんご提案の伝統的な駒落ちという案、森下さんの継ぎ版という案もありますが、
自分は複数人の合議制でやって欲しいなと思います。

ITOITO 2014/04/14 00:56 対局の件、お疲れの中答えていただいてありがとうございます。
まだ今は気持ちの面とか体力的な面で次を考えるのは難しいかもしれませんが、
ゆっくりお休みいただいて、気が向いたらコンピューター将棋のことも気にしていただけると嬉しいです。

一ファン一ファン 2014/04/14 11:43 磯崎様 お疲れ様です。
過日50万円を何か自己の営利以外で使うみたいな内容が書かれていたと思いますが、ひょっとしてプログラマーに話しかけた、将棋用独自探索プログラムのサイト開設・運用費用に使うのかなと邪推しております。
日本のプログラマーの腕はこんな物では無いと証明できるような探索エンジンの開発とソース公開(関係者向けで)に期待を寄せています。
違う目的で使うのかもしれませんが、今回磯崎様が残した事柄はきっと早ければ第二回電王トーナメント、遅くても数年後には実るのでは無いかと思います。
磯崎様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

やねうら王ファンやねうら王ファン 2014/04/15 01:10 電王戦お疲れ様でした
やねうら王の進化のスピードは凄まじいですね
最新バージョンならソフトの中でも最強ではないでしょうか
コンピュータ将棋選手権に出場されないのが残念でなりません

将棋ファン将棋ファン 2014/05/05 17:01 磯崎様
日々のソフト開発お疲れ様です。
最新のやねうら王が、以下のトップ棋士と第三回電王戦のルールにて対戦した場合の予想の勝敗を教えてください。

羽生善治 三冠(永世六冠資格保持者)
森内俊之 竜王名人(永世名人資格保持者)
渡辺明 二冠(初代永世竜王資格保持者)
佐藤康光 前王将(永世棋聖資格保持者)
郷田真隆 前棋王(NHK)

yaneuraoyaneurao 2014/05/05 21:20 ↑ いやー、新やねうら王も入玉は弱いですからねぇ…。一発勝負ならどちらが勝つかわかりませんが、何度かやると確実に見切られますね。(将棋倶楽部24でのbrown_ratさんとの対戦からすると)

mtmt 2014/05/08 00:09 Xデー。
あの棋士の対面に鎮座しているのは
やねうら王the monster version。
壁をぶち破ってください!

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2014-04-10 電王戦 第五局 Ponanzaの意外な弱点

[] 電王戦 第五局 Ponanzaの意外な弱点  電王戦 第五局 Ponanzaの意外な弱点を含むブックマーク  電王戦 第五局 Ponanzaの意外な弱点のブックマークコメント


※ この記事は電王戦 第五局が始まる3日前に書いている。


Ponanzaが他のどのソフトより一回り強いソフトであることには誰も異存はないだろう。

ノーパソ人間の強豪相手に166連勝とか凄すぎて言葉も出ない。


そんなPonanzaだが、開発者山本君自身が「銀ばさみ」を弱点として挙げている。


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https://twitter.com/kagami_tomo/status/452827971808534528


初めてこの話題を聞く将棋ファンにとっては「これだけ化け物級の将棋ソフトが銀ばさみなどと言う初歩的な手筋を食らうはずがない」と考えるだろうが、銀ばさみを食らいやすいというのは本当のことなのだ


ライト将棋ファンのために説明しておくが、銀はさみというのは次図のような形で銀が死んでいることを言う。


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歩がタダ取りできると思って銀で歩を取りに行ったときに、銀の前に歩を打たれて上図のような形となり、あえなく銀がご臨終となる。


実は、従来から将棋ソフトは銀ばさみを食らいやすかった。理由はいくつかあると思う。


・理由1 銀ばさみされた形は部分的はいい形である


例えば、Bonanza型の評価関数では3駒関係の評価をしているが、このなかで、銀ばさみの形はどう評価されるか。(いま2駒関係は問題ではないのでそれについては考えない)


Bonanzaの3駒関係」というとき、1枚は玉であり、残り2枚がここでは銀と歩なのだが、銀ばさみの形は部分的には、たいていはいい形として評価してしまう。


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例えば、歩の裏から香を打つような形は(香を打つ側にとって)いい形である。これは歩が合い駒できないからだ。


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同様に、銀ばさみの形も、次に歩の裏から歩を打てたりして(次図)部分的はいい形なのだろう。


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そもそも銀が出て銀ばさみに遭って銀が無条件でタダ取りされるような形での銀の進出はプロの実戦棋譜には出てこない。本当に無条件でタダ取りされるなら、プロはそんな進行は避けるからだ。銀が出るからにはそれ以上の代償があるときのみである。だからプロ棋譜から評価関数パラメーターを学習させたときに銀ばさみになっている形に対してなかなかマイナスの値がつかない。


同様に、棒銀などで攻めに行って敵陣の形を乱す代償に銀をタダ取りされてしまう指し手がソフトに多いのも実戦(プロ棋譜)には成功事例しかないからなのかなという気が少しする。


