インターネットビジネス

自分の信ずるところに自分の生き血を託



先日、知り合いの朝日新聞の古参の記者と飲んできた。


朝日新聞はインターネット上でもニュースを流している。アサヒ・コム(http://www.asahi.com/)がそれだ。以前、音楽家坂本龍一氏がある雑誌のインタビューで「インターネットでニュースをブロードキャストすると、誰も新聞を読まなくなる。それと同じように音楽家もインターネットで音楽を配信すると誰もCDを買わなくなる。新聞とかCDとかそういうところからお金を取るビジネスモデルは今後変わっていくのではないか」と言っていた。(詳細うろ覚え)


当時、私もそんなことを漠然と思った。いや当時、誰しもがそう考えていたに違いない。インターネットが普及して、誰も新聞を読まなくなって..と。しかし、いまだ新聞は無くならない。音楽CDもなくならない。無くなるどころか、音楽CDは市場規模を拡大し続け、ミリオンセラーも珍しくない状況となった。


帰りの電車のなかで若い男が彼女らしき人物にこう言っていた。


「ブロードバンドが普及すれば、テレビ番組もニュースもすべてインターネット配信になっていくんだ。携帯は進化して、すぐにPS2並の性能になるよ。そして携帯の全機種にGPSが搭載され、電話をかけた相手の居所がたちどころに地図で映し出されるようになるから待ち合わせのときに困らないだろうし」


よほどイマジネーションが貧弱でない限りは誰もがそういうことを考える。しかし、その正確な時期を言い当てられる人は数少ない。そして、その自分の予測した結果に対して自分の財産や生活を賭けられる人はもっと少ない。私は経営者だから、自分の言葉を信じ、そこにお金や生活を賭けなければならない。今日もまたお金になる言葉を一語一語紡ぎ出さなければならない。そういった責任を負わなくていい若い男の自由奔放な態度がやけに羨ましく思えた。