・理由2 銀ばさみした銀をとった形はすこぶる悪形である


次に、銀ばさみした銀を歩で取りきった形。これが銀を取った側から見てすこぶる悪形だということ。将棋には「位(くらい)を取ったら位の確保」という格言があるが、浮いている歩がいくつも並んでいるのはよくない形なのである。銀を取った側が瞬間的にすこぶる悪形なのでこれが形勢評価を誤らせる一因となる。


従来のソフトが銀ばさみに弱いのは、おそらく上記の2つの理由が大きいのではないかと思う。


しかし、Ponanzaが銀ばさみに遭いやすいのは、もう2つぐらい理由があると私は考えている。それというのも、いま開発中の新やねうら王も銀ばさみにやたらと遭うのだ。やねうら王の開発中のもの将棋倶楽部24に放流しているのだが、まだ200局すらしていないのにすでに3回も銀ばさみを食らっている。最初バグか何かだと思ったのだが違うようだ。そして、どうもその原因はPonanzaと根が同じものだと思う。それについて簡単に説明する。



・理由3 銀ばさみしたあと歩を打って銀を殺す手の形が悪すぎる


おそらく統計的に見て、歩を自陣に打つ手が好手である確率というのはあまり高くない。歩は本来ならば敵陣に使いたい。それを自陣に使うのは、他の指し手では悪くなるので辛抱をするときがほとんどである。そこで、自陣の歩は形としてそれほどプラスにはなっておらず、また、指し手のオーダリング(探索する順番を決めるための順序付け)をするときにも打ち歩は低い順序になりやすい。そのため、探索部で激しく枝刈りをしているタイプの将棋ソフト(※注1)では、これが枝刈りの対象になりやすい。このため、思考時間が短い設定だと、たかだか7手ぐらい先であっても見落としてしまうのだ。


※注1 「Ponanzaは(他のソフトに比べて前向き枝刈りで)刈りすぎ」というPonanza山本君の発言が2年ぐらい前にあったと思う。Ponanzaの枝刈りがかなりきつめに調整されているのは特徴的で、それゆえこういう指し手が枝刈り対象になっているのかと思う。(やねうら王も実は他のソフトよりは少しきつめに調整してあるつもりだが、あまりきつくすると読み抜けて弱くなるので、私にはこの調整が難しい。Ponanzaはこのへんを実にうまくやっているのだろうと思う。)


・理由4 銀ばさみにしたあと銀を殺すために歩を打つ地点に他の駒を運ぶ手は悪手である


やや専門的な話となる。理解できない人は読み飛ばしい欲しい。


ある局面で指し手のオーダリング(探索する順番を決めるための順序付け)をするときに「この升に駒を移動する指し手はいい指し手である可能性が高い」というように移動先の升ごとに点数をつけた表を用いる。それをhistoryテーブルと言う。激指が実現確率探索で指し手の実現確率を求めるためにやっていたようなことを、より小さい労力で行なうためのアイデアである


これは、探索中にいい指し手であったときにこのhistoryテーブルのその(指し手の移動先の)升に加点し、いい指し手でなかったときには減点する。そして指し手のオーダリングにこのhistoryテーブルに記載されているスコアを使うわけであるが、銀ばさみにした形は、歩を打って銀を殺す升に移動できる駒として、銀を殺す側から見て、普通は金のような支えとなる駒が背後にあるはずである


ところが、金をこの升に運ぶと金銀交換になるため、historyテーブル上は、この升へ駒を運ぶ(打つ)指し手は減点されているはずである。だから、この升に駒を打つ指し手の探索順序がかなり後回しになり、指し手オーダリングで後ろのほうの順番になっている指し手は枝刈りしてしまうので(前向き枝刈り)、ざくざく枝刈りしているタイプの探索ではどうしても読み抜けるのである


Bonanzaのhistoryテーブルは、駒の移動元の升(=81)と駒の移動先の升(=81)のペア(組み合わせ)なので、81×81のサイズ配列(≒表)が必要となる。(実際にはさらに移動させる駒の種類とか駒打ちであるかとかも考慮されてたと思うが話がややこしくなるのでここではそれは考えないものとする)


Bonanzaではこのように移動元を考慮に入れたhistoryテーブルなので上述の問題は起きないのだが、Stockfish型の探索など現代風の探索部では、historyテーブルは移動先の升しか考慮に入れないのが主流であるから(historyテーブルを小さく抑えてメモリ効率を良くするため)、移動先の升が同じである複数の指し手があり、そのなかの1つだけが良しでそれ以外はすべて悪いというような時にこの1つだけ良しの指し手を見落とす傾向がある。(ちょうど銀バサミからの打ち歩がこの条件に該当する)


また、駒打ちと駒打ちでないかでhistoryテーブルの使う場所別にすればこの問題は回避できるかも知れないが、たいていは駒打ちでも駒打ちでなくとも急所の升に駒を移動させる(駒を打つ)指し手は良い手であるから、そういうことをしてもhistoryテーブルのサイズが大きくなるわりには探索効率が落ちかねない。そもそも自陣に駒を打つ手はほとんどの場合、悪手であるから、historyテーブルをそういう風にわけても、打つことに関するhistoryテーブルのスコアはほとんどがマイナスになりかねない。結局はそういう指し手は枝刈り対象になりやすい。


から現代風の探索部においてはhistoryテーブルでは指し手の移動元や、指し手が駒打ちであるかなどは考慮しないのが普通だと思うのだが(※注2)、そうするとこのような問題があって、ちょうど銀ばさみに関してこの問題が露呈しやすい。


※注2 ちなみにコンピューター将棋開発者の用語で、指し手に関して駒の移動元をfrom、駒の移動先をtoと呼ぶ。Ponanza山本君と数年前に話したときに、「(Ponanzaでの)history?ああ、toしか見てません。Bonaはfromとかも見てますよね。」という言葉があった。このことから、4)はBonanzaには当てはまらず、Ponanzaには当てはまる特徴だと言えると思う。(最新のPonanzaがどうなってるのかまでは知らないが、ここをいまさら複雑化しているとは思いがたい) ちなみに、やねうら王もtoしか見てない。


・とは言うものの…


将棋の探索部はいろんな要因が複雑に絡みあっているので、本当に銀ばさみに遭いやすい理由が、上記の4つなのかどうか私は正直自信がないし、きちんと調べたわけでもない。「このへんが原因なのかな?」という私の推測にすぎない。以上の話は、開発者の間での議論のための叩き台にでもしてもらえればと思う。


あと、電王戦本番でPonanzaが銀ばさみに遭うかというと、思考時間が長ければさすがに5手か7手先ぐらいはほとんど枝刈りせずにきちんと調べるだろうから普通に回避できると思う。つまり、「将棋ソフトが銀ばさみに遭いやすい」というのは、「思考時間が短いときに」という但し書きがつく。


以上、電王戦本番でも他者を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけるであろうPonanzaにも意外な弱点があるんだよねという程度の記事でした。

電王戦本番でPonanzaが銀ばさみされるところが見れるのかと思った人、すみません


■ 関連記事


やねうらおさん、コンピュータ将棋の銀ばさみについて解説 「電王戦 第五局 Ponanzaの意外な弱点」(2ch名人)

http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-524.html

→ やねうら王が銀ばさみに遭った局面図とか、本記事に関するtwitterでの言及などがまとめられていて凄くわかりやすい。


Ponanza現在課題 (3) 銀ばさみの理解(ぶたろうノート)

http://emptywords.hatenadiary.jp/entry/2014/04/11/004046

→ 「電王ponanzaに勝てたらノートパソコンプレゼント挑戦者求む![ドスパラ大阪なんば店]」のときニコ生の放送の文字起こしPonanza山本君自身が、Ponanzaが銀ばさみされやすいということについて将棋ファン向けにわかりやすく語っている。

aa 2014/04/10 05:14 :%s/Bonanzaではさらに/Ponanzaではさらに/c

yaneuraoyaneurao 2014/04/10 05:28 ↑本文、その部分、わかりにくかったですね。読みやすいように少し本文を修正しました。

Ta(ryTa(ry 2014/04/10 09:16 そなんだ。

takashitakashi 2014/04/10 11:02 将棋ソフトは、このような明らかに不利になる局面の評価を特別に調整して悪手を避けるようにプログラムしないのかな?
歩と歩の間に銀が入る手は-500を加えるとか。

nanasinanasi 2014/04/10 12:43 伊藤電王も『私もだいぶ昔には、たとえば「銀ばさみの形をマイナス」などというのをいちいちプログラムしていたこともありますが、だいたいそういうのは非常に限られた局面しか効果がなく、勝率でいうとほとんど変わらないものです。』と語ってたけど、弱点狙ってくる人間相手の一発勝負とかだとやっぱりこういう個々の地道な調整が必要なのかも

がーすーがーすー 2014/04/10 19:28 今日の記事も非常に面白く興味深かったです。理由4がとくに。
from無視history利用による検索効率化の弱点が、駒打ちの無いチェスでは顕在しなかったが、駒打ちのある将棋では顕在化したとも言えるのでしょうね。実際に銀バサミにあわずとも、探索した先で局面評価に失敗しているケースも多々あるのでしょう。
探索の弱点と考えて探索面で対策するのか、評価関数の弱点と考えて評価関数面で対策するのか?
銀バサミだけについて対策するのか、(質的に共通点のある)他の弱点も含めて解消できるような対策を目指すのか?
いろいろなアプローチが考えられそうで、今後プログラマーの方々がどう対応されるのか、も楽しみです。
銀バサミを喰らいやすい理由に関する仮説の実証は困難だと思いますが、例えば、N4という4駒関係のソフトがあると聞きましたが、N4に「読みは浅いのに銀バサミを喰らいにくい」という特徴があれば、一つの傍証になるかもしれないと思いました。
それと、銀バサミを喰らいやすいということは、裏を返せば、銀を呼び込んで銀バサミを喰らわせる手筋を使うのも苦手ということなんでしょうか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/10 21:44 ↑ > それと、銀バサミを喰らいやすいということは、裏を返せば、銀を呼び込んで銀バサミを喰らわせる手筋を使うのも苦手ということなんでしょうか?

そうなりますね。ただ、そっちは銀ばさみにする局面自体を回避することになるだけなので大きな損害にはなりにくいのでそこが銀ばさみされる側とは非対称なんですよね…。

yaneuraoyaneurao 2014/04/10 22:10 何故か本記事がGIGAZINEで取り上げられていたのでメモ。

2014年4月10日のヘッドラインニュース(GIGAZINE)
http://gigazine.net/news/20140410-headline/

yaneuraoyaneurao 2014/04/11 00:33 ここのコメントで指摘があったので、3),4)はBonanzaに該当せず、Ponanzaには該当する根拠について、本文中に注記しときました。

なおこのコメントは24時間後に手動的に消滅する..

はっほーはっほー 2014/04/11 18:53 投稿とは関係ない質問ですいませんが、やねうら王を公開する予定はありますか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/11 20:14 ↑無償公開するか、スマフォ版にするか、ブラウザで遊べるものを作るか、二回りぐらい強くしてから商品化するか…など考え中なんです。

やれやれやれやれ 2014/04/12 01:37 ニコ生の書き起こしがあって良かったですね。33,4の根拠について、2年前の発言に基づいているのでツッコもうかと思ってましたがwww

観戦者n号観戦者n号 2014/04/12 18:58 非常に興味深いエントリでした。
極論を言えば、今のCOMは「ミスをしない人間以上にはなれない」もしくは「開発者の意図した以上にはなれない」のですね。

123123 2014/04/13 00:22 電王戦お疲れ様でした。記者会見もお疲れ様でした。
爆裂トーク面白かったです。竹内さんの苦笑い込みで(笑)
MVP磯崎さんに投票しましたが、、、まあ、あの結果はしょうがないですね。
また以前の様な笑顔の磯崎さん見られる日を楽しみにしております。
もちろん来年も出られますよね?
やねうら王の商品化、アルパカのように首を長くしてお待ちしております。

aa 2014/04/13 00:26 銀ばさみの弱点は現代風の評価関数と枝刈りチューニングにある原理的問題が浮き彫りになったものなんですね。

エントリと多少内容は変わりますが、やね裏学習メソッドIIでは思考時間を増やして得たより良い結果を記録していますよね?人間の学習過程と比較してみると、感想戦等で局面を検討してより良い指し手を発見しそれがゆくゆくは定跡につながっていくことと対応しているのだと思います。

一方で、人間の場合、特に成長段階では定跡や検討結果の記憶だけではなく同時に大局観(≒評価関数)も洗練されていきます。現在、評価関数のパラメータは棋士の棋譜から学習していますが、ソフトの質が棋士に近づいた現在、ソフトの棋譜もその対象に出来ると思いますがいかがですか?(色々工夫の余地がありそうですが、例えば評価値が大きく変動した前後n手の局後検討結果抽出など。)

そうすれば自動対戦(24でもfloodgateでも)で継続的に進化させられますし、ソフト個別の弱点にも対応できるかもしれません。

もちろん、現状の評価関数のパラメータ規模では学習が飽和してしまう恐れが強いですし、重量化はnps低下による棋力低下のジレンマを抱えていますから簡単ではないですが、人を模倣するならば自然な方向性に思えます。

cscs 2014/04/13 02:19 記者会見お疲れ様です。
磯崎さんの話していた内容の結論は「今のルールだと良い勝負にならないので、棋士側によりハンデをあげるべき」ということなんでしょうか?
まあ、そうしないと勝負にならない時代にすぐにでもなりそうですが、正直見ていてヒヤヒヤしましたw

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2014-04-06 電王戦 第四局 ツツカナ戦について思うこと

[] 電王戦 第四局 ツツカナ戦について思うこと  電王戦 第四局 ツツカナ戦について思うことを含むブックマーク  電王戦 第四局 ツツカナ戦について思うことのブックマークコメント


第四局は、将棋の内容的にも非常に素晴らしい戦いだった。両者の力が存分に発揮された白熱した戦いだった。矢倉の達人、森下卓先生矢倉で勝つ。棋譜だけ見ればツツカナ側が森下先生ではないかと思ってしまうほどだ。


森下先生は事前対局はそれほどされていなかったようなのだが、ツツカナ比較的事前研究されると弱点が見つかりやすいのではないかと私は思う。ちょっと、私の考えの道筋だけ書いておく。


今回のような貸し出しアリのルール場合ファミコンゲーム攻略のようにしてプロ棋士側が勝率を最大化しようと思ったときに、コンピューター同士対戦させるという方策がまず考えられる。どうせなら、本番と同じ持ち時間で対戦相手のソフトを一番強いソフトと対戦させておくほうがなお良い。これを最初に言い出したのはプロ棋士西尾明六段だと思うので、ここではこれを西尾戦略と呼ぶことにする。


f:id:yaneurao:20140406221605p:image

https://twitter.com/nishio1979/status/447558853253529600


f:id:yaneurao:20140406221606p:image

https://twitter.com/nishio1979/status/447561125853290496


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https://twitter.com/nishio1979/status/447573579261943808


ところが、よく考えると、序盤でコンピューター側の指し手がバラけると研究対象局面が増えて損である。そこで、西尾戦略の前に、まずコンピューター側の定跡がどこまで入力されているのがその樹形図(初手からの定跡木)を作成したほうが効率が良い。


ソフトによってはある局面での定跡の指し手は1手しか入っていないことも多々あるし、今回のような貸し出しルールのもとでは、不利と結論の出ている局面まで進んでしまうことを開発者としては恐れるので、定跡を早めに打ち切っていることがある。だとすれば、先手側が人間であれば、樹形図を使えばソフト側の定跡を抜けた局面を数局面限定することは十分可能である


それらの局面研究対象として研究するほうがはるか効率が良い。そこで、それらの局面から強いソフトと本番の持ち時間で対戦させてみるという西尾戦略を採ることを考える。実際には西尾戦略樹形図作成を交互に繰り返しながら、研究対象局面の深さ(初手からの手数)をどんどん深くしていくと良い。


そうしたときに、ソフト側の指し手がバラけるソフトとバラけないソフトとがある。指し手がバラけるように調整しようと思うと、きつく乱数を入れないといけないので弱体化してしまう。ソフト人間よりはるかに棋力的に上回っているなら、R50〜R100ぐらい弱くなっても誤差かも知れないが、まだそういう状況でもない。局後学習は、弱体化させずにランダム性を入れるという意味では面白いアプローチだが、本当にこれで事前研究回避できるかは定かではないし、比較的実装が面倒なので私以外の開発者が進んでこれを導入するとはあまり思えない。


また、乱数調整をしていない場合、長い思考時間において指し手がどの程度バラけるのかという部分はあまり知られていない。一般的に言って思考時間が長いと、指し手は特定の指し手に収束する傾向がある。(例えば、終盤で羽生先生激指の指し手一致率が90%を超えることがある) これは、思考時間が長いと棋力が高い人の指し手に近づき、そして、棋力が高い人にとってはそんなに指し手の自由度がないということなのだろう。


やねうら王の場合、同じ思考時間(例えば1手1分ぐらいの長さ)であれば、5〜10手に1手ぐらいしか指し手が変化しない。たぶん他のソフトも似た状況だろう。それでもこのときの指し手のバラけかたはソフトによって個体差がある。それが評価関数の差なのか探索手法の差なのかはよくわからないが、さまざまな要因で個体差がある。もしかするとツツカナ比較的指し手がバラけにくい部類に属するのではないかと私は思う。


と言うのもやねうら王のほうは序盤で自ら局後学習で定跡を作っているので、他のソフトと対戦されると意図せず相手ソフトにとって定跡外しのような進行になる。そのときに相手の指し手がどの程度バラけるかという尺度で見たときに、ツツカナはどうも同じパターンにハマりやすい気がする。今年の2月下旬にやねうら王をfloodgateに流していたときツツカナと5回当たったのだがいずれも似た進行となり、5回とも勝たせてもらった。(だからこういう進行ばかりになるならfloodgateのレーティングを見てどっちが強いとか言ってもあまり意味のないことである。このへん、他の開発者にもいい加減わかってもらいたい。)


ツツカナが今回の電王戦版でどんな乱数調整がされているのか詳しくは知らないが、あまりきつい乱数を入れていないなら、もしかしたらまずいのではないかと私は思っていた。もちろん、西尾先生がおっしゃっているように人間側は「(そこまでやって)作戦勝ち或いは少し優勢な局面を作れるかなという程度」だと思うので、プロ側が事前に時間を大量に費やして、こういうのを狙ってやるほどの価値はないのかも知れない。


また、私が考える究極のアンチ将棋ソフト戦略は、

1. 研究対象局面限定する(初手から樹形図を書いて、研究対象局面を絞っていく)

2. 入玉狙いにする(まだソフト入玉は大変弱いので)

3. ソフトの評価値おかし局面に誘導する(棋譜から学習は実戦例が少ない局面が苦手)

という3つだが、これらを同時に満たすのが故米長邦雄先生が対ボンクラーズ戦で見せた後手6二玉なのである。あれこそがアンチ将棋ソフト戦略極北だった。米長先生戦略は、2年前にしていまよりさらに3年ぐらい先を行っていた。トータルで5年ぐらい先を行っていたことになる。


それと言うのも、米長邦雄先生将棋倶楽部24でのレーティングはおそらく(いまの将棋倶楽部24換算で)R2800前後米長先生引退されてから長かったのでトッププロ比較するとR300〜400程度の差はあったと思われる。一方、ボンクラーズのRは(米長先生と対局時のPC構成において)R3200前後だと思うので、10回やって2回勝てるかどうかぐらいの差があったのだろう。それくらいの差において勝率を最大化しようと思うと、もはやアンチ将棋ソフト戦略以外に他ないと米長先生は判断されたのだろう。


今回の電王戦では出場ソフトプロ棋士の棋力はそこまで大きく乖離していないので、プロ側も米長先生のような戦い方をすることもないのだろうが、もっと大差になってくるとそういう戦いが現れるのかも知れない。


さて、少し話を戻して、初手から樹形図についてもう少し考えてみる。


連珠では、初手は天元(中央の星)に打ち、2手目は天元から1目離れた場所、3手目は天元から2目以内の離れた場所に置かなければならない。このため、3手目までが対称形を除くと26通りあり、これらを珠型(しゅけい)と呼ぶ。


将棋でも、今回の電王戦のような貸し出しルールのもとで序盤に対して樹形図が得られている場合人間側は好きな(自分の得意な)珠型(開始局面)を選択することが出来る。


そこで、樹形図自動生成するソフトなんてのも作ろうと思えば作れるわけだ。対戦相手のソフトと、一番強いソフトとを自動対戦させて樹形図作成する。「この3つの局面のいずれかに進行する確率(80%,10%,10%)、この4つの局面のいずれかに進行する確率(60%,20%,10%,10%)で、前者と後者とどちらを選択するか」なんてのを人間が選び、一番自信のある進行で戦う。


まあ、「自信のある進行」とは言っても局面的にはほとんどの場合ソフト側によほどの穴がない限りは形勢的にはほぼ互角であるだろうから、そこから勝ちきるのは実力である。また、ソフト開発側としては、こういう形の事前研究で欠陥が露呈しないように対策しないといけない。お互いに苦労が絶えない。誰得な感じもする。

り 2014/04/06 22:38 対コンピュータ戦の人間側が取るべき戦略は
攻撃7/防御3くらいの攻撃に特化した差し回しでしょうね。

redboltzredboltz 2014/04/06 23:00 > 連珠では、初手が天元(中央の星)に打ち、
> 2手目は天元から1目離れた場所、
> 3手目は天元から2目離れた場所に置かなければならない。

連珠の3手目に関してですが、花月、雨月、松月、丘月、雲月、浦月、銀月、斜月は天元から1目離れたところかと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E7%8F%A0

kanokekanoke 2014/04/06 23:17 電王戦では「一時の勝利よりも普遍的な棋力アップを考える開発者」と「長い伝統とプロスポーツとしての矜持をもつ棋士」が主役ですので、このように「ルール内で勝率の最大化を狙う」という方向にはなかなか進まない気がしますね。
開発者にとっても棋士にとっても、ルール攻略で電王戦に勝っても得るものが少なすぎますから。
どちらかというと、Ponanzaに勝てたら100万円企画の方がそれに近くなりそうな気がします。
100万円企画の方をもっと整備して、各自宅で再現性がとれるルールとより高い賞金提供があれば(プログラマ的には)盛り上がる気がするなー。(興行的には)いまいち盛り上がらないでしょうけど。

aa 2014/04/06 23:20 確かに今回の電王戦を観戦していても、事前研究はただ漫然とやればよいというものではないことが良く分かりますね。本番と同じ設定だと時間と体力が必要なので序・中盤だけとか、時間をより短く設定してとか…前者では終盤のソフトの粘りに対応不足だし、後者ではそもそも指し手の質が違うことになる…数千局を分析するのも容易ではない。

YSSは序・中盤に時間をかけなかったことと、おっしゃる指してのバラツキが少ないことにより、研究がしやすかった面があるかもしれないですね。

米長先生は先見性がありましたね。電王戦の興行も…

yaneuraoyaneurao 2014/04/06 23:39 ↑*3 「2目“以内”の離れた場所」と書こうとして“以内”が脱字してました。本文、修正しました。ご指摘感謝します。
↑*2 100万円企画は、ソフトが強すぎて電王戦が成立しないぐらいの時代が来たら、詰将棋解答選手権のようにプロも参加可能にしたものを見てみたいですね。
↑*1 米長先生の先見性はもっともっと評価されていいように思うんですけどね。

観戦者n号観戦者n号 2014/04/06 23:42 貢献の割に見返りが少ないみたいですね。棋士にとっても開発者にとっても。
個別の対局勝利賞金と、チーム戦勝利賞金を設ければ、少しは緩和されるのかな…。

abcabc 2014/04/06 23:47 局後学習有りのやねうら王と無しのやねうら王を延々と自己対戦させると勝率はどの程度開いていくと思われますか?

yaneuraoyaneurao 2014/04/06 23:58 ↑*1
20手目ぐらいまで局後学習させただけで短い持ち時間(1局5分設定)では自己対戦勝率は55〜60%ぐらいになりますね。40手目ぐらいまでやれば(変化も膨大なのですべての変化を網羅するのに何年もかかるかも知れませんが…)80%ぐらいいくのではないでしょうか。

abcabc 2014/04/07 01:50 なるほど、20手まででも結構変わるんですね。80%というと柔道や相撲で組み手、体勢が十分な状態から試合開始、というようなイメージですね。
一般的にバージョンアップなどで自己対戦させる場合、先手勝率、後手勝率は同じように上がるものなんでしょうか?
持ち時間が長い場合やソフトの棋力が上がっていくほど、先手勝率は上がるけど、後手勝率は頭打ち、みたいな傾向はないのかな?と。

yaneuraoyaneurao 2014/04/07 02:01
> なるほど、20手まででも結構変わるんですね。

定跡のない側は初手から定跡外れるので、短時間で10手分自分で考えて悪手なしに指さないといけないですが、局後学習定跡のある側はすごく時間を使って考えた最強の1手をノータイム(計測上1秒)で指せるので20手目の局面で+200ぐらいの差が出てるときがあります。ただ、持ち時間の長い将棋ですと、定跡のない側もそこまで悪い手を指さないでしょうし、ほぼ互角(勝率で言うと数%下がる程度)なのだと思います。

> 一般的にバージョンアップなどで自己対戦させる場合、先手勝率、後手勝率は同じように上がるものなんでしょうか?

これは私は提示できるデータを持ちあわせてないです。戦型選択によってもずいぶん変わってきますし、仮に思考時間を増やしたときに後手のほうは1%か2%ぐらい勝率が下がるとしても、それを統計的に示すには1000局ぐらいはやらないといけないかと思うのですが、長い持ち時間でそれだけこなすのはなかなか大変で…。

匿名匿名 2014/04/07 12:37 >もっと大差になってくると

純粋にソフトが進化して、もっと大差になってくることってあるんでしょうか?まだ見えていない何かのブレークスルーが無ければ、結構、頭打ちなんですよね?

やまやま 2014/04/07 13:34 誰得ってのが全てを表していますね。

そして対comと対人の違いを埋めようとすればするほど(ルールを平等にしようとすればするほど)興行としての魅力が薄れていくような気がしますね。

kawanomizugokugokukawanomizugokugoku 2014/04/07 15:11 やねうら王はアンチソフトソフトとして最強になるわけですねわかります。

yaneuraoyaneurao 2014/04/07 15:20 ↑*3 それが…既存の技術の組み合わせだけでまだまだ伸びそうなんです…。
↑*1 「アンチコンピューター将棋戦略」にも対策した「アンチアンチコンピューター将棋ソフト」になりたいですね。

aa 2014/04/07 21:36 初歩的な質問ですみません
COM相手に囲わせないことによって
評価関数上有利に進行するなんてことはできるのでしょうか

mnmmnm 2014/04/08 00:14 誰かプロさんが狂った様に研究して、入玉定石なるものを完成させられたら、一旦ソフトの脅威から解放されるのに。無理か。。無理なのか。。

亜亜亜亜亜亜 2014/04/08 02:16 やねうらさんは「事前貸し出しのルールは、プロ棋士側に負担をかける悪いルール」と述べているにも関わらず、アンチ将棋ソフト戦略を詳細に考えているところが面白いですね。
ただ、そういうルールになってしまった以上は、プロ棋士と開発者の双方の視点に立って、考察しているところが、やねうらさんらしくて素晴らしいです。

将棋連盟は次回の電王戦対策のために、電気代を軽く支払えるくらいのギャラを支払って、やねうらさんを雇うべきだと思いますw
ただ、次回の電王戦トーナメントでは、やねうら王が優勝して、出場者になると予想されますから、それは無理かもしれません。(と発破をかけておく)

樹形図を自動生成するソフトは、実際に作って、仮にやねうら王が市販化されたのなら、セットで売り出せば、バカ売れするかも?
樹形図作成機能は、プロ棋士の人間同士の対局でも役立つのではないでしょうか。
あるいは、自分のネット将棋の棋譜を全部取り込んで、樹形図にしてくれれば、アマにとっても序盤研究の武器になりそうです。

>指し手がバラけるように調整しようと思うと、きつく乱数を入れないといけないので弱体化してしまう。

現在のソフトの評価関数の実力ですと、序盤はプラマイ200点ぐらいは誤差の範囲に思えます。
その範囲内での乱数による指し手の選択なら、そんな弱体化はしないのではないでしょうか?
ただ、中終盤だとそれではいけないので、どこで切り替えるかという問題はあるのかもしれませんが。

あと、乱数による弱体化は理論上の話なのか、実際に乱数をきつくしていった時に、棋力が落ちていく対戦データがあるのかを知りたいです。

かーかー 2014/04/08 09:27 やねうらさんの局後学習凄いですよね。
試合を中断する前に、プロセスキルしちゃうとか、対局前にコピーして元のと差し替えられてしまうと成長しないのですか?
貸出期間の研究の際にそうされたら振りだなって。

yaneuraoyaneurao 2014/04/08 09:33 ↑*4 狙って相手を穴熊に組ませない的なことですかね。今回電王戦に出場したやねうら王2013の場合、電王戦第二局のような進行になると居飛車穴熊相手に美濃囲いにしてしまう癖のようなものがありますね。ソフトによってはああいう形で序盤で作戦勝ちすることは十分に可能でしょうね。

↑*2 序盤だけ乱数性を入れるというのはいいアイデアですね。あと、R200も落としてよければ相当に指し手にランダム性を持たせることは出来ると思いますが(今回のPonanzaでR50程度のダウンらしい)、まだ将棋ソフトはその200が問題にならないほど突き抜けた強さではないので…どうなんでしょう。

> あと、乱数による弱体化は理論上の話なのか、実際に乱数をきつくしていった時に、棋力が落ちていく対戦データがあるのかを知りたいです。

評価関数のパラメーターにこれくらいの乱数を加えれば、これくらい自己対戦の勝率が落ちるというデータであれば以前調べたことがあります。勝率が落ちるので棋力が落ちているのは間違いなのですが、指し手がどれくらいバラけているのかの統計は取ってないので(その統計をとるのが手作業になるのは辛いので、何らかのアシストツールが必要だと感じます)、よくわかりませんが。このへんは今後も必要そうであれば開発します。

↑*1 対局中に遭遇した局面をsfen形式で書きだしているのでプロセスのkillに対しては安全です。もちろん、別のPCにコピーしておいてそちらで練習対局するだとかされるとどうしようもありませんが、そのへんは運用上の問題なので…。

り 2014/04/08 22:32 乱数乱数言ってますけど、例えば評価関数のパラメータを正規分布ぽくばらけさしたり、評価関数のパラメータを1/2の確立で「1割増/1割減」させたりとか、局面の評価値を計算した所でその評価値を1/2の確立で「1割増/1割減」したりとか、方法はいろいろあると思います。どういう方法が一番いいと思いますでしょうか。

yaneuraoyaneurao 2014/04/09 17:00 ↑それは論文級の話になってしまうのでは…。どういう乱数の加え方があまり弱体化させずに指し手をばらけさせることが出来るかというのは、合議でも重要になってくるのでそこそこ意味のある議論であると思いますし。

名無し名無し 2014/04/10 21:34 電王戦はプロ棋士側orコンピュータ側のどちらかに勝って欲しいと思って見ているわけではなく、ただ単純に熱戦が見たいと思って観戦しています。
電王戦には異種格闘技戦のような面があり、そういった戦いにおけるルールというのは、ある意味では対戦者の実力以上に勝敗に大きく影響すると思うのですが、
前回と比べてプロ棋士側に有利な条件でもコンピュータ側が勝ち越したことで、今後の電王戦のルールはどうなるのか(熱戦になるのか)不安に思っています。

第4局の対局後の会見や下記の動画で、森下先生が「人間側が盤駒を使用したらどうか?」ということを仰っていますが、これについてやねうらおさんはどう思われますか?

  【棋士・森下卓九段】が対コンピュータ戦について語っていた ‐ ニコニコ動画:GINZA
  http://www.nicovideo.jp/watch/sm23229879

また、動画の中で「3日に1手を指す、1年かけての将棋」という話をされており、電王戦のスピンオフ企画としては面白いのではないかと思ったのですが、
ルール以外の点でも、こうしたら面白いんじゃないか?というような考えなどあったらお聞かせください。

yaneuraoyaneurao 2014/04/10 21:58 ↑ > 森下先生が「人間側が盤駒を使用したらどうか?」

長時間なら人間側は盤駒+メモ用紙があれば、さらに強くなると思いますよ。どれくらい強くなるのかはわかりませんが、私は盤駒+メモ用紙ありで戦う森下先生も見てみたいです!

> ルール以外の点でも、こうしたら面白いんじゃないか?

プロ相手にソフト側が駒落ちできるほどいまのソフトは強くないでしょうから、チェスのハンディみたく、初期局面での後手2手待ち(王をとる手は不可)とかあってもいいとは思うのですが。そうすると76歩〜33角成〜88馬のあと同角成、同銀までが定跡化されるのかな…。後手3手待ちで、かつ、その3手は先手は駒を1〜5段目には運べないとかそういうハンディでもいいと思いますし。このへんは駒落ちにせずとも、いろいろハンディのつけかたがあると思いますよ。

亜亜亜亜亜亜 2014/04/11 04:17 >>現在のソフトの評価関数の実力ですと、序盤はプラマイ200点ぐらいは誤差の範囲に思えます。
>あと、R200も落としてよければ相当に指し手にランダム性を持たせることは出来ると思いますが

今、読み返してみると、間違って伝わっている気がw
評価値+200〜−200の間という意味だったのですが、R200と伝わってしまったような・・・。

単純に候補手の選択に乱数を使えばいいと思ったのですが、評価関数のパラメーターに乱数を加えているのですね。
その方法ですと、確かに指し手がどれくらいバラけるのかが不明ですが、序盤に限定すれば、前者の方法でダメなんでしょうか?
中盤でも、例えば最前手+300、次善手+280の場合、前者を選ぶ必然性はなく、最善手の評価値の90%程度の値までに複数の候補手があれば、ランダムでいい気がします。

yaneuraoyaneurao 2014/04/11 09:06 ↑ > その方法ですと、確かに指し手がどれくらいバラけるのかが不明ですが、序盤に限定すれば、前者の方法でダメなんでしょうか?

通常のαβ探索では、その局面のベストな指し手(最善手)は求まるのですが2番目にベストな指し手(次善手)は求まらないのです。(ベストな指し手のスコアを超えないとわかった時点で枝刈りして帰ってくることによって探索効率を高めるのがαβ探索の特徴なので..)

ゆえに、評価値のスコア差がこれくらいの範囲に収まる他の指し手を選ぶということは、通常のαβ探索では出来ないのです。

接待ひよこ将棋では、探索開始局面でそれぞれの指し手で1手進めてからαβ探索することによって、探索開始局面でのそれぞれの指し手のスコアを求めているのですが、それだと探索効率はすこぶる悪くなります。(枝刈り性能が悪くなるので、たぶん数倍余計に時間がかかります)

やねうら王の局後学習で複数の候補手を挙げるときに用いているMultiPVという機能も基本的には、これと同じ考え方です。探索効率はかなり悪くなります。

そんなわけでして、互角のプレイヤー相手にその局面の次善手を求めることは、良くないアイデアなのです。次善手を求めても良いのは、もっと実力差があるときの手加減目的であるだとか、局後など時間がかかっても良い時に限られます。

亜亜亜亜亜亜 2014/04/11 16:57 なるほど、αカットの段階で、その候補手は同じ階層の仮の最善手の評価値を超えられないので、相手の指し手が枝刈りされて、その候補手の評価値がどこまで下がるのか分からないわけですね。
だから、最善手以外の評価値が分からず、次善手を求めることができないわけですね。

てっきり、市販の激指や東大将棋の検討モードで、候補手が表示されるので、求まると勘違いしていました。
あれは、候補手の数を限定して、探索効率を犠牲にすることで可能となるんですね。
勉強になりました。

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